カテゴリー「Tool」の15件の記事

2022年1月10日 (月)

祝ご成人(2001年4月〜2002年3月発売の洋楽アルバム20選)

新成人の皆さんおめでとうございます。2014年度に初めて執筆したこの“洋楽版成人アルバム”企画も、今年で8回目。しかし、この春から成年年齢が18歳になることから、今回で最後かなと思っております(さすがに18年前って区切り悪いですしね)。この企画は「自分の20年前の音楽ライフはどんなだったか」を思い返す上で非常に貴重な機会でもあり、同時に「どれを20枚に含めるか?」というセレクトにおいても非常に頭を悩ます良いタイミングとなっていたので、成人式抜きで続けてもいいんですけど……まあ、そのへんは1年後に考えます(笑)。

改めて趣旨説明を。この1月に成人式を迎えたの皆さんが生まれた年(学年的に2001年4月〜2002年3月の期間)にリリースされた洋楽アルバムの中から、個人的思い入れが強い作品のうちSpotifyやApple Musicで試聴可能なものを20枚ピックアップしました。

どれも名盤ばかりですし、もしまだ聴いたことがないという作品がありましたら、この機会にチェックしてみてはどうでしょう。特に、現在20歳の方々は「これ、自分が生まれた年に出たんだ」とかいろいろ感慨深いものがあるような気もしますし。ちなみに、作品の並びはすべてアルファベット順です。(2014年度の新成人編はこちら、2015年度の新成人編はこちら、2016年度の新成人編はこちら、2017年度の新成人編はこちら、2018年度の新成人編はこちら、2019年度の新成人編はこちら、2020年度の新成人編はこちらです)

以下、サブスクを通して名盤20選をお楽しみください。

 

ANDREW W.K.『I GET WET』(2001年11月発売)(Spotify)(レビュー

 

ARCH ENEMY『WAGES OF SIN』(日本:2001年4月発売、海外:2002年3月発売)(Spotify)(レビュー

 

ASH『FREE ALL ANGELS』(2001年4月発売)(Spotify)(レビュー

 

BASEMENT JAXX『ROOTY』(2001年6月発売)(Spotify

 

BJORK『VESPERTINE』(2001年8月発売)(Spotify)(レビュー

 

THE CHEMICAL BROTHERS『COME WITH US』(2002年1月発売)(Spotify)(レビュー

 

CONVERGE『JANE DOE』(2001年9月発売)(Spotify)(レビュー

 

FINCH『WHAT IT IS TO BURN』(2002年3月発売)(Spotify)(レビュー

 

INCUBUS『MORNING VIEW』(2001年10月発売)(Spotify

 

JIMMY EAT WORLD『BLEED AMERICAN』(2001年7月発売)(Spotify

 

KYLIE MINOGUE『FEVER』(2001年10月発売)(Spotify

 

MUSE『ORIGIN OF SYMMETRY』(2001年6月発売)(Spotify)(レビュー

 

RADIOHEAD『AMNESIAC』(2001年5月発売)(Spotify)(レビュー

 

RYAN ADAMS『GOLD』(2001年9月発売)(Spotify

 

SLIPKNOT『IOWA』(2001年8月発売)(Spotify)(レビュー

 

THE STROKES『IS THIS IT』(2001年10月発売)(Spotify)(レビュー

 

SUM 41『ALL KILLER NO FILLER』(2001年5月発売)(Spotify

 

SYSTEM OF A DOWN『TOXICITY』(2001年9月発売)(Spotify)(レビュー

 

TOOL『LATERALUS』(2001年5月発売)(Spotify)(レビュー

 

WEEZER『WEEZER (GREEN ALBUM)』(2001年5月発売)(Spotify)(レビュー

 

