2005/12/23

Theピーズ@liquidroom ebisu(12/4)

 新作「赤羽39」が素晴らしすぎたので、ツアー初日@千葉LOOKに続いて東京公演@恵比寿リキッドにも行ってきました。2デイズのうちの2日目。さすがに2公演は厳しいなーと思ったもので、1公演のみ。許せ。

 さてさて。初日が新作収録曲の全披露というスペシャルな内容だったのと違い、今回はさすがに通常のプログラムだったようです。それでも新作を引っ提げたツアーってことで、「赤羽39」からの曲が多めでしたけど。

 全29曲、時間にして2時間20分。改めてセットリスト見ると、本当にバランス良いよな。頭2曲で "脳ミソ"、"生きのばし" というパワーソングを持ってきて一気に沸点へ。なのにニューアルバムの曲になってもテンションは全く落ちない。それだけ「赤羽39」が充実してるってことでしょう。いや、復活後の「Theピーズ」から、ホントにいい感じで活動続いてるし、アルバムもハズレなし。ライヴに関してもハズレって思うものにまだ当たったことないし。MCの加減もこれくらいで丁度いいよ。正直5月のワンマンは喋りすぎ、長過ぎた(笑)。

 この日は久し振りの "ニューマシン" や "どっかにいこー" の他に、"気ばらしのバット" なんて曲も聴けて大満足。千葉ではやってなかった往年のナンバーも多く、ホントに文句なし。このライヴの数日後にはるが40才の誕生日を迎えてしまうということで「ライヴでやるのはこれが最後か?」という前振りで始まった "40" 含め、何も言うことなし。

 当日、はるのMC中に俺の前にいたガキがいきがって「はるぅ〜、死ぬなよ〜」と酔っぱらって叫んでたけど‥‥過去の曲はともかく、ここ数作の曲を聴いて、そして歌詞を読んで‥‥無様でも前進しよう、生き恥晒しながら日々進もうってこと、感じ取れないのかね? 面白がって言っただけかもしんないけど、ちとカチンときた。っつーか気分悪くなった。

 こんだけの曲をコンスタントに生み出して、こんだけのライヴを常にやって、それでもまだ言うかね。ホントどうかと思うよ。

 とまぁ俺の愚痴はこの辺にして‥‥今回のツアー、まだまだ来年まで続きます。年末のイベント関係にもポツポツ出るようですし、観る機会があったら是非無理してでも観てください。ま、俺が言うまでもないか。

 あー今回も特に書くことなかったなー。もうピーズのレポートはやらなくてもいいかー。別にあら探しする気にもならないし。いつも気持ちよく踊って酔っぱらって終始笑顔でいられるからなー。


  [SETLIST]
  01. 脳ミソ
  02. 生きのばし
  03. リサイクリン
  04. 東の窓
  05. ニューマシン
  06. シニタイヤツハシネ
  07. 生きてれば
  08. どっかにいこー
  09. 体にやさしいパンク
  10. ヒッピー
  11. ゴーラン
  12. 実験4号
  13. ギア
  14. 40
  15. 気ばらしのバット
  16. 赤羽ドリーミン
  17. Telしてこい
  18. クリスマス
  19. ドロ舟
  20. 焼めし
  21. 喰えそーもねー
  22. ノロマが走っていく
  23. とどめをハデにくれ
  24. 眠る前に一発
  ---encore1---
  25. サマー記念日
  26. 何様ランド
  ---encore2---
  27. デブジャージ
  28. Yeah
  29. グライダー



▼Theピーズ「赤羽39」(amazon

投稿: 2005 12 23 01:46 午前 [2005年のライブ, ピーズ, The] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005/11/26

Theピーズ@千葉LOOK(11/13)

 Theピーズ復活後3作目となる「赤羽39」は、とにかく名盤以外の何ものでもないわけでして、そんな素晴らしいアルバムを引っ提げたツアーに行かないわけないし、しかもその初日が地元・千葉だったら絶対に行くでしょ普通? てなわけで、千葉LOOKという非常に狭い会場でピーズを観てきましたよ。

 過去、LOOKで観る機会は何度かあったんですが、その都度都合が悪くなったりで行けなかったんですよね、チケット持っていながら。だから今回は、そのリベンジの意味も込められてるんですが‥‥このキャパでワンマンかぁ‥‥実は今回のツアー、東京でも観ること決めてたので、初日は後ろの方でじっくり観よう(聴こう)と最初から心に決めてて。今回のツアー、どういう風に攻めてくるのか興味深かったしね。

 いきなり新作から3連発で思わずオーッと唸っちゃう程、バンドの状態はなかなか。はるは相変わらず酔っているようでしたが(それプラス、歌詞飛ばしがハンパなく酷かった。。)、初日にしてはまずまずだったのでは。そりゃまぁ、ツアーに出る前にもポツポツとイベントとかにも出てたしね。ずっと休んで久し振りに集まってツアー、ってタイプのバンドでもないしな、ピーズは。

 途中のMCで発覚したんだけど、この日のライヴは新作から全曲演奏する、千葉限定スペシャルだ、みたいなことを言い出して。おーっ、そんなレアで素敵なライヴに立ち会えるなんて。その分、古い曲が少ないからそれは他の公演に足を運んでくれ、特に名古屋がいいみたいよ(一番チケットが売れてないらしい。。)、なんていうお茶目なMCもありつつ、それでも古い曲は俺のツボ突きまくり。ライヴでは初めて聴いた "赤羽ドリーミン" や "今度はオレらの番さ" 等、良かったなぁ‥‥(かなりうっとり気味)

 つうかさ‥‥本当クドイくらいに書くけど、今更ピーズのライヴに対して「ここが良かった」とか「ここがこうで〜」って論点で語るのは、無意味なんじゃないかという気がしましてね。だってさ、これだけ何度も観て、いつも平均以上の素晴らしさで(そりゃ多少ムラはあるけど)、観終わった毎回満足できるライヴなんだもん。いい加減書くことなくなりますよ? 頭悪そうに「ヤッベー、最高だぜ!」なんて書くことは簡単だけどね。かといって、歌詞云々が‥‥ってのはライヴに関してはこと無意味だし。もういいじゃん、「今日も最高でした!」で(やっぱり頭悪い方向なのか。。)。

 初日ってのと新作から全曲披露ってことで多少ガチガチだったのか、ここ最近のライヴにしてはMC少なめ・短めでした。そのせいか、アンコール1回目が終わった時点で2時間経ってなかったという‥‥珍しい。客出しの音楽が流れ出し、客電も着いて帰宅モードだったところに、最後の最後におまけの "やりっぱなしでサイナラだBye Bye" が始まった時には、ちょっと興奮したけど。いや、だって俺、もう帰ろうとして外に出て歩いてたからね。歓声が聞こえてきて足を止めて、演奏が聞こえた瞬間にバックして走り出したから! 何だよ、やるならやるって言ってよ!

 というわけで‥‥この辺で止めておきますか? 後は‥‥12月頭の東京公演まで取っておきましょう。ま、かといって次回も最終的には「今日も最高でした!」で終わるかと思われますが‥‥


   [SETLIST]
   01. 焼めし
   02. 体にやさしいパンク
   03. 40
   04. ゴーラン
   05. 東の窓
   06. リサイクリン
   07. 赤羽ドリーミン
   08. 風の夜
   09. 今度はオレらの番さ
   10. ドロ舟
   11. ミサイル畑で雇われて
   12. グッタリしたいぜ
   13. ひとりくらいは
   14. 実験4号
   15. ギア
   16. クリスマス
   17. 喰えそーもねー
   18. 耳鳴り
   19. とどめをハデにくれ
   20. 生きてれば
   21. 生きのばし
   22. 脳ミソ
   23. ノロマが走って行く
   24. グライダー
   --ENCORE1--
   25. サマー記念日
   26. 何様ランド
   --EOCORE2--
   27. やりっぱなしでサイナラだBye Bye



▼Theピーズ「赤羽39」(amazon

投稿: 2005 11 26 12:30 午前 [2005年のライブ, ピーズ, The] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005/06/11

Theピーズ@SHIBUYA-AX(5/29)

 もう2週間も前になっちゃうんだけど、久し振りにTheピーズのワンマン・ライヴを観てきました。気づけば2年振りですか、ワンマン観たのは? アルバム「Theピーズ」リリース後だから‥‥そうだね、あれ以来だわ。その後もいろいろチャンスがあったんだけど‥‥特に去年は1月のクラブチッタ、5月の野音とチケットを持っていたにも関わらず、両方共不慮の事故で行けなくなったんだよな。そうだ、思えばその前の年の11月の千葉ルックも当日仕事でキャンセルしたんだった‥‥昨年末のCDJ@幕張メッセで観たのがホント久し振りで、やっぱりいいモンはいい!と実感、そして「俺、やっぱりピーズ大好きだわ!」と再確認。今年に入ってからイベント絡みで1本観て、念願のワンマンだったわけ。

 で、この日は珍しく友達と一緒になって(思えばピーズを観る時って何時も誰か一緒or会場で友達に会ったりしたなぁ、と)二人して観てたんですが‥‥いやぁ、やっぱ最高だわ、このバンド。曲数的には以前のワンマンと変わりない曲数(30曲がちょっと欠ける位)なんだけど、この日は18時半に始まって、終ったの21時過ぎでしたからね‥‥曲自体が長くなってるわけでもなく、この日披露された新曲群も今までの流れを汲む、比較的短いナンバーだったんだけど‥‥

 となると、あれですよ。確実にアレが長くなってるんですよ‥‥そう‥‥前回さいたま新都心VOGUEで観た時にも感じた、アレが‥‥

 MCですよ。

 あのね、仲が良いにも程があるよ!って位に、はるもアビさんも、喋る喋る。特にアレな、アビさん上機嫌。ホント笑わせてもらいましたわ。そしてそんな二人のやり取りを後ろから優しい(「生暖かい」とも言う)眼差しで見つめる先輩・しんちゃん。ホント、鉄壁トライアングルですよ、演奏以外でも。

