2016/01/10

祝ご成人(1995年4月〜1996年3月発売の洋楽アルバム20枚)

新成人の皆さん、おめでとうございます。昨年度に初めて実施したこの企画、今回も新成人の皆さんが生まれた年(学年的に1995年4月〜1996年3月の期間)にリリースされた洋楽アルバムの中から、個人的思い入れがある作品を20枚ピックアップしました。どれも名盤ばかりなので、もし聴いたことがないという作品がありましたら、この機会にお手にしてみてはいかがでしょうか。とは言いながらも大半が名盤中の名盤なので、聴いたことがあるものばかりかもしれませんが。

並びはすべてアルファベット順です。(2015年の新成人編はこちら


Alice in Chains『Alice in Chains』(Amazon

Ben Folds Five『Ben Folds Five』(Amazon

Björk『Post』(Amazon

Blur『The Great Escape』(Amazon

Bon Jovi『These Days』(Amazon

The Chemical Brothers『Exit Planet Dust』(Amazon

Fear Factory『Demanufacture』(Amazon

Foo Fighters『Foo Fighters』(Amazon

The Fugees『The Score』(Amazon

Garbage『Garbage』(Amazon

King Crimson『Thrak』(Amazon

Oasis『(What's the Story) Morning Glory?』(Amazon

Pulp『Different Class』(Amazon

Queen『Made in Heaven』(Amazon

Red Hot Chili Peppers『One Hot Minute』(Amazon

Reef『Replenish』(Amazon

The Smashing Pumpkins『Mellon Collie and the Infinite Sadness』(Amazon

Sepultura『Roots』(Amazon

Teenage Fanclub『Grand Prix』(Amazon

The Wildhearts『P.H.U.Q.』(Amazon


残念ながらセレクトから漏れた作品も多いです。以下ざっと候補を羅列します。

Alanis Morissette『Jagged Little Pill』
Anthrax『Stomp 442』
The Beatles『Anthology 1』
The Boo Radleys『Wake Up!』
Bruce Springsteen『The Ghost of Tom Joad』
The Charlatans『The Charlatans』
D'Angelo『Brown Sugar』
David Bowie『Outside』
In Flames『The Jester Race』
Michael Jackson『HIStory: Past, Present and Future, Book I』
Nine Inch Nails『Further Down the Spiral』
Ozzy Osbourne『Ozzmosis』
Paul Weller『Stanley Road』
The Rentals『Return of the Rentals』
Ron Sexsmith『Ron Sexsmith』
Sonic Youth『Washing Machine』
Supergrass『I Should Coco』
Terence Trent D'Arby『Terence Trent D'Arby's Vibrator*』
Terrorvision『Regular Urban Survivors』
Underworld『Second Toughest in the Infants』
White Zombie『Astro-Creep: 2000』

こうやって振り返ると、1995年から1996年初頭ってブリットポップの最盛期だったんですね。1995年3月にはElasticaやGeneのアルバムも発表されてるし、1996年後半になるとKula Shakerの1stもリリースされますし。やっぱり1995年夏のBlur vs Oasisの直接対決がピークでしたね、いろんな意味で。

あ、Underworldをあえて選外にしたのは、日本盤のリリースが1996年6月だったから。海外では3月発売ですが、その後の「Born Slippy」のヒットなど含めて考えると、このアルバムは1996年から1997年の作品かなと思いまして。来年はマストかな。

メタルの世界はグランジがひと段落したものの、ポストグランジ的サウンドのバンドが増えつつあり、前年からのMotley Crue、Dokkenの失敗など、あまり芳しくない状況でした。そんな中、1994年のKornデビューを機にグルーヴ感のあるヘヴィロックが台頭し始めます。前年デビューのMachine Headもその1つですね。Sepulturaは前作『Chaos A.D.』でのシフトチェンジから、ブラジル音楽のルーツを取り入れた傑作『Roots』で活動のピークを迎えるのも、1996年初頭のお話。Fear Factoryのようなデジタル要素を取り入れたヘヴィバンドも人気を集め始めたのも印象に残ってます。同時期に国内ではTHE MAD CAPSULE MARKETSが『4 PLUGS』をリリースしたのも、海外の動きとリンクしていて興味深いです。

ちなみに日本国内ではこの頃、ブルーハーツの解散(6月)やUP-BEATの解散(8月)、光GENJI(光GENJI SUPER5)の“卒業”(9月)、Winkの活動停止(96年3月)といった出来事がありました。いわゆるTKサウンドがチャートを席巻し、MY LITTLE LOVERやglobeがデビューしたのもこの頃でした。

投稿: 2016 01 10 12:00 午前 [1995年の作品, 1996年の作品, Ben Folds, Bon Jovi, Foo Fighters, Queen, Smashing Pumpkins, Teenage Fanclub, Wildhearts, The, 「20年前」] | 固定リンク

2007/12/12

THE WiLDHEARTS『THE WiLDHEARTS』(2007)

もう二度と出ることはないだろうなぁと思っていた、THE WiLDHEARTSのニューアルバムが2007年春に発売されました。今年の頭には来日公演も行い、新編成によるお披露目的な素晴らしいステージを披露したそうです(残念ながら僕は行けませんでしたが)。

気付けば前作「THE WiLDHEARTS MUST BE DESTROYED」から3年半近く経っていたんですね。その後、UKのみのBサイド集「COUPLED WITH」とかUS向け編集盤「RIFF AFTER RIFF」とか複数のライブ盤が出たりで、なんかいろいろ出てる印象はあったんだけど、結局満足させられた作品というとジンジャーのソロくらいだったという。

ドラムが90年代後半に参加したリッチ、ベースがスコット・ソーリー(元AMEN、ジンジャーとはBRIDES OF DESTRUCTIONでも一緒に活動してましたね)、それ以外はジンジャーとCJというおなじみの布陣。ま、21世紀のワイハーは基本この2人がいれば問題なさそうですね。

肝心の内容は、前作をよりハードにして、さらにリフ、リフ、リフの嵐という、これこそ「RIFF AFTER RIFF AFTER MOTHERFUCKER RIFF」というタイトルがふさわしいんじゃねーの?と言いたくなるような仕上がり。素晴らしい。こういうワイハーを待ってたんですよ!

しかし、もうひとつの魅力であるメロディがちょっと弱い。21世紀の彼らはジンジャーとCJによるツインボーカル(含ハーモニー)でメロ自体の質をうまくごまかしているように感じられるんですよね。実はそんなに大したことないメロディなんだけど、それをハーモニーでボカしたり。ちょっとそこだけが勿体ないなぁと強く思うわけです。まぁどんなアーティストにも言えることだけど、オリジナル期(ここで指すのは90年代の彼ら)に思い入れのある人、リアルタイムでその辺を通過しているファンからすると、どうしても要求が高くなってしまうのは仕方ないのかなぁと。続いてくれたことには大感謝なんですが、次の作品にはそれこそ古くからのファンを「俺が悪かった!」と言わせるくらいの傑作に期待したいところです。

でも……これはこれで好きだよ。このアルバムでのツアーも観たいなぁ。早く日本に戻ってきてくださいね!



▼THE WiLDHEARTS『THE WiLDHEARTS』
(amazon:日本盤UK盤

投稿: 2007 12 12 12:07 午前 [2007年の作品, Ginger Wildheart, Wildhearts, The] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006/09/26

GINGER『VALOR DEL CORAZON』(2006)

 本国イギリスでは今年初頭(限定盤は2005年末だっけ?)にリリース済み、日本では10月の来日決定にあわせて7月にようやく発表されたジンジャー(THE WiLDHEARTS)の「純粋な」初ソロアルバム。タイトルの「VALOR DEL CORAZON」というのは、日本語に訳すと「強い心」とかいう意味らしく……その経緯については、昨年前半のこのブログのワイハー関連の記事を読んでいただけるとご理解いただけるかと。まぁ今更その経緯に触れることはここではしません。今回は「あれ」以降について……純粋にこのアルバムについて話したいと思います。

 本人も語っているように、このアルバムはこれまでみたいにジンジャーというアーティストのある一面だけにスポットを当てた作品ではなく、彼のいろんな要素……それこそロックンロールやメタル、パワーポップだけでなく、カントリーやブルース、'70〜'80年代のポップスだったり。そういった彼のルーツ的なものがこれまで以上に表出しているのが、このアルバムと言えるんじゃないかな。実際2枚組19曲(日本盤は3曲のボーナストラックを追加)を通して聴くと、そのとっ散らかり具合のせいで作品としてのトータル性が希薄な気がするし。それは聴き手によっては「完成度が低い」とか「バランスが悪い」と解釈される可能性も強い。でも俺はそういう風には感じられなくて……ま、ソロとしては「前作」の「A BREAK IN THE WEATHER」もどちらかというと「とっ散らかってる」印象が強かったけど、あちらの方がまだ「THE WiLDHEARTSのジンジャー」という色合いが強調されてるよね。実際、ワイハーやりながら録音した音源だし。あと、もともとがシングルとしてバラバラの時期に録音されたものをまとめたものだし、そのバラツキに関しては聴き手も納得してる部分もあったよね。でも今回は最初っから音楽的にバラバラな要素がひとまとめになってる。だから人によって「?」となる人もいるんでしょう。でもコアなファンはもともとジンジャーというソングライターにはこういう素質があることを知っていた/わかっていたから、そこまでの違和感を覚えないというね。まぁ言い方によっては、ファンが庇護してるようなもんなんだけどさ。

 正直なところ、これをワイハーでやってもらいたいとは思わない。みんなそうじゃない? ワイハーにはワイハーの色があるし、もっとハイパーなロックンロール(って表現もどうかと思うけど)をファンが求めてるだろうし。それと同じことをやるんだったら……それこそ今後二度とワイハーは必要ないということになりかねないし。このアルバムで聴けるようなロッキンでそれでいて甘いポップな面をさらに強調して、それでいてロックとはかけ離れたようなこともやっちゃうような……そんな一筋縄ではいかないひねくれたことをガンガンやってほしいな、と。ファンもそれを望んでいるし、ファンではない人にも「なんだこれ!?」と思われて、それでいて思わず手に取ってしまうような音楽を提供していってほしいしね。

 内容については、こんなもん? いや、ほとんど触れてないに等しいかな(苦笑)。あのね、俺は本当に特に文句いうところもないのよ。確かに曲もバラバラだけど、ひとつひとつは本当によくできていると思うし、「俺はこれが好きなのか否か?」と自問自答すれば、絶対に「好き!」と即答できるような曲ばかりだし。確かにワイハーで聴くことができるようなパンクチューンは皆無だけど、メロディセンスだったり楽曲のアレンジには「ジンジャーならでは」の色をしっかり見出すことができるしね。ギタープレイにしても、例えば "Bulb" でのギターソロに思わず唸ってしまったり、かと思えば "The Man Who Cheated Death" みたいな泣けるバラードもある。なんちゃってマッドチェスターな "G.T.T" の後に、これぞジンジャー!なパワーポップチューン "Yeah, Yeah, Yeah" があったり。ひとまず「これまで」の総まとめなのかな。

 早くも次のアルバムを準備中で、MySpaceでは出来たてホヤホヤの新曲 "Black Windows" の試聴が始まってる。次作は来年の前半には出そうだし、そういう意味では彼のクリエイティビティはまったく落ちてないってことなんでしょう。来週からスタートするGINGER AND THE SONIC CIRCUSのジャパンツアーではこの「VALOR DEL CORAZON」からのナンバーをガンガンやってくれるだろうし……要するに今、俺はすんげー楽しみなんだ!と言いたいわけ。もうアルバムの感想でもレビューでも何でもないんだけどさ。

P.S.
このアルバムの日本盤にはSILVER GINGER 5の "Sonic Shake"、REPLACEMENTSの "Answering Machine"、デヴィッド・ボウイの "Boys Keep Swinging" のカバーが収録されているそうです。俺はUK盤を買ってしまっていて、実はまだ日本盤は買ってないのです。これはマズい……今回の来日を機に、こちらも購入しておきます。実際日本盤はUK盤よりもグンと安いしね。



▼GINGER「VALOR DEL CORAZON」(amazon:UK盤日本盤

投稿: 2006 09 26 07:53 午前 [2006年の作品, Ginger Wildheart, Wildhearts, The] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006/09/18

THE WiLDHEARTS『GEORDIE IN WONDERLAND』(2006)

 これが最後になるのか、それとも復活への序章になるのか……なんにせよ、久しぶりの「THE WiLDHEARTS」名義のアルバム発表。現時点でのラストライブとなった2005年9月17日のステージを完全収録。フェス出演時のものなので時間自体は短いけど、それでも15曲。もともと彼らのライブはそこまで長いものでもないので、これくらいがほぼフルに近い感じかな。

 何よりもこの日のライブは、ベースのダニーが復帰という貴重な機会。編成はジンジャー、CJ、ダニー、そして後期ドラマーのリッチという4人。この編成は「EARTH VS THE WiLDHEARTS」リリース後のツアー以来かな。日本のファンがギリギリ観ることができなかった編成だよね。個人的には一番好みの編成かも。リッチのズッシリしたドラムが好きだからさ。

 正直に書いてしまうと、このライブ盤はそこまで褒めらるような内容でもないです。演奏のクオリティも高くないし、何よりも一昨年のツアー時よりも声が出てない。そして録音も悪い。曲によってはギタートラブルでギターの音が1本しか聞こえないものもある。生々しいという意味では最もライブ盤ぽいけど、これを最初に聴くことはないよ、初心者ワイハーファンのみんな。殆どのアルバムが廃盤だけど、中古でいくらでも良い録音・良いクオリティのライブ盤が聴けるはずだから。

 珍しい曲も一切ないしね。せいぜいアレか、リッチが叩く "Stormy In The North, Karma In The South" とか "Vanilla Radio" くらいか。特に "Stormy〜" はこれがライブアルバム初収録だから、そういう意味ではレア度が多少ある? そんなでもないか。

 まぁでも……スゴくファンがあたたかいんだよね、ダニーに対して。スタート前のダニーへのかけ声だったり、「Don't Worry About Me〜」の合唱だったり。これぞワイハーのライブっていう臨場感は確かに味わえるので、ファンはそれなりに満足するかも。大体、ジンジャーがこれらの楽曲をソロで歌うこともあんまりないわけで、そういう意味じゃこれは久しぶりにワイハーの楽曲を思いっきり堪能できる1枚なわけですよ。って自分で何書いてるかわかんなくなってきた(苦笑)。

 とにかく、アレだ。音は悪いけど、爆音で聴けと。そしてスピーカーの前で一緒に合唱して聴けばいいよ。これはそういう「記録作品」だから。



▼THE WiLDHEARTS『GEORDIE IN WONDERLAND』
(amazon:US盤UK盤

投稿: 2006 09 18 11:39 午後 [2006年の作品, Ginger Wildheart, Wildhearts, The] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005/09/18

BRIDES OF DESTRUCTIONの新曲4曲がフル試聴可能に

BRIDES OF DESTRUCTIONの新曲4曲がフル試聴可能に(www.myspace.com)

 最近、THE WiLDHEARTSのジンジャーもこの「www.myspace.com」を利用して新曲をいち早く披露してくれてますが、そのジンジャーも作曲に絡んだ新生BRIDES OF DESTRUCTIONのニューアルバム「RUNAWAY BRIDES」から、4曲を先行でフル試聴することができます。

 とはいってもこのアルバム、既に海外では9/13にリリース済みなのです。前作は「Sanctuary」からのリリースで、日本盤から3〜4ヶ月遅れてのリリースでしたが、今回は「Shrapnel」からのリリースとなり、日本盤より半月早いリリースとなったようです。この辺に前作と新作での日本での温度差を感じたり、感じなかったり(単にスケジュールの関係だけかもしれませんが。。)。

 既にご承知の通り、このアルバムにはニッキー・シックスは参加していません。つまりメインソングライターのひとりが抜けてしまい、完全にトレイシー・ガンズ体制になってしまったと言っていいでしょう。そんな中にヘルプとしてジンジャーが(一時的に)加入、一緒に曲作りをしたりしたのですが‥‥ どうやらジンジャーが関わった曲は "White Trash"(M-6)、"Never Say Never"(M-8)、"Tunnel Of Love"(M-12)の3曲みたいですね。

 で、先の「www.myspace.com」で聴けるのは、"White Trash"(M-7)、"Dimes In Heaven"(M-13)、"Lord Of The Mind"(M-2)、"Porcelain Queen"(M-10)の4曲。"White Trash" は前作の流れを組む、アッパーなR&R調といいましょうか。確かにどことなくジンジャーっぽさが感じられたり、られなかったり。ボーカルのロンドンが前作よりも抑え気味に歌ってるのが多少気になりますが‥‥

 続く2曲("Dimes In Heaven"、"Lord Of The Mind")はどちらもミドル・ヘヴィなタイプで、特に前者は多少プログレッシヴな要素を持った演奏が印象的ですね。後者は特にトレイシーのギターソロが耳に残る、多少グルーヴィーな仕上がりになってます。あー成る程、この辺はニッキー主体ではなくトレイシー主体っぽい気がするなぁ。L.A. GUNSの2nd〜3rd辺りにも通ずるヘヴィさというか。

 そして最後の "Porcelain Queen" はピアノやシンセを用いたバラード。前作にはないタイプですよね。これもトレイシーっぽいな。特に途中でアップテンポ&ヘヴィな展開をしていくアレンジなんて、モロにL.A. GUNS的ですよね。

 こうやって4曲だけですが、ちゃんと聴いてみると‥‥凄くバラエティに富んだ作品にしたかったんだなーという気がします。勿論、最終的な判断はアルバム13曲を通してからですが‥‥1stアルバムが、ニッキー・シックスの「パンク精神」をそのまま体現したような作風で、ただひたすら前進といった感じだったのが、この2ndではもっとひねくれた感じというか、俺等パンクだけどもっと知性もあるんだぜ?的な頑張りみたいなものが感じ取れますよね。歌もただがなったり叫んだりしてるんじゃなく、丁寧に歌おうとしてる印象を受けたし。

 う〜ん、これはもしかしたら賛否分かれるかもしれませんね。あくまで「ニッキー・シックスがMOTLEY CRUEの代わりに始めたバンド」という風に捉えていたファンからすると、(既にニッキーが抜けた時点で興味は薄らいでいるのかしれませんが)ちょっとなー‥‥という気がしないでもないし、またジンジャーが絡んだから聴いてみようと思ってるTHE WiLDHEARTSファンからすると、ちょっとパワーが足りない気がするし(ヘヴィではあるけど、ワイハーが持つヘヴィさとはまたタイプが違うしね)。他の9曲の中には従来のタイプの曲もあるだろうし、あるいはもっと風変わりな曲もあるかもしれない。その辺はちょっと楽しみではありますけどね。

 まぁ‥‥この4曲を試聴用に選んだという時点で、何となく彼等(特にトレイシー)の意図するものが見えなくもないですけどね‥‥とにかく。日本盤は10/5にリリースされます。同日にはBUCKCHERRYの3rdアルバムも日本先行でリリースされますので、これはちょっと面白い聴き比べができるかもしれませんね、同じ「21世紀を代表する中堅アメリカンハードロックバンド」として。



▼BRIDES OF DESTRUCTION「RUNAWAY BRIDES」
(amazon:日本盤US盤

投稿: 2005 09 18 12:01 午前 [2005年の作品, Brides of Destruction, Ginger Wildheart, Motley Crue, Wildhearts, The] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005/06/01

ジンジャーの告白。そして‥‥

"Valor Del Corazon"(The Wildhearts.com)


 衝撃の告白とは正にこのこと。

 ジンジャーよ、お前もヘロイン中毒だったのか‥‥orz

 凄く長いんで、よく理解しながら読んでください。妻子と別居(離婚?)したとか、東南アジアで牡蠣にあたって食中毒起こしたりとか、そりゃ淋しくなってBRIDES OF DESTRUCTIONに入りたくも
なるわな、周りが優しけりゃ。で、そのBODも酷い有様で‥‥自暴自棄にもなるか。

 個人的には、

 「The Wildhearts had become me, and I hated it.」

この一言にやられた。嗚呼、終ったな、と。バンドの現状を全て物語ってるような気がする一言。
自分で自分の首を絞めてたとも言えるだろうけど‥‥ここまでくると、復活は難しいかもな。相当今のイギリスの音楽シーンを嫌ってるようだし、シングルがトップ30に入る程度じゃ満足もしてないようだし。そのプライドだとかエゴだとか‥‥まぁそういう内的要因と、他のメンバーとの関係性やバンドに対する姿勢という外的要因の全てが悪循環を起こしてたんだろうね‥‥特にダニーがヘロインでドロップアウトして以降‥‥

 最後まで読んで感じたことは‥‥

‥‥つーかドン底過ぎて、吐き気がする程泣けてきた。でも、最後に光を掴んだと発言してますね。テキサスにて、ニューアルバム(ソロアルバム)のレコーディングを(これを書いた)翌日から開始する、と。「ENDLESS, NAMELESS」をプロデュースしたラルフ・ジェザードと共に、テキサスにあるウィリー・ネルソンのスタジオでレコーディング開始すると。嬉しいじゃないですか。新しいマネージメント(というか世話をしてくれる人間)も見つかったようだし。

 ジンジャーの集大成的作品になりそうですね、これを読む限りでは。ここ数年の彼の人生をそのまま歌にした作品集みたいだし、曲もカントリー的なものからパンク、メタル、ポップソング、とにかく「ALL of ジンジャー」な作品になるのは間違いないでしょう。

 アルバムタイトルは「VALOR DEL CORAZON」。年内には出るのかな‥‥レーベルは決まってないけどね。

 THE WiLDHEARTSは‥‥もうなくなったも同然、二度と復活することはないのかもしれない。復活したとしても、日本在住のCJや、いろいろなセッションワークを受けてるスティディを組むことはなさそうだな。考えられるのは、ドラムがリッチか‥‥ベースはラルフも考えられるし(ワイハー解散中にラルフはそのリッチと共にGRAND THEFT AUDIOってバンドをやってて、ベース担当だったんだよね)、ジョン・プール(ダニー離脱後、その最後までワイハーでサポートを務めたベーシスト。リッチとは第2期SiLVER GiNGER 5のリズム隊ってことになるのか?ま、あればの話ですが)でもいいし。

 んで、そのジョン・プールと6月後半からアコースティックツアーを英国で実施するんだけど‥‥それまでにレコーディングを終らすつもりなのかしら。そこで新曲もバンバン聴ける、と‥‥何でもいいから、早くアルバム聴かせてくださいよ!

 ‥‥って書いたところで、レコーディング開始後1週間で早くも新曲完成! しかも一般公開してますよ!!


"The Man Who Cheated Death"(リンク先に飛ぶと曲が始まるので注意を)

 更に、レコーディング中のレポートもアップされてます。

In the Lonestar State of the Stars and Bars(The Wildhearts.com)

 ソロアルバムのレコーディング開始からまだ1週間しか経ってないのに、早くも1曲完成してしまったようです。如何にもジンジャーらしいメロウなピアノ・バラード "The Man Who Cheated Death"。一部のワイハーファンには不評みたいですが(「WHならではのザクザクした重たいリフ」云々だの「予測できない展開」だのとほざいてる輩が多いようですが、所詮彼等は「ワイハーのファン」なのであって、「ジンジャーというソングライターのファン」ではないんだよね)、こういう曲も彼にしか書けない曲なわけですよ。このメロ、最近の不振(特にシングルクラブでのソロ曲とかワイハーのアルバム曲とかな)を考えれば嘘みたいに素晴らしいメロディを持ったナンバーじゃないの?

 SiLVER GiNGER 5だってバラード曲があったし、あれだってソロの延長じゃないですか。ワイハー以上にハードロック色が強かったけど。ジンジャーの資質を考えたらこんな曲が飛び出すこと、別に驚きに値するもんでもないし、むしろ今はこうやってポジティブに音楽と向き合えるようになった彼を歓迎すべきなんじゃないかな。

 っていうのは、ファンの贔屓目?