残念ながらセレクトから漏れた作品も多く。以下に主だった作品をピックアップしておきました。

AIR『10000 HZ LEGEND』
ALICIA KEYS『SONGS IN A MINOR』
...AND YOU WILL KNOW US BY THE TRAIL OF DEAD『SOURCE TAGS & CODES』
AUTECHRE『CONFIELD』
THE BLACK CROWES『LIONS』
BLACK LABEL SOCIETY『1919 ETERNAL』(レビュー
BLIND GUARDIAN『A NIGHT AT THE OPERA』
BLINK-182『TAKE OFF YOUR PANTS AND JACKET』
BRITNEY SPEARS『BRITNEY』
THE CHARLATANS『WONDERLAND』
!!!『!!!』
THE CULT『BEYOND GOOD AND EVIL』(レビュー
DEPECHE MODE『EXCITER』(レビュー
DREAM THEATER『SIX DEGREES OF INNER TURBULENCE』
EMPEROR『PROMETHEUS: THE DISCIPLINE OF FIRE & DEMISE』
FANTOMAS『THE DIRECTOR'S CUT』
FEAR FACTORY『DIGIMORTAL』
FEEDER『ECHO PACK』
GARBAGE『BEAUTIFULGARBAGE』
HATEBREED『PERSEVERANCE』
HOOBASTANK『HOOBASTANK』
THE (INTERNATIONAL) NOISE CONSPIRACY『A NEW MORNING, CHANGING WEATHER』(レビュー
JAMIROQUAI『A FUNK ODYSSEY』
JOEY RAMONE『DON'T WORRY ABOUT ME』
KREATOR『VIOLENT REVOLUTION』
LENNY KRAVITZ『LENNY』
MACHINE HEAD『SUPERCHARGER』
MEGADETH『THE WORLD NEEDS A HERO』(レビュー
MERCURY REV『ALL IS DREAM』
MICHAEL JACKSON『INVINCBLE』
MICK JAGGER『GODDESS IN THE DOORWAY』(レビュー
MISSY ELLIOTT『MISS E... SO ADDICTIVE』
MOGWAI『ROCK ACTION』(レビュー
MOUSE ON MARS『IDIOLOGY』
MR. BIG『ACTUAL SIZE』(レビュー
N*E*R*D『IN SEARCH OF...』
NEW ORDER『GET READY』
NICKELBACK『SILVER SIDE UP』
OCEAN COLOUR SCENE『MECHANICAL WONDER』
OZZY OSBOURNE『DOWN TO EARTH』(レビュー
PUDDLE OF MUDD『COME CLEAN』
R.E.M.『REVEAL』
RAMMSTEIN『MUTTER』
ROB ZOMBIE『THE SINISTER URGE』
SLAYER『GOD HATES US ALL』(レビュー
SOILWORK『NATURAL BORN CHAOS』
SPIRITUALIZED『LET IT COME DOWN』
STAIND『BREAK THE CYCLE』
STATIC-X『MACHINE』
STEREOPHONICS『JUST ENOUGH EDUCATION TO PERFORM』
STONE TEMPLE PILOTS『SHANGRI-LA DEE DA』
SUGAR RAY『SUGAR RAY』
SUPER FURRY ANIMALS『RINGS AROUND THE WORLD』
TRAVIS『THE INVISIBLE BAND』
THE WHITE STRIPES『WHITE BLOOD CELLS』
YEAH YEAH YEAHS『YEAH YEAH YEAHS』

……多い(笑)。セレクトしまくったらこうなった。というか、2001〜2002年ってすでにこのサイトの前身「とみぃの宮殿」のアクセスがそこそこ増え始めた時期で(理由:ハロプロ)、更新意欲もかなり強くて新譜にも積極的に触れていたタイミングなんですよね。当然あの頃はサブスクなんてなかったので(海外にはNapsterがありましたけどね)、CDを闇雲に購入しまくっていたのですが(しかも、当時はライターになる前で、東京住まいではなかったこともあり、月に数度、週末にCD漁りったりクラブ遊びしたりライブ行ったりするために上京していたのでした)、今回選んだ20枚は完全に今の自分の趣味と、客観的に見て名盤として通用する作品を意識しています。

2001年というと、9月11日のアメリカ同時多発テロが忘れられない出来事でしたよね。当時は追悼イベントもいくつか開催されましたが、こうした事実が作品に反映されたのは2002年以降の作品だったので、今回ピックアップした作品の中には911について歌った曲は含まれていないんじゃないかな。