 もうね、曲やプレイに関しては何も言う事ないのよ。だって、いつも一緒だし‥‥悪いわけがない。復活後からもう何度も観てるけど、悪いとかイマイチと感じたステージ、一度もないんだよね。ま、そこまで語る程の回数は観てないとは思うんだけどさ。CD音源以上に熱くてかっけーアンサンブルを聴かせてくれるし。はるの歌に関しては、まぁ波があったりなかったりで、そこはまぁしゃーないかな、とは思うけど。でもここまで続いてくれてることに、むしろ感謝したい。

 この日はワンマンってこともあって、最近イベントでしか観てなかった俺が普段聴けてなかったような曲が沢山耳にできたわけで。例えば「アンチグライダー」からの楽曲の数々。そして "汗まみれ" や "底なし"、"デブジャージ" ではアビさんがワンコーラス歌ってたし。

 そして、ワンマンならではの名曲の数々‥‥"シニタイヤツハシネ" や "日が暮れても彼女と歩いていた"(当然のように、曲後半ではサビを「気がふれても彼女と歩いていた」と変えて歌ってたわけですが。だから余計に泣けるんだよ、この曲)、そして‥‥

 とうとう聴くことが出来た、念願の "実験4号"。大好きな曲のひとつであり、その歌詞を読む度に当時のバンドの、はるの状況や心境が手に取るように判るアルバム「リハビリ中断」収録曲の中でも、どうしてもこの曲が聴きたくてね‥‥理由はまぁいろいろあるけど、敢えてここでは書きません。あのイントロが聞こえた瞬間、思わず腰より下で小さくガッツポーズ。そして最初から最後までそらで歌ってたよ‥‥目には涙にじませて。

 ‥‥何だろ、もうピーズのライヴに関しては、何が聴けたとか、MCがバカだったとか、そういったレベルでしか何か書けないよな、俺。だからこのレポだってこんなに遅れちゃったわけで(言い訳じゃなしに)。だってさ‥‥ホントに何時もサイコーだからさぁ。単なるファンのバカ日記以外の何ものでもないよね、これじゃ。

 早く新しいアルバムが聴きたいなぁ。年内はないのかしら。やっぱり来年年明け辺りかな。それまでの間、ライヴ会場限定発売のシングル 「耳鳴り -殉職バージョン-」でも聴いて持ち堪え‥‥たいけど、1曲だしなぁ‥‥


--setlist--
01. 生きのばし
02. ドロ舟
03. 耳鳴り [新曲]
04. バカになったのに
05. ミサイル畑で雇われて
06. 負け犬
07. ひとりくらいは
08. カラダにやさしいパンク [新曲。タイトル不明]
09. ブロイラー
10. 引っ越し [新曲。タイトル不明]
11. 実験4号
12. 汗まみれ
13. ヒッピー
14. シニタイヤツハシネ
15. 脱線
16. 底なし
17. 日が暮れても彼女と歩いてた
18. 全速力で遠まわし
19. 喰えそーもねー
20. 鉄道6号
21. ノロマ [新曲。タイトル不明]
22. サイナラ
23. 何様ランド
24. 眠る前に一発
25. バーゲン
--encore--
26. デブジャージ
27. グライダー
--encore--
28. とどめをハデにくれ
29. Telしてこい



▼Theピーズ「ブッチーメリー Theピーズ1989-1997 SELECTION SIDE A」(amazon


▼Theピーズ「ブッチーメリー Theピーズ1989-1997 SELECTION SIDE B」(amazon

投稿: 2005 06 11 09:05 午後 [2005年のライブ, ピーズ, The] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005/03/16

ピーズvsフラカン@さいたまVOGUE(3/12)

 初めての会場、久し振りのフラカン、そしてお腹いっぱいになるまで聴けたピーズ。この日のイベントライヴは、個人的にかなり満足できるものでした。

 先月オープンしたばかりの「さいたま新都心VOGUE」は、埼京線・北与野駅から徒歩5分くらい、さいたま新都心駅からだともうちょっと歩きますが、まぁ比較的駅の近くといった感じかな(すぐ側に「さいたまスーパーアリーナ」があります)。ただ、周りに何もない割りに判りにくい場所にあるのが難点かも。いや、これは土地勘とかないんで、慣れの問題かもしれませんが‥‥

 フロアはさすがの狭さですが、まだオープンしたてってことで凄くきれい。開演時間ギリギリに入ったので既に2階にあったロッカーは全部埋まっていたので、荷物や上着を手に後方で観ることにしました。

 てなわけで、定時より10分くらい遅れてライヴはスタートしたのでした‥‥

■フラワーカンパニーズ

 ヤバい、気づいたら一昨年のフジロック以来フラカン観てなかったよ(汗)。ってことは、アルバムをちゃんと聴くようになってから(この後だもんな、「吐きたくなるほど愛されたい」とか「発熱の証」を買ったの)ライヴを観るのはこの日が最初なんですよね‥‥随分と観てなかったな俺。何でこんなに横着しちゃったんだろう‥‥特にこの日のライヴを観て、それを大いに反省しましたよ。

 ライヴのセットリストや曲順はちょっとあやふやなんですが、大体こんな感じだったかなと記憶してます。とにかくインディーズに移籍してからの曲がメインで、しかもそれらが名曲揃いなもんだから圧巻というか。新作「世田谷夜明け前」リリース後のライヴってこともあって大半はそこからだったのですが、これが既に名曲の域に達してるんだから、ホント大したもんですよ。で更に間に挿入されるここ数作からの曲も、どれも文句なし。ホントライヴバンドですよね、彼等は。

 前半、ちょっとリズム面で危うい場面があったものの、途中からは完全に勢いが勝っちゃってましたね。全然そんなこと気にならなくなってたし。

 途中のMCもメチャメチャ良かった。今日はイベントとはいえ1時間程度の持ち時間があったので、今まで観た中で一番喋ってたんだけど‥‥ケイスケ、花粉症? なんか鼻すすったりタオルで拭いたりで、大変そうだったね。奇しくも、俺もつい最近花粉症にやられてしまったので(しかも今年からな)、その辛さ・煩わしさは嫌という程判りますよ、ええ。

 この日のハイライトは「1年に1回演奏してる。今日はその日」という前振りから演奏された "夢の列車" という10分前後の大作。素晴らしい。竹安のスライドギターも味わい深かったし、他のメンバーも素晴らしかった。何よりも、最近の彼等にはみられない「渋さ・深さ」が色濃く出てて良かったよね(これは決して「今が軽くて浅い」っていう批判じゃないですよ。今の彼等は「今」にしか出来ない表現方法で、またそれに見合った素晴らしい楽曲を提供してくれてるので全然不満なんてないですし、どっちが優れてるとか劣ってるっていう優劣をつけるつもりもないし)。ピーズ目当てでこの日会場にいたお客も、これには惹きつけられたんじゃないでしょうか。

 ラスト3曲は勢い任せで強引にノセる選曲。やはり "真冬の盆踊り" は名曲ですな。そして最後の最後に "YES,FUTURE" で大団円。完璧。今度は単独公演でタップリ味わいたいな。7月のツアーファイナル、是非行こうかと思います。


■フラワーカンパニーズ SETLIST (3/12)
01. 永遠の田舎者
02. 赤点ブギ
03. NUDE CORE ROCK'N'ROLL
04. 世田谷午前3時6分
05. 初恋
06. 深夜高速
07. 吐きたくなるほど愛されたい
08. 夢の列車
09. アイム・オールライト
10. 真冬の盆踊り
11. YES,FUTURE



▼フラワーカンパニーズ「世田谷夜明け前」(amazon


■Theピーズ

ピーズは昨年末のイベントで観て以来だけど、こんなに長時間(とはいっても1時間強なんだけど)観たのはホント久し振り。しかも曲数数えてみたら16曲もやってたという。その中には俺が初めてライヴで聴く新曲、初めてライヴで聴く過去の名曲、そしていつもライヴで聴いてる名曲の数々‥‥といった具合で、とにかく文句なし。唯一の文句といえば、未だに俺が行く日に "実験4号" を演奏してくれないことくらいか。そのくせ「リハビリ中断」から "負け犬" とか "鉄道6号" はやってくれるんだから‥‥

 はるは大分酔ってるように感じられたんだけど、演奏に関しては全然文句なし。ホント、あの動きのあるロックンロールフレーズをよく歌いながら弾けるもんだな、といつも関心しております。アビさんは相変わらずかっけーし、シンちゃんのリズムもいつも通り安定してるし。MCの下ネタ(主にはるな)に退いた客がどれくらいいかた判らないけど(まぁピーズファンは大喜びだろうけどさ)、もう直球過ぎて笑いを通り越して涙が出たね。勿論いい意味で。ま、だから大好きなんだけどさ。

 中盤のMCで、アビさんが着てた、ファンから貰ったという「ジョン・レノン・ミュージアム」のTシャツを見て、はるが一言「それ、倉持(YO-KING)も持ってた」みたいな話をして、まぁ軽くアビさんがギョッとして。それを見てはるがまた「倉持と一緒じゃ嫌なのかよ!」と突っ込んで、アビさん慌てて否定する辺りが可愛かったね(って40間近のオヤジに向かって30代の俺が可愛い言うなよ!って話ですが)

 新曲は3曲やったのかな?(曲名は某巨大掲示板から。合ってるかどうかは判らないけど、ファンの間ではこう呼ばれてるの?)どれも更にシンプルに、そしてメロウになってる、良い意味で更に魅力が凝縮された、濃い作風になってる気が。まぁピーズはこのまま続けて活動さえしてくれれば、俺は全然文句ないです。

 いろいろ書きたいんだけど‥‥ピーズに関してはいつも甘くなっちゃうし、特にライヴに関してはこれといって書くことないんだよなぁ‥‥だってホントに最高だったしさ。だから各曲についてのコメント以上に、その日限定のMCとか、そういったことにばかり触れてしまうのね‥‥まぁ無理矢理書けば、エンディングの "ギア" 〜 "グライダー" という流れは素敵すぎて鳥肌立ったな、と。特に "グライダー" は久し振りにライヴで聴いた気がするので、嬉しかったです。

 あー今年はもっと積極的にピーズを観に行きたいなぁ‥‥


■Theピーズ SETLIST (3/12)
01. ドロ舟
02. 耳鳴り(セミ8)[新曲]
03. 生きのばし
04. 負け犬
05. ヒッピー
06. ミサイル畑で雇われて
07. がんばりやさん [新曲]
08. ノロマ [新曲]
09. ハトポッポ
10. 喰えそーもねー
11. サイナラ
12. 鉄道6号
13. 脳ミソ
14. ギア
15. グライダー
--Encore--
16. Yeah



▼Theピーズ「Theピーズ」(amazon


投稿: 2005 03 16 12:00 午前 [2005年のライブ, ピーズ, The, フラワーカンパニーズ] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2004/03/07

Theピーズ『アンチグライダー』(2004)

  騒ぐなら1年前から、いや、2年前の復活時から騒いでくださいよ、頼むから‥‥


いいに決まってんじゃんか!