 とにかく、「またTHE WiLDHEARTSは終了した」と個人的には思ってるので、今は彼がどういう音楽を作ってくれるのか、楽しみで仕方ないんですけどねぇ。

 けどなぁ‥‥ある程度やったら、どうせすぐ飽きて「またバンドでやりたい」とか言い出しかねないんだよね、このオッサンの場合。ま、そこも憎めないところなんだけど。

 最後に。そんなジンジャーが1999年、当時絶賛解散中だったワイハーの後、最初に発表した音源集が『CLAM ABUSE』というユニットでのアルバム。アレックス・ケイン(LIFE, SEX & DEATH)やキエロン・ペッパー(ワイハーのローディー兼PRODIGYのライヴでのドラマー)と共に制作した、お遊び感覚の強いポップなアルバム。これも侮れませんよ。ただ、「THE WiLDHEARTSのジンジャー」をイメージして手を出すと痛い目を見るだろうけどね。俺は大好きな1枚。これが近頃再発されたとのことです。ボーナストラックも追加され、値段も手頃なので、俺も後で買い直します。



▼CLAM ABUSE『STOP THINKING』
amazon

投稿: 2005 06 01 12:58 午前 [Ginger Wildheart, Wildhearts, The] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005/05/04

THE WiLDHEARTSのライブについて

ジンジャー(THE WiLDHEARTS)、6月からのUKアコースティック・ツアーの日程を発表(公式)

 昨年秋、THE WiLDHEARTSのツアーの合間に行われたアコースティック・ツアーと同じ形態のようですね。サポートメンバーにジョン・プール(SiLVER GiNGER 5とワイハーのベース)とホット・スティーヴ(ギター)を迎えた3人で回る模様。まぁ‥‥元気なのは何よりですね。

 今年頭のBRIDES OF DESTRUCTION電撃加入電撃脱退という話題を振りまいた後、なりを潜めていたジンジャーのオッチャンですが、ようやく公の場に出て何かしようって気になってくれただけでも有り難いというか。

 そういえばジンジャー、ワイハーとして今年の2月に来日の予定があったんだっけ‥‥当初は「音楽活動中止のため来日中止」だとか「ダブルブッキングだった」とか「マネージメントとプロモーターの先走り」といった理由で発表後、暫くしてキャンセルされたわけですが、その理由は当然ながら先のBRIDES OF DESTRUCTION加入の件だったわけで。ところがいざ現場(アメリカ)に行って曲作りとか一緒にしてみたところ、「バンド(BRIDES〜)に100%で臨めないと判った以上、本格的な活動が始まってからよりも、その活動が始まる前に脱退の意思を伝える方がフェアだと思った。金や音楽のために友情を失いたくはないしね。」とのことで、早くも離脱。ジンジャーが曲作りに加わった曲はそのままBRIDESのアルバムに収録されるようですけどね。

 何だそれ、ただのダダッ子じゃねえか。

 って今に始まった話じゃないですけどね。まぁいいや。生きてさえいてくれれば。またいずれ、何らかの形で音源出したり、来日してくれるでしょうからね。

 そういやぁ俺、ワイハーのライヴって2002年に2回観て以来、ずーっと観れてないのか。2002年といえば、アレですよ。最強のロケンロー・イヤーだったサマソニでの、ダニーを含む布陣で再結成後初の来日。そして同年12月の同メンバーでの単独ツアー。その後、2003年秋に「THE WiLDHEARTS MUST BE DESTROYED」をリリースし、12月には再来日を果たすものの‥‥既にそこにはダニーの姿はなく(涙)、俺も諸事情で泣く泣くZepp Tokyo公演を諦めたんだよな、直前に。んで2004年はTHE DARKNESSの代役として急遽サマソニで来日。そして‥‥現在に至る、と。

 その2004年のサマソニの映像が、「THE WiLDHEARTS STRIKE BACK」日本盤で2曲観れるんですよ。定番曲 "I Wanna Go Where The People Go" と "Vanilla Radio" ね。マリン・スタジアムでの演奏ってのは2002年の時と同じなんだけど、あの時よりも客が入ってて、更に盛り上がってるように見えるんだけど‥‥それって単に俺が2002年の時は前の方にいて後ろやスタンドの様子が目に入ってなかっただけなのかも‥‥勿論、全員が全員熱狂的に盛り上がってるとは言い難いけど(中には様子見の客も多いしね)、それでも明らかに日本のワイハー・ファン数以上の客が盛り上がってくれてるわけですよ。嬉しいじゃないですか。

 この年のサマソニは確かワイハー出演日の1日券がソールドアウト、しかもワイハー出演が発表になったのが、前日という異例さ。俺は別のライヴの予定があったんで諦めたわけだけど‥‥まさかこんな事になるとはね。ってワイハーだもんな、何時そういう状況に陥ってもおかしくはないわな。これまで、それで散々泣かされてきたファン、多いはずだしね。特に解散前‥‥1998年までの彼等は、来日の度に「このジャパン・ツアーが終ってイギリスに帰ったら解散する」ってジンジャーは宣うわけですよ。ところがいざツアーが始まると、イギリスのファン以上に温かく且つ熱狂的なわけですよ、日本のファンが。それでジンジャーのオッチャンはまた感動しちまって、「やっぱり(解散するの)止めた! また一から出直すよ!」みたいに前向きになって帰国するわけですよ‥‥俺等はお前の母親か?なんて思ったこともありましたが、まぁそれも「恋は盲目」、一度好きになってしまったがため、後には退けないわけですよ、こっちも‥‥

 ワイハーはライヴでそんなに上手いというバンドではなかったよね。いや、テクニックがないというわけじゃなくて、アルコールでヘロヘロになってる時があったり、ドラッグでヘロヘロになってたベーシストがいたりで、時には酷い演奏の時もあった。でも、一度カチッとハマッてしまえば、後はもう奇跡的にカッコいいわけですよ。彼等の曲は構成が複雑なものが多く、パンクと呼ぶには入り組んでるし、メタルというにはメロディがポップで軽過ぎる、かといってパワーポップともギターポップとも違う。よく「BEATLES meets METALLICA」とか「METALLICA meets ABBA」なんて例えをされることが多いですが、ポップなメロディ、幾重にも重なるハーモニー&コーラス、そしてMETALLICAみたいに重厚で展開が複雑な曲が多かったりする。ライヴでそれらがピタッと決まった時の感動といったら、それはもう鳥肌モノなわけですよ。フェスだとシングルになってるようなメジャーな代表曲が多く選ばれるため、なかなかそういった要素を見出すのが難しいかもしれませんが、単独公演に足を運んでしまった日にゃ‥‥あれですよ、ドラッグよりもタチが悪いですよホント。

 彼等の初来日から、今年の10月で丸10年が経ちます。あの初来日公演、忘れられないなぁ‥‥あそこでまた、自分の人生がひとつ変わったような気がしたもの。

 彼等の魅力は勿論スタジオ盤からも十分に伝わって来ますよ。けど、もしフェスとかで観たけどイマイチ馴染めないって人がいたら‥‥このライヴ盤を聴いて欲しいわけですよ。ディスク1の方は比較的フェスの構成に近い、それこそ普段のライヴで演奏されるようなメジャー曲が大半を占め、最後はライヴ同様 "Caprice" で閉めてるんですよ。んでディスク2。これが曲者で、とにかく普段なかなかお目にかかれないようなマイナーな曲(アルバム曲や初期シングルのカップリング曲等)が多く、ファンなら思わず唸ってしまうし、ファンじゃない人も「へっ、こんな曲もやってんの?」って驚きや新しい発見があるはず。とにかく‥‥カッコイイの一言。

 俺がロックバンドに求めるものの全て‥‥それを備え持った、1990年代以降に登場した数少ないバンドのひとつですよ。



▼THE WiLDHEARTS『THE WiLDHEARTS STRIKE BACK』
(amazon:国内盤CD / 海外盤CD

投稿: 2005 05 04 12:00 午前 [Ginger Wildheart, Wildhearts, The] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005/03/10

そういやぁイギリスではずっと廃盤だったっけ。

The fantastic Silver Ginger 5 album - Black Leather Mojo - is to be re-released this month by Sanctuary Records.(公式ニュースページ3/9付)

 日本では2000年6月に先行発売され、本国イギリスでは翌2001年春にようやくリリースされた、THE WiLDHEARTSのジンジャーによる別バンド、SiLVER GiNGER 5唯一のアルバム「BLACK LEATHER MOJO」が、3/28にイギリスにて再リリースされます。

 これ、以前は「Infernal Records」から出てたんですが、今回はソロ・シングルをまとめた2枚組アルバムと同じく、「Sanctuary Records」からのリリースとなります。ワイハーもアメリカではここから出してるんですよね。そういう繋がりでしょうけど。

 以前イギリスでリリースされた時も今回と同じ2枚組仕様(ディスク1に「BLACK LEATHER MOJO」、ディスク2が当時のライヴやアコースティックライヴ、更にSG5のセカンドアルバム用デモ曲をまとめたボーナスディスク)だったのですが、今回はディスク1が日本盤と同じ曲数(14曲)なんですよね。前の英国盤は "To Love Somebody" が入ってませんでしたしね(けど曲順は日本盤とちょっと違うのね、"Too Many Hippies" の位置がさ)。前回の英国盤を買い忘れた人、まだ日本盤すら持ってないって人は、これからこの英国盤を買えばいいと思います。SG5名義でリリースされた全音源はこれでカバーできますしね。

 思えばSG5(というか、この頃のジンジャー)って最初、「Sanctuary」とマネージメント契約をしたんだよね‥‥で音源出す前に契約解除して。そう考えるとホント感慨深いものがあるね。ま、あのオッサンがアホなだけなんですが‥‥

 久し振りに「BLACK LEATHER MOJO」、引っ張り出して聴いてみよう。今度のDJにも使おうかな‥‥



▼SiLVER GiNGER 5「BLACK LEATHER MOJO」[UK盤](amazon

投稿: 2005 03 10 11:56 午後 [Wildhearts, The] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005/03/07

アンタって人は‥‥

ジンジャー、早くもブライズ・オブ・ディストラクション脱退!(CDJournal.com)

 ‥‥絶句。

 オッサン、やっぱ面白いわ。だから大好きなんだけど。

 常に話題に事欠かないしな。しかも全部自ら作り出してくれてるし。

 ホント、アンタ最高だよ!!(泣笑)

 で、今度はリッキー・ウォリック(元THE ALMIGHTY。最近はソロでやってるのかな?)と一緒に何かやるの? '90年代前半、大好きだった英国産バンドのふたつが合体するわけか‥‥ま、アコースティックだけどな。バンドはやらないだろうけどさ。まぁ曲一緒に書いて、また癒されてくださいよ、オヤジよ‥‥



▼GiNGER「A BREAK IN THE WEATHER」(amazon

投稿: 2005 03 07 10:09 午後 [Wildhearts, The] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2005/01/25

このオヤジは‥‥ったく。

ジンジャーからの正式声明(オフィシャル。1/25参照)

 若干意味違ってるかもしれませんが、意訳してみました。要するにこういうことらしい‥‥


I have been offered the job playing second guitar, as well as helping write the new album, for The Brides Of Destruction. This does not mean that The Wildhearts are over, it just means that I am going through a traumatic time of my life and need a break from being the frontman/chief in charge.

意訳)俺はBRIDES OF DESTRUCTIONからセカンド・ギタリストとして加入し、新しいアルバムの曲作りを手伝って欲しいというオファーを受けた。でもこれは「THE WiLDHEARTSは解散した」っていう意味じゃない。今の俺には、俺の人生における心の傷を癒したり、フロントマン/バンドのリーダーでいることから少し離れる必要があったんだ。


My spirits are low and my performance as a lead singer would not be worth the admission fee, believe me. I cannot stop playing music however, and the offer to join The Brides has come at a time where I desperately need to concentrate on something to help me cope, both mentally and emotionally. Tracii and the guys have been so kind to me, and I am more than grateful for their friendship and encouragement.

意訳)今の俺は非常に落ち込んでるんだ。こんな状態でシンガーとしてライヴを続けたって、入場料に見合ったパフォーマンスが出来るとは思わない。ホントだぜ? しかしながら、俺には音楽を止めるなんてことはできないんだ。そんなふうに、俺が自分の気持ちとしっかり向き合ってどうにかしなきゃって思ってた時、BRIDES OF DESTRUCTIONからのオファーがあったんだ。トレイシーやバンドのメンバー達は俺に対してとても親切だったし、そういう友情や励ましに対して俺は感謝の言葉も出ない程感激してるんだ。


If everyone can kindly allow me the time to heal I would be grateful for the considerate approach to this most unfortunate of times for me. I trust I can count on the fans for support, as opposed to knee jerk opinions and malicious gossip.

意訳)みんなが俺(THE WiLDHEARTSとしての)しばしの休息を快く受け入れてくれるなら、この最も最悪な時に対する思いやりある対応に感謝したいよ。反対意見や悪意あるゴシップもあるだろうけど、俺はサポートしてくれるファンを信じてるよ。

 ‥‥何だかなぁ。このオッチャンのことだから、こんなことだろうとは思ったけど‥‥まぁまた自殺未遂されたり、ホントにバンド解散させられたりするよりはマシか‥‥って思ったけど。そんなに負担だったんスか、THE WiLDHEARTSの一員でいることが?

 売れる/売れない、って問題以上に、恐らくダニーの件が未だに尾を引いてるのかなぁ‥‥結局、ダニーのいないTHE WiLDHEARTSをいくら続けても、やっぱり空しいだけなの? だったら全然知らない環境、知らない人達と仕事した方が気持ちは晴れるっていうのですか‥‥

 あれだね。ここまでくると、過去にいろんな苦労を一緒にして、ふたりして泥水すすってまで長年寄り添ってきたカップルが、いざ結婚って時になって「やっぱりあなた以外の、そんな過去を知らない人と一緒になります‥‥」とか言っていきなり離れてく女の心境と一緒だね!(ってあまりに具体的過ぎますが、特に気にするな)

 何だろうなぁ‥‥まぁこのオッチャンのことだしな。としか言いようがないわ。ゴメン、無理。これ以上この話題に関わるの、無理だから!(半笑い気味)


 ‥‥ある意味、ジンジャーらしくて、ほんのちょっとだけ、ホッとしたりして。



▼GINGER「A BREAK IN THE WEATHER」(amazon

投稿: 2005 01 25 11:00 午後 [Wildhearts, The] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

んなアホな‥‥

THE WiLDHEARTSのジンジャー、BRIDES OF DESTRUCTIONに加入!?

 と、トレイシー・ガンズ(ex-L.A.GUNS、現在BRIDES OF DESTRUCTIONのギタリスト)がコメントしたそうです。しかもセカンド・ギタリストとしての加入‥‥なんだそれ!?

 まさかなぁ‥‥と思っていたところ、THE WiLDHEARTSのオフィシャルサイトでも正式にコメントされてますね。「セカンド・ギタリストとして仕事し、次のアルバムの曲作りをアシストする」と‥‥

 現在、BODからは主要メンバーであるニッキー・シックス(MOTLEY CRUEのベーシスト)」は正式に脱退しています。理由は単純、復活MOTLEY CRUEに専念するから。MOTLEYとしての活動が一段落ついた後も、彼がBODに復帰するという確証はないわけです。

 THE WiLDHEARTSの2月来日中止の裏側に、こういう事情があったとは‥‥当初耳にしていた理由とは大分かけ離れてますね‥‥

 一部のファンは覚えているかもしれませんが、ジンジャーはニッキー・シックスという存在/アーティストを非常に高く評価しています。THE WiLDHEARTSの一時解散時、ジンジャーはSUPERSHIT666というユニット(他のメンバーはTHE HELLACOPTERSのニッケがドラム、BACKYARD BABIESのドレゲンがギター等)を組んでミニアルバムを製作、「是非ニッキーをベースに迎えてフルアルバムを作りたい」とコメントしたこともあったし、そのジンジャーの別バンド、SiLVER GiNGER 5のセカンドアルバムで「是非ニッキーに参加してもらいたい」とコメントしたこともありました。それくらい彼はニッキーを高く評価していたのか、あるいは本気で好きだったのか‥‥

 そういえば昨年夏、急遽THE DARKNESSの代役で来日したTHE WiLDHEARTS。同じ出演日にはまだニッキーが在籍していたBODもいました。そんなBODのステージにジンジャーが飛び入りし、一緒に "Shout At The Devil"(ご存じ、MOTLEY CRUEのカバー)を歌った、なんて話もありました。今思えば、この辺から複線はあったのかな‥‥というのは深読みし過ぎでしょうか?

 そんなニッキーも、ソングライターとしてのジンジャーを高く評価していたし、THE WiLDHEARTSというバンドを非常に気に入っていた、というのは過去のインタビューから知ることができます。が‥‥何も今、ニッキーのいないバンドで「ニッキーの代役」として働かなくてもいいじゃん‥‥そう思うのは俺だけでなく、きっと多くのジンジャー・ファンも同じはず。だったら復活MOTLEYでセカンド・ギタリストやれよ、曲作り手伝ってやれよ‥‥何も同じレーベルメイト(共に海外では「Sanctuary Records」所属)だからって、よりによって格下(と俺自身は認識してます。いくらニッキーがいるからといっても、やはりこれは紛れもない事実でしょう)バンドのサポートなんて‥‥

 才能ある人間だからこそ、こうやって認められることは嬉しくもあるんだけど、やはりちょっと方向が違うよなぁ‥‥どうせなら「○○のメンバーとして大抜擢!」っていうビッグニュースの方がね‥‥THE WiLDHEARTSの活動を中止してまでやることなんだからさ。釈然としないよな普通。

 どうやらBODのセカンドアルバムは年内にはリリースされるようですが(記事には6月とか書かれてたけど、まぁまず無理でしょう)、これがどうしようもないアルバムだったら‥‥首くくって死んでください、マジで。

 そんなBRIDES OF DESTRUCTION。実はまだニッキーの後釜ベーシストが決まってません。→(追記)いかんともしがたいさんの記事によると、ベーシストは元AMENのスコット・ソーリーが加入したそうです。ん、ん〜ん‥‥

 ‥‥ダメだこりゃ‥‥正に「Turning America」やん‥‥



▼BRIDES OF DESTRUCTION「HERE COMES THE BRIDES」(amazon

投稿: 2005 01 25 09:20 午前 [Wildhearts, The] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2004/12/21

THE WiLDHEARTS『COUPLED WITH』(2004)

THE WiLDHEARTS、来年2月に来日決定(Creativeman)

 前にジンジャーが「毎年12月に来るから」とか何とか言ってたってこと書いたし、その時に「いよいよ来年2月下旬に来日か!?」とも書いたけど、ようやく公式発表になりました。今回は東名阪、東京のみ2日でクアトロ回り。4日連続って凄いスケジュールだな。後に何がつっかえてるっていうんだ? またアメリカ回るとか? 妙にタイトなスケジュールだな。

 クアトロは初来日以来かな? あれ、東京はリキッドとオンエアだっけ? 名古屋だか大阪がクアトロだったんだっけ?? かなりうろ覚え。初来日の時はリキッドとオンエアに行った記憶はあるけど、クアトロでは観てないな‥‥ああ、あれはTHE HELLACOPTERSか。まぁいいや、とにかくここ最近では一番小規模なステージになりそう。前回の来日時、客足悪かったのか? んなアホな。今年のサマソニでも前日発表だったにも関わらず、かなり盛り上がったって聞いてるけど。みんな義理か? 義理で盛り上がってくれたのか?? だとしたら‥‥



 FUCKですよ!


 まぁいいや‥‥今回、こんな狭いハコで観れるなんて、(ある意味)かなり幸せな状況ですな。そりゃ「年々ツアーやハコの規模が小さくなってくなぁ‥‥」って思いもないわけじゃないですよ。けどね、もう今更どうにもなんないし。新しいファン、なかなか増えてくれないしさ。こんなに曲がよくて、こんなにステージがカッコいいバンドなのに。

 あのですね。このバンドは本当に捨て曲がないわけですよ。大袈裟じゃなくて。アルバム曲やシングルのタイトル曲よりも、そのシングルに入ってるカップリング曲に名曲が多いというのは、イギリスのバンドによくあるじゃないですか。OASIS然り、SUEDE然り、MANIC STREET PREACHERS然り。そういったバンドはC/W曲だけでアルバム作れるじゃないですか。いや、実際作って出してるじゃないですか。

 近年、THE WiLDHEARTSもそういったアルバムをリリースしたんですよ。再結成後にリリースした全シングルに収録された全てのC/W曲及びアルバム未収録のシングル曲、アナログ盤にしか入ってない曲を集めたアルバム、「COUPLED WITH」。

 全20曲+エンハンストでPVが1曲収録。75分以上に渡る名曲の数々。そりゃ解散前と比べれば確かにクオリティーは落ちてるのかもしれないけど、それでもこれだけのレベルを維持できてれば凄いもんだと思うわけで。正直な話、再結成後にリリースされたオリジナル・アルバム「THE WiLDHEARTS MUST BE DESTROYED」よりも好きな1枚なんですよね。曲のバラツキやトータル性等、1枚の作品集として考えると確かに微妙ですが、それでも1曲1曲を取り上げるとかなりの名曲揃い。うん、再結成後も捨てたもんじゃないよね。



▼THE WiLDHEARTS『COUPLED WITH』
amazon

投稿: 2004 12 21 01:30 午前 [2004年の作品, Ginger Wildheart, Wildhearts, The] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2004/12/17

THE WiLDHEARTS『THE WiLDHEARTS STRIKE BACK』(2004)

 えーっ、オッサン今日で40才なのか‥‥つーか若いよなぁ‥‥やんちゃ過ぎて全然40には見えないけどな!

 愛するTHE WiLDHEARTSのシンガー/ギタリスト/ソングライターである、ジンジャー大先生が本日12月17日で無事40才を迎えることになりました。本当ならこの時期、日本に来ていてもおかしくないはずなんだけど‥‥ここ2年、毎年12月は日本でツアーやってるし、実際この夏サマソニで急遽来日した際にも「12月にまた会おう」って言ったそうじゃないですか。「毎年12月に日本に来る!」とも言ってたそうな‥‥ってこのバンド(というかジンジャー)の場合、発言したこと全てがその通りになるとは限らないのは、古くからのファンなら既に周知の事実。こればっかりはね。

 そんな40才の誕生月を祝うかのように(いや実際には違うけど)リリースされたのが、とりあえず公式としては初めてとなるライヴアルバム「THE WiLDHEARTS STRIKE BACK」。恐らくスターウォーズの「帝国の逆襲」から取られたであろうこのタイトル、「ワイルドハーツの逆襲」と捉えればよろしいのでしょうか?(ジャケットもそれをパロッてるしね)

 復活後もいろいろトラブルを起こしたり、また巻き込まれたりで散々なバンドなわけですが、特にここ1年は彼等にとっても非常に充実した1年だったんじゃないでしょうか‥‥というのは現実観てなさ過ぎか? けどさ、今年の春にアメリカでのリリースが決まったり、THE DARKNESSと共に二度も全米ツアーをすることが出来たり、そのTHE DARKNESSの代役としていきなりサマソニで来日したり。勿論、英国を含むヨーロッパでの人気もそれなりに維持してるようですしね。出すシングルは全て全英トップ30入りしてるし、ツアーもそこそこ客が入っているようだし。新曲よりも昔の曲が求められてしまう辺りは、やはり「再結成組」の悲しい性ではありますが、そこはほら、もう40なんだからさ。大人なんだから、我慢しなさいよ。今に始まったことじゃないじゃないの!