あと、ジョーイ・ラモーン(4月15日)やジョン・リー・フッカー(6月21日)、ジョージ・ハリスン(11月29日)が亡くなったのも2001年のことでした。

ちなみに、当時の日本の音楽シーンには以下のような出来事がありました。

■三波春夫、死去(2001年4月)
■中澤裕子がモーニング娘。を卒業(2001年4月)
■Coccoが音楽活動休止(2001年4月)
■野猿、撤収(2001年5月)
■三木道三、「Lifetime Respect」でオリコン1位獲得(2001年7月)
■サザンオールスターズから大森隆志(G)が脱退(2001年8月)
■EE JUMPのユウキ、活動自粛(2001年8月)
■モーニング娘。に5期生加入(2001年8月)
■SPEED、阪神淡路大震災復興イベントで一夜限りの再結成(2001年10月)
■access、7年ぶりに活動再開(2001年12月)
■第43回日本レコード大賞、浜崎あゆみ「Dearest」が大賞受賞。最優秀新人賞はw-inds.が受賞(2001年12月)
■SIAM SHADE解散(2002年3月)
■エイベックスがコピーコントロールCD(CCCD)発売(2002年3月)
■DREAMS COME TRUEから西川隆宏が脱退(2002年3月)

なお、2001年の年間アルバムランキング1位は宇多田ヒカル『Distance』、2位が浜崎あゆみ『A BEST』という時代。懐かしいですね……。

最後に、今回選出した20作品をまとめたプレイリストも用意しましたので、掲載しておきます。

 

2020年1月 2日 (木)

banned songs of US radio after 9.11

つい先日、昨年の9月11日に配信されたKERRNG!の記事「HERE ARE THE 164 SONGS THAT WERE BANNED FROM AMERICAN RADIO AFTER 9/11」がTwitterで流れてきたんですね。このリスト自体、これまでも完全版・不完全版問わずさまざまな形で流出していたと思いますし、実際僕も学生時代に湾岸戦争をテーマに「表現の自由」や「自主規制」について卒論を書いていたので、常に気になってチェックしていました。今回の記事も特別目新しさはなかったのですが、急にふと「そういえば、卒論書いてた90年代前半は実際にそういう曲を全部聴くのに相当苦労したけど、今ってストリーミングサービスがあるし、もしかしてこのリストの曲全部聴けるんじゃないかな……」と思ったんですね。

で、実際にプレイリストを作ってみようと思い、検索を開始……始めたのが明け方だったのですが、気づいたら1、2時間でプレイリスト完成。記事中に登場する曲名やアーティスト名に多少の間違いがあったので、ネット上で公開されている同様の記事(結局Wikipediaが一番便利でした)とも照らし合わせつつ、完全なるプレイリストを完成させました。

さすがに全曲ありました。すごいですね、Spotify(今回はApple Music版は作成せず。だって2つも作るの時間かかるし)。RAGE AGAINST THE MACHINEのみ全曲放送禁止だったので、本来なら彼らの楽曲はすべて入れるべきなんでしょうけど、それだと埒が明かないので各アルバムから主要ナンバー1曲ずつ、計4曲を入れることにしました。そこに「Knockin' On Heaven's Door」のみボブ・ディラン版とGUNS N' ROSES版の2曲を用意して、全168曲/11時間14分というアホほど長いプレイリストが完成したわけです(笑)。

一応、アーティスト名アルファベット順、複数の曲がリストにあるアーティストに関しては曲名もアルファベット順で並べてあります。なので、AC/DCみたいにいきなり7曲も続いてしまうこともありますが、シャッフル再生すると普通にラジオ感覚で楽しめるのではないでしょうか……しかも、いい曲ばかりですし。

こんなご時世だからこそ、こういった楽曲を手軽に楽しめる自由をかみしめつつ、今の生活に感謝したいと思います。またいつ、これらの楽曲やほかのヒット曲が放送禁止になるか、本当にわかりませんしね(しかも、あの当時よりも状況的には最悪ですから)。

 

※ブラウザ(記事上)でプレイリストを再生すると100曲しか表示されないようなので、プレイヤー右上のSpotifyロゴをクリックして、自身のSpotifyプレイヤーで再生することをオススメします。

2019年12月31日 (火)

2019年総括:①洋楽アルバム編

2019年もあと半日で終わり。いわゆる「テン年代」が終わるわけですね。さて、毎年恒例となった1年の総括を今年もじっくり書いていこうと思います。

今年からちょっと趣向を変えてみました。まず、①洋楽アルバム編(ジャンルレスでその年リリースのお気に入りアルバム10枚+次点10枚)、②邦楽アルバム編(同アルバム10枚+次点10枚)までは一緒、ここ数年続けてきた「その年の気になったアイドルソング10曲(+次点5曲)」をやめ、昨年から番外編として公開した③HR/HM、ラウドロック編(その年リリースのお気に入りアルバム10枚+次点10枚)と、④楽曲編(洋楽邦楽/ジャンル/リリース年関係なく、その年よく聴いた楽曲20曲)を新たに公開することにしました。