  ホント、バカかと、アホかと。前作「Theピーズ」を素通りしたくせに、急にこのアルバムから良くなったかのように「サイコー!」とか言ってやがる信用ならない奴らの胸ぐら掴んで、目の前に正座させてそのまま小一時間(ry

‥‥って感じで、本当に素晴らしいのですから。これ以上、どんな表現がある!?ってくらいにね。

  本当はね、いちいち書きたくないんですよ。こんな「出る前から傑作」だって判り切ってる作品について、そしてやはり我々の想像通り、いや、想像以上に素晴らしかったアルバムに対して「素晴らしいです!」なんていう当たり前のレビューをね。だって今や「一億総Theピーズ絶賛期」なわけじゃないですか。そんなご時世に俺ごときが「みんな、ピーズ聴きやがれ!」とか「B'zと間違えてんじゃねぇよ!」とか言ったところでね‥‥他所のサイトの皆さんが褒めてくれるんですから、俺が手を下すまでもねぇよな、と。

  判り切ってたわけですよ。1年近く前から既に演奏されていた、当時完全未発表の新曲、この「アンチグライダー」に収録されることとなった "ギア" や "ウチ帰れ" や "全速力で遠回し" を聴いていれば、絶対に「Theピーズ」以上に素晴らしい内容になると。もう1年近くも前から確信してたわけですよ、ファンは。

  残念ながらいろんな事情で昨年6月以降彼らのライヴを観れてないので、その後他の新曲をライヴで聴く機会はなかったわけですが、伝え聞く話ではやはり最高だと。そう言ってる奴らを信用していたわけではないですが、まぁ間違いないだろうな、と。だってあのピーズだぜ?ってね。

  どうよ、これ。全10曲で40分にも満たない、ある意味時代に逆行した作風。そして、だからこその濃度と充実度。ダメな大人による、ダメダメな歌詞と最高にリアルで生々しいサウンド。デビュー時から何ひとつ変わってない。途中休んだからこその開き直り。"Mr.カウパァ"、"残念賞"、"妄想パーティー"、"寝る前に一発"‥‥とても40前後のいい大人が書く曲のタイトルとは思えない、名言の数々。そして、だからこそ誰にも真似出来ない個性。これこそが「Theピーズ」なんだよ。高校生の時に観たまんまなんだもん。バカバカしい程に最高で、そして切ない。笑顔と哀愁が同居する、それでいて悲壮感を一切感じさせない最強で最狂なロックンロールバンド、それがTheピーズなわけですよ。

  彼らはアルバムのラストソングに本当にググッとくる楽曲を持ってくることが多いんですよ。"シニタイヤツハシネ" にしろ "反応ゼロ" にしろ、前作での "グライダー" にしろ。そして今回も "脱線" という素晴らしい曲を最後に届けてくれまして‥‥ルーズでシンプルなロックサウンドに乗るその歌詞を、是非皆さんにも堪能していただきたいな‥‥全体を覆う下ネタ・ムードを一掃するようなこの曲。どこまでが冗談で、どこからがマジなのかなんて、そんなのは関係ないんだよ。人生自体がマジであり、と同時に冗談みたいなものなんだから。それをそのまま歌詞と音にしただけ。ホントそれだけのことなのに、それすら出来ない「自称・リアルロックンロールバンド」が多いこと、多いこと‥‥ま、みんな頑張れや。

  もうね、一回ライヴ観ろ!ってぇの。このアルバム1枚で満足するような奴、俺は信用ならないね。これ聴いたら居ても経ってもいられねぇだろ普通? 小さいハコで間近で観れて満足するのも大いに結構。けどさ、野音だろ! ピーズがワンマンで初めて野音でやるんだよ!? 何故無視できる? 記念すべき夜だろ??

  というわけで、これ読んでアルバム気になった奴らは皆、ここからアルバム買うように!(w

  そして‥‥野音で会おう!



▼Theピーズ『アンチグライダー』
(amazon:国内盤CD

投稿: 2004 03 07 12:00 午前 [2004年の作品, ピーズ, The] | 固定リンク

2003/08/01

O.P.KING『O.P.KING』(2003)

  YO-KING、奥田民生、Theピーズのはる、the pillowsのシンイチロウによる今夏限定ユニット、O.P.KING。まさかアルバムまで作る程本格的に活動するとは思ってもみなかったよね?

  事の発端は、今年3月に行われたこのイベント。YO-KING主催で、彼の友人や親しいミュージシャンが集ったイベントなわけですが、この時出演したのは他でもない、民生とピーズなわけですよ。で、そのイベントの最後にはこの4人で、いわば「プレO.P.KING」と呼べるようなライヴをやったわけ。その時に演奏されたカバー曲("BAD BOY"、"RIP IT UP ~ Ready Teddy"、"Hippy Hippy Shake")は全て今回のアルバムに収録されているんだけど、そういったカバー曲のみならず、O.P.KING名義での作品2曲、YO-KING、民生、はるによるオリジナル曲がそれぞれ1曲ずつ、計8曲の最高にイカすロックンロールが詰まったミニアルバムがここに完成したわけです。

  いきなりこのメンツでバンド組みましたって言われると、普通は「おおっ、スゲエ! スーパーバンドだよ!!」って興奮するんだろうけど、冷静に考えるとこの組み合わせって、単に初期YO-KINGバンド(倉持・はる・シンイチロウ)に民生がゲスト出演したような形ともいえるんだよね。実際、民生ってYO-KINGのセカンドアルバムにも2曲ゲスト参加してるんでしょ? その片鱗みたいなものはずっと前から見え隠れしたたわけか‥‥

  ハッキリ言っちゃえば、YO-KINGの楽曲はまんまだし、民生の曲もまんま民生、はるの曲もピーズでやっても何ら違和感のない、当たり前の曲。つうかそれが当たり前の話だろってことなんですが。それだけ色や個性が強いミュージシャン/ソングライター/シンガーが3人も揃ってるんだもん、普通は個性のぶつかり合いみたいな、どぎつい世界観をつい想像してしまいがちだけど、ここにあるのはそういった「若さ故の争い」的サウンドはゼロ。目立つ時は思いっきり目立ちまくり、他者を立てる時は日陰の人として地味にする、でもそのスター性がそれでも滲み出てしまう、みたいなそんな内容。要するに「大人が頑張ってやんちゃしちゃいました!」的1枚。30代後半、40代に手が届きそうなオッサン4人による「夏の想い出音日記」なサウンドトラック盤。それがO.P.KINGなんじゃないでしょうか?

  ま、言い出しっぺは間違いなくYO-KINGでしょう。民生が進んでこのメンツを揃えて「バンドやろうぜ!」なんて言うわけないし、はるはピーズで精一杯だと思うし、シンちゃんにしろピーズとpillowsで手一杯だからYO-KINGバンド辞めたわけだし。もうね、王様のワガママから始まったといっていいんじゃないかな? だからって、決してYO-KINGが悪者だと言いたいんじゃなくて、よくぞ実現させてくれた、ありがとう!と心から感謝したいわけよ。だってさ、それぞれがそれぞれのバンドのリーダー格な存在ばかりでしょ?(ま、ソロのYO-KINGと民生は当たり前だけど、ドラマーのシンちゃんはちょっと違うかも)そういった人間がリーダーでもなく、単に「バンドの一員」としてステージに立つ姿、あんま観れないわけじゃない? 特に民生なんてユニコーン解散してから10年近くだよ!? これを面白くない・楽しめないって言ったら嘘になるんでないの?

  そういう偏った楽しみ方もありつつ、肝心の音はもうストレートすぎる程のロックンロール。それぞれのソロ曲は上に書いた通りだけど、それらの音も一本筋が通ってる感じかな。そして問題の「O.P.KING」としての共作曲"O.P.KINGのテーマ"と"通り過ぎる夏"。これってどういう風に作っていったんでしょうね。前者は民生がメインで歌うパートが多く、ブリッジ1でYO-KING、ブリッジ2ではるといった感じで、それぞれが歌うパートのメロはやっぱりそれぞれが書く楽曲のそれに近いのね。更に後者に関しては、はる~YO-KING~民生~シンちゃん(!)という具合に各コーラスを歌っている構成で、コード進行とサビメロは一緒なんだけど、それぞれのメロディが全く違うという‥‥多分さ、それぞれが歌うパートに関してはそれを歌う人がメロディや節回しを作ってると思うのね。特に"通り過ぎる夏"の場合は確実にそれ。もう笑っちゃう位にそれらしいメロディだもん。んん、だとしたらシンちゃんのは‥‥おおっ!