 そんなライヴ盤。過去日本では「TOKYO SUITS ME」という限定ライヴ盤が出てたし、非公式ながらもBBC音源を編集した「ANARCHIC AIRWAVES」なんてのもありましたよね。けど、バンドとして本当に「ワールドワイドで同じもの」としてリリースするのは、今回が初めて。そういやぁベスト盤も日/英では内容/フォーマットが違ってますし、それぞれの国を意識すれば内容が異なるのは仕方なかったわけですが(つーかこれまでの英国のレコード会社がやる気皆無だったわけだが)、今回ばかりはバンドも相当乗り気で作ったようで、全英ツアーの中から数公演、いいとこ取りで編集されたのがこの2枚組。選曲も1枚目の方は比較的普段のライヴやフェスでのセットリストに近い選曲/構成で、2枚目の方は古くからのファンを唸らせる選曲だったりして、バランス的には面白い仕上がりになってます。何せ "Girlfriend Clothes" や "Beautiful Thing You"、挙げ句の果てに "Turning America" や "Dangerlust" って! そりゃ最近の彼等に見切りをつけようかと思ってるような人でも、思わず名残惜しくて振り返っちゃうわな。憎いぜ、親父。

 けどね。ライヴ盤特有の臨場感はちょっと薄いかな、と。ミックスのせいなんでしょうけど、歓声が小さいのね。例えば過去に出た2作と比べると、非常に整理されまくっちゃってるかな、と。音の生々しさは、年齢の割には荒々しいプレイのお陰でかろうじて維持してるんですが‥‥そこだけが残念かな。けど、バンドの演奏を聴き入る分には各自のプレイがしっかり聴こえてくるんで、まぁ良しとしますか(これもファンの悲しい性か)。

 噂では、来年2月にはこのライヴ盤を引っ提げて再び日本上陸するというワイハー。昨年12月の来日時は仕事の都合でZepp公演を観損ねてしまいましたが、今回こそは‥‥サマソニも見逃してるしな! オッサン、もう自殺未遂とかさ、そういう子供じみたことは止めてよね。子供もいるんだしさ。ファンだってこんなにいるんだから‥‥来日の際には、俺等もしっかり盛り上げるからさ! 楽しみにしててよ!(って立場が逆転してますが)

 まだワイハーのライヴを観たことないって人、是非一度手に取ってみて。その辺のメロコアバンドよりも数段優れてるし、パワーポップ好きにも引っかかるもの、沢山あるし。昔ハードロック少年だった人には堪らない要素も沢山あるし、パンク好きも惹き付けるような匂いも沢山するし。とにかくカッコいいですから! あ、また彼等を一度も聴いたことないって人は、先にオリジナルアルバムかベストアルバムから聴くことをオススメします。もうちょっと整理されたスタジオ音源の方が入りやすいと思うしね。



▼THE WiLDHEARTS『THE WiLDHEARTS STRIKE BACK』
(amazon:国内盤CD / 海外盤CD

投稿: 2004 12 17 11:23 午後 [2004年の作品, Ginger Wildheart, Wildhearts, The] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2004/12/07

THE WiLDHEARTS『ANTHEM - THE SINGLE TRACKS』(1998)

 あ、そうか。12/8発売だったね、「THE WiLDHEARTS STRIKE BACK」日本盤。輸入盤は既に先月から出回ってたから、既に買った気になってたけど、実は外盤すらまだ買ってなかった(だってジャケが日本盤以上に微妙なんだもん)。

 けど、外盤(UK盤)がCD-EXTRAで再結成後のPVを全て収録していて、日本盤は権利の関係でこれらの収録ができず、代わりに去年のサマソニから2曲("I Wanna Go Where The People Go" と "Vanilla Radio")ライヴ映像がEXTRAで収録されてるってことで‥‥結局両方買うはめになりそうです。ファンって悲しいね。

 というわけで、初の公式ライヴ盤(全世界共通版って意味でな)リリース記念、夏頃に書いていたワイハーのアルバム&シングルレビュー(とみ宮にアップしてない分)を徐々にアップしていきたいと思います。

 まずは手始めに、既に在庫もなく、廃盤状態らしいこの日本企画盤から‥‥

 '98年3月に日本限定でリリースされた編集盤。UKにて'97年8月にリリースされたシングル「ANTHEM」と、同9月にリリースされたシングル「URGE」の各3フォーマット(CD1&2&7インチEP)に収録された全楽曲(12曲)を収めたもの。'97年9月末にバンドは当時リリース前の新作「ENDLESS, NAMELESS」プロモートのためのツアーで来日するものの、同年10月上旬に「メンバーの "OUT OF CONTROL"(=要するにベースのダニーのドラッグ癖悪化)」を理由に無期限の活動休止を発表。アルバムは無事11月にリリースされたものの、その後のツアーは勿論全て中止。バンドとして新機軸を打ち出した意欲作だっただけに、中途半端な結果しか出せず‥‥当然アルバムはヒットせず(かろうじてトップ30入りはしたのかな?)。

 実はこの頃のワイハーってファンからの批判の声が多い頃でね。それまでジンジャーは「マルチフォーマット(CD1とか2とか、同じタイトルで複数フォーマットを一度にリリースすること)シングルをリリースするのは、ファンに対して誠実じゃない。単なる金儲け主義だ」とOASISやBLURのヒットを批判してたわけですよ。「単なる水増しリミックスや糞みたいなカバーやアウトテイクで金のないガキどもから搾取しやがって」みたいな感じで。

 なのにこの時期(「MUSHROOM RECORDS」移籍後)の彼等はそのマルチフォーマットでシングルを連発するんですね。しかも収録曲の大半がカバーばかりという、最悪な形で。これまでワイハーってカバー曲を正式音源として残してきてないので、ファンとしてはある意味有り難いともいえるんですが‥‥やっぱり彼等を信じて応援してきた初期からのファンとしては複雑な心境だったわけですよ。しかもこの辺りで音楽性が大きく変化してきたわけですから、余計にね。

 各シングル表題曲を除くと、ここに収録されている未発表曲は10曲。内カバー曲は5曲。TOURIST、ENUFF Z'NUFF、JASON & THE SCORCHERS、CHEAP TRICK、EDDIE & THE HOT RODSという、とにかく幅広いジャンルからピックアップされてます。この他にも同時期にレコーディングされながらもここに未収録のカバー曲としてエルヴィス・コステロの "Pump It Up" なんてのもあります(UKではNMEの付録に、日本ではアルバム「NAMELESS〜」のボーナストラックとして収録)。全ての楽曲が激しいノイズに包まれているため、万人向けとは言い難いですが、それぞれが彼等らしい味付けで興味深いですよね。ま、コアなファン向けですが。

 それ以外の新曲‥‥これも面白いんですよ。何せ初めてジンジャー以外のメンバーのペンによる楽曲がありますから。"Anthem" はメンバー4人の連名で、ボーカルはベースのダニー。"The Song Formally Known As?" はドラムのリッチとジンジャーの連名で、ボーカルはリッチ。"Genius Penis" はリッチ単独作品、ボーカルもジンジャーと分け合ってます。"Urge" はジンジャーのペンによるものですが、ボーカルの大半を当時のギタリスト、ジェフが取ってます。ジンジャー単独体勢から「本当のバンド」に移行していった、非常に興味深い時期だったんですよね。結局その後空中分解してしまうわけですが‥‥

 ジンジャー単独楽曲も過去の楽曲とは色合いが違ったものが多くて、これまた興味深いというか。"Fugazi " はグラムロックっぽいNIRVANAみたいだし、"Kill Me To Death" もグランジ的な強弱法を用いた爆裂ナンバーだし、"Zomboid" は当時ジンジャーが最も影響を受けていたデヴィン・タンゼンド(SYL)的轟音ナンバーだし。ま、この「ENDLESS〜」周辺のセッション自体がそのSLYへのオマージュと言える訳ですが。

 その後何度かの一時的再結成を繰り返しながらも'01年には本格的再始動を果たしたワイハー。その後この周辺の楽曲は殆ど演奏されることはないわけですが("Anthem" はダニー在籍時、たまに演奏されてましたが)、激烈/轟音チューンやノイズまじりでメロディアスな要素が少ないと思われがちなこの時期の楽曲、やはり今聴くと本当に興味深いな、と。特に積極的にカバー曲を録音したのもこの頃くらいだし(その後は "Cheers" くらいじゃね、カバー曲って?)。

 オリジナル編成(ジンジャー、ダニー、CJ、スティディ)と比べればやはり印象が薄いと言わざるを得ないオリジナル最終期編成(ジンジャー、ダニー、リッチ、ジェフ)ですが、古いファンには思い出深い編成ですよね。だって、初来日から'99年の富士急での再編成まで、ずっとこの編成での来日だったわけですから。最近ファンになった子達には「?」な編成かもしれないけどさ、間違いなくこれも『THE WiLDHEARTS』なわけですからね。



▼THE WiLDHEARTS『ANTHEM - THE SINGLE TRACKS』
amazon

投稿: 2004 12 07 08:24 午後 [1998年の作品, Ginger Wildheart, Wildhearts, The] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2004/11/15

とみぃ洋楽100番勝負(89)

●第89回:「I Wanna Go Where The People Go」 THE WiLDHEARTS ('95)

 1995年。初めてTHE WiLDHEARTSが来日した年。そして解散騒動の繰り返しを始めた最初の頃‥‥いろんな意味でこの10年間、俺はこのバンド、そしてジンジャーに振り回されっぱなしなんだよね。けど‥‥明らかに現在、この頃と比べて彼等に対する熱は下がってると思う。仕方ないよね、それは‥‥ライヴにしろ、出す曲にしろ‥‥多くは語らないけど‥‥やはり1997年秋を境に、大きく変わってしまったよね、いろいろと。

 初来日の時、確かこの曲からライヴがスタートしたんだよね‥‥違ったっけ? なんかこの曲からライヴが始まることが多いからさ。やっぱりねぇ、この曲のイントロを聴くと‥‥体中の血液という血液が全部逆流し始めて、スネアの「ダカダカダカダカ、ジャーン!」ってところで一気に爆発する‥‥あの瞬間を味わいたくてね。CDの音源よりも、ライヴで味わう方がいいよね、この曲は。

 勿論他にも良い曲は沢山あるし、それらもライヴじゃすっげーカッコいいんだけど、どうしてもこの曲の場合は‥‥ライヴの1曲目にピッタリっつーか、そのイメージが強いからさ。無駄にテンションが上がっちゃうんだよね。もし未だに彼等のライヴを体験したことがないという人がいたら、それは不幸以外の何ものでもないよ。偶然サマソニとかで目撃して一発でハマッてしまったという声、沢山耳にしてます。今後もそういう機会が沢山あるだろうから‥‥また解散する前に、是非一度体験してみてください。一発でハマるから。

 それにしても‥‥今更だけど、この曲のタイトルって、ホント素晴らしいよね‥‥



▼THE WiLDHEARTS「P.H.U.Q.」(amazon

投稿: 2004 11 15 12:02 午前 [1995年の作品, Wildhearts, The, 「100番勝負」] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2004/11/06

とみぃ洋楽100番勝負(80)

●第80回:「Turning America」 THE WiLDHEARTS ('92)

 そうそう、'90年代前半のイギリス・ハードロックシーンで忘れちゃいけない存在がもう1組いたのを忘れてた。肝心のTHE WiLDHEARTSを‥‥ってさ、結局それって俺が彼等を「HM/HR」として認識してないから忘れがちなのかな、なんて勝手に思ったりもするんですが。まぁカテゴリーなんてどうでもいいや、カッコ良ければ全て良し!

 '92年前半に「MOND AKIMBO A GO-GO」っていうEPがイギリスでリリースされて。これがすっげー気になってさ。だって「BURRN!」のレビューに「BEATLES meets METALLICA」とか「ヘヴィなCHEAP TRICK」とか書かれちゃねぇ‥‥聴かないわけにいかないじゃない、この俺が。で、たまたまアナログ盤を所有してた友人からダビングしてもらって。ところがそいつ、A面とB面を間違えてダビングしやがって、本来 "Nothing Ever Changes But My Shoes" から始まるはずなのに、B面の1曲目 "Turning America" から録音してくれやがったんですよ‥‥けどインデックスには「1. Nothing〜/3. Turning America」って書いてやがるし。普通間違えないだろ、おい。

 だから俺は、暫くの間ずっと "Turning America" のことを "Nothing〜" だと思い込まされて‥‥いや、サビ聴けば判るから普通。なのですぐに気づいたけど。

 けど‥‥俺的には "Turning America" が最初の出会いで良かったように思います。この曲のメッセージ(アメリカに渡って英国魂を忘れてしまった過去の偉人達について歌ってたり)や曲のスタイルがモロに俺好みだったこともあって、忘れられない出会いになったなぁと。勿論 "Nothing〜" が最初だとしても、きっと俺は何かしらの理由をつけて「忘れられない出会い」とか言い張ってただろうけどね。

 そういえば、'01年の再結成後初来日(7月)や'03年12月の来日ツアーという俺が行けなかった時に限って、この "Turning America" をプレイしてやがるそうで‥‥ムカつくなぁ、ったく!



▼THE WiLDHEARTS「EARTH VS THE WiLDHEARTS」(再発盤に収録)
amazon

投稿: 2004 11 06 12:00 午前 [1992年の作品, Wildhearts, The, 「100番勝負」] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2003/12/27

BRIDES OF DESTRUCTION『HERE COMES THE BRIDES』(2003)

噂の大物バンド、いよいよその全貌を露わにする‥‥といったところでしょうか。

今年に入って元GUNS N'ROSESの残党がSTONE TEMPLE PILOTSのシンガーと共にVELVET REVOLVERという新バンド(プロジェクト?)を結成しましたが、こちらもある意味そういった類のバンドになるのかな。MOTLEY CRUEのベーシストにしてメインソングライターであるカリスマ、ニッキー・シックスが元L.A. GUNSのギタリスト、トレイシー・ガンズと共に結成した新バンド、それがこのBRIDES OF DESTRUCTION。当初は元MOTLEY CRUEの二代目シンガーだったジョン・コラビもギタリストとして参加していましたが(どうやらこのアルバムのレコーディングには一部彼の音がそのまま残されている模様)、結局は新人シンガーであるロンドン・レグランドと、セッションドラマーとして活躍してきたスコット・クゥーガンとの4人編成でいくことになったようです。

で、このアルバム。日本先行で2003年12月にリリースされたファーストアルバム『HERE COMES THE BRIDES』(海外では04年3月に「Sanctuary Records」からリリース予定)。全9曲入り、約37分という決して長くはない収録時間なのですが、それなりに、いや、2003年というこんなご時世に聴くとかなり新鮮な印象を受ける1枚なのかもしれません。

ブレインとなってるのは、明らかにニッキーとトレイシーのふたり。彼らがリーダーとして活動してきた各バンドの色合いを感じさせつつ、それらをヘヴィな音像で表現したかのようなハードロックを展開しています。ダークなんだけど、思いの外ポップなのは、やはり百戦錬磨のニッキー&トレイシーの個性なんでしょうね。ありがちなラウドロックやヘヴィロックへ行かずに、むしろ'80年代後半~'94年頃に時代を席巻したハードロック、といった印象が強い楽曲が並んでいるんですよ。まぁ1曲目「Shut The Fuck Up」みたいなパンキッシュなラウドチューンは、明らかに意識したものなんでしょうけど、その後に登場する‥‥3曲目「I Got A Gun」や4曲目「Two Times Dead」なんて、まんまMOTLEY……ジョン・コラビが参加した『MOTLEY CRUE』でやってそうなタイプですよね。ま、全体的にあのアルバム前後にやってたことや、トレイシーがやってたソロバンド・KILLING MACHINE的なことを新しいシンガーでやってるといった印象が強いですかね。ただ、その割にはMOTLEY色がかなり強いんですが‥‥これはまぁ、ニッキーが現在そのMOTLEYで動けないジレンマをそのまま象徴してるようで、ファンとしてはちょっと複雑な心境なんですが……だってさ、ここでやってるようなことをミック・マーズがギターで、トミー・リーがドラムで、ヴィンス・ニールがボーカルでやれば‥‥勿論これとは違ったものになっちゃうんですけど……十分にカッコイイ作品になったはずなんですよ。けど現実は‥‥いや、このバンドの、このアルバムも十分にカッコイイと思うんですが……暫くこの手のハードロックを聴いていなかったからか、新鮮に感じるものの、結局彼ら(ニッキーやトレイシー)は「グランジ前後」で止まっちゃってるんだな、とも気づかされちゃうわけですよ。いやいや、ここで自分達が最も好きなものを、最も得意とする方法でやってみただけだ!と言われてしまえば納得もしますが……でもねぇ……。

と、ネガティブなことを書いてみたものの、それでも「Natural Born Killers」や「Life」、「Only Get So Far」といった曲を聴くと、やっぱりこの人達のポップセンスは枯れてないよな、とも思うわけで。自分にとって最高のメンツ(MOTLEYの4人)で作ったものじゃないから、「あのメンツなら……」というもどかしさもありつつ、それなりに楽しめてしまう自分もいたりで、本当に心中複雑です。

あ、シンガーのロンドンについても書いておきますか。まだ確たる個性というのは確立してないような気もするんですが、面白いシンガーではありますよね。曲によってイギー・ポップみたいになったり、また時にはフィリップ・アンセルモだったり、あるいはバンドメイトだったジョン・コラビだったり(いや、ジョンというよりもクリス・コーネルなのかしら?)。良く言えばカメレオン的、悪い言い方すれば「他人の物真似」……このバンドでどの程度ライヴをやっていくのか判りませんが、全てはライヴ次第でしょうね。あとさ、このバンドってドラムのスコットもリードボーカル取れるのね。7曲目「Life」で澄んだストレートな歌声を披露してるのが、そのスコットなんですよ。この曲だけ聴いちゃうと、声のせいで……パワーポップ寄りのハードロック・バンドかと錯覚しそうになっちゃうのね。濁声(ロンドン)と澄んだ声(スコット)という対比が面白いと思うし、まぁドラム叩きながら歌ってるので今後どの程度歌っていくのか判りませんが、フロントマンになることはないでしょうから、バランス的にはこれでいいのかな、と。

どうもニッキー絡みになると厳しいことを書いてしまいたくなるんですが、それも彼に対する愛からくる言葉なので。俺の中での最高のロックスター……マイケル・モンローとニッキー・シックスには常に最高でいて欲しいわけですよ。HANOI ROCKSが現在順調に活躍してる反面、MOTLEYは……って悔しい思いをここ数年してるわけですからね。勿論本家で大活躍してくれるのが一番ですが、それでもこうやってフットワーク軽やかに新しいバンドでアルバムを出してくれたことを、今は素直に喜びたいと思います。ライヴも期待していいんですかね?



▼BRIDES OF DESTRUCTION『HERE COMES THE BRIDES』
(amazon:国内盤CD / 海外盤CD

投稿: 2003 12 27 10:50 午前 [2003年の作品, Brides of Destruction, Motley Crue, Wildhearts, The] | 固定リンク

2003/09/10

THE WiLDHEARTS『THE WiLDHEARTS MUST BE DESTROYED』(2003)

‥‥やっと届いた。いや、発売延期には慣れっこになっていたものの、やはり実物を手にするまでは安心できないんだよね。特に先行リリースされたUK盤はコピーコントロールCDだったこともあって、尚更心配になったのも事実。けどそんなの無用でした。

THE WiLDHEARTSが最後に発表したオリジナルアルバムは'97年11月の「ENDLESS, NAMELESS」。それも活動休止宣言をした後のこと。あれから6年近い月日が経ち、ようやくそれに続くオリジナル・フルアルバムが完成しました。フルアルバムとしてカウントすると‥‥まだ通算4作目という‥‥笑えないな。とにかく約6年振り、そして2001年春の復活以来初となるオリジナルアルバム、それがこの「THE WiLDHEARTS MUST BE DESTROYED」という如何にもジンジャーらしいタイトルの付いた11曲(日本盤はボーナストラック2曲追加の全13曲)入り作品集。ここ日本では昨年秋に「RIFF AFTER RIFF AFTER MOTHERFUCKING RIFF」というミニアルバムがリリースされましたが、あれは本国で発表されたシングル "Vanilla Radio"のCD-1&2+7インチに収録された全6曲と、後にリリースされることになる復活第2弾シングル曲 "Stormy In The North - Karma In The South" の計7曲を1枚にまとめた編集盤。単なるシングル曲とそのカップリング曲の寄せ集めなんですね(その割りには1枚のアルバムとしての構成・完成度は異常に高かったですが)。なので本当の意味での復活作はこの「THE WiLDHEARTS MUST BE DESTROYED」だということになるんでしょうかね。ま、個人的にはどっちでもいいか、って気がしないでもないですが。

そんなわけでとうとう我々の前にその姿を現した復活アルバム。その内容はというと‥‥確かにどこから切っても「ワイハー印」といった印象の強い、ポップでパンキッシュで親しみやすい粒ぞろいの楽曲が並んでいるわけですが‥‥最初通して聴いた時、期待が大きすぎたからでしょうか、とてもあっさりし過ぎてるように感じたんですよ。というのも‥‥どの曲にも言えることなんですが、非常にコンパクトにまとまってるのはいいとして、とにかく変化球なしの直球勝負ばかりなんですよね。つまり「RIFF AFTER RIFF AFTER MOTHERFUCKING RIFF」でいうところの "O.C.D." とかシングル "So Into You" 収録の "Lake Of Piss" 等といった複雑な構成を持つプログレッシヴな曲がひとつもないんですね。シングルのカップリングでは散々そいうう変化球を放って我々のような古くからのファンを期待させておいて、いざフルアルバムになると全部ストレート球という。だから最初「はっ、こんなもん!?」って呆気にとられちゃったのよ。収録時間も30分ちょっとで更にあっさり聴けちゃったし。

けどね、何故こういう作風にしたのかも判る気がするんですよ。シングルが本国イギリスで好意的に受け入れられ、古いファンだけでなく新しくファンになった子供達も多く増えた。となると、そういった人達‥‥'90年代の彼等をリアルタイムで体験していない今の子供達に向けてアルバムを作ったのではないかな、と。ここ日本でも去年の「SUMMER SONIC」出演が切っ掛けで多くの新参ファンが増え、同年12月の単独公演では初めてワイハーを観たって人もかなり多かったようです。そういう子達に向けて「ひねった変化球」を狙いすまして放つのではなく、「最もワイハーらしいストレート球」を最高のコンディションで全力で投げ込む。このアルバムの狙いはそこにあったように思います。決してそういった複雑な構成を持つ曲が書けなかったわけではなくて、敢えて外したのではないか、と。だって現にシングルにはそういう曲、必ず毎回入ってるわけだし。

それと驚いたことがひとつ。「RIFF AFTER RIFF AFTER MOTHERFUCKING RIFF」ではソングライティングのクレジットがバンド名義になってたんですが、このアルバムではソングライティング、ジンジャー名義が殆どなんですよ。"Out From The Inside" がCJ単独、"So Into You" がジンジャーとCJの共作名義になってるんですわ。「バンド」ということに拘っていたように感じられた昨年までの彼等、今年に入って何か心境の変化でもあったのでしょうか。その原因のひとつなのか‥‥このアルバムにはダニーのクレジットが一切ありません。敢えて「現在のバンド編成」をぼかしてるようにも感じられるのですが‥‥とにかく、ここにきて「これまでの殆どの曲を書いてたのは実はジンジャーだった」という真実が突きつけられたわけです。まぁ全てをひとりで書いたとは思いませんが、とにかくソロシングルよりは面白い曲が沢山生まれてるんで、個人的には安心したんですけどね。

で、以上のことを踏まえた上でリピートを繰り返すこと数十回‥‥ジワジワと効いてきましたよ、俺にも。ド頭の "Nexus Icon" でまずはガツンとやられて、続くBEATLESライクな "Only Love" のメロディにやられ、王道中の王道 "Someone That Won't Let Me Go" にまたまたやられ、シングル曲の再録音である "Vanilla Radio" が更に格好良くなっててやられ‥‥って頭4曲は既に何度もさわりを耳にしていた曲ばかりなのに、決して飽きることなく何度でも惹き付けられてしまう魅力を持ってる。ちょっと落ち着いた印象の "One Love, One Life, One Girl" もジワジワ効いてくるし、THERAPY?のアンディ・ケアンズが参加した2分にも満たない爆走チューン "Get Your Groove On" に失神寸前。後半戦1発目は既に名曲の域に達しつつある "So Into You"、風変わりなリフやギターフレーズが印象深い "There's Only One Hell"、アルバム中最も異色作といえるミドルヘヴィチューン "It's All Up To Me"、「あれっ、もしかしてリードで歌ってるの、CJ?」な "One From The Inside"、そしてアルバム最後を飾るこれまた王道チューン "Top Of The World"‥‥ここまで約30分ちょっと。全ての曲が2~3分前後。4分を越える曲はたった1曲。まぁ日本盤の場合はこの後にボーナストラックが2曲("Stormy In The North - Karma In The South" シングルに収録されていた "Bang!" と "Move On")入って結局40分弱の作品になったわけですが‥‥それにしても集中して聴いてると、あっという間に終わってしまうのがこのアルバム。確かに何度もリピートして聴きたくなる作風ですし、実際何度聴いても疲れないですしね。適度にハード、適度にヘヴィ、そしてそれらを包み込むような甘美なメロディ。今回のWiLDHEARTSはそういう球を選んだってことでしょう。へっ何? いいか悪いか、だって!? そんなの、いいに決まってるじゃないか! 間違いなくこれは「あのWiLDHEARTS」が生みだしたアルバムですよ。そして俺はそんなアルバムに収録された楽曲達を愛していきますよ!