①、②および④に関してはアルファベット順、五十音順に並べており、順位は付けていませんが特に印象に残った作品には「●」を付けて、③には意図的に順位をつけております(③は別媒体で準備を発表しているので、それを転載します)。特にこの結果で今の音楽シーンを斬ろうとかそういった思いは一切ありません。ごく私的な、単純に気に入った/よく聴いたレベルでの「今年の10枚」です。

まずは①洋楽アルバム編です。

 

■洋楽10枚(アルファベット順)

上位10枚を紹介する前に、次点となった10枚をご紹介。

<次点>
・CHELSEA WOLFE『BIRTH OF VIOLENCE』(レビュー
・THE CHEMICAL BROTHERS『NO GEOGRAPHY』
・CIRCA WAVES『WHAT'S IT LIKE OVER THERE?』
・FAYE WEBSTER『ATLANTA MILLIONAIRES CLUB』
・RIDE『THIS IS NOT A SAFE PLACE』(レビュー
・RUSSIAN CIRCLES『BLOOD YEAR』(レビュー
・SHARON VAN ETTEN『REMIND ME TOMORROW』
・TEMPLES『HOT MOTION』
・TORO Y MOI『OUTER PEACE』
・TWO DOOR CHINEMA CLUB『FALSE ALARM』

昨年の年間企画にも書きましたが、自宅で音楽を聴くときってメタル/ラウド系以外はほぼ女性ボーカルのまったりした音楽が中心だったんですね。単に老いただけかもしれませんが(笑)、そういった類の音楽に心地よさ、気持ち良さを求めるようになったのは事実です。が、単にアコースティックでまったりしたものよりは、どこか尖っているほうが惹きつけられるし、何度も聴きたくなるのもまた事実。ここに挙げた次点10枚にはそういった作品が多く含まれている気がしてなりません。

さて、ここからが本編。僕が選んだ2019年洋楽アルバムTOP10です。

 

・BILLIE EILISH『WHEN WE ALL FALL ASLEEP, WHERE DO WE GO?』(Spotify

・BON IVER『i,i』(Spotify

・BRING ME THE HORIZON『amo』(Spotify)(レビュー

●BRING ME THE HORIZON『Music to listen to-dance to-blaze to-pray to-feed to-sleep to-talk to-grind to-trip to-breathe to-help to-hurt to-scroll to-roll to-love to-hate to-learn Too-plot to-play to-be to-feel to-breed to-sweat to-dream to-hide to-live to-die to-GO TO』(Spotify)(レビュー

・EX: RE『EX: RE』(Spotify)(レビュー

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2019年総括:③HR/HM、ラウドロック編

一昨年秋から『リアルサウンド』でスタートした、HR/HMやラウドロックなどエクストリーム・ミュージックの新譜キュレーション記事を連載しているのですが、2019年のまとめ記事となる年間ベスト10紹介エントリー「西廣智一が選ぶ、2019年ラウドロック年間ベスト10 BMTH、Russian Circles、Slipknotなど意欲作が気になる1年に」が12月26日に公開されております。

年明け発売の雑誌『ヘドバン』最新号でも同様の企画にアルバム10選をお送りしているのですが、こちらでは『リアルサウンド』の記事で紹介した10枚に加えて、次点となった10枚とあわせて紹介できたらと思います。

まずは、すでに公開済みの上位10作品について。こちらはあえて記事執筆時と同じままで進めたいと思います。

01. BRING ME THE HORIZON『amo』(レビュー
02. TOOL『FEAR INOCULUM』(レビュー
03. RUSSIAN CIRCLES『BLOOD YEAR』(レビュー
04. LEPROUS『PITFALLS』(レビュー
05. KILLSWITCH ENGAGE『ATONEMENT』(レビュー
06. SLIPKNOT『WE ARE NOT YOUR KIND』(レビュー
07. BARONESS『GOLD & GREY』(レビュー
08. GATECREEPER『DESERTED』(レビュー
09. MAMIFFER『THE BRILLIANT TABERNACLE』(レビュー
10. ALCEST『SPIRITUAL INSTINCT』(レビュー