  こういうのはね、レビューでいろいろ解説・分析するもんじゃなくて、爆音でひたすらリピートするのが正しい楽しみ方だと思うのね。この夏必須、特に同年代のオッサン達にこそ聴いて欲しい1枚。



▼O.P.KING『O.P.KING』
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投稿: 2003 08 01 12:00 午前 [2003年の作品, O.P.KING, pillows, the, YO-KING, ピーズ, The, 奥田民生] | 固定リンク

2003/02/07

Theピーズ『Theピーズ』(2003)

  もう、このアルバムに関しては下手な言葉はいらないと思います。つうか、オススメしておいて、レビューを放棄したいと思います。

  俺の言葉以上に、ここに収められた12曲が、全てを物語ってくれてます。

  「おいおい、毎月このオススメ盤レビューを期待してるのに、手抜きかよ!?」とお怒りの人。騙されたと思って、すぐCD屋に向かいなさい。そして買いなさい。話は聴いてからです。

  だって‥‥近所のCD屋7軒回っても何処にも売ってなくて、仕方なくて今日、会社を早退して高速道路に乗って、往復の交通費がCD代金よりも高くかかるところまで買いに行って、帰り道で3回は通しで聴ける距離を、爆音で聴きながら、車ブッ飛ばしながら帰ってきたんですから。少なくとも俺にとって、それだけの価値がある1枚だということです。これでオススメ文、十分じゃないですか?

  このアルバムに多くの言葉は要らないです。ただ一言、付け加えるとしたら‥‥2003年に入って40日にも満たない現時点で、このアルバムは今年度のベストアルバムに決定です。なので、ちゃんと買って聴いて、それで皆さんそれぞれが、それぞれの心の中でレビューしてみてください。いや‥‥レビューなんて要らないか。

  今日この日、こうやって生きていられること、そしてこのアルバムに出会えたことに感謝。



▼Theピーズ『Theピーズ』
(amazon:国内盤CD

投稿: 2003 02 07 03:57 午前 [2003年の作品, ピーズ, The] | 固定リンク

2003/02/05

Theピーズ『ブッチーメリー Theピーズ 1989-1997 SELECTION SIDE B』(2001)

  '97年8月の東北ツアーを最後に事実上の解散状態としての「活動停止」を発表したピーズ。その後はるは音楽界から退き、自動車免許や調理師免許を取ったらしく、そのままカタギの人になってしまうのか‥‥と多くのファンを心配させました。とはいっても、年に1度はステージに立っていたらしく、それまでの商業的な音楽(アルバムを作り、メディアでプロモーションし、ツアーを重ねる。そしてその繰り返しを延々と行う日々)とは違い、親しい友人と共にステージに立ち、純粋に音楽を楽しむという行為‥‥だったんでしょうね。

  そんなはるですが、2001年1月に旧友の真心ブラザーズのバンドメンバーとして、ステージに立つことになります。当初は単なる企画モノとして結成されたライヴハウス用のバンドだったわけですが、気づけばそのままツアーに出たり、ROCK IN JAPAN FESTIVALのステージに立ったりで、結局同年12月の真心ブラザーズとしてのラストステージである武道館公演まで、同じくサポートメンバーとして参加していたドラムのシンイチロウ(the pillows。はるとも旧知の仲で、アルバム「どこへも帰らない」にも参加しています)と共に参加しました。

  真心の活動休止後、はるとシンイチロウはそのままYO-KINGのソロ活動にも参加することになります。アルバム制作のみならず、2002年のツアーにも参加します。そして‥‥これが切っ掛けのひとつとなり、同年7月‥‥約5年振りにピーズは活動再開を果たすのです。その後のことは皆さんご存じの通り。今更書くまでもないでしょう。

  この2枚のベストアルバムは、レーベルの枠を超え、丁度はるが真心のバンドメンバーとして表舞台に復帰を果たすのとほぼ同時期‥‥'01年1月に急遽リリースされました。恐らくこのベスト盤が企画された頃、まだスタッフははるの表舞台復帰を知らなかったはずなのですが‥‥偶然とは本当に恐ろしいものですね?

  ビクター時代の5枚、そしてキングからの2枚のオリジナルアルバムからの人気曲・代表曲と、シングル"やりっぱなしでサイナラだBye Bye"と"底なし"にそれぞれ収録されていたアルバム未収録曲、そして新たにリミックスされた曲や未発表のスタジオ・セッション、ライヴ音源を存分に収めた2枚で全44曲。勿論、ここに選出されなかった曲にも人気曲・隠れた名曲は沢山あります。ま、基本的にピーズには捨て曲は1曲もないので本来ならオリジナルアルバムから聴くことをオススメするのですが、お手軽に彼等の代表曲を楽しみたい人、まずはどんなバンドなのか知りたいという初心者には便利なカタログかもしれませんね。値段的にも1枚2,400円とお手頃ですし。

  各アルバム収録曲を1曲ずつ説明することはここでは省き、オリジナルアルバム未収録の、ここでしか聴けない音源についてアルバム毎に書いていきたいと思います。

『ブッチーメリー Theピーズ 1989-1997 SELECTION SIDE B』解説

  全21曲入り。個人的にはこっちの方が聴く頻度、高いかな? アルバム未収録曲/バージョンはその内4曲。シングル"やりっぱなしでサイナラだBye Bye"のカップリング曲"恋は水色"は、ご存じの通りポール・モーリアの超有名曲の日本語カバー。ピーズらしいダルな演奏に、バックで叫ぶアビさんの声、そしてそれに相反する美しいメロディと歌詞。このアンバランスさこそがピーズの醍醐味。いいですね、単純に。いいカバーだと思います。

  ファースト録音時の未発表セッションから"肉のうた"。アルバムテイクよりも更に荒々しく、生々しい。マスヒロのドラムってアルバムだとカッチリしすぎてる印象が強いんだけど、このテイクはライヴっぽくて好き。そう考えると、あの音ってのはやっぱりそういう「時代」だったのかなぁ、と。どっちにしても、あのアンバランスさがデビュー時のピーズの個性だったことには違いないですが。

  '92年のライヴ音源から"どっかにいこー"。ヒストリービデオや常磐座のビデオでライヴを目にすることはできますが、CD音源としてはライヴ音源ってここでしか聴けないんですよね‥‥ピーズみたいなバンドは映像よりもむしろ、音源として記録を残して欲しいなぁと個人的には思うんですけど、如何でしょうか?

  最後に、"何様ランド"のリミックスバージョン。あれっ、「どこへも帰らない」に収録の際は"じゃますんなボケ(何様ランド)"というタイトルだったのですが、何故か短くなってます‥‥何か理由があるのでしょうか??

  俺自身、このアルバムを購入した当時というのは、ピーズなんて全然「終わった」存在だったわけで、まさかその後復活するなんて思いもしなかったし、実際当時はベスト以外は「グレイテスト・ヒッツVOL.1 & 2」しか持ってないような状態だったわけですよ。で、このベスト買ってもすぐに封を切るわけでもなく、そのまま半年以上放ったらかしのままで。周りが少しずつピーズの魅力に惹かれていき、少しずつまたその名前をネット上で見かけるようになり、で、「ああ、そういえば買ったよな‥‥」って思い出して、改めて聴いてみたら‥‥単純にカッコ良かった、と。もうね、理由なんかいらないんですよ正直。こんなレビューなんて邪道で蛇足だってこと、書いてる本人が一番よく判ってますから。それでも、未だに聴かず嫌いで避けて通ってる人や、名前しか知らなくて躊躇してる人に対して、何かの参考になればと思って書いてるわけで‥‥ま、それ以上に自分の気持ちを再確認する為の作業なんですけどね。

  どれを聴いてもハズレはないですが、やはり心配な人はこのベストを2枚同時に買うことをオススメします。どっちか1枚しか買う余裕がなかったら、とりあえず「~SIDE A」から買ってみるのもいいでしょう。で、ノックアウトされたら迷わず「~SIDE B」も買えばいいだけの話ですからね。そうやってピーズの魔術にまんまとはまっていった人、俺は何人か見てきてますからね!

  何で21世紀にピーズだったのか‥‥その答えは簡単。「必要とされていた」からですよ。僕らに足りなかったのは、ピーズだったんだ、と。それだけの理由ですよ、ええ。



▼Theピーズ『ブッチーメリー Theピーズ 1989-1997 SELECTION SIDE B』
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投稿: 2003 02 05 03:55 午前 [2001年の作品, ピーズ, The] | 固定リンク

Theピーズ『ブッチーメリー Theピーズ 1989-1997 SELECTION SIDE A』(2001)

  '97年8月の東北ツアーを最後に事実上の解散状態としての「活動停止」を発表したピーズ。その後はるは音楽界から退き、自動車免許や調理師免許を取ったらしく、そのままカタギの人になってしまうのか‥‥と多くのファンを心配させました。とはいっても、年に1度はステージに立っていたらしく、それまでの商業的な音楽(アルバムを作り、メディアでプロモーションし、ツアーを重ねる。そしてその繰り返しを延々と行う日々)とは違い、親しい友人と共にステージに立ち、純粋に音楽を楽しむという行為‥‥だったんでしょうね。

  そんなはるですが、2001年1月に旧友の真心ブラザーズのバンドメンバーとして、ステージに立つことになります。当初は単なる企画モノとして結成されたライヴハウス用のバンドだったわけですが、気づけばそのままツアーに出たり、ROCK IN JAPAN FESTIVALのステージに立ったりで、結局同年12月の真心ブラザーズとしてのラストステージである武道館公演まで、同じくサポートメンバーとして参加していたドラムのシンイチロウ(the pillows。はるとも旧知の仲で、アルバム「どこへも帰らない」にも参加しています)と共に参加しました。

  真心の活動休止後、はるとシンイチロウはそのままYO-KINGのソロ活動にも参加することになります。アルバム制作のみならず、2002年のツアーにも参加します。そして‥‥これが切っ掛けのひとつとなり、同年7月‥‥約5年振りにピーズは活動再開を果たすのです。その後のことは皆さんご存じの通り。今更書くまでもないでしょう。

  この2枚のベストアルバムは、レーベルの枠を超え、丁度はるが真心のバンドメンバーとして表舞台に復帰を果たすのとほぼ同時期‥‥'01年1月に急遽リリースされました。恐らくこのベスト盤が企画された頃、まだスタッフははるの表舞台復帰を知らなかったはずなのですが‥‥偶然とは本当に恐ろしいものですね?