こうなると、ライヴでこれらの曲をどう表現するのか、そして過去の名曲達とどういうバランスで披露されるのか‥‥ちょっと意地悪な見方をしちゃいそうですが、やっぱり12月の来日公演は観なきゃいけないみたいですね。




▼THE WiLDHEARTS『THE WiLDHEARTS MUST BE DESTROYED』
(amazon:国内盤CD / 海外盤CD

投稿: 2003 09 10 06:39 午後 [2003年の作品, Ginger Wildheart, Wildhearts, The] | 固定リンク

2003/08/26

THE WiLDHEARTS『SO INTO YOU (EP)』(2003)

2003年5月に英国でリリースされた復活シングル第3弾「So Into You」。またもや全英チャートでトップ30入りを記録しました。バンドとしての活動も順調、いよいよ夏にはアルバムが‥‥という時期に、何度目かのダニー離脱。替わりにSILVER GINGER 5でベースを弾いていたジョン・プールが参加してツアーが続いたわけですが‥‥またもやここにきて、「ワイハーらしさ」全開という。いや、そんなところまで復活させなくていいから。

今回も恒例のCDシングル2枚+7インチアナログ、という3種類にそれぞれダブらないように新曲が各2曲ずつ入っているという構成。ただ、CD-1とアナログに入ってる"Dancin'"はバージョン違いなのでご注意を。

タイトルトラック"So Into You"は、これぞワイハーという王道チューン。Aメロのらしさ、そしてBメロからサビにかけての盛り上がり方等、とにかく全盛期に匹敵するソングライティング。単調なんだけど飽きさせないというか。絶対にライヴで盛り上がる曲でしょうね。"Dancin'"は離脱したダニーがボーカルを取る、1分少々のファストソング。如何にも彼らしいストレートな曲調は、やはりTHE YO-YO'S的といいましょうか。"Lake Of Piss"は転調が如何にもなポップロック。意外と大らかなノリを持った1曲で、イントロのリフもそういう空気感を持ってるような。メロの持ってき方とかアレンジは、この編成で作った「EARTH VS THE WiLDHEARTS」の頃に非常に近いのではと思います。特に中盤のギターソロとかね。"Action Panzer"はどことなくTHE HELLACOPTERSやBACKYARD BABIESを彷彿させる疾走チューン。とにかくカッコイイの一言に尽きると思います。最後はちょっとALICE COOPERっぽいかな?というポップな"The People That Life Forgot"。勿論これも間違いなくワイハー的な1曲。これだけ録音状態が他の曲と違うのね(ちょっとチープな印象)。もしかしたら、前回のアウトテイクとか‥‥ま、それにしては水準が高いんですけどね。

あ、残念ながらアナログ盤は入手できなかったので、ここでは割愛させていただきます(音源自体は持ってるんですが)。

何度も言うように、ジンジャーが完全に復調してきているのか、それとも「4人組バンド」としてちゃんと機能してきているのか‥‥真相は本人達じゃなきゃわかりませんが、とにかくこれだけ聴いちゃうとアルバム、メチャメチャ期待できそうな感じだよね。実際、数曲試聴しましたが、これまでの楽曲に勝るとも劣らない名曲揃いっぽいし。

でもねぇ‥‥だからこそ、「あの4人」揃った状態でアルバムリリースにこぎ着けて欲しかったなぁ。勿論レコーディング自体は「あの4人」で行われたものだと思うんですが‥‥多分冬頃にはその「THE WiLDHEARTS MUST BE DESTROYED」というアルバムを引っ提げて来日を果たすと思うんですが‥‥もう1度、サマソニは昨年12月みたいな奇跡を起こして欲しいな、と。ソングライティングも面も、受け入れる側の状態も既にベストな状態なんですよ。後は‥‥あなた方だけですよ。



▼THE WiLDHEARTS『COUPLED WITH』(シングルカップリング全曲を収録)
(amazon:海外盤CD

投稿: 2003 08 26 06:49 午後 [2003年の作品, Ginger Wildheart, Wildhearts, The] | 固定リンク

2003/06/23

THE WiLDHEARTS『MONDO AKIMBO A GO-GO』(1992)

イギリスが生んだ酒飲みロックンロールバンド、THE WiLDHEARTSが'92年4月に発表したデビューEP。当時日本盤でのリリースはなく、その存在自体もごく少数のマニアしか知らなかったような状況だったにも関わらず、当時の「BURRN!」誌の輸入盤レビューで取り上げられ、(確か)89点という高得点を得ていました。ってこの俺もそのレビューを読んで知った程ですから。その後、このEPを探し回ったのですが結局見つからず、当時唯一このEP(アナログ盤)を持っていた友人からダビングしてもらって、やっと聴けたという一品。結局、WiLDHEARTSの音源がここ日本でもリリースされるようになるのは、更に1年近く経った'93年1月ですから‥‥インターネット全盛の今では考えられないでしょうけどね?

当時のメンバーはジンジャー、ダニー、CJという現在でもお馴染みのメンツに加え、元DOGS D'AMOURのドラマー、バム・バムという4人。収録された4曲は全てジンジャーの手によるもの。曲そのものは後のダブルEP「DON'T BE HAPPY...JUST WORRY」に全て収録されるのですが、このEPのそれらは完全にミックスが違います。良く言えば生々しい、悪く言えば「最高級のデモテープ」(‥‥誉めてるのか、これは?)といった、ある意味チープな録音。しかし楽曲自体は非常に優れていて、既にデビューの時点でその後の彼等が進むべき道筋が完成されているのです。ポップなメロディにザクザクしたギターリフ、2声・3声にも及ぶコーラス、複雑な展開を繰り返すアレンジ。デビュー当時から「BEATLES meets METALLICA」なんて呼ばれていた程で、正しくその通りなのですよ。ま、もっと判りやすく言えば「ヘヴィなCHEAP TRICK」‥‥余計判りにくいか。とにかく、判り易さが全て。ポップでヘヴィ。相反する要素なのに、見事に混在する。ヘヴィメタルのファンも、そしてパンキッシュなものを好むファンも、更にはCHEAP TRICK辺りのパワーポップ的なバンドを好むファンも、そして‥‥ある意味「古典的なブリティッシュ・ロック」を好むファンをも魅了するサウンド。いそうでいなかった存在。それがWiLDHEARTSの登場だったのです。

WiLDHEARTSの基本形のひとつと言える永遠のパワーポップソング"Nothing Ever Changes But The Shoes"、ヘヴィメタリックなリフやリズムを持つ前半とパンキッシュな後半とのコントラストも素晴らしい"Crying Over Nothing"、'01年の再結成ツアーでも久し振りに演奏されていた彼等の「出発点」と呼べる"Turning America"、ヘヴィなリズムの上に乗る浮遊感漂うメロディが気持ちいい"Liberty Cap"。どれを取っても、その後の彼等の楽曲の基本ラインとなる曲ばかり。特に"Nothing Ever Changes But The Shoes"は最初の解散('98年10月)に至るまで毎回のように演奏され続け、'99年8月の日本で実現した、ただ1回の復活ライヴでも1曲目にプレイされた程。前回のジャパンツアー('02年12月)では演奏されなかったようですが、されたらされたで嬉しい1曲なんですよね。曲頭のスローに始まるパートでの「oi! oi! oi!」の連呼は「‥‥くるぞ、くるぞ、来るぞ!!!」って感じで気持ちが高まるし、エンディングのヘヴィなパートもギターが暴れまくってて気持ちいいし。てなことを書いてたら、ライヴバージョンが聴きたくなってきたよ。

楽曲そのものは上にも書いたように「DON'T BE HAPPY...JUST WORRY」で聴けるので問題ないですが、どうしてもオリジナルバージョンで聴きたいという人はこまめに中古盤屋を探し回るか、'98年1月にここ日本でのみリリースされた4枚組ボックスセット「MOODSWiNGS AND ROUNDABOUTS」を手に入れるしかないようです。このボックスのディスク1が正しくこのEPのCDシングルなのです。但し、このボックスセット自体も初回限定生産品だったので、探すのに一苦労するかもしれませんが‥‥(海外でも高値が付いてるようで、たまに俺のところにも譲って欲しいというメールが海外から届く程です)

久し振りに引っ張り出して聴いてますが、やっぱりいいですね。俺が最初に彼等の音と出会ったのも丁度11年前の今頃ですよ‥‥紆余曲折ありながらも、こうやって彼等が未だに「THE WiLDHEARTS」の名で活動していること、そして一度も彼等のことを嫌いにならずにファンをやっていられることが正直驚きですね。やっぱり俺にとっては本当に重要で大切なバンドですよ、彼等は。



▼THE WiLDHEARTS『MONDO AKIMBO A GO-GO』
(amazon:海外盤CD

投稿: 2003 06 23 06:42 午後 [1992年の作品, Ginger Wildheart, Wildhearts, The] | 固定リンク

2003/04/21

SUPER$HiT 666『SUPER$HiT 666』(2000)

もしあなたがロックンロール大好きっ子だったなら。そしてそんなロックンロールの中でも疾走感があってノイジーでそれでいてメロディアスでけど最終的には暴力的な、そんなロックンロールを求めているのなら、迷わずこのアルバムを手にすればいいと思います。この6曲入り、約18分に及ぶ爆音の嵐のようなミニアルバムを聴いても何も感じないのなら、きっとあなたは‥‥本当はロックンロールが好きじゃなかったんですよ。ええ、間違いなく。そんなセリフすら出てきてしまう程、とにかく凄いアルバム。

だってね、メンツがハンパじゃないもの。爆走ロックンロールに精通している人なら勿論このバンド(というかユニットですかね)のことはご存じでしょうけど、知らない人の為に紹介しておきますと‥‥ギター&ボーカルにジンジャー(THE WiLDHEARTS / SiLVER GiNGER 5)、同じくギター&ボーカルにドレゲン(BACKYARD BABIES / 初期のTHE HELLACOPTERSのメンバーとしても知られている)、ドラム&ボーカルにニッケ・ロイヤル(THE HELLACOPTERS)、そしてベースにトーマス・スコグスバーグ(BACKYARD BABIESやTHE HELLACOPTERS等を手掛ける、北欧爆走ロック界では有名なプロデューサー)‥‥この4人によって形成されているのが、このバンドSUPERSHIT 666。なんて馬鹿馬鹿しいバンド名だろう。「SHIT」に「SUPER」がついて、更に西洋では不吉な数字といわれる「666(獣の数字とか言ってたな)」まで付けるタチの悪さ。これほどバンド名と音とが一致してることも少ないよね。

元々はTHE WiLDHEARTSを解散したジンジャーが、ドレゲンと共に何かやろうってことになり、だったらニッケも誘おう、そしてどうせなら「ニッケがドラムを叩く姿を見たい」というリクエストから、ENTOMBED(ニッケが'90年代中盤まで在籍していたデスメタル・バンド。途中からTHE HELLACOPTERSをサイドバンドとして結成し、掛け持ちで活動していたが、後に脱退。その後ENTOMBEDは爆走系バンドへと進化していく)時代は素晴らしいドラマーだったことを我々に再認識させるいい切っ掛け作りとなったのでした‥‥こんなイージーな流れで結成され、ほんの短期間で録音され、まず'99年末に日英でリリースされたオムニバス盤「UP IN FLAMES」に"You Smell Canadian"が先行収録され、話題を呼び、'00年初頭にいよいよこのアルバムがリリースされました。

たった6曲しか入っていないと思うかもしれませんが、この6曲がもうメチャクチャ魅力的な曲ばかり。1曲目"Wire Out"の疾走感からしてググッとくるし、2曲目の"Fast One"なんてまんまMOTORHEADの "Overkill" だし(特にエンディングで、まんまのフレーズまで登場する程)、3曲目"Dangermind"はIGGY POPのSTOOGESを彷彿させるノリだし、先述の"You Smell Canadian"なんて、まんまジーン・シモンズが歌ってそうなKISSナンバーだし、後にBACKYARD BABIESによってセルフカバーされた"Star War Jr."もメロディが素晴らしい名曲中の名曲だし、最後の"Crank It Up!"はニューヨークの爆走バンドTHE RODSの爆走カバー。たった18分、アッという間なんだけど、異常に密度の濃い瞬間を味わうことができます。

基本的にはジンジャー、ドレゲン、ニッケの3人がそれぞれボーカルを取り、あるはツインボーカルだったりするんですが、ボーカル自体にかなりディストーション気味のエフェクトがかかっている為、コアなファン以外はなかなか区別がつかないかもしれませんが‥‥聴いてるうちにその違いが見えてくるはずです。ですのでここでは誰がどの曲を歌ってるという解説まではしません(単に俺が面倒なだけ/笑)。けど‥‥THE WiLDHEARTS、BACKYARD BABIES、THE HELLACOPTERSをそれぞれ聴いてきている人なら判るはず。

そうそう、ゲストコーラスで同じくBACKYARD BABIESからボーカルのニッケ・ボルグと、先頃再結成した3 COLOURS REDのクリス・マコーマック(WiLDHEATSのベース、ダニーの実弟)が参加してる点も、爆走系好きにはたまらない要素ではないでしょうか?(ま、一聴しただけでは、ホントにニッケとクリスが歌ってるのか判断出来ませんけどね)

ジンジャーに関して言えば、THE WiLDHEATSの1回目の解散('98年秋)から正式な再結成('01年春)までの数年間に、ソロやSiLVER GiNGER 5のようなバンドを結成して活動してきましたが、結局このSUPERSHIT666での仕事が一番優れた内容だったというのは、何だか皮肉というか‥‥ま、脇を固める(というか、ここではあくまでジンジャーが脇役なんですが)ニッケ・ロイヤルもドレゲンもクセの強いシンガー/ソングライターですからね。それが見事に化学反応を起こした成功例といえるでしょう。ジンジャー自身は今後もSUPERSHIT 666としてフルアルバムを作りたいという構想があるようですが、なかなか全員のスケジュールが揃わないのと、興味をそれ程持ってないメンバーがいる(苦笑)点等でなかなか上手くいかないようですね(だってグラマラスなハードロックを嫌うニッケがいるのに、ジンジャーは「ベースにニッキー・シックス(MOTLEY CRUE)を起用したい」とか宣ってるんだからさぁ)。ま、今後また新しい音源が聴けるようなことがあれば、それはそれで万々歳ですけどね!

たった6曲入り、20分にも満たない作品集なのに、2000年の10枚に選んでしまう程、このアルバムには「ロックの何たるか」が濃縮されて詰まってます。傑作。つうかこれ以上の解説はいいから、みんなCD屋に走りなってば!



▼SUPER$HiT 666『SUPER$HiT 666』
(amazon:国内盤CD

投稿: 2003 04 21 04:57 午後 [2000年の作品, Backyard Babies, Ginger Wildheart, Hellacopters, The, Super$hit 666, Wildhearts, The] | 固定リンク

2003/03/27

HONEYCRACK『PROZAIC』(1996)

現THE WiLDHEARTSのギタリスト/ボーカリストとして活躍しているCJ。彼は勿論初期のワイハーのメンバーでもあるわけですが、基本的に解散前のワイハーはジンジャーが全ての曲を書き、彼が中心となってバンドを突き動かしてきた、と言っても過言ではないでしょう。それくらい'90年代のワイハーはジンジャーのイメージが強いバンドだったわけです。が、今のワイハーはどうでしょう。ジンジャー、ダニー、スティディ、そしてCJ‥‥そのどれもが強いキャラクターと的確な演奏力、そしてミュージシャンとしてのアビリティを備えています。そして現在ではジンジャーのワンマンバンドというイメージは覆され、バンドとして作曲したり、ツインボーカル的な楽曲があったり等、それぞれのメンバーがバンドの外での活動で得てきたものを血と化し肉と化し、それをワイハーに貢献しているといえます。

現在のワイハーにて、ジンジャーの次にソングライティングの貢献度が高いのは、間違いなくCJでしょう。その彼がワイハー脱退('94年7月)後に結成したのが、今回紹介するHONEYCRACKというバンド。そのHONEYCRACKが存命中唯一リリースした公式アルバムが、この「PROZAIC」です。

同じくTHE WiLDHEARTSにキーボーディストとして参加した経験を持つウィリーを迎えたことによって、「元WiLDHEARTS組」というレッテルを貼られることも多かったと思うんですが、ワイハー時代はCJもウィリーもソングライティングには殆どタッチしていなかったので、ここで聴けるのは「ワイハーにいたメンバーが新たに作った全く別のバンド」といったタイプの音楽。勿論、所々には如何にも彼ららしいフレーズが出てくるし、ジンジャーが歌ったら面白いだろうなぁ‥‥と思える曲も見受けられますが、ここはちょっと視点を変えて話を進めていきたいと思います。

このアルバムがリリースされたのが'96年初夏。イギリスではブリットポップ・ムーブメントが下火になりつつある頃。HONEYCRACK自体は'95年6月にはシングルデビューしており、その直前にはWEEZERの英国ツアーにてサポートアクトを務めています。そう、このバンドはイギリスから登場したものの、そういったブリットポップという表現よりも、むしろWEEZER的なパワーポップという表現の方がしっくりくるのです。元々ワイハーにもそういった要素はあるわけですが、HONEYCRACKのそれはもっとシュガーコーティングされた、アクが強過ぎなくて耳に馴染みやすい色を持っています。ボーカルはCJとウィリーのツインボーカルが殆どで、ギターが3本も入っていながらうるさすぎず、それでいて軽すぎない。パンキッシュでザクザクしたヘヴィな側面も持ちつつ、バブルガムポップ的な甘さが全体を包む。ワイハーのガッツィーな路線が好みの人にはちょっと物足りないかもしれませんが、GREEN DAYやWEEZERといったバンド、そしてパワーポップといったキーワードにピクリときた人にはピンとくるアルバムでしょうね。

1曲1曲が非常にコンパクトで(その殆どの曲が2~3分)、パンキッシュでストレートな疾走ナンバーもあれば、ポップでいて複雑怪奇な展開をする曲まであるという点は、ワイハーに近いものを感じますが、あのバンドみたいにハードロックやモダンロックの色を感じさせるものではなく、どちらかというともっとパンキッシュな色が強いですね。ワイハーがそういったモダンなアレンジを取り入れつつも、実はかなり伝統的なサウンドを持った王道路線なのに、HONEYCRACKの方がもっと現代的でモダンなんですよ。例えばワイハーは「BURRN!」的だけど、HONEYCRACKはもっと「rockin'on」寄りというような感じ。何となく伝わるでしょうか?

常にハーモニーが綺麗なツインボーカルは後にCJが結成したTHE JELLYSでも引き継がれ、最近のワイハーでもその要素を用いています。CJがここまで歌えるギタリストだとは正直思ってもみなかったし(まぁあれだけ素晴らしいコーラスが取れたんだから、歌えて当たり前なんですけど)、更にウィリーもこれだけの実力を持ったシンガーだとは思ってもみなかったですよね。しかも、これだけ優れた楽曲を作れるだけの能力まで持っていたとは‥‥全てがワイハー時代にスタートしていたわけですが、あのバンドでは開花することはなく、その後こういう形でブレイクするとは‥‥皮肉なもんですね。

全英チャートでもそこそこの成功を果たし、アルバムリリース後には来日公演も果たしたにも関わらず、その後あっけなく解散してしまう辺りは、さすが元ワイハー一派というか‥‥解散後、ウィリーが未発表曲やデモを編集した企画盤をインディーズからリリースしていますが、基本的にはこのアルバム1枚と数枚のシングルをメジャーのエピックからしただけで、実質3年程度しか活動していない、ある意味幻のバンド。それがこのHONEYCRACKです。

とにかく、名曲中の名曲"Go Away"を聴いて涙してください。ワイハーでの "I Wanna Go Where The People Go" 、WEEZERの "Buddy Holy" や "Across The Sea"、"The Good Life" にも匹敵する程の、出色の出来ですから。更に"Sitting At Home"なんてGREEN DAYの "Basket Case" 級の名曲ですからね。勿論、その他の曲も全て素晴らしい、捨て曲なしの「パワーポップの名盤」ですからね(決して「ブリットポップの隠れた名盤」ではないでしょうね)。一時はブリットポップの文脈で語られることも多かったようですが、「ああ、その辺のバンドかぁ~」といって切り捨ててしまうと痛い目を見ますよ?