選出した理由は『リアルサウンド』のエントリーにてご確認を。ちなみに、『ヘドバン』のほうではあるアルバムの代わりにOPETH『IN CAUDA VENENUM』を選出しております(順位は若干の変動あり)。

続いて、選に漏れた次点10作品もご紹介。

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2019年9月13日 (金)

TOOL『FEAR INOCULUM』(2019)

2019年8月30日。前作『10,000 DAYS』(2006年)から約13年4ヶ月を経て、TOOLのニューアルバムがついに届けられました。

フルアルバムとしては通算5作目のオリジナル作品となる本作は、同日リリースの(TOOLの1週間前リリースでしたね。前週1位を獲っておりました。大変失礼いたしました)テイラー・スウィフトのニューアルバム『LOVER』と接戦を繰り広げ、大半が10分超の長尺トラックだというのにTOOLに軍配が。『LATERALUS』(2001年)から3作連続の全米1位を獲得しています。アメリカではCDに4-inchサイズのHDスクリーン付き動画プレイヤーが同梱された特殊仕様にも関わらず、フィジカルだけで25万枚近くも売り上げたとのこと。残念ながら日本盤のリリース予定は立っておらず、この特殊仕様もAmazonなどで入荷情報が流れ次第、すぐに完売という状態が続いています。

さて、本作ですがフィジカル版とデジタル版で収録内容が異なるのをご存知でしょうか。筆者の手元にあるサンプル盤、実は7曲入りでトータル79分10数秒という内容のもの。ところが、SpotifyやApple Music、あるいはiTunesなどのストリーミング/デジタルリリース版は単尺のインスト3曲(「Litanie contre la Peur」「Legion Inoculant」「Mockingbeat」)が追加された全10曲/約87分というボリューミーな内容なのです。

もっとも、フィジカル版のほうにはMP3ダウンロードカードが付属しており、この追加3曲を別途ダウンロードできるので、最終的にはすべての新曲を聴くことができるんですけどね。要するに、CDの収録内容ギリギリまで詰め込もうとした結果がフィジカル版の7曲ということなんでしょう。

で、僕自身はこの7曲バージョンで慣れてしまっていたので、あとでストリーミングサービスで10曲入りという事実に「えっ?」と驚き、10曲バージョンを改めて聴いて「なるほど、これはこれでありかも……」となったわけです。

まあ、とにかく内容ですよね。前作『10,000 DAYS』がやたらと宗教色が強く、難解さが高まっていた印象を受けたのですが、今作はそれ以前の『LATERALUS』あたりにまで戻ったような空気感で、若干ですが聴きやすくなっているんじゃないでしょうか。もっとも、本編に収められた「Chocolate Chip Trip」含めインスト曲が2〜4分台なところを、歌モノ楽曲はすべて10分台というエクストリームな構成ですし、それに対して「聴きやすい」と言ってしまうのもどうかと思うんですが、本当なんだから仕方ない。いや、スルスル聴き進められるんですよ、本作。

また、メタリックな色合いは過去数作の中ではもっとも薄いと言えるでしょう。そういった点が本作の聴きやすさに影響を及ぼしているのは、少なからずあると思います。それによって、今までTOOLを聴いたことがなかったリスナーにまで届いている事実がまた面白いなと。これもストリーミングサービスへの音源解禁の功績によるものかな。

で、上で「歌モノ」なんて表現しましたけど、実はメイナード・キーナン(Vo)の歌う比率は過去イチで低い1枚でもあるんです。インストパートが大半と言ってもいいくらいの内容で、しかも各曲とも印象的なフレーズやリフが反復され続け、その上にアダム・ジョーンズ(G)のギターソロが乗っかる。特に事実上の本編ラスト曲「7empest」(本作で最長の16分!)でのギタープレイは圧巻の一言。どこか「Tubular Bells」(マイク・オールドフィールドの代表曲。映画『エクソシスト』にも用いられたアレね)のメインフレーズにも似たアルペジオが含まれていたり、緩急巧みなアレンジといい、歌パートは少ないもののしっかり存在感を発揮するメイナードといい、とにかくグレートとしか言いようがない。

個人的には追加インスト3曲がない7曲バージョンのほうがタイトで完成度も高いという印象を受けますが、どうでしょう。ストリーミングでの10曲バージョンに慣れてしまっている人は、ぜひM-3、M-5、M-10をカットしたプレイリストを作って再生してみてください。シリアスさが増して、全体的にもギュッと締まった内容になるはずですから。