  ビクター時代の5枚、そしてキングからの2枚のオリジナルアルバムからの人気曲・代表曲と、シングル"やりっぱなしでサイナラだBye Bye"と"底なし"にそれぞれ収録されていたアルバム未収録曲、そして新たにリミックスされた曲や未発表のスタジオ・セッション、ライヴ音源を存分に収めた2枚で全44曲。勿論、ここに選出されなかった曲にも人気曲・隠れた名曲は沢山あります。ま、基本的にピーズには捨て曲は1曲もないので本来ならオリジナルアルバムから聴くことをオススメするのですが、お手軽に彼等の代表曲を楽しみたい人、まずはどんなバンドなのか知りたいという初心者には便利なカタログかもしれませんね。値段的にも1枚2,400円とお手頃ですし。

  各アルバム収録曲を1曲ずつ説明することはここでは省き、オリジナルアルバム未収録の、ここでしか聴けない音源についてアルバム毎に書いていきたいと思います。

『ブッチーメリー Theピーズ 1989-1997 SELECTION SIDE A』解説

  全23曲入り。アルバム未収録曲/バージョンはその内4曲。まずはシングル"底なし"カップリング曲の"Yeah(江戸川橋セッション)"。「リハビリ中断」のレビューでも書きましたが、この曲は「はる・アビさん・吉田武彦」というメンツで唯一レコーディングされた1曲。「グレイテスト・ヒッツVOL.2」収録の"Yeah"の再録音なわけですが、「どこへも帰らない」のノリをそのまま引き継いだ、ルーズで且つ勢い一発のセリフカバーとなっています。元のバージョンがメタリックなアレンジだったので、こっちの方がより自然体な印象を受けますね。アルバムに入ってないのが勿体ないよね。シングルが廃盤となっている今、ここでこうやって聴けるのは非常に有り難いことです。

  同じく「どこへも帰らない」収録の名曲"やっとハッピー"は新たにリミックスをされて収録。元のミックスがアルバム全体の空気感を引き継いだ、ちょっとガリガリしたような音だったのに対し、リミックスは音の厚みや温かみが感じられる音になっています。今、このままシングルとして切っても、全然通用するんじゃないですかね、これ? そのくらい古さを全く感じさせない、普遍的名曲。

  '93年のライヴ音源から、やはり名曲と名高い"日が暮れても彼女と歩いてた"も初収録。ピーズをリアルタイムで知らない世代にとって、こういうライヴ音源は興味深い一品になるのではないでしょうか。しかも、このバンドが勢いで通すだけのバンドじゃないことを端的に表すこの名曲をライヴテイクで収めることで、更にバンドとしての深みを我々に示してくれます。

  それに続くかのように、初期の未発表スタジオ・セッションから"バカになったのに"も入ってます。マスヒロ在籍時の、本当に貴重なテイクなわけですが‥‥やっぱりピーズはその登場からして異端だったのかもしれないな‥‥と再確認できるかも。明らかに当時のバンドブームとか一線を画した「音」を鳴らしていますしね。



▼Theピーズ『ブッチーメリー Theピーズ 1989-1997 SELECTION SIDE A』
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投稿: 2003 02 05 03:52 午前 [2001年の作品, ピーズ, The] | 固定リンク

Theピーズ『リハビリ中断』(1997)

  '96年3月に2年8ヶ月振り、5枚目のアルバムとなる「どこへも帰らない」をリリースしたピーズ。5月にはアルバムから久し振りのシングルとして"底なし"を、カップリングにアルバム未収録の"Yeah(江戸川橋セッション)"(正式メンバーとして加入した吉田武彦、初のレコーディング参加曲)を加えてリカット。その後ツアーを開始するものの、ピーズ史上最大のアクシデントに遭遇します。ツアー終了と共に、長年連れ添ったギターのアビさんが脱退してしまうのです。しかも同時に、加入したばかりの吉田も脱退、はるはたったひとりになってしまうのです。
  夏にはギターに土田小五郎、ドラムに石原弘一を起用してツアー再開、11月にドラムがヨッちゃんにチェンジした後、再びツアー。そしてはる、小五郎、ヨッちゃんのメンツで翌'97年1月にレコーディングに突入し、その年の5月には6枚目のオリジナルアルバム「リハビリ中断」をリリースします。

  とにかくウガンダ脱退後からメンバーチェンジの激しかったピーズですが、いよいよこのアルバムでは初期を支えたメンバーははるひとりになってしまいます。基本的にはこれまでの楽曲のほぼ全部をはるが手掛けてきたわけなので、そこまで劇的な変化というのは感じられないのですが、やはりここには前作にあった「波に乗った勢い」や「攻めの姿勢」は感じられず、またピーズ・サウンドの要ともいうべきアビさんの暴れギターがどこを探しても見当たらないという寂しさ、というか違和感があります。勿論、加入したての小五郎もヨッちゃんもピーズ・サウンドを再現しようと(あるいは新たに作り出そうと)頑張っているのですが‥‥

  とはいうものの、やはり楽曲は素晴らしいの一言に尽きます。「とどめをハデにくれ」辺りから顕著になった「楽曲至上主義」の完成型ともいえる内容であり、個々の楽曲の完成度は非常に高いと思います。悪く言えば「以前みたいな強い個性が感じられない演奏」も、楽曲的側面からみれば、その既に完璧ともいえる楽曲(メロディ)を邪魔しないような、地味ながらも的確なプレイをして盛り上げています。BEATLESから始まり、ここ日本ではキャロル~RCサクセションへと続いていった「ニッポンのロックンロール」の、ひとつの完成型だといえるでしょう。この頃には既にシーンには奥田民生やウルフルズといった「土着的なニッポンのロックンロール」を鳴らすアーティストがポツポツと活躍し出していましたが、セールス的には大成功とはいえなかったものの、このピーズの「リハビリ中断」も間違いなくそのひとつに入る作品だと思うし、むしろ真っ先に名を挙げるべき1枚だと個人的には感じています。

  メロディや楽曲の構成もさることながら、やはりこのアルバムは歌詞の深さが大きなポイントともいえるでしょう。前作以上に更に「諦め」や「自己嫌悪」が強く感じられ、また前作ではそれをヤケクソ気味に表現することで「生への執着」を力強く感じさせていたのですが、今回は比較的ミディアムテンポの曲が多いということもあって、表面的には穏やかな印象を受けます。そういった面からすると、「自己嫌悪」がかなりネガなものに受け取れたりするのですが‥‥ちょっと待て、と。本当にそうなのかな、と。確かに俺は負けた、そしてある意味未来に対して何の夢も希望も感じられない、好きな子も離れていったし、大切な友人も離れていってしまった、そんな最悪な人生をこのまま消去したい、けどまだ傍には2人の仲間(小五郎とヨッちゃん)がいる、ダラダラと人生は続いてく、まだ進まなきゃならい、生き延びていかなきゃ‥‥という覚悟を俺は感じるんですよね。ま、その辺は特に頭3曲("線香花火大会"、"鉄道6号"、そしてアビさんとの別れを歌ったとされる"実験4号")の歌詞を読んでもらって、各々の思うがまま、感じるがままでいいんですけどね‥‥俺が「これはこうです!」と断定してしまうんじゃなくて、聴いた人それぞれの感じ方があると思うんで。それがピーズに対する正しい接し方ですから。

  とにかくね、ここでどの曲が特に素晴らしいとか、そういうのはやめようと思います。だって、10曲全部が名曲ですからね。この10曲でひとつの物語、ピーズ末期の、当時31歳(奇しくも今の俺と同い年)だった大木温之という男の「日常」を綴った物語なわけですから。"線香花火大会"から始まって"反応ゼロ"で終わる、約30分のショートムービーみたいなもんですよ、これは‥‥

  確か当時も「名盤!」みたいに騒がれたと記憶してるんですが(実際、数年振りにこのアルバムでピーズと再会したわけですし、俺)、このアルバムのリリースから約3ヶ月後、ピーズはひとつのポイントに到達します‥‥「活動停止」。'97年8月にピーズは一旦ここで終了するのです。「リハビリ中断」なんてもっともらしいタイトルのアルバムをリリースした後に‥‥はるは活動停止と共に、表舞台からも姿を消すのでした‥‥そんな彼が再び公の場に大々的に復帰するのはそれから約3年後、旧友の真心ブラザーズのバンドメンバーとしてでした。そしてそれが切っ掛けとなり、ピーズ復活を熱望する声が徐々に高まっていくのでした。



▼Theピーズ『リハビリ中断』
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投稿: 2003 02 05 03:49 午前 [1997年の作品, ピーズ, The] | 固定リンク

Theピーズ『どこへも帰らない』(1996)

  '93年7月に4枚目のアルバム「とどめをハデにくれ」をリリースした後、ドラムのウガンダが脱退というアクシデントにより、その後思うような活動ができなくなってしまったピーズ。とりあえず'93年後半のツアーははるがエレアコ、アビさんがエレキという2人でのピーズで乗り切り、翌'94年にはサポートメンバーとして岩城新を迎え、再びトリオ編成でツアーを再開。この頃から各メンバーが別ユニットでのソロ活動(MTハピネス、SGS、ストリップティーズ等)も始めました。
  '95年には岩城に代わって坂巻聰(ザ・チャイナボウルズ)をサポートに迎えツアー。その合間に坂巻を加えた3人でレコーディング開始。8月には一時的にウガンダが復帰し、新たにベーシストにアキラ(ラフボーイズ)を迎えた4人編成でのピーズでツアー。しかしこのメンツはツアーのみで、その後10月にはthe pillowsのシンイチロウをドラムに迎えてレコーディング再開。しかし彼もレコーディングのみの参加で(その後、シンイチロウは復活に際してかなり重要な役回りを果たすわけですが)、12月になりようやく正式メンバーとして吉田武彦が加入。固定メンバーとなり、またレコード会社もそれまでのビクターからキングに移籍し、'96年3月に移籍第一弾、前作から2年8ヶ月振りとなる5作目「どこへも帰らない」が紆余曲折の後、ようやくリリースされたのでした(やけに長い前説になっちゃったな、これ)。