先にも書いたように、CJはこのバンドをポシャッた後に、同じく元WiLDHEARTSのドラマー、スティディらと共にTHE JELLYSというトリオバンドを結成し、オリジナルアルバム2枚とライヴ盤1枚をリリースした後に、再結成ワイハーに加わることとなります。で、その後の活躍は皆さんご存じの通り。CJのミュージシャンとしてのキャリアはワイハー以前からあるわけですが、真の意味でのスタート地点はこのアルバムからだった、と言っても間違いじゃないでしょうね。ま、スタートが一番大きなブレイクだったという、実に皮肉なオチまで付いて回りましたけどね。



▼HONEYCRACK『PROZAIC』
(amazon:国内盤CD / 海外盤CD

投稿: 2003 03 27 04:43 午前 [1996年の作品, Honeycrack, Wildhearts, The] | 固定リンク

2003/03/18

THE WiLDHEARTS『STORMY IN THE NORTH - KARMA IN THE SOUTH (EP)』(2002)

2002年9月、英国でリリースされた復活シングル第1弾「Vanilla Radio」が初登場24位を記録、本当の意味での「復活」を遂げたTHE WiLDHEARTS。ここ日本では同年10月にミニアルバム「RIFF AFTER RIFF AFTER MOTHERFUCKING RIFF」をリリースして、12月に来日公演。そして2003年1月に本国イギリスで復帰後2枚目となるシングルとしてリリースされたのが、今回取り上げる「Stormy In The North - Karma In The South」。既に初登場17位を記録していて(言っておきますがこの数字、メタルチャートとかじゃなくて、イギリスの一般チャートですからね。OASISだのt.A.T.u.だのに並んでチャートインした数字ですから。如何に今のワイハーが本国で歓迎モードなのか、ご理解いただけるかと思います)、早くも5月には3枚目のシングルリリースも決定。この数字は'97年のシングル "Anthem" (19位)以来の好ポジション。

既に1月末から日本にもこのシングルが入荷してるはずなんですが、あまり見かけないんですよね、これ。通販でも軒並み「品切れ」だし、大手外資系ショップでは見かけないし、結局専門店に行かないと見つからないという。しかも今回、3種類のフォーマット(お約束のCD-1 & 2と、DVDシングル)でリリースされたんですが、DVDシングルは見つからないし、CD-2も限定盤らしく、数が少ないようですね。幸い俺は先日、都内の某専門店で2枚共ゲットできたのですが、これから探すとなると意外と大変かもしれません。

けど、そうはいってもタイトルトラック"Stormy In The North - Karma In The South"は日本限定ミニアルバムに入ってたのと同じテイクなので、無理して買うこともないか‥‥と一瞬考えた、そこのにわかワイハーファンのあなた! これ、絶対に買いの2枚だよ! 各シングルにそれぞれ2曲ずつ、計4曲の未発表新曲が入ってるんですが(このシングルの為に新たに録音された新曲)、これがね、もうなんつーか、既にミニアルバムをも超えちゃってるのね、楽曲のクオリティーがさ。

CD-1(一番上のジャケット)に入ってる新曲は、"Bang!"と"If I Decide"の2曲。"Bang!"は "29xThe Pain" や "Sick Of Drugs" 辺りの流れを組む、非常に判りやすいポップなメロディを持ったストレートな楽曲。サビへのメロディの持ってき方は間違いなく、我々がよく知ってるあのワイハーそのもの。ミニアルバムの楽曲がまだどことなく手探り感が漂ってたのに対し、この曲にはそういう迷いは一切なし。つうかこれ、ジンジャーというよりもCJ‥‥HONEYCRACK辺りの流れを感じる楽曲ですよね。そういう風に例えれば、何となく曲の感じは想像つきますか? そういったタイプの曲をワイハーが演奏してるという。しかも、ワイハー以外の何者でもないという説得力。これはもう凄いよマジ。そしてもう1曲の"If I Decide"はちょっと風変わりなコード進行とリフを持った、これも如何にもワイハーらしい1曲。ちょっと "Vanilla Radio" の路線といえなくもないけど、あれよりも更にヘンテコリン度が高い、アルバムでいえば「P.H.U.Q.」や「FISHING FOR LUCKIES」辺りの流れを組む楽曲といえなくもないですね。けど、当然ながらどちらも過去の焼き直しで終わってないのは言うまでもなく、ジンジャーらしさ、そしてCJらしさが滲み出たメロディを持ってるんですよね。

そして、問題のCD-2(二番目のジャケット)の新曲は、アホみたいなタイトルの"You've Got To Get Through What You've Got To Go Through To Get What You Want, But You've Got To Know What You Want To Get Through What You've Got To Go Through"(苦笑)と、"Move On"の2曲。長いんで曲名は省略しますが、最初の方は‥‥これこそワイハー!といえるような、ヘンテコリンで複雑で重くてポップで狂っててインダストリアル調で馬鹿馬鹿しいまでにかっけーナンバー。たった3分40秒の中にワイハーの要素が全て凝縮された、もの凄い曲ですよこれ。オープニングはジンジャーを中心とした3声コーラス&アルペジオで静かに始まり、ガッツィーなリフが唐突に入ってきてかなりアッパーな演奏に。AメロはCJを中心とした2声で流れるようなメロディを奏で、所謂Bメロでいきなり転調して、インダストリアル調の演奏に合わせジンジャーが曲のタイトルを叫ぶという展開。そして叫び終わると、ダニーお得意の「Fuck it!」の叫び声が‥‥そしてメインリフに戻るという‥‥途中、何度かいろんな展開を重ね、最後にインダストリアル調に終わるという‥‥ちょっと「ENDLESS, NAMELESS」での流れも感じさせる、もの凄い曲。

俺ね、このシングル聴く前はバカにしてたのよ、たかがBサイドだと思って。勿論、過去のワイハーはBサイドに至るまで名曲の数々を連発してきたんだけど、正直今の彼等(特にジンジャー)にはそこまで魅力的な楽曲を連発するだけのパワーがまだ備わってない(復調してない)と思ったのね‥‥けど、この曲を聴いた瞬間、身体中の血液が逆流して、沸騰して脳天から吹き出しそうな程興奮しちゃってさ‥‥大声で「うぉーっ!」って叫んじゃったよマジで。そうそうそうそう、こういうバカバカしいまでに大袈裟でもの凄い曲を待ってたのよ!って。そしてそれに続く"Move On"は今までにないようなイントロを持った、所謂「ワイハー風R&B調ロックンロール」とでも呼びましょうか、とにかくHELLACOPTERS辺りの黒っぽいロックンロールの要素を取り入れた感のある、ちょっと哀愁漂うメロウな1曲。けど、勿論歌に入るとワイハーそのものなんだよね。この曲もメロが本当に際立ってて、かなりいい感じ。うわぁ、これら2曲が入った方が限定盤っての、勿体なくない?

つうわけで、かなりベタ誉めなわけですが‥‥録音は低予算の中で作られたこともあって、かなりラフな感じ(タイトルチューンやミニアルバムの楽曲に比べれば、って意味ね)なんだけど、特に長いタイトルの曲(笑)や"If I Decide"みたいなガッツィーでヘヴィな曲、"Move On"みたいなガレージ色の強い曲にはこういうラフで生々しいミックス&サウンドの方が似合ってるので、これはこれでアリってことで。それにしても‥‥本当に短期間でこうも化けるか!?って程に相当良くなってるのね。勿論、あのミニアルバムも良かったんだけど‥‥あれを80点(合格点)とすると、このシングルの新曲4曲だけで90点以上を軽くクリアしてるんだよね。これ、是非日本盤出して欲しいなぁ。もしかしたら、次のシングルと一緒にまとめて、またミニアルバムとしてリリースするのかも(いや、今度のシングルに収録される6曲と今回の4曲を合わせたら、普通にフルアルバム並みになっちゃうよな)。

今度のシングルは間違いなく、これよりも更に上をいく楽曲が求められるわけだけど‥‥これを聴いた後となっては、心配などこれっぽっちもしてないし、むしろ早く聴きたくてたまらないっつうね。ホント、このバンドは'95年にいたポイントとも、そして97年にいたポイントとも全く違うポイントへと向かってるよ‥‥こりゃ面白いことになってきた!



▼THE WiLDHEARTS『COUPLED WITH』(シングル全曲を収録)
(amazon:海外盤CD

投稿: 2003 03 18 06:48 午後 [2002年の作品, Ginger Wildheart, Wildhearts, The] | 固定リンク

2002/12/10

THE WiLDHEARTS JAPAN TOUR 2002@赤坂BLITZ(2002年12月7日)

というわけで、8月のサマーソニックに続いて行って来ました、単独公演。まさか1年間に2度(正確には4ヶ月の間に2度)もワイハーを観れるなんて思ってもみなかったので、これはちょっと嬉しい誤算。

今回は英国でリリースされたEP「VANILLA RADIO」と日本のみリリースのミニアルバム「RIFF AFTER RIFF AFTER MOTHERFUCKING RIFF」のツアーってことで、勿論新曲を期待して観に行ったわけだけど、まぁ最初に言ってしまえば新曲は3曲しかやらず、しかもそのうち2曲はサマソニでもやった"Stormy In The North, Karma In The South"と"Vanilla Radio"だったという‥‥古くからのファンには評判の悪い「~MOTHERFUCKING RIFF」なだけに、もっとバシバシ頭から新曲ぶっ続けでやってほしかったなぁ。

ツアー初日、しかもジンジャーの口から「JET RAG(時差ボケ)」の言葉が聞き取れたので、今後バンドの調子はもっとよくなっていくんだろうけど、今日も決して悪くなかった。どうやら再結成以降、比較的安定したステージを見せてくれているようで、まぁサマソニの時を超えたかというとちょっと‥‥とは思うんだけど、過去のムラのあるステージを何遍も観てきている身としては、最後まで安心して楽しむことができました。

オープニングは"I Wanna Go Where The People Go"。またか‥‥って気もするけど、ま、オープニングで盛り上げるにはピッタリの曲だし、数少ないヒット曲だしな。そのまま"Stormy In The North, Karma In The South"へなだれ込む。正直、こっちをオープニングに持ってきて欲しかった気が。その後は"TV Tan"や"Sick Of Drugs"、"Suckerpunch"等といった恒例のヒット曲メドレー。セットリスト的にはサマソニのものをちょっと長くした感じ。特に目新しい曲も、これまでのライヴで一度も聴いたことのないようなBサイド曲もなかったんだけど、個人的には久し振りに聴いた"Miles Away Girl"が印象に残ってます。で、中盤で新作から"O.C.D"も披露されたんだけど、これがかなり良かった。中盤の、正しく「RIFF AFTER RIFF AFTER MOTHERFUCKING RIFF」って構成がライヴでも映えてました。ただ、他の新曲2曲と比べてちょっと客のテンションが落ちた気も。ライヴでは新作からの曲は好意的に受け入れられてるように感じました。ま、ライヴ始まっちまえば、後は暴れるだけだしな?ってとこなのかな?

そういえばサマソニではやらなかった"Weekend"では、お客がジンジャーの歌に合わせて手を左右に振る動きをやってたんだけど、それをジンジャーがお気に召しまして、イントロの弾き語りパートを都合3回もやってました‥‥ハハハ。「ヴィデオカメラ持ってこい」とか「10日のクラブチッタ公演でもそれをやれ」とか「BON JOVIのライヴみたいだ」みたいなことも言ってました。何やら10日はテレビカメラが入るみたいですね。恐らくTVKの伊藤政則の番組「ROCK CITY」でその模様を放送するのでしょう。ああいうアイドルのライヴでやるようなアクションにニヤニヤするジンジャー、やっぱりKISSやCHEAP TRICK、QUEEN、BAY CITY ROLLERSで育った世代だもんなぁ‥‥なんて妙に納得したりして。

本編ラストはサマソニ同様"Caprice"。前回観た時は久し振りにやる珍しい選曲だったので、曲順に納得しなかったものの、まぁラッキーくらいの気持ちでいたんですが、さすがに本ツアーでもこれをここでやられると‥‥ちょっと厳しいかも。しかもその直前にやったのは"Caffeine Bomb"ですからねぇ‥‥素直にそこで本編終了させておけばよかったものを。"Caffeine Bomb"の時はイントロのフィードバックの後にドラムがドコドコ‥‥って入っていくんですが、このフィードバック音が鳴り響いている最中、ドラムにトラブルがあって、スティディとローディーが焦ってセッティング直してました。その間もジンジャー微動だにせず。で、散々待たせた後に何事もなかったかのようにドラムがフィルイン。そのテンション(つうかテンポ)、半端じゃなく高かったです。こっちが着いていくのがやっとって程。ああ勿体無い。ホントにここで終わらせておけばよかったのに‥‥

アンコールは2曲。"29 x The Pain"と"Love U Til I Don't"。これまで何回も聴いてきた曲なのでこれといったありがたみはなかったのですが、まぁやっぱり何度聴いてもいい曲はいい曲ってことで。正味90分、意外とあっさりしたステージだったように思います。

ツアー初日ってのが大きいのか、これといったサプライズもなく、ステージの雰囲気もジンジャー次第なのか、サマソニの時ほどピースフルな感じはしませんでした(だからといって悪かったわけでもなく。ま、全部時差ボケの影響でしょう)。が、その分スティディの煽り・テンションは半端じゃなかったし、ダニーもサマソニの時は遠慮してるように感じられたのが、今回はとにかくMCの時に喋る、客とのコミュニケーションをはかる。過去何度も観てきたダニーその人がブリッツに戻ってきたって感じがして、個人的にはこれが一番嬉しかったかなぁ。CJは相変わらずギターも歌も文句なしだし。

何か俺、贅沢になり過ぎてるのか? 過去WiLDHEARTSのライヴを観るってことは「今回は調子良くても、次はないかも‥‥」っていう危機感と、「あぁ、ジンジャーの機嫌が損なわれませんように‥‥」っていうフロントマン・ジンジャーの気まぐれさに左右される緊張感を楽しむっていう、マゾヒスト的な快感があったんだけど、ここ2回観た彼らからはそういった要素がほぼなく(いや、もしかしたら自分達の目につかない所で冷戦状態にあるのかもしれないけど)、円熟味っつうか、過去ない程の安定感と、過去ない程の初期衝動的演奏というふたつの相反する要素が強くなってる気がします。それはそれで素晴らしいと思うし、実際楽しかったんだけど‥‥やっぱこの短期間に2度も観てしまったのが大きいのかな?

とかいいながら、実はライヴの最中は常に満面の笑顔で、しかも最初から最後まで唄いっぱなしって状態だったんだけどね。そこまで考える余裕なんてなかったもん。これで帰国後、またケンカ別れしました、とか言ったら‥‥何だかなぁ、とか思いながらも、まぁそれも彼ららしいかも、と妙に納得したりして(けど解散はしないように)。やっぱり新曲が少ない分、消化不良的なところもあるのかな? そういう意味では今後、大阪、名古屋、川崎と回るわけだけど、後半に行くにつれてジンジャーの調子も構成も良くなってくんではないでしょうか?
('02.12.7.)


ってなことをライヴ後に書いたら、翌日の大阪公演では大変な事件があったようですね。ネット上での又聞きなので事実と違ったら申し訳ありませんが‥‥要するに、ダイヴする客に対して「最前列には身体の小さい、女の子達が沢山いるんだから、危ないからダイヴを止めろ。」と何度もジンジャー自身がアナウンスした、と。で、最終的に「次やったら、そいつをこのレスポールでブン殴るからな」と怒りを露わにし‥‥"Caffeine Bomb"の時にサーフしてステージ間近まで到着した男性を捕まえてギターで殴り、その後ステージ上で相手が血を流すまで殴打した、と‥‥

初期の「緊張感」が薄らいだ、なんて書いた翌日の出来事だっただけに、我ながら「結局ジンジャーって男は‥‥」と呆れたりもしたんですが‥‥やはりダイヴ云々に関しては一度ちゃんとどこかで書いた方がいいのかもしれませんね。ブリッツ公演では女性でもダイヴしてるお客が見受けられたのですが、やっぱワイハーのライヴ(SILVER GINGER 5も含む)は前の方、女性率高いですもんね。ファンを大切にするジンジャーだからこその行為だと受け取れるんだけど、そのボディーサーフしてきた客もワイハーが好きでその場にいるわけで(ダイヴの是非は別として)‥‥そういった矛盾がジンジャーの中でかなり心苦しかったんじゃないでしょうか? 怒り云々よりもお客に手を出してしまったという行為に、そんな自分自身に落胆してしまっているんじゃないでしょうか??

今回の一件が今後の彼等の、そしてジンジャー自身の活動への足枷にならないことを祈ります。そしてファンはバンドに対してだけではなく、その場にいる、同じ時間を共有しているファンに対してもリスペクトの気持ちを持って下さい。自分がした行為のツケは必ず自分自身にそのまま跳ね返ってくるんですから。


THE WiLDHEARTS @ AKASAKA BLITZ. 12/07/2002
01. I Wanna Go Where The People Go
02. Stormy In The North, Karma In The South
03. TV Tan
04. Suckerpunch
05. Sweet Child O'Mine (GUNS N'ROSES / リフのみ)
  ~ Sick Of Drugs
06. Miles Away Girl
07. O.C.D.
08. Everlone
09. My Baby Is A Headfuck
10. Nita Nitro
11. Vanilla Radio
12. Weekend
13. Caffeine Bomb
14. Caprice
--encore--
15. 29 x The Pain
16. Love U Til I Don't



▼THE WiLDHEARTS『THE WiLDHEARTS STRIKE BACK』
(amazon:海外盤CD

投稿: 2002 12 10 07:01 午後 [2002年のライブ, Ginger Wildheart, Wildhearts, The] | 固定リンク

2002/11/23

THE WiLDHEARTS『RIFF AFTER RIFF AFTER MOTHERFUCKING RIFF』(2002)

THE WiLDHEART本格的に再結成、しかもメンバーは名作「EARTH VS THE WiLDHEART」制作時の4人(ジンジャー、ダニー、CJ、スティディ)‥‥という情報が入ったのが、2001年の春先。そして同年7月には本当に来日公演を行っちゃったんだから、本気で驚いた。しかも、ダニーが直前になってドラッグによるツアーからのリタイア(日本公演は当時ANTi-PRODUCTSに在籍していた日本人ベーシスト・TOSHIが代役を果たす)という如何にも彼等らしいオマケまで付いてきたんだからさ。俺は昨年のツアー、BACKYARD BABIESやギターウルフ、SEX MACHINEGUNSと共に行われる予定だったイベント「OUT OF HELL Vol.2」に行くつもりだったんだけど、これが直前になって会場&日程変更(NKホール→SHIBUYA AXに。恐らくチケットが売れなかったんだろうね)になった為、泣く泣く断念。なので、再結成後初のライヴ観戦は今年8月に千葉マリンスタジアムで行われた「SUMMERSONIC 02」出演時だったのね(しかも今回はやっとあの4人でのライヴだもん)。

ある意味、俺にとっての「復活ワイハー」はサマソニで正解だったな、とあの時思いましたよ。だって、去年来た時はバンド自体が今後も本当に続くのかも不明な状態だったし、しかもダニーがあんなことになって、三度ジンジャーと手を組むことがあり得るのか、とか、本当にあの4人による新曲が生まれるのか、とか‥‥不安材料ばかりだったわけですよ。しかも俺、実際にライヴ観れなかったわけだし、外野から聞こえてくる声を聞けば聞くほど余計に不安になるわけですよ。

でもね、サマソニでのライヴの充実振り&安定感に感動し(しかもCJがいることで、ステージ上が本当にハッピーな空気が流れてる!)、更にそこで聴けた2曲の新曲(このミニアルバムにも収録されている"Stormy In The North, Karma In The South"と"Vanilla Radio")が想像してた以上にカッコイイナンバーだっただけに、今後のワイハーに対しても大いに期待できるようになったわけです。だってさ、ソロになってからのジンジャーの仕事振り‥‥SUPER$HIT 666やSiLVER GiNGER 5は良かったものの、ソロシングルなんてさ‥‥我々が心の中に勝手に作った「ジンジャーに対するハードル」を全くクリアしてなかったわけでしょ? いや、勿論余所のB級マイナーバンドと比べれば全然レベルは高いと思うんだけど、誰もジンジャーに平均点なんて求めてないわけで。みんな「天才ソングライター・ジンジャー」が見たいわけですよ。知ってるんだから、みんなジンジャーという男がワイハーでやってきたことを。

そんなわけで、再結成後初の音源となる‥‥完全な新曲ということでは、'97年秋の「ENDLESS, NAMELESS」以来だから‥‥5年振り!? 嘘ぉ~!? そんなに時間が経ったのかよ‥‥そりゃ俺も歳取るはずだわ。今回の音源は本国イギリスではシングル「VANILLA RADIO」(CD-1&2としてリリース)としてリリースされる予定の7曲を、ここ日本限定で1枚のアルバムとしてまとめたもの。しかもタイトルがまた彼等らしい「RIFF AFTER RIFF AFTER MOTHERFUCKING RIFF」っていうんだから‥‥「リフに次ぐリフ、そしてマザーファッキンなリフ」って‥‥まんまじゃねぇか! こんなにピッタリなタイトル、他にあるかよって程に名タイトル。本国でもこのタイトルを使いたかったみたいだけど‥‥使えるわけないってば(ちなみに「VANILLA RADIO」のシングル、結局CDシングルは1枚ものとしてリリースされることになったようで。今回収録されなかった曲は本国では後々のシングルに入るとの事です)。

タイトルだけじゃないよ。楽曲も一聴して一発でワイハーだって判るサウンド&楽曲&コーラス&メロディ。プロデュースは以前にも彼等を手掛けたことのあるサイモン・エフェミーが担当してるので、特に何かが変わったという印象を受けないんだよね。もし変わったところがあるとすれば、それはかなりの割合でジンジャー+CJによるツインボーカルナンバーが収録されている点。勿論メインはジンジャーなんだけど、その主旋律を唄うジンジャーに絡みつくようなCJのハーモニーが、これまで以上にワイハーサウンドをポップにしてるように感じられます。1曲目"Stormy In The North, Karma In The South"なんて聴くと中期ワイハーとTHE JELLYS(CJとスティディがワイハー脱退後に結成したバンド)の融合っていう印象を受けるし、正しくアルバムタイトルを体現したかのような2曲目"Putting It On"や5曲目"O.C.D"もリフに次ぐリフなんだけど、そのメロディやコーラスワークはこれでもかって程に甘いものになってるし。

元々シングル用として制作された7曲なんだけど、こうやってミニアルバムとして並べられても、意外と統一感というか「アルバムとしての流れ」がしっかり出来上がってるんだよね。パンキッシュでストレートな"Stormy In The North, Karma In The South"から始まって、ワイハー的変化球が魅力な2曲目"Putting It On"、ヘヴィメタリックなイントロから如何にも彼等らしいメロへと繋がっていく3曲目2曲目"Looking For The One"、ある意味これがシングルでよかったと思えるミドルチューン"Vanilla Radio"、そして怒濤の後半戦("O.C.D"~"Better Than Cable"~"Let's Go")の流れ。ミニアルバムのくせに‥‥という言い方はちょっとあれだけど、ホントにフルアルバム並みの充実度なわけですよ。

恐らくジンジャーは今回の楽曲‥‥再結成後最初に世に出る楽曲について、「EARTH VS THE WiLDHEARTS」でのサウンド(楽曲の構成や質感等)をかなり意識したと思うんですよ。何せ今回は顔見せ的な役割を果たす楽曲なわけだし。過去に離れていったファンや今でも支え続けてくれる古いファン、そして「名前は知ってるけど音は聴いたことがない」という新参ファンをも巻き込むような曲を書かないと、見向きもされない‥‥その結果が「All songs written by THE WiLDHEARTS」という一行に集結してると思います。ある意味ジンジャーのワンマンバンドだった'90年代のワイハー。勿論、そうだったからこそ成功し、そして失速していったわけですが、ここで初めて「本物のバンド」になれたんじゃないかなぁ‥‥あのステージ上でのピースフルな雰囲気はここからきてるんじゃないか?と今になって思うわけです。初来日から観てる古参者としては(他の古いファンは違和感を覚えるかもしれないけど)今のワイハー、本当に無敵なんじゃないかなと思ってます。

だからこそ、2週間後に迫った単独再来日公演も楽しみだし(何せ1年の間に彼等のステージを2回も、しかもスタジアムでのフェスとクラブクラスでの単独公演といった違うシチュエーションで楽しめるわけですよ!)、恐らくその先に予定されているであろう「本当の意味での復活作」となるオリジナル・フルアルバムも心の底から楽しみに待てるわけです。

ここ数年の不調振りが嘘のような現在のジンジャー。今後はアリーナロック的なハードロックバンドとしてのSiLVER GiNGER 5と平行して現在のワイハーを運営していくようです(しかもSG5の方も、ドラムに後期ワイハーのメンバーだったリッチが加わった!!)。来年はワイハーのフルアルバム、そしてSG5のセカンドもあるでしょう。勿論、未だに4枚しか発表されていない「シングルクラブ」も。そしてアルバムリリース後にはワイハー、SG5共に来日公演があるだろうし‥‥久し振りにネガな感情なしでジンジャーの歌に接することが出来そうです。改めて言わせてもらいます‥‥

Welcome back, THE WiLDHEARTS!!!