まあとにかく、すごいアルバムです。さすがTOOL。これ、ライブはどうなっちゃうんだろうね。来年の春あたり、あのフェスで来てくれないかな?(あるいは来年8月のあちらでもいいんですが)

 


▼TOOL『FEAR INOCULUM』
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2019年8月 3日 (土)

TOOL『10,000 DAYS』(2006)

2006年5月にリリースされた、TOOL通算4作目のオリジナルフルアルバム。

3rdアルバム『LATERALUS』(2001年)から5年ぶりの新作で、前作から引き続き全米1位を獲得。アメリカ国内だけでも100万枚以上ものセールスを記録しており、同作発表後には『SUMMER SONIC 2006』で三度目の来日公演も実現。翌2007年2月には自身二度目の単独来日ツアーも敢行しております。

プログレッシヴさに拍車がかかった前作を経て制作された今作は、方向性的には『LATERALUS』の延長線上にあるかと思います。が、今作のほうが若干地味目で取っ付きにくさが強いイメージを受けます。言い方は悪いけど、TOOL上級者向けアルバムみたいな。

アルバムを重ねるごとに、確かに個々のプレイやアンサンブルの難易度が上がっているのは間違いありません。事実、もっとも大ヒットした2ndアルバム『ÆNIMA』(1996年)が持っていた“難解だけどわかりやすい”という絶妙なバランス感は続く『LATERALUS』で一旦崩壊。それにより、現在に至るまで彼らが維持している“ヘヴィメタル/ラウドロック版プログレッシヴサウンド”というスタイルが確立されたことも間違いないと思います。

あと、過去2作に漂っていた宗教的な雰囲気が本作ではより強まっているのかな?という印象も。これもあくまでイメージでしかありませんが、アメリカという国や文化を理解する上でやはり欠かせないのが宗教感。ここ日本ではそのへんの解釈や個々の信仰がまちまちだったりするので、なかなか深い部分まで理解するのは難しいのかもしれません。ただ、TOOL然り、同じくメイナード・キーナン(Vo)が所属するA PERFECT CIRCLE然り、そこは切っても切り離せない要素なのかな。

さらに、そういった要素を強めているのが、ボーカルのメロディラインであったり短尺のインタールドであったり、シタールやタブラなど楽器を効果的に用いたサウンドエフェクトにもあると思うのですが……いかがでしょう。

そのへんも含め、僕はこのアルバムを非常に“2000年代のアメリカらしい”1枚だと認識しています。あの時代ならではの光景が浮かんでくるといいますか。だからこそ、本当はその後の混沌としたアメリカを随時に表現してほしかったのですが……次作が届くのが2019年8月30日、13年以上もかかってしまったというのも、また彼ららしいといいますか。

本作を含むTOOLの過去作が8月2日からストリーミングサービスでの配信スタート、というニュースも飛び込んできております。日本でも同日の日中から聴けるようになっていますが、おそらく新作もリリースと同時にストリーミング開始されると思います。はたしてどんな内容になるのか、今からワクワクですね。

あと、今回もCDは特殊パッケージなのかも気になるところ。『ÆNIMA』のホログラム風ジャケット、『LATERALUS』の特殊ケース、さらには『10,000 DAYS』のメガネ風デジパック(笑)など、毎回凝ったパッケージで(主に収納面で)困らせてきた彼らが、次は何に手を出すのか。ガクブルしながら待ちたいと思います。

 


▼TOOL『10,000 DAYS』
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2018年3月 7日 (水)

A PERFECT CIRCLE『THIRTEENTH STEP』(2003)

2003年9月に発表された、A PERFECT CIRCLEの2ndアルバム。ご存知のとおり、このバンドはTOOLのメイナード・キーナン(Vo)が、バンドのギターテクを勤めていたビリー・ハワーデル(G)という才能と出会ったことで誕生し、TOOLが所属レーベルとの裁判で思うように活動的なかった2000年に1stアルバム『Mer de Noms』を発表しています。その経緯などについては、2003年10月に執筆した同作のレビューに詳しいので、そちらに譲ります。

さて、前作レビューを執筆したあと、この2ndアルバムについて書くことができなかったので、14年ぶりの新作が今年4月に発売されるこのタイミングに改めて書いてみたいと思います。