  アルバムリリース時は何とか固定メンバーになっていたものの、レコーディング時期ははるとアビさんのみ、ドラムに関しては流動的で、実際に坂巻が4曲、シンイチロウが残りの8曲に参加という変則的なレコーディングとなったのですが、これが逆にレコーディングに新鮮な空気を与えたのか、前作とは打って変わってかなりアッパーで攻撃的なサウンドになっています。ここまで直線的且つ攻撃的なナンバーは久し振りでは!?なオープニング"脳ミソ"でいきなりノックアウトされてしまうこと必至。続くシングルナンバー"底なし"もそれまでとは違ったテンションを持ち合わせているし、その後続く"どこへも帰らない"、"ザーメン"、"とどめをハデにくれ"、"負け犬"‥‥前作にあったシリアスさと初期の勢いが上手くミックスされ、尚かつ過去ない程のテンションを持ってこれらの楽曲が表現されています。

  勿論、前作に顕著だった楽曲至上主義も健在で、特にその最高峰といえるだろう"Hey君に何をあげよー"と"やっとハッピー"という名曲中の名曲も収められています。そういう意味ではピーズ史上、非常にバランス感覚に優れたアルバムなのではないでしょうか? 特に"Hey君に何をあげよー"における転調に次ぐ転調はかなり計算されたもので、その辺のB級ガレージバンドには真似できない表現力・技術だと思います。個人的にはこの辺りは、キャロルからソロへと流れる時期の矢沢永吉やRCサクセション全盛期の清志郎に匹敵するものを感じます。

  そして賞賛されるべきなのは作曲に関してだけではなく、その意味深でダブルミーニングを多く含んだ歌詞も同様なのです。前作で顕著になった自分と対峙したり、諦めてしまったりする傾向が更に強まり、それがハイテンションな演奏と上手く融合し、強烈な説得力とインパクトを我々に与えます。一見お約束のエロ路線にも取れる"ザーメン"にしろ、かなり深読みができるし、"底なし"、"とどめをハデにくれ"、"負け犬"の歌詞なんて‥‥曲調のせいでそこまで重く感じませんが、歌詞だけ読めば‥‥既に日記の域を超えてます。それはなかなか軌道に乗らず成功を収められないバンドに対する苛つきや諦めの表れなのかもしれないし、あるいは‥‥

  かと思えば"Hey君に何をあげよー"、"やっとハッピー"、"ハニー"みたいな曲もあるんだから、一筋縄でいかない‥‥この辺がはるらしさというか、ピーズらしさというか。こういう面に惹かれる人が多いってことですよね‥‥納得です(そして俺もそういった面に惹かれた一人ですし)。

  個人的には、このアルバムが一番好きなんですよね。それはサウンド面もそうだし、楽曲のスタイル的にもそうだし、歌詞の面でもそうなんだけど‥‥個人的に一番しっくりくるのがこの「どこへも帰らない」なんですよね。もしこのアルバムを'96年当時聴いていたら‥‥ここまでしっくりきたのかなぁ?なんて考えることもありますが‥‥逆に30歳を超えた今だったからよかったのかな?と最近では思うようになりました。勿論、今の10代、20代の子達が聴いても文句なしに共感できるアルバムだろうけど‥‥10代にしかできない感じ方、20代にしかできない感じ方があるように、30代の今しかできないような感じ方もあると思うんですよ。多分、はるがこのアルバムをリリースした頃って、今の俺と同い年くらいだったと思うんですよ(2002年12月14日で37歳だから‥‥リリース時は30歳か。ほぼ一緒だな)。だからこそ共感できるっていう部分がかなりあるんですよね‥‥これとか「リハビリ中断」って(共感できすぎるからこそ、逆に痛々しくもあるんですが)。

  約3年振りにアルバムをリリース、さてこれから‥‥って時なのに、まだまだバンドには不運が続きます。そしてピーズ、そしてはるは、いよいよ混迷の時へと突入していくのでした‥‥



▼Theピーズ『どこへも帰らない』
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投稿: 2003 02 05 03:47 午前 [1996年の作品, ピーズ, The] | 固定リンク

2003/02/03

Theピーズ『とどめをハデにくれ』(1993)

  '92年4月にサードアルバム「クズんなってGO」をリリースした後、年間50~60本ものライヴを行ったピーズ。翌'93年7月にはる・アビさん・ウガンダによる編成での3枚目、通算4作目(アルバムとしては5枚目)となる「とどめをハデにくれ」をリリースします。が、リリースしてから暫くした後、秋の西日本ツアーを目前にウガンダが脱退するというハプニングに直面します。結果としては黄金期メンバーでの最後のアルバムとなってしまった作品ですが、後の彼等の音楽性を考えると、非常に重要な1枚といえるのではないでしょうか?

  前作までと違った点が幾つか目立ちます。まず、長い曲が幾つも収録されている点。1曲目"映画(ゴム焼き)"が8分台、2曲目"好きなコはできた"が7分半、ラストの"シニタイヤツハシネ ~born to die"に至っては10分という大作となっています。ただ、これらの楽曲が起承転結がハッキリした長編大作かというとそうではなく、必要に応じて演奏したらたまたま8分とか10分になってしまった、といった感じかと思われます。これらの楽曲を聴いてもそれほど長いとは感じられず、むしろ本当に必要だったからこその長さだったんだなぁと思わされます。

  また、前作までの主要素のひとつだった「エロ/バカ」路線が後退し‥‥っていうか、殆ど見当たりません。代わりに自身を見つめる「自己嫌悪的内容」や純粋なラヴソングが大半を占めるようになりました。この辺はバンドとしての方向転換というよりも、はる自身の心境の変化が非常に大きいのではないでしょうか。

  そして、初期からの重要スタイルのひとつである、疾走感を持ち合わせたパンキッシュなロックンロール路線の楽曲が殆ど見当たらない点も、注目に値すると思います。パンク寄りから更に土着的なロックンロール路線へと移行していく流れはセカンド「マスカキザル」から顕著になっていましたが、ここで完全にシフトチェンジしたといってもいいでしょう。バンドブームが廃り、そこから登場したバンド達が如何にオリジナリティをもった音楽性を誇示していくかが'90年代前半のポイントだったと思うのですが、ここでピーズは完全に「ピーズ・スタイル」を作り上げたといっていいでしょう。それだけこのアルバムに収められた楽曲の個性が強いということですし。RCサクセション以降に登場した「ニッポンのロックンロールバンド」の流れを組みつつ、はるにしか書けない詩(「詞」というよりも、もはや「詩」ですねこれは)やメロディ、ピーズにしか表現できない世界観‥‥この時点でピーズはひとつの頂点に達したのかもしれません。

  ここ最近、改めてピーズのオリジナルアルバムをファーストから「リハビリ中断」までぶっ通しで聴く機会が何度かあったんですが、やはりこのアルバムの重要性、そして特異性ってのを改めて感じましたね。前半のハイライトである"好きなコはできた"~"日が暮れても彼女と歩いてた"~"みじかい夏は終わっただよ"といった一連のラヴソング。ひとつの恋が生まれて、それを育み、そして終わっていく様‥‥歌詞だけ読んでいると、本当に切なくて泣けてくる。10代の頃、もしこれらの曲と出逢っていたらまた違った印象を受けただろうし、20代の頃に聴いていたら違った感じ方でググッときただろうし、そして30代の今聴くと‥‥更にマジ泣きしそうになってる俺がいるという。本当に何気ない日常の断片なんだけど、それが日記みたいなリアルさが感じられて余計に心に響くわけです。

  そして‥‥このアルバムのポイントのひとつとなる「自己嫌悪的内容」の楽曲群‥‥"映画(ゴム焼き)"、"手おくれか"、"日本酒を飲んでいる"、"シニタイヤツハシネ ~born to die"‥‥誰もがここに挙げたような曲の歌詞みたいな事、思ったり体験したりしたこと、あるんじゃないでしょうか? 心でそう感じながらも、決して言葉にすることがなかったそれらの思い。それをストレートに表現したはる‥‥恋愛での行き詰まり、そして人生への行き詰まり‥‥だけど、ここからはただの「諦め」だけでなく、だからこその逆説的な「生への執着」も感じられます。というより、活動休止前と違って、まだここにはポジティブさを強く感じるんですよね‥‥じゃなかったら"今度はオレらの番さ"なんて曲は生まれないでしょうし、ここには入れないと思うし。

  まだピーズを聴いたことがないという人、是非"シニタイヤツハシネ ~born to die"と"日が暮れても彼女と歩いてた"だけでも聴いてみてください‥‥というよりも、絶対に聴いて欲しい。勢いだけのピーズじゃない、ホンモノのロックンロールバンドとしてのピーズを全身で感じ取ってください。

  この後、ピーズが次のアルバムを発表するまでに、約3年もの月日を要したのは、何もパーマネントのドラマー不在だったからではなく、ここで多くの事を吐き出してしまったから‥‥なのかもしれませんね。



▼Theピーズ『とどめをハデにくれ』
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投稿: 2003 02 03 03:45 午前 [1993年の作品, ピーズ, The] | 固定リンク

2003/02/01

Theピーズ『クズんなってGO』(1992)

  '90年9月にセカンドアルバム「マスカキザル」をリリースした後、ひたすらライヴを続けたTheピーズ。とにかく'91年はライヴの1年で、春・秋に西日本を、夏に北日本・北陸方面を回るツアーを決行。その合間に東京では単独ライヴの他にイベント出演、小さいクラブでのゲリラライヴを突発的に行ってきました。結局次のアルバムが発表されるまでに約1年半もの時間を要することとなってしまうのだけど、その分待たせた甲斐のある素晴らしいサードアルバムを我々に届けてくれたのでした。