▼THE WiLDHEARTS『RIFF AFTER RIFF AFTER MOTHERFUCKING RIFF』
(amazon:国内盤CD

投稿: 2002 11 23 06:35 午後 [2002年の作品, Ginger Wildheart, Wildhearts, The] | 固定リンク

2001/11/12

GiNGER『I'M A LOVER NOT A FIGHTER EP』(2001)

THE WiLDHEARTSを本当に、しかも全盛期のメンバーで復活させてしまったジンジャー。今後もSILVER GINGER 5と平行して活動していき、両者とも作品をリリースしていく予定だという。どういう線引きで作品を作り分けるのかが非常に興味深いところに、更にソロ名義で12ヶ月連続で、毎月3曲の新曲入りシングルをリリースし続けるという馬鹿馬鹿しさを越えて「おいおい、大丈夫かよ!?」と心配さえしたくなる企画を発表した。3月末にオフィシャルサイトで公式発表し、何とか6月にはこの1枚目のシングル「I'M A LOVER NOT A FIGHTER」が手元に届いたわけだが‥‥いきなり何ですが、これを書いてる2001年11月上旬の時点で、未だに2枚目のシングルが手元に届いていないのですが‥‥(苦笑/とりあえず現時点で、11月中にはリリースされる予定となっているのだが‥‥)

楽曲は勿論このシングル・プロジェクトの為に書き貯められた、純粋な未発表新曲。プロデュースにはジンジャー自身が当たり、ミックスは何故かメタル界の大御所エンジニアであるクリス・タンガリーディスが担当。だからといってその音がメタリックというわけではなく、どちらかというと生々しい感じ‥‥SG5の『Well-Produced』とも、ワイハーのゴリゴリとも違う、ガレージポップっぽい感触。楽曲のタイプがそれっぽいこともあって、非常にマッチしてると思う。

レコーディングメンバーには、ベースにSG5のジョン・プール、ドラムにはワイハーのスティデイ、コーラスに同じくワイハーのCJが参加している(タイトル曲のサビで如何にもなコーラスがそれっぽい)。しかも次のシングルにはCJはギタリストとしても参加しているそうだ‥‥ってそれって、単にダニー抜きのワイハーじゃないか!? ダニーはいろいろと「個人的な」事情で参加できないだけなのか??‥‥嗚呼(涙)

タイトル曲はどことなくPOSIES辺りを彷彿とさせる、ジンジャーにしては珍しい直球パワーポップ。サビにくると如何にもジンジャーなメロディーをかましてくれるのだが‥‥イマイチ地味な印象が強い。ベースラインを追えば、確かにSG5のアルバムにも共通する、あのウネウネ動き回るベースだし、ドラムもスティディらしい力強いビートを刻んでいる。2曲目"Don't Let Me Die Lonely"はビートルズ・チックなバラードで、サビや間奏ではツェッペリンを彷彿とさせるリフが登場したり、3曲目"Thailand Uber Alles"はモロにジンジャーといったポップロックなのだけど‥‥どうも盛り上がりに欠ける。早い話が「地味」なのだ。では「地味」の原因は何か‥‥間違いなく、ジンジャーの書くメロディーラインそのものだろう。決して駄曲ではない。けど名曲とも呼べない。平均点以上なのだが、ここにはSG5や、CLAM ABUSEにもあったあのきらびやかなポップ感が希薄だ。勿論、これはこれでいい味を出してるし、俺的にはありかな、とも思える。しかし、何故に無理してまでソロ名義で、しかも自身にムチ打つように12ヶ月連続、計36曲もの完全新曲を発表しようと考えたのだろうか?

これは憶測でしかないが‥‥もしかしたらジンジャー自身が今現在、スランプに陥っているのかもしれない。SG5以降、ジンジャー自身がそれに気付いてしまったのかもしれない。ということは、ワイハー復活は「過去の偉業を辿る」作業であり(実際復活ワイハーとしてはまだ新曲は1曲もないようだし)、12ヶ月連続シングル発表は「リハビリ」なのか‥‥おいおい、一体天才ジンジャー様はどこへいっちまったんだ!?勿論、ここに収録された3曲は、並のロックバンドの曲と比べれば平均点以上の出来だろう。けど、我々ジンジャーのファンは彼に「平均点以上」程度のものは望んでいない。常に最高、その1点しか見えていないはずなのだ。

既に世に出回ってしまった以上、この現実を受け入れるしかない。このシングル以降、公式な新曲はまだ1曲もリリースされていない。もしかしたら第2弾シングルのリリースが遅れているのは、スタジオが取れないとかワイハーが忙しいといった理由ではなく、単に納得がいくモノが出来ていないだけなのでは‥‥なんて勘ぐりたくなってしまう自分が、ちょっと嫌だったりする(苦笑)。けど、ファンという生き物は悲しいもので、「並だ、平均点だ」と言ってるこれらの3曲でもずっと聴き続けていると愛着が湧いて、しまいには「‥‥意外といい曲じゃん?」と思えてくるのだから、たちが悪い(苦笑)。いや、マジな話、パワーポップ好きを自称する方でまだワイハーに手を出していないって人に、このシングルを聴いて欲しいかも‥‥意外とハマッたりして。

とにかく、続く第2弾、第3弾‥‥何なら第12弾まで猶予を持って期待してみようじゃないか?(苦笑)



▼GiNGER『A BREAK IN THE WEATHER』(同シングル収録曲をすべて収録)
(amazon:海外盤CD

投稿: 2001 11 12 07:55 午後 [2001年の作品, Ginger Wildheart, Wildhearts, The] | 固定リンク

CLAM ABUSE『STOP THINKING』(1999)

さてさて、一体この作品をどう取り上げようかと悩み、早2年‥‥THE WiLDHEARTSのジンジャー作品として、どのように評価すればいいのか。ファンとして語るべきか、それとも「1枚の変態ポップアルバム」として評価すべきか、非常に悩むところだ。

というわけで、このCLAM ABUSEというユニットは1999年‥‥THE WiLDHEARTSが当時、たった1度だけの再結成を8月に行った後にリリースされた、謎の作品「STOP THINKING」1枚を残し、ライヴを何度か行った後に自然消滅している。最初っから1枚こっきりの限定ユニットだったのか、それとも2人のメンバー、クラム・サヴェージとクリント・アビューズ‥‥何のことはない、ジンジャーと現ANTI-PRODUCTSのアレックス・ケインのことなのだが(笑)‥‥がそれぞれの活動に忙しくなったから続かなくなったのか‥‥

一応、このアルバムの音楽性を語る時にジンジャーは「アコースティック・アルバム」と表現している‥‥え~っとですねぇ‥‥どこがですか?(苦笑)思わず「ブッ壊れた」って枕詞を付けたくなるくらい、壊れたポップソングが詰め込まれているのだ。基本的には打ち込みバックにオモチャみたいなシンセを被せたり、ギターノイズが乗ったり、たまにアコギが聞こえたり(笑)する中、時にヒステリックに、時にオペラチックに、時に愛を奏でるように(笑)唄うジンジャーとアレックス。どちらも天才肌。天才ふたりが揃えば‥‥歯止めが効かなくなる(苦笑)。そう、誰か、誰か止めなかったのかよ!?(爆)どこからがマジで、どこからが冗談なのかが非常に判りにくい、きっと天才にしか理解でき得ないであろう名作に違いと思うのだが‥‥残念なことに(苦笑)俺にはその良さを半分も理解できずにいる。勿論、悪いわけがない。如何にもジンジャーが書きそうなメロディーもちらほらと現れる。名曲"Be My Baby"をパクッた!?ような".Com Together"や、SILVER GINGER 5名義でやっても何ら違和感のない"She's So Taboo"みたいなポップソングもあるし、女性がリードボーカルを取る曲やマジなオペラまで登場する(苦笑)。

このおフザケ感覚というのは、イギリス人特有のブラックユーモア‥‥「モンティパイソン」辺りに共通するモノを感じる。絶対にアメリカ人には理解できないであろう感覚。いや、一部のアメリカ人アーティスト(MOTLEY CRUEのニッキー・シックスとかデヴィン・タウンゼントとか‥‥ってデヴィンは厳密にはカナダ人だっけ?)はきっと羨ましがるに違いない。そんなギャグセンス‥‥ってこれってやっぱりセンスある方なのかな?(苦笑)とにかく、これまでのジンジャーなら躊躇したであろうことを全部ここでやってしまった感があるのだが‥‥それを引き出したのが、もう一方の天才アレックス・ケインだった。その後もアレックスとジンジャーは再結成WiLDHEARTSとANTI-PRODUCTSとで2001年夏にイギリス~日本をツアーしてる程の仲だ。アレックスはワイハー時代のジンジャーをそれ程評価していなかったようだが、このツアーで「WiLDHEARTSの」ジンジャーを何度も目撃して、その考えを改めたそうだ。天才に見初められた天才。ジンジャーがデヴィン・タウンゼントに憧れたあの一件をふと思い出すが‥‥あのコラボレーションがマジな路線だったのと一転して、ここでは正反対な路線を繰り広げている。けど、決してそのふたつが全く繋がらないわけではない。双方に散りばめられた「溢れんばかりのポップ色」は間違いなくジンジャーにしか作り得ないものだ。

ワイハーのジンジャー、SG5のジンジャーを期待してこのアルバムに手を出すと、きっと聴き終えた時にCDを床に叩きつけたくなるか、盤をへし折りたくなるに違いない(笑)。それくらい聴き手を舐めきった、異色「壊れポップ」アルバムなのだから。



▼CLAM ABUSE『STOP THINKING』
(amazon:海外盤CD

投稿: 2001 11 12 07:42 午後 [1999年の作品, Clam Abuse, Ginger Wildheart, Wildhearts, The] | 固定リンク

2001/11/11

GiNGER『GRIEVOUS ACOUSTIC BEHAVIOUR』(2000)

ジンジャー初のソロシングルとほぼ同時期にいきなり発表された、'98年8月24日にイギリスのクラブにて録音された、アコースティックライヴの模様を収めた2枚組ライヴ盤。SILVER GINGER 5やWiLDHEARTSとしても順調に活動していたように見えたジンジャー、何故にこの時期にこんな代物を発表しようと思ったのだろうか?

当時('98年夏)WiLDHEARTSは前年秋の無期限活動休止(事実上の解散)状態で、その2ヶ月後にここ日本でワイハーとして最後の日本公演を行うこととなっていた。そう、ご存じの通り、ジンジャーはそのワイハー来日公演終了翌日、ここ日本でもソロ・アコースティックライヴをこのアルバム同様、元HONEYCRACKのウィリーと共に行っている(その模様は断片としてライヴ盤「TOKYO SUITS ME」ボーナスディスクに収録されている)。この「GRIEVOUS ACOUSTIC BEHAVIOUR」の内容は、その日本でのソロライヴの前哨戦といったところだろうか?

ハッキリ言ってしまえば、ただの「酒飲みの宴会芸」だ。名ライヴアルバムとか「ジンジャーが放つ初のソロアコースティックアルバム!」なんて太鼓判の押せるような代物ではない。が、何故か憎めないんだよな‥‥単に自分がファンだからかもしれないけど(苦笑)。ジンジャーの歌は普段のライヴ以上にヘロヘロだ。轟音がない分、その「酔っぱらいの声」が前面に出る。そしてその歌を補うかのような、MCの完全収録‥‥殆ど聞き取れませんが(苦笑)オーディエンスの笑い声からすれば、きっとオモロイこと言ってるんだろうけどさ(ん、今エルヴィス・コステロが何とかって言って客が笑ってるぞ‥‥)。

楽曲はワイハーが7割、当時未発表でその後SILVER GINGER 5名義で発表された曲や、ワイハー時代の未発表曲の他にKISSの"Hard Luck Woman"も収録されている。更に、その曲名こそ所々で名前が挙がるものの、その後正式には発表されることのなかった未発表曲"Re-inventing The Wheel"や"If I Had You"も収録されている。ワイハー時代の未発表曲も「LANDMINES & PANTOMIMES」に収録された"Tom, Take The Money"はともかく、その後発表されることのなかった"Where Did Everyone Go?"はかなり貴重かも。考えてみりゃ、その後SILVER GINGER 5で発表されることとなる"Church Of The Broken Hearted"だって、初期ワイハーの未発表曲だしな。

アコースティックとなると、大切になるのは(勿論演奏力もそうだが)核となる楽曲だろう。装飾のなくなった形で、如何にメロディーが引っ掛かるか‥‥そういう意味では、この企画は大成功だろう。ジンジャーのソングライターとしての才能は、ギターだけになろうがやはり素晴らしい。これはファンだからとか、そういった次元の話ではない。CLAM ABUSEのような変態ユニットだろうが、アリーナロック全開のSILVER GINGER 5だろうが、ソロやワイハーだろうが、結局ジンジャーという男の書くメロディーはスウィートでポップなのだ。

ジンジャー初心者は、いきなりこの作品からジンジャーに入ることだけはお薦めしない。まずワイハーであり、SS5だ。そこで引っ掛かりがあったなら、これを聴けばいい。そうすると、また新たな発見があるだろうから。更に深みにハマることうけあいの1枚だ。



▼GiNGER『GRIEVOUS ACOUSTIC BEHAVIOUR』
(amazon:MP3

投稿: 2001 11 11 07:51 午後 [2000年の作品, Ginger Wildheart, Wildhearts, The] | 固定リンク

2001/06/05

THE WiLDHEARTS『EARTH VS THE WiLDHEARTS』(1993)

というわけで、6月のオススメ盤には‥‥先頃初期のメンバーでの再結成を発表し、更には来日まで決定したWiLDHEARTSのオリジナル・ファーストアルバム「EARTH VS THE WiLDHEARTS」を取り上げることにした。ご存じの通り、今回再結成に参加しているメンバーはジンジャー(Vo & Gt/ご存じ、最近はSILVER GINGER 5としても来日したばかり)、ダニー(Ba & Vo/解散後はTHE YO-YO'Sとして来日も果たした)、CJ(Gt & Vo/脱退後はHONEYCRACKを経て、THE JELLYSで活躍)、スティディ(Dr & Vo/脱退後、WHATEVERに加入するも、アルバムリリース前後に脱退。その後CJと共にTHE JELLYS結成)という、まさしくこのアルバムを作った面子なのだ。何か今のところ、スティディは都合で来日公演には参加できないようで、その後任だったリッチ(現在はGRAND THEFT AUDIOで活躍中)が急遽参戦するという予定になってる。まぁどっちにしろ、このアルバムのツアーはリッチが参加していたわけだから、俺的には問題なし(けど、やっぱCJとスティディで観たかったって気持ちも多少あり)。

このアルバムは1993年後半にリリース。プロデュースには当初、ミック・ロンソンが携わる予定だったが、ご存じの通りミックはガンのためにその年の春に亡くなっている。プロデュースを依頼した時には既に病魔と闘っている最中だったのだろう。幸運にも1曲、"My Baby Is A Headfuck"の中でギターソロを披露している。ということで、プロデュースにはバンド自身が当たり、1曲("Suckerpunch")のみマーク・ドッドソン(JUDAS PRIEST, THE ALMIGHTY等)がプロデュース。このアルバムからはシングルとして、"Greetings From Shitsville"、"TV Tan"、そして"Suckerpunch"がリカットされている。また、現在のイギリス盤とアメリカ盤にはシングルオンリーで後にリリースされた"Caffeine Bomb"が追加収録されている。その代わりといってはなんだが、日本盤には先のシングル"TV Tan"のカップリングである"Show A Little Emotion"と"Down On London"がボーナストラックとして追加収録されている。"Caffeine Bomb"は日本盤「FISHING FOR LUCKIES」で聴けるので、ここでは貴重な音源を含んだ日本盤を購入すべきだろう。

とにかく、多くの人間がイメージする「WiLDHEARTS像」というのは、実はこのアルバムの楽曲群だったりする。ゴリゴリしたヘヴィーなギターリフに、パート毎にテンポが変わる展開、そこに乗るバブルガム・ポップなメロディー。1曲目の"Greetings From Shitsville"が正にその典型で、ライヴではモッシュやダイヴが起こること必至なナンバー。それに続くは、名曲"TV Tan"。後の"I Wanna Go Where The People Go"や"Sick Of Drugs"のプロトタイプとなった曲だ。勿論、それ以前には"Weekend"といった曲もあるわけで、この手の曲が好きな人間にはたまらない、パワーポップとさえ呼ぶことのできるタイプの1曲。

ライヴで定番の、後半複雑な展開をする"Everlone"や、ヘヴィーなリフを重ねに重ねた"Shame On Me"、ホンキートンク・ピアノと女性コーラスが気持ちいいストレートなロックンロール"Loveshit"、これも如何にもワイハーらしいファスト&メロウな"The Miles Away Girl"、ミック・ロンソン参加の定番ロックンロールナンバー"My Baby Is A Headfuck"、そこからメドレー形式で続く"Suckerpunch"の流れは、いつ聴いても圧巻。

ポップな前半に、プログレ的展開を持つ後半が対照的な"News Of The World"、コミカルなイントロから途端に高速化する"Drinking About Life"、そしてライヴのラスト定番曲となっているヘヴィな"Love U Til I Don't"という、全11曲の流れは正に完璧としか言いようがなく、これを初めて聴いた時、俺は「こいつらについてく!」と決心したのだった。

とにかく、このアルバムの時点で既にジンジャーという人は、自身のソングライターとしての幅広さを証明している。'93年当時、まだOASISがマンチェスターのクラブで眠っていたこの頃、こんなソングライターはいなかった。残念ながら、既に当時から「BURRN!」でしか取り上げられることのなかった彼らだが、もし最初から「rockin'on」や「クロスビート」等といった、HM/HR以外をメインに扱う洋楽専門誌で紹介されていたなら‥‥時代は変わっていたかもしれない。

「BURRN!」系バンドの中では、彼らは革新的バンドだったかもしれない。しかし、その他の洋楽専門誌では「メタル」と切り捨てられ、日の目を見ることはなかった。その風貌からも、それは仕方ない結果なのかもしれない。けど、もし彼らがWEEZERやGREEN DAYあたりと同列で語られていたら‥‥「アメリカン・パンクに対する、イギリスからの回答」と呼ばれていたかもしれない。そう思うと、悔しくてたまらない。

幸い、この「とみぃの宮殿」には彼らのファンが多かったし、俺やそういった方々の熱の入った絶賛に後押しされ、お気に入りのひとつとなったという話も聞く。けど、まだまだだ。この再結成を切っ掛けに、もっと多くの人間に支持されてもいいのではないだろうか? 先に挙げた2バンドに興味がある方、そしてそれらの音が好きなパワーポップ・ファン。確かに毛色は多少違うとは思うが、許容範囲には入っていると思うのだ。是非「聴かず嫌い」はやめて、彼らの世界に飛び込んで欲しい。一度ハマッたら、二度と戻ってこれない世界ではあるけれど‥‥(笑)



▼THE WiLDHEARTS『EARTH VS THE WiLDHEARTS』
(amazon:海外盤CD

投稿: 2001 06 05 06:06 午後 [1993年の作品, Ginger Wildheart, Wildhearts, The] | 固定リンク

2001/06/04

THE WiLDHEARTS『TOKYO SUITS ME』(1999)

「ジンジャー公認」という意味では、現在唯一の「公式ライヴアルバム」なのが、この「TOKYO SUITS ME」という作品。公認も何も、ジンジャー本人が'98年10月のジャパン・ツアー終了後もここ日本に残って、このアルバムのための作業をしたんだから、そりゃバンド側にとってもファンにとっても納得の1枚だろう。リリースは翌'99年1月、残念ながらここ日本でしか手に入りません。初回盤は2枚組仕様で、メインのディスク1のエンディングがセカンドプレス以降とは若干違うという表記がされている(が、そのセカンドプレス現物を未だに見たことないのは、どういうこと!?)、25分で1曲表記のディスク2は、バンドでのツアー終了後に三軒茶屋・HEAVEN'S DOORで行われたジンジャーのソロ・アコースティック・ライヴの模様や(ダニーが飛び入りした"Caffeine Bomb"も収録)、惜しくも漏れてしまった日本公演の模様を繋ぎ合わせた、まさしく「ボーナス」な代物。2枚組仕様は今でも必ず店頭に残っているはずなので、ベスト盤的意味合いも持ったこの1枚、是非手にとってみて欲しい。

THE WiLDHEARTSの魅力のひとつとして必ず挙げられるのが、ライヴである。彼らのライヴに1度でも足を運んだことのある人間なら納得してもらえると思うが、スタジオ盤にはない「魅力」が彼らのライヴにはある。気まぐれなジンジャー、毎日全く違うセットリスト、彼らのルーツを垣間見ることができるカヴァー曲、日によっての出来具合が全く違う「生モノ性」、オーディエンスとのコール・アンド・レスポンス、そしてそのやり取りによって生み出される相乗効果。本来、ロックバンドのライヴに求められるべきもの全てが、彼らのライヴにはある。男も女も、子供も大人も、体験すればハッピーになれるのが、THE WiLDHEARTSのライヴなのだ。

それを、音質も含めて(笑)「完全真空パック」状態で保存されてるのが、このアルバムなのだ。'98年10月24日の赤坂ブリッツでの模様を収録したもので、曲順こそ入れ替わっているものの、ちゃんと流れが計算されていて、途中でトーンダウンすることもなく、まさに「熱狂の1時間」を味わうことができる。更に、ちゃんとオーディエンスの歓声や掛け声まで収録されているので、臨場感はこれでもか!?って位にタップリだ。

ご存じの通り、この日のライヴを俺は体験している。ライヴレビューを読んでもらえば判ると思うが、あのレビューは途中までは当時書いたものだが、後半は今年(2001年)1月に加筆したものだ。何故あそこまでハッキリと覚えていたのかというと、それは当日のセットリストとこのアルバムがあったからだ。だからあそこまで書けたのだ。

THE WiLDHEARTSには、'98年春に勝手にリリースされた「ANARCHIC AIRWAVES」という、BBCで放送されたライヴ音源をまとめた「ジンジャー非公認」ライヴ盤がリリースされていたが、そこでは味わえないものを、この「TOKYO SUITS ME」では味わうことができる。それはバンドを大歓迎する日本での録音というのも大いに関係しているし、このツアーがある意味「最後」(当時の時点で)だったこともあるだろう。当然、それ以前の来日公演もこれに匹敵する内容だったが、やはりこの10月24日のライヴは多くのファンの記憶に残るものだったと思う。翌25日の最後の公演も素晴らしいものだったと聞くが、やはり「打ち上げ的」印象は拭えなかったようだ(セットリスト的にも、アンコールではカヴァーが多く、HELLACOPTERSのメンバー等の飛び入りもあったから、余計そう感じる)。そいういう意味では、THE WiLDHEARTSというバンドが本当に「最後」を意識して全力で突進した記録、それがこの「TOKYO SUITS ME」なのだと断言できる。

まぁ確かにアルバムを聴けば、ジンジャーはお茶目な日本語で場を和ませているが、演奏は鬼気迫るものを感じることができる。特に"Everlone"といった複雑な展開をする曲や、コーラスが決めての"Coffeine Bomb"などは、完璧というしかないだろう演奏を披露している。確かにジンジャーはいつも通り声が出ていないが(苦笑)、それが何だっていうのだ!?(いや、それが嫌って人も多いだろうけど)ライヴを体験できなかった人間(チケットが手に入らなかった、当日予定があって観れなかった、当時まだ彼らを知らなかった、等)にとって、これ程重宝する1枚はないのでは!? 勿論、当日足を運んだ人も、他の日観た人にも大切な1枚なのは言うまでもない。


ご存じの通り、現在(2001年6月)「とみ宮」では「決定!史上最強のライヴアルバム」という、皆さんオススメのライヴ盤を投票してもらうというアンケート企画を実施している。これは、俺自身がライヴ盤というものが大好きだというのがある。

俺は千葉県銚子市という、首都圏からちょっと外れた、ある意味「不便な」町で高校卒業までを過ごし、ここ3年程またここで生活している。東京在住の人みたいに「学校や会社の帰りにライヴ」なんて観れないし、行ったとしても、ちょっと終演が長引けば終電を意識して時計とにらめっこだ。だから初ライヴも中学2年の時で、その時も初めて中野サンプラザまでひとりで行ってドキドキしたものだ。当然、ライヴなんて年に1回行ければいい方だった。

そんな俺を楽しませてくれたのが、ライヴアルバムだった。未だ目にすることのないバンドの、ある意味架空のライヴ。それを毎日自分の家で疑似体験することができる。ライヴビデオなるものが主流になる前までは、これが俺の楽しみのひとつだったのは間違いない。当然、そうなると大切なアルバムも増えていく。エアロの「LIVE BOOTLEG」だったり、ハノイの「FOR THOSE WASTED YEARS...」だったり、KISS「KISS ALIVE!」やCHEAP TRICK「AT BUDOKAN」、DURAN DURAN「ARENA」、ツェッペリン「THE SONG REMAINS THE SAME」、BOφWY「GIGS」等々。とにかく挙げればきりがない。ロックにとって「ライヴ」は切っても切り離せないファクターだ。そのライヴが体験できないとなると、それを疑似体験するしかない。多くの人間にとってのライヴ盤というのは、そういう「大切な存在」なのではなかったのだろうか?