前作のときにも書いたように、A PERFECT CIRCLEはメイナードの“ソロプロジェクト”ではないし、TOOLとは完全に別モノ。むしろ、ビリーという才能の塊と遭遇したことで、メイナードの創作意欲がTOOLとは別の形で爆発した、新しいバンドと受け取るほうが正しい解釈だと思っています。

なので、そのサウンドもTOOLのようにプログレッシヴな展開をするものとは別次元で展開されており、特に本作はヘヴィな印象が強かったデビュー作『Mer de Noms』とは若干異なるカラーを打ち出し始めています。

ちなみに、当時のバンドメンバーはメイナード、ビリーのほか、ジョシュ・フリース(Dr)、当時MARILYN MANSONを脱退した“トゥイギー・ラミレズ”ことジョーディー・ホワイト(B)、元THE SMASHING PUMPKINSのジェイムズ・イハ(G)。イハはレコーディング後にバンドに合流しており、レコーディングにはNINE INCH NAILSなどで知られるダニー・ローナー(G)が参加しています。

このメンツから想像できる音……ではないかもしれません。特に本作は美しさや優しさの側面が強まっているため、ダイナミックかつヘヴィなアンサンブルを得意とするこのメンバーの特徴を抑えめに、あくまで曲の持つ世界観を再現することに徹したのではないかと思われます。

だからといって、ヘヴィなサウンドが皆無かというとそんなことはありません。8分近くにおよぶオープニングトラック「The Package」は序盤こそ穏やかですが、曲が進むにつれて影に隠れていたヘヴィさが顔を見せ始めますし、不穏なギターリフが印象的な「Pet」のような曲も含まれていますしね。それ以外にも、各曲の至るところにそういった要素は散りばめられているので、前作から激変したというわけではありません。

でも、本作の軸になる部分は“そこ”ではない、と。浮遊感の強いサウンドメイキングやアレンジ、TOOLでは聴くことができないメイナードの異なる表情(声)、そして鬼才ビリー・ハワーデルのソングライティング。これらが三位一体となってリスナーの前に姿を現す。油断してると魂を持っていかれそうになるけど、信用して心を預けてみたら予想外の気持ち良さが味わえる、そんなアルバムではないでしょうか。非常に抽象的な表現が多い気がしますが、そういう抽象的なものこそがA PERFECT CIRCLEというバンドには合っているような気がします。

 


▼A PERFECT CIRCLE『THIRTEENTH STEP』
(amazon:海外盤CD / MP3

 

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2018年2月 1日 (木)

V.A.『KISS MY ASS: CLASSIC KISS REGROOVED』(1994)

1994年6月にリリースされた、KISSのトリビュートアルバム。ちょうどKISS結成20周年を記念して、当時のメンバーも制作に携わった1枚で、レニー・クラヴィッツガース・ブルックスANTHRAXGIN BLOSSOMSTOAD THE WET SPROCKETDINOSAUR JR.EXTREMETHE LEMONHEADSTHE MIGHTY MIGHTY BOSSTONESといったメタル/オルタナ/カントリーなどKISSに影響を受けた幅広いジャンルのアーティストに加え、ここ日本からもYOSHIKI(X JAPAN)が参加。さらに、メイナード・キーナン(TOOL)、トム・モレロ&ブラッド・ウィルク(RAGE AGAINST THE MACHINE)、ビリー・グールド(FAITH NO MORE)からなるスペシャルユニットSHANDI'S ADDICTION(JANE'S ADDICITONをKISSの楽曲「Shandi」にひっかけてもじったもの)まで参加しております。

まあKISS愛に溢れた……というよりは、各アーティストが平常運転でKISSの楽曲をカバーしたといったほうが正しいのかもしれませんね。だって、1曲目の「Deuce」からレニー・クラヴィッツ、直球勝負でカバーしつつも彼らしく味付けしてますから。ちなみにこの曲、ハーモニカでスティーヴィー・ワンダーもゲスト参加してます。

かと思えば、KISSご本家が演奏で加わったガース・ブルックス「Hard Luck Woman」は、カバーというよりもコピー。本家がいつもどおりに演奏して、ポール・スタンレーがハーモニーで加わっているんだから、そりゃあ“まんま”になっても仕方ないですよね(笑)。ANTHRAXの「She」も平常運転、というか途中まで“まんま”すぎて、後半に彼らならではのこだわりのアレンジが加わるという。この時期の彼らは、ボーカルがジョン・ブッシュ時代なので、こういったジーン・シモンズ色の強い曲はピッタリですね。