  はる・アビさん・ウガンダというメンツになって2年、やっとバンドとしても安定感が備わったいい時期にリリースされたのがこの「クズんなってGO」というアルバム。基本的には前作の延長線上にあるような、思いっきり肩の力の抜けたロックンロールを中心とした内容。そんな中、はるのソングライターとしての才能も更に開花していき、例えば"電車でおでかけ"や"クズんなってGO"のようなポップソング、メロウな"ふぬけた"、アビさんのオルガンを取り入れた名バラード"君は僕を好きかい"というように、後期の名曲群に繋がるようなタイプの楽曲が既にこの辺りから続々と登場してる点に注目してもらいたいと思います。

  このアルバム辺りから3ピース・バンドにありがちな「ギター・ベース・ドラム」という固定サウンドに拘らない、他の楽器を取り入れることも始めています。例えば"ラブホ"でのウガンダによるハーモニカやチューブラー・ベルズ、"電車でおでかけ"でのトランペット、アビさんによるオルガンやピアノ等、ライヴでは3人の演奏のみになるのだけど、アルバムはアルバムといった感じで多少遊び心が取り入れられるようになっています。また、レコーディング的にもただ演奏を録音したものをそのまま収録するのではなく、"平和"のエンディング部のように、スタジオ作ならではの実験(というか遊び)を始めたりもしています。しかし、それらは例えばBEATLES中期のような「ライヴを無視したスタジオ作」とまではいかず、あくまで「ライヴで演奏される楽曲」をスタジオなりの味付けをした程度のアレンジなので、前作までのピーズを好きだった人は安心してこのアルバムも聴いてください。前作を気に入ってる人なら間違いなく更に好きになるはずなので。

  このアルバム辺りになると、エロ路線の楽曲もファーストの頃と比べると、ちょっと切なさのようなものを感じるようになってきます。切なさ‥‥いや、空しさもちょっと入ってるかな? ファーストがどちらかというと「中学生の悶々さ」だとすると、この頃はもうちょっと上の、ただ悶々ではなくて、そこに伴う儚さ・空しさを同時に感じるんですよね。同じようなことを歌ってるようでも、何故かそう感じてしまうのは、もしかしたらサウンドの変化によるものも大きいのかもしれないし、はるの歌に味わいのようなものが感じられるようになったからかもしれません。同じバカっぽいことを歌ってても、今現在の俺が聴くとこのアルバムの曲の方が個人的にはググッとくるんですよね。ファーストは「ハハハッ」って笑って済ませられたのが、このアルバムになると、もうちょっといろいろと考えてしまうという‥‥ま、ライヴになったらそんなことまで考えてる余裕なんて全くないんですけどね。

  リアルタイムでは既にもうこの時期はピーズ、全然聴いてませんでした。なので、ここに収録されている楽曲を最初に聴いたのは一昨年出た2枚同時発売のベスト盤からです。けど、今聴いても全然色褪せてないですね? 11年も前のアルバムだけど、全然真新しい作品として接することが出来る1枚です。確かに音質的にはメジャーのそれというよりは、かなり安っぽいインディーズもの‥‥いや、デモテープといった方がいいかもしれないけど、逆にその生々しいサウンドがこれらの楽曲に合っているってのもあります。背伸びしない等身大のサウンドといったところでしょうか。"やりっぱなしでサイナラだBye Bye"や"便所モンキー"、"ニューマシン"、"まったくたのしいぜGO GO"といった勢いのいい名曲、上に挙げたようなミディアム~スロウでメロディアスな名曲、とにかく名曲目白押しの1枚です。



▼Theピーズ『クズんなってGO』
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投稿: 2003 02 01 03:42 午前 [1992年の作品, ピーズ, The] | 固定リンク

Theピーズ『マスカキザル』(1990)

  '89年11月に「グレイテストヒッツVOL.1」及び「グレイテストヒッツVOL.2」でデビューしたTheピーズですが、翌月にはドラマーのマスヒロが脱退。そのまま活動休止状態に陥ってしまいました。しかし翌'90年春には新ドラマー・ウガンダを迎えライヴ活動を再開するのでした‥‥が、この時点でウガンダのドラム歴は約1ヶ月程度というから驚き。メジャーデビューしたバンドが迎え入れるに相応しいメンバーか!?との疑問の声を挙がりそうですが、如何にピーズというバンド、そしてはるという男が音楽云々よりも人間関係、人との繋がりを大切にする奴かが見え隠れするエピソードなのではないでしょうか?

  完全なる初心者をバンドの大黒柱に迎え、その後20本近くに及ぶツアーを決行。そこでバンドとしての結束を深めた後、たった1週間でレコーディングされたセカンドアルバム「マスカキザル」を同年9月に発表。この時点でもまだウガンダのドラム歴は約半年だというのだから、もう驚きを通り越して‥‥笑うしかないって。

  全10曲で30分にも満たない内容、インディーズ並みのジャケット等から一見ミニアルバムのような錯覚に陥るものの、純然たるフルアルバムですよこれは(ま、ファーストが破格の2枚同時リリース、しかも1枚にそれぞれ16曲も入ってたことを考えるとスケールダウン感は否めないけど)。1曲の長さ的には前作と何も変わってないんだけど‥‥かなり変わってしまったような印象を受けます。それは荒々しいサウンドプロダクションも影響してるでしょうけど、何よりも一番大きいのはドラムスタイルの違いでしょう。ハードロック的でかなりカッチリしたプレイを聴かせるマスヒロと比べ、ウガンダのそれは完全なる初心者のプレイといった感じで、かなり大雑把な印象を受けます。また、所々に入るフィルイン等ももたったりするし。ガチガチに作り込まれた感がある前作を気に入っていた人からすれば、「出す順番間違えてるんじゃないの?」と錯覚してしまうんじゃないでしょうか?(つまりファーストの方がメジャー盤というイメージが強く、このセカンドが荒々しさや演奏の粗さからインディー盤という印象を受ける)

  しかし、その後のバンドの歴史を考えてみると、ファーストのようなサウンドの方が異色だったわけで、その後3年に渡ってプレイし続けたウガンダのプレイスタイルの方がよりピーズ的だと言うことができると思います。元々シンプルなロックンロールが基本形のバンドなので、ウガンダのようなプレイスタイルの方がより本来の形に近いのかもしれませんし(マスヒロのプレイがうるさすぎて、はるがクビを切ったという噂もあながち間違いじゃないと思いますよ)。

  タイトというよりは気怠くて引きずるようなリズム、それに合わせてプレイされるギターリフ、そして芯がしっかりしながらもかなり動き回るベースライン。その後のピーズの基本スタイルがここで誕生したといっても過言ではないでしょう。メロディの冴えは相変わらずで、歌詞も基本的には前作の延長線上にある作風。ただ、楽曲的には少しずつ幅が広がってるように感じられます。"いんらんBaby"の中盤なんてまるでジミヘンだし、全体的にパンクというよりはよりピュアなロックンロールというイメージが強まってるし。バンドブーム末期だった当時、既に二束三文なバンドが多くを占める中、ピーズはよりオリジナリティを強めていったわけです。

  パワーポップにも通ずるようなアップテンポのナンバーが多かったファーストと比べれば、テンポはミディアムが殆どで、その割りに1曲は2分前後。引きずるようなリズムの割りに演奏のテンションは高い。ただウルサイだけじゃなくて"どっかにいこー"みたいな聴かせる曲もちゃんとある。普通バンドのセカンドアルバムって「勝負作」と称されることが多いんですが(アマチュア時代に演奏し続けた曲が大半を占めるファーストを経て、レコーディングの為の作曲が始まりいよいよバンドの本領が発揮されるだろうってことでそう呼ばれるんでしょうね)、いきなり勝負を捻った通り抜け方をしたピーズ。この辺に彼等の「らしさ」が表れてますよね‥‥シンプルでコンパクトながら、本当にいいアルバムです。まだ後期程の「(歌詞の世界観の)重さ」がないものの、これがホントの意味でのスタート、ファーストアルバムなのかもしれませんね?



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投稿: 2003 02 01 03:40 午前 [1990年の作品, ピーズ, The] | 固定リンク

2003/01/31

Theピーズ『グレイテストヒッツVOL.2』(1989)

  Theピーズの記念すべきデビューアルバムは、当時としては破格のアルバム2枚同時発売でした。もっとも、当初は「40曲入りの2枚組アルバム」としてリリースされる予定だったものが、どういったわけか結局2枚別個のアルバムとして発表、収録曲数も各16曲、計32曲入りとなってしまったのでした。当時のインタビューでも「レコード会社がそれ(40曲入り2枚組のデビューアルバム)を了解すればリリース可能」というニュアンスのことを言っていたので、最終的にはレコード会社の判断だったのでしょう。'89年11月、異常な程のバンドブームの中彼等はデビューしました。当時のメンバーは、はる(ボーカル&ベース)、アビさん(ギター)、後藤マスヒロ(ドラム)の3人。が、リリースして間もなく、ドラムのマスヒロが脱退。いきなり暗雲立ちこめる状態に陥ってしまうのでした(翌年、マスヒロは再結成した頭脳警察に参加。後に人間椅子に加入する等、現在も現役で活躍しています)。

  2枚別々に分けられたアルバムは特に1枚毎にコンセプトがあるというわけでもなく、単に流れがいいように並べた結果こうなっただけという感じ。レコーディングしたのをそのまま順々に詰め込んでいったというよりは、もっと考えて構成されているように感じられます。基本的には2~3分のパンクソングなのですが(今聴くとサウンド的にはやはり'80年代という時代を感じさせるかも)、演奏がかなりタイトで、コピーしようと思うと意外と難しく、テクニックを要する曲が多いんですよね(以前、タレントの千秋が「学生の頃、コピーしようとしたら難しくて出来なかった」と言ってたことがありましたが、正にその通り)。ギターとベースのユニゾンプレイが比較的多いんですが、これが結構曲者。だってこれらをはるは歌いながら弾いてるわけですから‥‥更にドラムもパンクのそれというよりも、かなりメタリックなプレイをしてます。その辺が如何にも'80年代的というか‥‥ギタープレイにしてもオーソドックスなロックンロールフレーズが殆どなのに、リズムが重かったりツーバスパタパタしてたりして、当時としてはかなりユニークな存在だったのではないでしょうか?(‥‥当時はそこまで気が付かなかったけど)