時代が進み、交通の便がよくなったり、ライヴ会場が増えたり、来日するアーティストの絶対数が激増したりして、何かしらのライヴが毎日首都圏はじめ、いろいろな場所で行われる。昔はビデオコンサートというものもあったのに、今では家で手軽にライヴを映像付きで疑似体験でき、ブートビデオも当たり前のように流通し、更にはDVDなる便利なものまで登場する。しかし、だからこそ俺は「ライヴアルバム」というものを大切にしたいのだ。その思いもあって、俺はあのアンケートを開始したのだ。

けど、そういうのを抜きにしても、先に挙げたようなライヴアルバム達は絶対に聴いて欲しい「名盤」だし、下手すりゃスタジオ盤よりも優れた作品もある。このTHE WiLDHEARTSの「TOKYO SUITS ME」もそこに加えることができる、優れものの1枚だと胸を張ってオススメしたい。とにかく「ドカドカうるさいロックンロールバンド」が好きな人なら、絶対に引っかかりのある1枚だと思うので。


‥‥なんか、WiLDHEARTSを絶賛するというよりも、「如何にライヴ盤は素晴らしいか」を説く文章になっちまったなぁ‥‥まぁいいか?(苦笑)



▼THE WiLDHEARTS『TOKYO SUITS ME』
(amazon:国内盤CD

投稿: 2001 06 04 06:32 午後 [1999年の作品, Ginger Wildheart, Wildhearts, The] | 固定リンク

2001/01/14

THE WiLDHEARTS JAPAN TOUR 1998@赤坂BLITZ(1998年10月24日)

これで最後‥‥本当に最後なんでしょうか? 最初からそう信じていなかった為、チケットを取っていなかったんです。だけど、やっぱりどうしても見たい‥‥そう考えたら、いても経ってもいられなくなり、結局チケットを取りました。いよいよ、いや、本当に最後の彼らの勇姿です。

前回までの日本ツアーは、東京に関しては全公演追っかけたにもかかわらず、今回は3公演中の中日のみ。土曜日という事もあって選んだのだけど‥‥本当は初日が見たかった。デヴィン・タウンゼント率いるSTRAPPING YOUNG LADが前座だったしね。ところが2~3日目は、あのTHE HELLACOPTERSが前座につくという事で、それはそれで嬉しかったりして。セカンドアルバムしか聴いたことないけど、意外と好きなタイプのバンドだったので、PA卓前辺りを陣取って、ゆっくり観戦する事にしました。


◎THE HELLACOPTERS

この来日のちょっと前に、ギターのドレゲンが掛け持ちしているBACKYARD BABIESの活動に専念するという事で脱退(まぁ最初はHELLACOPTERSがサイドプロジェクトだったので、仕方ないといえば仕方ないけど)、残念ながら今回はサポートメンバー(正式加入するのか?)にギタリストとキーボーディストが参加してのライヴとなりました。

ライヴの内容的には先に聴いていたセカンドを中心に、知らない曲を多数連発‥‥ってファーストと、先頃発売されたミニアルバムの曲だろうけど‥‥で、多分10曲程度だったと思います。その割に長く感じたのは気のせい?

正直言って、それ程楽しめなかったな。音が悪かったというのもあるけど、やっぱりどうしても後で登場するWiLDHEARTSと比べてしまう。前回の来日の際にはHiBRiD CHiLDRENやSTRAWBERRY SLAUGHTERHOUSEという、比較的WiLDHEARTSに近いタイプのバンドだったこともあって楽しめたのだけど、このHELLACOPTERSはどうも別のルーツを持ったバンドのような気がする。いや、ルーツは一緒なのかもしれないけど、見せ方が違うというか。ワイハ系列のバンドはエンターテイメント性をある程度重視しているような気がするけど、ヘラの方はもっと職人的というか。中盤のジャムセッション的即興にその片鱗を伺わせたのだけど、なんか中だるみした感あり。

歌を大切にしてるのは伝わってくるのだけど(楽曲は非常にメロディアスだしね)、それを完璧に伝えるには、あのテンポの速さは必要なのかな?と疑問に思った。けど、逆に言えばあのハイテンションこそが彼らの真の持ち味なのかもしれないけど。今後、もっと「歌モノ」的楽曲を増やすような事があれば、きっと僕はもっと彼らにのめり込めるかもしれないけど、現時点では「数あるロックバンドの中のひとつ」に過ぎないな。


THE HELLACOPTERS @ AKASAKA BLITZ. 10/24/1998
01. You Are Nothin'
02. Fake Baby
03. Born Broke
04. Disappointment Blues
05. Riot On The Rocks
06. Hey!
07. Soulseller
08. (Gotta Get Some Action) Now!


◎THE WiLDHEARTS

やばい、とうとうその時がやってきた。客の前方への詰め寄り具合はHELLACOPTERSの時とは比較にならない。メンバーが登場する前から客が盛り上がってるのだよ!って僕もだけど。(笑)暗いステージ上にリッチ、ジェフ、ダニーが登場し、それぞれの楽器をセッティングして持ち場に立つ。最後にジンジャーが登場し‥‥ジャーンと一斉に音を出し、それに続くあのリフ‥‥"I Wanna Go Where The People GO"だ!! なんてことはないスタートなのだけど、それだけで十分だった。1年‥‥この1年は長すぎた。彼らの不在は長すぎたのだ、僕にとって。それを発散させるに十分な爆音。それを奏でる事が出来るのは、この4人しかいないのだ! 客を煽るように「ヘイ!ヘイ!ヘイ!ヘイ!」と叫ぶダニー。当然、僕達も一緒に叫ぶ。サビの部分では見事なコールアンドレスポンス。これだよ、これ! 

エンディングから間髪入れずに、ジンジャーは"My Baby Is A Headfuck"のリフ&歌に突入。お約束の掛け声の後にジンジャー、「カワイー」と一言。(笑)多分、英国人特有の「Lovely」の訳を日本人スタッフに聞いたのだろう。前々回あたりからよく使ってるもんな。既にこの2曲で盛り上がりはピークに達しようとしていた。更に続けざまに"Nita Nitro"へ。ミドルテンポのこの曲に合わせて客は跳ねる跳ねる。勿論僕も跳ねる。合いの手を入れることも忘れずに。お約束と言えばそうだけど、やっぱりこれがなきゃ彼らのライヴなんて言えないよ、マジで。

この曲が終わって、小休止という感じでMCを。「ゲンキー?」とか色々知ってる日本語を連発するジンジャー。1日目は最悪だったけど、今日は最高のライヴにするとかそういうような事を言ってたような‥‥(ここでじゃなかったかな?)そして始まった曲は、それ程好きではない"Sick Of Drugs"。でもライヴで聴くと抜群にイイんだよなぁ~。イントロでの「オ~」の掛け声もバッチリ決まり、ジンジャーの歌‥‥やっぱり声、出てないや。(笑)そんなとこまでいつも通りじゃなくていいのに‥‥この曲をちゃんと唄いこなした姿、見たことないぞ?(苦笑)そういえば、何かこの曲辺りからジンジャーの機嫌が少しずつ悪くなってきたような‥‥理由は簡単。ギタートラブルだ。ギターの音が途切れたり、思った通りの音が出なかったり、といったところだろうか? とにかく最初の曲と比べれば雲泥の差?(いや、そこまで悪くはなかったか??)

「次の曲は、Mr.ダニー・マコーマックが唄うよ」というジンジャーのMCに続いて始まったのは、ラストアルバムとなってしまった「ENDLESS, NAMELESS」から"Anthem"。面白い事に、今回はアルバムとは違って生音(エフェクターを通さない音)だった事が影響して、シンプルでカッコいいロックナンバーと化していた。ダニーも原曲通りに歌えないキーが高そうなパートは、上手く節回しを変えて唄って、逆にカッコよさが増していた。ライヴバージョン、というかノン・エフェクト・バージョンの「ENDLESS, NAMELESS」、出せばいいのにね?

そのままバンドは大好きな"Everlone"に突入。カッコいい、本当にカッコいいのだ。この曲には彼らの魅力の全てが込められていると前から思っていたけど、今日1年振りのライヴを体験してそれを再確認しました。リフ、リフの嵐、疾走感、ポップなメロディ、心に残る三声コーラス、そしてエンディングでの重いパートでの重量感。かっ、カッコよすぎ‥‥何でこんなにカッコいいの?

ここで次の曲に‥‥と思っていたら、どうやら本当にギタートラブルらしい。音が出ない? すかさずにローディーが新しいレスポールを持ってくるものの、それもどうやらイマイチのようで‥‥結局"Suckepunch"に突入後、首からギターを外し、珍しい「ボーカリスト・ジンジャー」(ギター&ボーカルではなく/笑)の姿を見ることができた! シングルギターとなってしまって音が薄くなるかな?と心配したものの、ノイズまじりのディストーションギターとベキベキなベース音、そしてバカでかいドラムの音の中では、ギター1本足りなくてもそれ程気にはならなかった。どうしてもギターが2本必要という曲でもないしね。というわけで、珍しくスタンドマイクに両手をあてて客を煽りまくる正統派フロントマンっぽいジンジャーの姿を見ることができました。これはちょっと貴重かも?

ギターが再び戻ってきて、なんとか納得がいく音になったようで‥‥続いた曲は"Red Light - Green Light"。イントロのアカペラパートをジンジャーがひとりで唄い出し、バンドが突入。GREEN DAYみたいな疾走感溢れるバブルガムポップパンクといった感じで、どことなく懐かしさを感じさせる佳曲なのだけど、やっぱり僕はどうしても馴染めないんだよね‥‥こうやってライヴで聴く分には文句なしにカッコいいんだけど‥‥

そして「グッバイ」の言葉を残して始まったのは、お約束ともいえる"Love U Til I Don't"。やっぱカッコいい‥‥サビの「ウ~ラララ~ラ~」のコーラスも一緒に唄うし、聴いてる分にも気持ちいい。気付いたら僕、真ん中辺にいたにも関わらず、前のブロックに突入してたよ!(爆)エンディングでは正にカオスとでも言えるだろうノイズの嵐。そしてメンバーをステージを後に‥‥ここで本編終了。時間にして50分くらい? 判んない、時計なんて見てなかったし。とにかく息をもさせない位に白熱のステージだったよ。これまで彼らのライヴにがっかりさせられた事は一度もなかったけど(例えジンジャーの声が全く出ていない日でも、それを補うコーラスワークがあったし、それ以上にジンジャーの気迫みたいなものをヒシヒシと感じられてたし)、今日も素晴らしい‥‥いや、本当に素晴らしいんだってば!(後で聞いた話によると、3日間の中ではこの日が一番安心して見てられたようだ)

アンコールを求める声もいつも以上だった。そしてすぐに彼らはステージに戻ってきて、とてもリラックス雰囲気を漂わせていた。本編よりも肩の力が抜けたような感じ? そして始めた曲は"Mindslide"! 確か日本初登場でしょう! アルバム未収録のカップリング曲だけど、まさかこんなところで聴けるとは‥‥ジンジャーが歌い出し「Every time, Iget to thinking my patience is shrinking, it's‥‥」と唄うと、続いて僕達がデカい声で「Mindslide!」と答える。この声の大きさに驚いたジンジャー。満面の笑みを見せ、メンバー同士顔を見合わせてまたニヤニヤ♪ そしてもう一回同じパートを繰り返す。勿論僕らも更にデカい声でレスポンス。またニヤニヤ。(笑)お気に召したようで♪ 3回目はちゃんと演奏に突入しました。本当、彼らには捨て曲というものがない。逆にA面曲よりもカップリング曲の方がよかったりする事もしばしばだしね。

続いて、またカップリング曲である名曲中の名曲"29x The Pain"に。やっぱりいつ聴いてもいい曲だわ、ホント。ラストのカート・コバーンとかリッチー・ジェームズとか唄うところを「I miss you Japan」と変えて唄って、ホロッとされられたよ。(笑)

続けざまに"Weekend"を唄い出すジンジャー。前の曲と同系統だけど、やっぱりイイもんはイイのである!! ギターソロ後のブレイクパートでは「At the weekend, baby baby, at the weekend~」と絶叫する観客(含僕/笑)‥‥初来日を思い出すなぁ‥‥ジンジャーの髪型はドレッドに変わったものの(笑)、声が出てないのはあの頃と変わらず。(爆)

何やらジンジャーがマイクでしゃべる。何かHONEYCRACKとか言ってたような‥‥気のせいかな? 誰かのカヴァーらしいけど、あんまりいい曲だなとは思わなかった。誰の曲なんだろう?(後にJILTED JOHNというアーティスト?バンド?の曲だと判明)ベースラインだけが印象に残って、いまいちメロディは心に残りませんでした、マル。

更にアンコールは続く。ジンジャーがあの印象的なアルペジオを奏でる。そうそう、この曲から彼らは始まったんだ。ファーストEPの1曲目、"Nothing Ever Changes But The Shoes"。イントロのヘヴィパートでは客から「オイ、オイ!」の叫び声があがる。そして疾走パートへと‥‥この切り替わる瞬間がカッコイイのだ! ほんっとーにカッコよすぎ!! ジンジャーの喉は既に限界なんだろうけど、そんなこたぁ構わねぇ!ってな気迫で唄う。僕の中ではアクセル・ローズ以降に現れたフロントマンの中で一番の存在であるジンジャー。やっぱりカッコいいよ、マジで。最後に再びヘヴィパートに突入。リフの応酬。ギター2本とベースとドラムがひとつの音の塊となって僕らの頭を殴りつける、そんな音圧を感じる瞬間だった。

再び彼らはステージを去り、アンコールを求める手拍子&フットスタンプ。するとメンバーが走ってステージに現れ、素早く楽器を持ち、アッという間にジャーンと音を出す‥‥そのワンコードの後、メンバーは固まったまま、身動きもせず。そしてドラムロールが‥‥あっ、"Caffeine Bomb"だっ!!!!! すっげーカッチョいい!!!!!(笑)こんなに疾走感溢れる曲なのに、キメのパートは絶対に外さない、息のあった4人。この4人でステージに立つのもあと1日。だけど僕にとっては今日が最後なのだ‥‥けど、そんな事忘れて暴れる、暴れる! 2分ちょっとの曲はあっという間に終わり、彼らはステージを去った。ジンジャーは最後に「See you next time!」という言葉を残したものの、この4人での「next time」はもう僕にはない‥‥再び再結成しない限りは。

客電で明るくなった会場内。終演を告げるアナウンス。だけど誰一人その場を動こうとはしない。勿論僕も。僕らは張り裂けんばかりの大きな声で「Don't worry 'bout me, don't worry 'bout me, I feel alright, don't worry 'bout me」と唄う。何度でも、何度でも。そして何分も。結局10分以上経っただろうか、とうとうその声は聞こえなくなった‥‥
('98.11.26.)


こうして僕にとっての、最後のWiLDHEARTS公演は終わったけど、あれから2年以上経った今でも、僕の中ではあの4人の記憶は鮮明に残っている。今回、たまたま「とみぃの宮殿」開設前に書きかけていたライヴレポートを発見した事を切っ掛けに「完成させよう、完結させよう」と思ったわけだが、完結したからといって、僕の中での彼らに対する想いが終わってしまう訳ではない。観れなくなってしまったからこそ、更にその想いは増すばかり。

結局彼らは'99年8月に、たった一度の再結成をここ日本で果たしているけど、僕は観れなかった。いや、観なくてもよかったのかもしれない。そりゃ観たかったけどさ‥‥ここでレビューした日がとても良い出来だっただけに、今後のジンジャー、ダニー、リッチ、ジェフの4人には是非それぞれの活動で、この1998年10月24日の公演を越えるようなライヴを実現させて欲しい。残念ながら先日観たジンジャーのライヴは平均的内容だった。ダニー率いるTHE YO-YO'Sもまずまずの出来だったらしいが、やっぱり誰もがまだWiLDHEARTSを越えられずにいる。まだあれから2年。彼らが本当の意味で成熟し、それを越えていくにはもうちょと時間が必要みたいだ。

‥‥だけどね、いつでもまたWiLDHEARTSとして戻ってきてもいいんだよ?(笑)それはそれで大歓迎だ。でも、その時は富士急での再結成みたいな懐メロメドレーではなく、ちゃんとした新作を引っ提げて戻ってきてね?(笑)


THE WiLDHEARTS @ AKASAKA BLITZ. 10/24/1998
01. I Wanna Go Where The People Go
02. My Baby Is A Headfuck
03. Nita Nitro
04. Sick Of Drugs
05. Anthem
06. Everlone
07. Suckepunch
08. Red Light - Green Light
09. Love U Til I Don't
 [ENCORE]
10. Mindslide
11. 29x The Pain
12. Weekend
13. Gordon Is A Moron (Cover of JILTED JOHN)
14. Nothing Ever Changes But The Shoes
 [ENCORE]
15. Caffeine Bomb



▼THE WiLDHEARTS『TOKYO SUITS ME』
(amazon:国内盤CD

投稿: 2001 01 14 06:54 午後 [1998年のライブ, Ginger Wildheart, Hellacopters, The, Wildhearts, The] | 固定リンク

2000/08/02

THE WiLDHEARTS『P.H.U.Q.』(1995)

'95年5月(日本は6月)にリリースされた、THE WiLDHEARTSのオリジナル・フル・アルバム2作目。恐らく彼等の人気を決定づける事となった、記念碑的作品ではないだろうか? 英国ではシングル"I Wanna Go Where The People Go"のトップ20入り(16位)の煽りを受け、アルバムは初登場6位という快挙を成し遂げた。また、この年の10月にはいよいよ初来日を果たし、今や伝説と化している。だって、解散を決意して乗り込んだ異国の地で、こんなにも大歓迎されるなんてメンバーは誰一人として思っていなかったはず。それを切っ掛けに再び彼等はバンドとして活動することを決意し、その日本に対しての感謝の気持ちともいえる"Weekend '96"をプレゼントした(この曲の中間部には、その日本公演でのシンガロングがそのまま収録されている。つまり俺の声が聴けるという訳だ/笑)。バンドとしては最も不安定な時期だったものの(考えてみれば、レコーディング直前にギターのCJをクビにして、3人編成で録音されたものだし)、音楽的には最も充実していた時期に作られた楽曲達がこのアルバムと、それと前後して発表された「FISHING FOR LUCKIES」に収められている。

「FISHING FOR LUCKIES」のレビューでは『大作や実験作を「FISHING~」に、ポップな小楽曲を「P.H.U.Q.」にと分けた』と書いたが、いざ改めて聴き直してみると、意外とそうでもないかな?という気がしてきた。「P.H.U.Q.」というアルバムには13曲収録されているが、クレジットやCDプレイヤーのカウンターを見ないで聴いていると、どこからどこまでが1曲なのか判らなくなる時がある。つまり、このアルバムは組曲形式を取った楽曲が数曲あるのだ。あるいは次の曲へのイントロダクションとでも言えばいいだろうか? "Baby Strange"~"Nita Nitro"の流れは正にそうだし、"Cold Patootie Tango"~"Caprice"もそうだろう。また、聴き方によっては"Jonesing For Jones"のエンディングから"Woah Shit, You Got Through"のイントロに繋がっているようにも聞こえる(まぁこれは組曲とは言い難いが)。「FISHING~」の楽曲を公式に発表する事をレコード会社に拒まれた件から想像するに、大作を嫌うレコード会社対策の為に、わざとイントロ部となる部分を1曲としてカウントしたのではないだろうか? けど、当時のライヴではそれぞれの曲を演奏する時、導入部を省いてたんだよなぁ‥‥やっぱり意味はないのか? 深読みし過ぎか? 何はともあれ、こういう形態の楽曲が収められているのはこのアルバムだけだし、時期的にもこの頃だけのようだ。非常に興味深い。

それにしても、"I Wanna Go Where The People Go"や"Just In Lust"といったポップなシングルナンバーや、BAY CITY ROLLERS meets METALLICAな印象の"V-Day"といったポップなナンバーが頭に並んでいるせいか、「ポップなWiLDHEARTSの代表作」というイメージがあるのだが、実はかなりヘヴィな楽曲が多い。恐らく「ENDLESS, NAMELESS」を別とすれば、最もヘヴィな内容ではないだろうか? 「FISHING~」と同時期に書かれ録音された楽曲が並んでいるので、これら2枚は対として考える事が出来るが、この時期というのが正にそういう「リフとリフとで組み上げられていく、ヘヴィな大作」を信条としていたのだろう。それまで以上にその点が強調されているように感じる。そう考えると、彼等は「更にヘヴィに、もっとヘヴィに」というのがエスカレートして、「ENDLESS, NAMELESS」までたどり着いたのかもしれない。あれがWiLDHEARTSの最終形だとは思わないが、この「P.H.U.Q.」や「FISHING~」はそのプロトタイプだったのかもしれない。

初来日公演や翌年の再来日では、このアルバムからの楽曲が中心となっていたので、やはり思い入れという点ではこのアルバムが一番強い。ジンジャーがステージ中央にあのレスポールを持って現れ、"I Wanna Go Where The People Go"のイントロを弾き始めた、あの鳥肌が立った瞬間は今でも忘れられない。あの瞬間に彼等は俺にとって大切なバンドに決定したのだから。

最後に余談だが、このアルバムタイトル、どうやって発音するのだろう?という声をよく耳にする。え~皆さん。「P.H.U.Q.」でしょ‥‥「PH」って「ファ」って読むでしょ? この際「U」は無視して最後の「Q」が「キュー」だから‥‥ねっ、判ったでしょ?(笑)タイトルなんて意味なくていいんですよ♪



▼THE WiLDHEARTS『P.H.U.Q.』
(amazon:海外盤CD

投稿: 2000 08 02 06:24 午後 [1995年の作品, Ginger Wildheart, Wildhearts, The] | 固定リンク

2000/07/27

THE WiLDHEARTS『FISHING FOR LUCKIES (East West Version)』(1996)

「FISHING FOR MORE LUCKIES」の発売を阻止したジンジャー達は、このアルバム収録曲に'96年に入って新たに録音された新曲6曲を足し、既にシングルで発表された2曲を除いた4曲のオリジナル・バージョン収録曲との合計10曲で、完全なるアルバムとして再リリースすることとなった。それが現在右のジャケットで流通しているバージョンだ。収録曲は


01. Inglorious
02. Sick Of Drugs
03. Red Light - Green Light
04. Schitzophonic
05. Soul Searching On The Planet Earth (Different Kind Of Love)
06. Do The Channel Bop
07. Mood Swing & Roundabouts
08. In Like Flynn
09. Sky Babies
10. Nite Songs


の10曲が英国盤のオリジナル。日本盤はそこに


11. Weekend 96
12. 29x The Pain (Richy James Version)
13. Beautiful Me...Beautiful You
14. Caffeine Bomb


の4曲がボーナストラックとして追加収録された形。既にシングルとして発表されていたM-14以外の3曲は新たにレコーディングされたものらしく、特にM-11とM-12はこのために再録音されたものである。

このアルバムから"Sick Of Drugs"と"Red Light - Green Light"がシングルカットされていて、前者には「FISHING FOR MORE LUCKIES」に収録されていた"Underkill"が再収録されている(バージョン違いということらしいが、聴いた限りではその違いは判らない)。また後者もシングルカットに際してリミックスされている。

俺は最初"Sick Of Drugs"をシングルで聴いた時、がっかりした。何か、とうとうWiLDHEARTSもセルフ・パロディをするようになってしまったか、と。「ワイハーの王道パターン健在!」てなポップで当時レコード店に並んだこのシングルに対して、「王道パターンとか言うようになったら、過去の焼き直しをしてるってことだろ?」とひねくれた答えを返した俺。当時のパンクシーン(GREEN DAYだとかOFFSPRINGとか)が大嫌いだった俺は、このアメリカンな音に拒否反応をを起こしたのだった。そしてアルバムを聴くと更にもう1曲、同じパターンの曲が‥‥何か、ストレート過ぎるんだよね、彼等がやるには。勿論いい曲なんだけど、いまいちハマれなかった(最近はそうでもないけど)。ライヴでも盛り上がるこの2曲だけど、まぁ"Sick Of Drugs"はチャート上で最も成功した曲だから、ライヴでやらないわけないしなぁ(その後インタビューでジンジャー自身もこのセルフ・パロディについて認めていた。けど、その後の来日公演では必ずやっているのもこの曲/笑)。じゃあライヴでは冷めてるのか?いや、それどころじゃないから。彼等のライヴではいつも最前列近くで、自分の身を守るので精一杯だから。(爆)

オリジナル・フル・アルバムとしてはカウントされない、コンピレーション盤となるわけだが、意外と俺はこのアルバムが好きで、頻繁に引っ張り出して聴いている。というか、「P.H.U.Q.」を中心とした一連の作品群には、はっきりいってハズレはないから。バンド内は解散か存続 かで揺れていた不安定な時期だけど、音楽的には最も充実した、まさにジンジャーの才能が開花した時期なんじゃないだろうか? 今だからこそ、改めてそう思う。



▼THE WiLDHEARTS『FISHING FOR LUCKIES』
(amazon:日本盤CD

投稿: 2000 07 27 06:21 午後 [1996年の作品, Ginger Wildheart, Wildhearts, The] | 固定リンク

THE WiLDHEARTS『FISHING FOR LUCKIES』(1994)&『FISHING FOR MORE LUCKIES』(1995)

一見ニューアルバムのようだが、実はそうではないのがこの「FISHING FOR LUCKIES」だ。これがまた厄介というか、複雑なんだわ‥‥復習存在する本作について解説していきたいと思う。

①『FISHING FOR LUCKIES』(1994 / ファンクラブ限定バージョン)

'94年12月にファンクラブを通して発売された6曲入りミニアルバムとして最初に「FISHING FOR LUCKIES」というタイトルで通信販売された。当初、これらの楽曲はオリジナル・フル・アルバムとしては2作目にあたる「P.H.U.Q.」の為にレコーディングされたものだ。まず'94年6月に"Inglorious"と"Sky Babies"の2曲入りシングルをアルバム前にリリースする予定だったが、レコード会社が長い曲を嫌った為(この2曲だけで20分近くある/笑)、難色を示したそうだ。更にこの時期にレコーディングされたものは結局、1年後に日の目をみるわけだ(「P.H.U.Q.」自体はその1年後にリリースされた)。

収録曲は以下の通り。


1. Inglorious
2. If Life Is A Love Bank I Want An Overdraft
3. Schizophonic
4. Do The Channel Bop
5. Geordie In Wonderland
6. Sky Babies


'95年1月にはこのアルバムの中からM-2とM-5を収録したシングルがレコード会社を通してリリースされた。また、後に発売される「P.H.U.Q.」の英国初回盤にはボーナストラックとしてM-1とM-3の2曲が、同アルバム日本盤ボーナストラックとしてM-2とM-4がそれぞれ収録され、一般のルートでも聴く事が出来るようになった。


②『FISHING FOR MORE LUCKIES』(1995 / 9曲入りバージョン)

イギリスの音楽雑誌では通販版「FISHING FOR LUCKIES」が大絶賛されたことから、レコード会社は'95年夏頃に改めてこのアルバムに未発表曲2曲と"I Wanna Go Where The People Go"のデモバージョンを追加した形で、同じジャケットに『MORE』を赤字で追加しただけの形の「FISHING FOR MORE LUCKIES」をリリースしようとした。しかし「1度発表されたものにクズのようなデモを足しただけのアルバムなんか、リリースさせるか!」とジンジャーは怒り、リリース中止を呼び掛けた。ライヴでもお客に向かって頻繁に「あんなアルバム、買うなよ!」と訴えかけていた。

その後、カット盤として一般流通しているので、当時は簡単に手に入れることができた。ちなみに収録曲は上の6曲に


7. Underkill
8. Saddened
9. I Wanna Go Where The People Go (Early Version)


という9曲入りとなっている。

多分俺が持ってるのは、その流通してしまったものを複製したブートレッグだと思う。ジャケットの印刷が粗いし(恐らくカラーコピーで複写した2世、3世だろう)、背がカットされていないので。まぁファンならマスト!ってアルバムでもないし、本当に興味があるハードコアなマニア向けの作品でしょう。そういえば、最近はどこのCDショップでもこれ、見かけないなぁ‥‥


この頃の楽曲にはとにかく大作志向が目立った。どちらかというと短くて聴きやすい曲を「P.H.U.Q.」に集め、大作や実験的な曲を「FISHING FOR LUCKIES」に入れたのではないだろうか。後に発表される現行バージョンには「P.H.U.Q.」にも通ずるポップな小楽曲を中心に追加したことによって、より内容が充実しているが、初めて現行バージョンでこれらの大作を耳にした時は、とにかく驚いたのを覚えている。これら4曲はパンク版プログレというわけの判らないカテゴライズをしたくなる程(笑)、起伏が激しい。まるでローラーコースターに乗ってるかのように‥‥しかし、これらの曲がこのアルバムの中では1番好きだったりするのだから、少なくとも俺にとってはこのアルバムの曲をこのような形で発表した事に意義があったということだろう。

そういえば、これらの大作はライヴで披露されたと聞いた事がない。彼等のライヴがどういうものか知っている人なら、それらが何となく合わないんじゃないか?と思うことだろう。俺も同感だ。ジンジャーが最後まであれらの楽曲を完奏するするとは思えない(笑)。絶対に途中で飽きて、他の曲をやりそうな気がする。まぁそんな事はどうでもいいか。このアルバムの再発バージョン、ジンジャーは嫌いで1度も聴いていないらしいから。最初のバージョンは気に入っているらしい。そもそも、結果としては同じようなアルバムが3度発売されたわけだが、雑誌のレビューは再発を重ねる毎に評価が低くなっていったそうだ。何がどう悪かったのかは判らない。要するに「同じアルバムを何度も再リリースして、小金稼いでるんじゃねぇよ!」って事なのかもしれない。



▼THE WiLDHEARTS『FISHING FOR LUCKIES』
(amazon:海外盤CD

投稿: 2000 07 27 06:16 午後 [1994年の作品, 1995年の作品, Ginger Wildheart, Wildhearts, The] | 固定リンク

2000/07/26

THE WiLDHEARTS『ENDLESS, NAMELESS』(1997)

THE WiLDHEARTSのオリジナル・フル・アルバムとしては3作目にしてラストアルバムとなったこの「ENDLESS, NAMELESS」。彼等はこのアルバムの発売を待たずに'97年10月に活動停止(事実上の解散)をしてしまったため、期待された程の成功を収める事は出来なかった。

またセールスとは別に、このアルバムの内容についても当時(いや、今もか)議論になった。それまでの彼等のトレードマークともいえる「覚えやすいポップな歌メロに、心地よいコーラス、ヘヴィなリフ」のうちの最初の2つがこのアルバムには見当たらないというのだ。強調されたヘヴィ・リフ、そして出来上がったアルバムをオンボロ・ラジオを通して聴いているかのような、全体を覆うディストーション・サウンド。ドラムサウンドもエフェクトされているし、ギターは歪みまくり、ボーカルも歌詞が聞き取れないくらい『音の壁』と同化してしまっている。こりゃ、驚くわな普通。もし彼等の噂を耳にして「アルバムを聴いてみよう」と思ったワイハー初心者がいきなりこのアルバムから買ってしまったとしたら、取り返しがつかないかもしれない。(苦笑)「話が違うじゃないか! う~、訴えてやるっ!」ってダチョウ倶楽部の竜ちゃん並に怒るかもしれない。(笑)でも、好きな人にはこれ以上のものはないんだよね、本当に。

このアルバムが完成する半年以上も前に、ジンジャーはインタビューで「次のアルバムは音的な面で挑戦的なものになる。凄く聴き辛いものになる」と既に言っていた。この時点で内容をある程度想像する事も出来た。それでは、何故彼はこの時期にこういう作風のアルバムを作ったのか、いや、作らなければならなかったのか?

まずひとつ考えられるのは、彼の親友のひとりであるSTRAPPING YOUNG LAD(以下S.Y.L.と略)のリーダー、デヴィン・タウンゼントからの影響、そして憧れ。デヴィンは一時期THE WiLDHEARTSに助っ人ギタリストとして参加した事があり、この時を切っ掛けにジンジャーはデヴィンに入れ込むようになった。デヴィンはS.Y.L.だけでなく、OCEAN MACHINEやPUNKY BRUSTER、そしてINFINITY(その後、彼のソロプロジェクトに移行)等、曲のタイプやコンセプトによってユニットを使い分けている。それだけ多才な人間なのだ。そんな超天才に対して、天才はジェラシーを覚えたのだ。実際、S.Y.L.のセカンドアルバム「CITY」('97)を聴くといい。その音像・音圧はまさに「ENDLESS, NAMELESS」と紙一重である。俺は自分の中でこれら2枚を『兄弟作』と捉えるようにしている(そしてそれに続く、一部ジンジャーとデヴィンとの共同作業で作られたデヴィンのソロも)。

第2の切っ掛けは、'96~7年にかけて、WiLDHEARTSの兄弟的バンドや元メンバーの作ったバンドが乱立するようになったこと。元ドラマーのスティディはWHATEVERを、元ギターのCJと(今でもつるんでいるようだが)元サポートキーボーディストのウィリーは一緒にHONEYCRACKというバンドをそれぞれ結成し、この頃デビューしている。また、ベースのダニーの弟、クリスが在籍するバンド、3 COULORS REDもこの頃のデビューだ。それぞれWiLDHEARTSを通過した、ポップな歌メロに心地よいコーラスワーク、適度にヘヴィで疾走感のあるサウンドを持ち合わせていた。更にこの他にも「WiLDHEARTSに影響を受けました」というようなバンドが数多く登場している。実際、'97年の来日時にはSTRAWBERRY SLAUGHTERHOUSEやHYBRID CHILDRENといったフォロワー達を引き連れてライヴを行っている。また、よく共演する機会が多かったレーベルメイトのBABY CHAOS(現在のDECKARD)もそのひとつといえる。これだけ多くの「似たり寄ったり」のバンドが登場すれば、シーンは必ず飽和状態に達する。いくら「俺達がオリジナルだ!」と叫んでも、聴き手にはそれは通用しない。自分が気に入ってしまえば、オリジナルだろうがフォロワーだろうが関係ないのだ。そこでジンジャーは更に一歩踏み込んだ音楽を作ろうとしたのではないだろうか?

そして更に、レコード会社との関係悪化によるストレスもあると思う。それまで在籍したEAST WEST U.K.を前年('96年)に離れ、本気で解散を考えた時にMUSHROOMというオーストラリアを拠点とするレーベルと出会うことになる。GARBAGE等が在籍する、現在ではBMGと提携しているレーベルである。ここと契約するまでの間に書いた曲には、それ相当の怒りや憤りを詰め込んだ楽曲が多かったのではないだろうか? このレーベルとの契約には、音楽面での干渉はしないというのがあったようなので、ここまでの実験が許されたのだと思う。

さて、これだけの必然性の中から生まれたアルバム、本当にそんなに酷いものなのか? 俺がジンジャーを愛するが故、贔屓目で見てしまうのは仕方ないとしても‥‥当時、やはり最初は面喰らった。既にライヴで"Anthem", "Nurse Maximum", "Urge"等は耳にしていたので、それなりの覚悟は出来ていたのだが、内容はそれを絶するものだった。まず、音の録音レベルが1曲1曲違う。特に1曲目"Junkenstein"なんて、最初すごく小さい音なのでボリュームを上げると、1コーラス毎に少しずつレベルが上がっていき、1分少々のその曲が終ると、更に音のデカい2曲目"Nurse Maximum"に突入する。(笑)決して聞き流せないつくりになっている(もっとも、こんな音の壁を聞き流す方が困難だが/苦笑)。1回目通して聴き終えた後、もの凄く疲れたのをよ~く覚えている。しかも夜中にヘッドフォンで聴いたもんだから、耳鳴りと頭痛を伴った。しかし、何度も聴きたくなる。(笑)そして繰り返し聴いているうちに‥‥巷で騒がれている程、ポップ度が低いとは思わなくなった。バックの音像に潰されがちだが、やはり歌メロはポップなのだ。綺麗なコーラスはここにはないが、ジンジャーが言っていた程にはヘヴィだとは思わなかった(後にジンジャーは「今の俺は、できるだけメロディックじゃない曲を書こうと努力してる。でもどうやらそれを完璧にやろうとするのは俺には無理らしい。このアルバムが俺の"non-melodic"、非メロディの限界だ」とこぼしている)。

たしかにここにはみんなの求めるWiLDHEARTSの姿はない。しかし、ミュージシャンとして、バンドとして前進しようとしたWiLDHEARTSの‥‥ほんの一瞬ではあったが‥‥底力をこれでもか?って程に見せつけられた、それが「ENDLESS, NAMELESS」というアルバムではなかったのではないだろうか? 事実、このアルバムにはダニーやジェフの唄う曲もあるし、シングルのカップリングではリッチもボーカルを取っている。それまでジンジャーが全楽曲を手掛けてきたのに対し、彼はこの時期他のメンバーにチャンスを与え、結果バンドとして作った曲やリッチの曲等が作品として発表されている。バンドは間違いなく充実期に突入しようとしていたのだ。しかし、彼等のような「力vs力」「個性vs個性」でメンバー同士を刺激するバンドには、結局それは長続きしなかったのだ。燃え尽きる前に‥‥誰かが取り返しがつかなくなる前に、戻れなくなる前に、ジンジャーはストップをかけた。もしかしたら、この状態を維持できれば次はもっと凄い楽曲/アルバムが生まれていたかもしれない。けど、このバンドに「もし~」なんて言葉は似合わない。何時だって、我々ファンの期待とは逆の方向に進んできたバンドなのだから。(笑)

これを読んで、バンドには興味がなくてもこういう音に興味がある人なら、意外と気に入ってくれるだろう。ただ、やはりバンドに興味を持った人間‥‥アルバムとしては最後の頃に手を出してもらいたい。ハードコアなファン向けの、「表面的には」本当に聴く人を選ぶ作りだから。きっと、暫くこれらの曲はジンジャーのソロでは演奏される事はないだろうが、それでも彼等が最後にこれを残した事に意味があるのだ。



▼THE WiLDHEARTS『ENDLESS, NAMELESS』
(amazon:国内盤CD /
海外盤CD

投稿: 2000 07 26 06:28 午後 [1997年の作品, Ginger Wildheart, Wildhearts, The] | 固定リンク

2000/07/11

SiLVER GiNGER 5『BLACK LEATHER MOJO』(2000)

「とみ宮」開設以来約1年7ヶ月、ようやく我愛するジンジャーの作品を取り上げることとなった。御存知の通り、俺のここ数年の心の支えともいえるアーティスト‥‥MANIC STREET PREACHERS, RADIOHEAD, WiLDHEARTS。MANICSに関しては開設第1発目に「THIS IS MY TRUTH TELL ME YOURS」を取り上げた。今後、旧譜やシングルについても続々と取り上げるだろう。RADIOHEADは「OK COMPUTER」を取り上げるつもりでいたが、つい後回しにしてしまい、気付けば10月には新作が出るというところまで来てしまった。まぁ秋には大々的に取り上げる事になるだろう。そして、我らがジンジャー率いるWiLDHEARTS‥‥正直、取り上げるのがこんなに遅くなるとは思ってもみなかった。最初に取り上げるならバンドとしての新作か、ジンジャーのソロを取り上げたかったのだ。旧譜をどんどん取り上げるというのも、何か解散してしまった「過去の遺物」みたいだし。(とはいうもののWiLDHEARTSは既に事実上解散しているわけだが‥‥)

バンドとしてのラストアルバム「ENDLESS, NAMELESS」を発表したのが'97年秋だったから、気付いてみれば3年近くもの歳月が経とうとしている。その間にもWiLDHEARTS関連としてはベスト盤やらボックスセットやらの編集盤、ライヴ盤や未発表曲集がリリースされた。'98年10月にはバンド活動を完結させる為に最後の日本ツアーを行い、その模様を収めたライヴアルバム「TOKYO SUITS ME」も発表された。(そして'99年8月には、イベントの為に日本でのみ「1回こっきりの再結成」も果たしている)

ではこの3年間新曲は一切発表されなかったのかというと‥‥「一切」ということはない。デヴィン・タウンゼントとの共作を始め、CLAM ABUSEとしてのアルバム「STOP THINKING」(これもいずれ取り上げる事になるだろう。評価に困る内容だが/苦笑)、そしてHELLACOPTERSのニッケ、BACKYARD BABIESのドレゲンとのプロジェクト、SUPER$HIT 666のミニアルバム。最後にジンジャーの初ソロ楽曲となる"Motorvate"(オムニバス盤「UP IN FLAMES」収録)。最後のソロを除けば、どれも他の個性の強いアーティストとの共作となっている。つまり、純粋にジンジャーの色が濃く出た内容というわけではなかった。だから、ジンジャーがWiLDHEARTS後の第一手としてどういう音で勝負してくるのかが、いまいち見えていなかった。"Motorvate"にしろ、これ1曲で今後を占うには難しかったし。(ジンジャーという多才なアーティストを前にすれば、たった1曲で判断してしまう事がどれだけ馬鹿馬鹿しい事か)そういう意味で、正当な評価を下すにはこのフルアルバムを待つしかなかった。そして、噂を聞きつけてから早半年、ようやくこうして耳にする事が出来たわけだ。

正直な感想を書こう。最初に一通り聴いた時、肩透かしを食らった。意外とあっさりと聴けてしまったからだ。もっとWiLDHEARTS的な、引っ掛かりのある内容になるものだとばかり思っていた‥‥これは過剰な期待だったのか、それとも単に俺がまだ「ジンジャー」という男のことを解っていなかっただけなのか。とにかくバンド時代よりも、もっとストレートな内容になっていたのだ。そう、とても聴きやすい‥‥

このアルバムに対して、ジンジャーはこう語っている。

「俺がこのアルバムで伝えたいのはエンターテイメント、ただそれだけさ。人を考え込ませるんじゃなくて、お楽しみの時間のサウンドトラックとなるものだよ。ロックンロールには信憑性なんてものはなくていい。ロックンロールは元々バカげたものだし、みんなが楽しんで大騒ぎする時間を過ごすためにある。このアルバムは、アリーナ・クラスの巨大なロックンロール・ショウをアルバムにしたもの、バラードやスケールのデカい曲や最後に爆発音でもってステージを終わるような曲の入ったアルバムを出すバンドを恋しく思うようなロック・リスナーに向けた『経験』なのさ。」
(アルバム・ライナーノーツより引用)

WiLDHEARTS程ひねくれ度が低いのは、こういう理由からだ。つまり、何か新しい音を作り出そうとか、2000年的サウンドをひねり出そうとか、そういったものではない。ジンジャーが子供の頃に慣れ親しんだロックンロール‥‥KISSであったりAEROSMITHであったり、それこそイギリスならSLADEやSWEETやゲイリー・グリッターのようなポップで判りやすく、それでいて聴いてて興奮するような。エンターテイメント性を前面に打ち出した、純粋に楽しむためだけのパーティーロック。今、こういう音が少ないと嘆いていたジンジャーは、だったら自分がやればいい、どうせKISSは今年で引退するんだろ?その座を俺が受け継いでやるよ、というコンセプトの元にこのアルバムを制作したのだった。

そのコンセプトはいきなり1曲目から爆発しまくっている。"Sonic Shake"、これはもう名曲だろう! メロディだけたどれば、どことなくWiLDHEARTSを連想させるが、所々に挿入された新機軸、そしてKISSのライヴを思い出させるようなハイパーロックンロール。OASISが何だって? BLURがどうしたって? 俺はここにいるぜ?と言わんばかりの主張が、それこそ1曲目からボーナストラックの最後の最後までぎっしり詰め込まれている。

音の感触がどことなくボブ・ロックが手掛けた作品に共通するものがあると思う。しかも最近のではなく、'80年代の、BON JOVI「NEW JERSEY」だったり、AEROSMITH「PERMANENT VACATION」だったり、MOTLEY CRUE「DR.FEELGOOD」だったり。とてもゴージャスなのだ。つまり、自分が慣れ親しんだ'70年代のロックンロール、常にエンターテイメント性を重視してきた'80年代のロックバンド、そして自分達が築き上げた'90年代。これらをうまくミックスして消化したものに自然となっているように感じる。ジンジャーが意図しなくても、自然と形として表れる‥‥天才というか、天然というか‥‥(笑)

確かにこれは新しい音楽ではないし、ある意味やり尽くされたタイプの音だろう。2000年を代表する音にはならないかもしれない。それでもこれをやる意味が、今のジンジャーにはあったのだ。そしてリスナーにも‥‥少なくとも、この俺にも意味のあるものだ。

WiLDHEARTS時代の作品と比べて、内容的にパーフェクトまでいっていないのは判ってる。しかし、このアルバムには完全試合は必要ないと思う‥‥言うならば、1発逆転サヨナラを狙った大振り連発‥‥こんなとこだろうか? 決してつまらない曲はないし、どれも標準以上だと思っている。しかし、WiLDHEARTSという「比較対象」が常に存在する限り、今後どんなアルバムを作っても「WiLDHEARTS時代と比べて~」と言われ続けるだろう(それがお門違いな愚問であっても)。KISSのアルバムには必ず1曲は「惜しいなぁ」と思わせる曲があった。作品として考えれば詰めが甘いのかもしれない。けど、KISSにとってアルバムは「新しいライヴをするための、新しい仕掛けを披露するための道具/手段」に過ぎなかった(勿論それらは標準をクリアしている、という最低条件はあったが)。MOTLEY CRUEだって、アルバム毎にコンセプトを変えてそれをライヴに反映してきた。もし今後ジンジャーがSiLVER GiNGER 5を続けているというなら、きっとそういう作品を連発し続けるだろう。

ライヴに関してはまだ何も見えてこないが、やっぱりこのアルバムはライヴと対で評価したいと考えている。これだけのアルバムを作っておきながら、ライヴがバンド時代と何ら変わらないものだったら‥‥俺はちょっと許さないよ。(笑)勿論、WiLDHEARTSのライヴが悪いというわけではない。あのライヴに惹かれたから、今の俺がいるわけだし。けどこのアルバム、このコンセプトに関してはジンジャーには初心を貫いて欲しい。ワールドワイドレベルで成功しているアーティストとは言えないので、セット等にお金をかけられないだろう。しかし、そこは持ち前のアイディアで乗り切って欲しい。そして今回はブリッツよりもデカい会場‥‥日比谷野音だったり渋公だったり‥‥可能なら、武道館で、こんじょ音を再現するスペクタル・エンターテイメント・ショウを俺達に見せて欲しい。

最後に我が儘放題言ってしまったが、ジンジャーならそれが出来ると信じているから。そしてそれをやる義務があると思うから。KISSの後を引き受けるなら、もうそれこそ本当にニッキー・シックスまでをも巻き込んで、何ならMOTLEY CRUEの前座としてワールドツアーに同行すればいい。このアルバムの音は、今必要とされている音だと思う。必要としている人間が沢山いると思う。だから、それを世に知らしめるために、出来る限りの活動をして欲しい。WiLDHEARTSで果たせなかった夢が、今なら実現出来るはずだから。今なら誰も邪魔する人間はいないし、やれない事は何もないはずだから。

今一度言う。俺はエンターテイメント性を重視したこのロックンロールを、断固支持する。「とみぃの宮殿」は今後もジンジャーを全面的に支持していく!!!



▼SiLVER GiNGER 5『BLACK LEATHER MOJO』
(amazon:国内盤CD / 海外盤CD

投稿: 2000 07 11 07:47 午後 [2000年の作品, Ginger Wildheart, Silver Ginger 5, Wildhearts, The] | 固定リンク