  実は俺、このアルバムだけはリリース当時、しっかり2枚買っていて、マスヒロ在籍時のライヴも観ているんですよ(確かカステラ等が出演したイベントだったはず)。当時はピーズよりもカステラの方が好みだったので、結局はその後のマスヒロ脱退も影響して、ちゃんと追ってこなかったんですよね。が、一昨年に出たベスト盤、そして昨年夏の奇跡的復活、更には周りの人間の多くがピーズの魅力について語りだし‥‥自分まで影響されてしまい、最終的には昨年12月にとうとう復活ピーズを観るにまで至ったという。というわけで、ここら辺で各アルバムについて少しだけ語ってみたいと思います。

『グレイテストヒッツVOL.2』解説

  個人的には当時"バカになったのに"に匹敵する程好きだった"肉のうた"から勢いよくスタートする「~VOL.2」。基本的にはシングル曲は1曲も入っていないわけですが、そんなのは全然関係なし。基本的には2枚でひとつのアルバムなので。ここには「作詞:あさかわ いさみ」による楽曲が2曲("1等賞"と"階段")収められ、それ以外は全てはるの手によるもの。この「あさかわ いさみ」氏ですが、各アルバムのジャケットやブックレット内のイラスト全てを手掛けている人でもあるのですが、当時はどういった人なのか全く知りませんでしたが、この程この人が現FIRESTARTERのベーシスト、SAMMY氏であることが判明。当時から彼等は交流があったようですね(そう考えると、後にピーズに加わるドラムのウガンダは後にそのFIRESTARTERのFIFI氏と共にTWEEZERSというスーパー・パワーポップバンドを組み、その流れでSAMANTHA'S FAVOURITEに加わるわけですから、世の中狭いもんです)。

  ピーズの(特に初期の)歌には「デブ」「ブス」「バカ」といった言葉がよく登場し、それらコンプレックスを感じさせる言葉を逆手にとって、聴き手が思わず笑ってしまうような歌詞に乗っけたりしてます。聴く人によっては「差別的だ」と毛嫌いするかもしれないクセの強い歌詞ですが、逆にこういった歌詞を一緒になって大声張り上げて歌ってしまう辺りに、俺は「そんなの生きてく上で、ほんの些細なことだ」と笑ってけ飛ばしてしまうような力強さを感じてしまいます。そういったところに多くの人が惹き付けられていったのかもしれませんね。

  ミディアムでとても綺麗なメロを持った曲に"バイブレーター"なんて歌詞を乗っけたりしてしまうセンスは、さすがだと言わざるを得ません。凡人には考えつかない、いや、躊躇して出来ないであろうことを簡単にやりのけてしまうはるに脱帽(いや、そこまで考えてないという話もありますが)。

  それにしても‥‥"気ばらしのバット"、"中国たばこ"、"悪魔の渋谷"、"ブスだからい-や"、"バカになったのに"(以上「~VOL.1」)、"肉のうた"、"デブ・ジャージ"、"パープー"、"夢のリーゼント"、"なっとーばかりくっててもいいのか"、"カラーゲ"(以上「VOL.2」)というタイトルだけでも、一体このバンドはどういう歌を歌うバンドなのか、そしてどんな音を出すバンドなのか、普通なら全く想像が付かないでしょうね? そして、そんなタイトルとは相反するようなカッコイイサウンドとプレイを聴かせ、耳に馴染みやすいポップなメロを持った曲だなんて、思いもしないでしょうね。そこがピーズの良さであり醍醐味でもあるんですけどね。

  今聴くとその後のアルバムとは若干方向性やサウンドに違和感を感じなくもないですが、根本にあるものは結局今現在と何も変わってないように思います。間もなくリリースされる復活作「Theピーズ」と聴き比べて(あるいは歌詞を読み比べて)みるのもいいかもしれません。ちゃんとそれなりの年の取り方をしてきたのか、それとも相変わらず何も変わってないのか‥‥新作を聴いて興味を持った人は是非聴いてみて欲しい2枚ですね。既に14年前からこういうことをやってたんだという‥‥ねっ? そして現在活躍する多くのバンドにどれだけの影響を与え続けたかを、ここぞとばかりに感じ取ってくださいね。

  嗚呼‥‥今夜も我が家ではエンドレスでピーズサウンドが爆音で響いております‥‥



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投稿: 2003 01 31 03:38 午前 [1989年の作品, ピーズ, The] | 固定リンク

Theピーズ『グレイテストヒッツVOL.1』(1989)

  Theピーズの記念すべきデビューアルバムは、当時としては破格のアルバム2枚同時発売でした。もっとも、当初は「40曲入りの2枚組アルバム」としてリリースされる予定だったものが、どういったわけか結局2枚別個のアルバムとして発表、収録曲数も各16曲、計32曲入りとなってしまったのでした。当時のインタビューでも「レコード会社がそれ(40曲入り2枚組のデビューアルバム)を了解すればリリース可能」というニュアンスのことを言っていたので、最終的にはレコード会社の判断だったのでしょう。'89年11月、異常な程のバンドブームの中彼等はデビューしました。当時のメンバーは、はる(ボーカル&ベース)、アビさん(ギター)、後藤マスヒロ(ドラム)の3人。が、リリースして間もなく、ドラムのマスヒロが脱退。いきなり暗雲立ちこめる状態に陥ってしまうのでした(翌年、マスヒロは再結成した頭脳警察に参加。後に人間椅子に加入する等、現在も現役で活躍しています)。

  2枚別々に分けられたアルバムは特に1枚毎にコンセプトがあるというわけでもなく、単に流れがいいように並べた結果こうなっただけという感じ。レコーディングしたのをそのまま順々に詰め込んでいったというよりは、もっと考えて構成されているように感じられます。基本的には2~3分のパンクソングなのですが(今聴くとサウンド的にはやはり'80年代という時代を感じさせるかも)、演奏がかなりタイトで、コピーしようと思うと意外と難しく、テクニックを要する曲が多いんですよね(以前、タレントの千秋が「学生の頃、コピーしようとしたら難しくて出来なかった」と言ってたことがありましたが、正にその通り)。ギターとベースのユニゾンプレイが比較的多いんですが、これが結構曲者。だってこれらをはるは歌いながら弾いてるわけですから‥‥更にドラムもパンクのそれというよりも、かなりメタリックなプレイをしてます。その辺が如何にも'80年代的というか‥‥ギタープレイにしてもオーソドックスなロックンロールフレーズが殆どなのに、リズムが重かったりツーバスパタパタしてたりして、当時としてはかなりユニークな存在だったのではないでしょうか?(‥‥当時はそこまで気が付かなかったけど)

  実は俺、このアルバムだけはリリース当時、しっかり2枚買っていて、マスヒロ在籍時のライヴも観ているんですよ(確かカステラ等が出演したイベントだったはず)。当時はピーズよりもカステラの方が好みだったので、結局はその後のマスヒロ脱退も影響して、ちゃんと追ってこなかったんですよね。が、一昨年に出たベスト盤、そして昨年夏の奇跡的復活、更には周りの人間の多くがピーズの魅力について語りだし‥‥自分まで影響されてしまい、最終的には昨年12月にとうとう復活ピーズを観るにまで至ったという。というわけで、ここら辺で各アルバムについて少しだけ語ってみたいと思います。

『グレイテストヒッツVOL.1』解説

  いきなりギター&ベースのユニゾンがカッコイイ"全部あとまわし"からスタートする「~VOL.1」の方は、1曲だけカステラのトモとの共作による"中国たばこ"以外は全部はる作詞作曲による楽曲。基本的にはアッパーでパンキッシュでポップなメロを持った楽曲がメインで、中にはかなりメタリックなプレイを聴かせる"汗まみれ"、気の抜けたイメージがありながらも演奏がかなりタイトな"ブスだからいーや"みたいな曲もあって、既にデビュー当時から楽曲のバラエティ豊かさの片鱗は見えていたわけです。

  個人的には「~VOL.2」よりもこっちの方を聴きまくった記憶があります。というのも、シングル曲にもなった"バカになったのに"が入ってるのが大きいんですよね。当時、この曲はリリースと同時期に開局した千葉県初のFM放送局「Bay FM」の深夜のリクエスト枠でよくかかってたんですよ。所謂チャート番組でして、毎晩明け方まで所謂J-POPものから、当時全くマイナーだったNEWEST MODELやボ・ガンボス、フリッパーズ・ギター等が毎晩のように流れ、その中にこのピーズもいたわけです。だから、"バカになったのに"を聴くと、当時受験勉強をしながら夜遅くまで聴いてたそのラジオ番組を思い出すわけです(バンドブーム自体は当時はクソと思ってましたが、今思うと本当にいい時代だったと思いますマジで)。

  ピーズ・ソングの三本柱である「日常の些細な出来事(恋愛系も含む)」「エロ」「自分を見つめる深い精神世界」の内、この頃は前者2つがまだメインだったように感じられます(後に、アルバムを重ねる毎に3番目の要素が占める割合がどんどん高くなっていき、その結果活動停止となるわけですが‥‥)。当時は「バカロック」だとか「ポコチンロック」なんて呼ばれていましたが、それも今となっては懐かし話。呼び名なんてどうでもいいんですよ。ユニコーンやブルーハーツ、JUN SKY WALKER(S)といったバンドばかりが持てはやされる中、こういったバンド達がシーンの底辺を支えていたという事実。そして紆余曲折ありながらも、最後に残ったのはどういうバンドだったか‥‥それは皆さんがよくご存じでしょう。

  今聴くとさすがに時代を感じさせる歌詞もあるにはありますが、基本的にはどれも2003年の今聴いても全く色褪せておらず、全然通用すると思いますが、如何でしょうか?



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投稿: 2003 01 31 03:35 午前 [1989年の作品, ピーズ, The] | 固定リンク