そういえば、1994年というとグランジブーム末期というタイミングで、KISSから影響を受けたと公言するグランジバンドも少なくありませんでした。そういうこともあって、GIN BLOSSOMS、TOAD THE WET SPROCKET、DINOSAUR JR.あたりのグランジ/オルタナロックバンドのKISSカバーは良い味を醸し出しています。GIN BLOSSOMS「Christine Sixteen」こそストレートなカバーですが、TOAD THE WET SPROCKET「Rock And Roll All Nite」のアコースティックスローカバー、DINOSAUR JR.「Goin' Blind」のヘヴィで泣きまくり、かつ脱力系なカバーは完璧すぎるほどの素晴らしい仕上がり。1994年という時代感を見事に反映した、本作の中でもベストテイクと言えるでしょう。

そして、本作中もっとも異色のカバーがSHANDI'S ADDICTION「Calling Dr. Love」。トム・モレロの変態ギターを存分に活かしたテイクで、参加メンバーの各バンドの個性が見事に反映されたアレンジは、最高の一言。のちのヘヴィロック/ラウドロック一大革命を先取った1曲と言えるかもしれません。

その他にも、EXTREMEらしくファンクロック的“ハネた”ミディアムナンバーへと昇華させた「Strutter」、あの有名なツインリードギターをブラスで再現した爆笑モノのTHE MIGHTY MIGHTY BOSSTONES「Detroit Rock City」、いかにもYOSHIKI、というかまんまX JAPANな「Black Diamond」のオーケストラバージョン、ボーナストラックとして追加されたドイツのバンドDIE ÄRZTEの「Unholy」ドイツ語カバー(途中でディスコな“あの曲”も飛び出したり)など、聴きどころ満載。トリビュートアルバムとしては、かなり力の入った1枚ではないでしょうか。そりゃまあ、アーティスト本人が尽力してるんだもんね。

ちなみに本作、今のようにKISSがメイク時代に戻る前の作品ながらも、全米19位まで上昇。50万枚を超えるヒット作となりました。今思えば、このへんの成功が数年後のオリメン&メイク復活の布石になったんでしょうね。

なお、本作はストリーミング配信はおろか、デジタル配信自体が行われておりません。勿体ないったらありゃしない。(※2022年5月29日追記)いつの間にかサブスクでのストリーミング配信が始まってました。ありがたい!



▼V.A.『KISS MY ASS: CLASSIC KISS REGROOVED』
(amazon:国内盤CD / 海外盤CD


2017年1月 9日 (月)

祝ご成人(1996年4月〜1997年3月発売の洋楽アルバム20枚)

新成人の皆さん、おめでとうございます。2014年度に初めて実施したこの企画、今回で3回目を迎えます。今年も新成人の皆さんが生まれた年(学年的に1996年4月〜1997年3月の期間)にリリースされた洋楽アルバムの中から、個人的思い入れがある作品を20枚ピックアップしました。どれも名盤ばかりなので、もし聴いたことがないという作品がありましたら、この機会にお手にしてみてはいかがでしょうか。とは言いながらも大半が名盤中の名盤なので、聴いたことがあるものばかりかもしれませんが。

作品の並びはすべてアルファベット順です。(2014年度の新成人編はこちら、2015年度の新成人編はこちらです)


ATARI TEENAGE RIOT『THE FUTURE OF WAR』(Amazon

BECK『ODELAY』(Amazon

BLUR『BLUR』(Amazon)(レビュー

DEF LEPPARD『SLANG』(Amazon)(レビュー

THE HELLACOPTERS『SUPERSHITTY TO THE MAX!』(Amazon)(レビュー

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2013年5月19日 (日)

「Ozzfest Japan 2013」Day 2@幕張メッセ(2013年5月12日)

2日間にわたり日本で初開催された『Ozzfest Japan 2013』。ここでは2日目公演の模様を簡単にレポートしていきます。以下は開催当時、某サイトにて執筆したレポートを加筆修正したものです。

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BLACK SABBATHをヘッドライナーに迎えたこの日はまず、オープニングアクトとしてHEAD PHONES PRESIDENT、fadeの2組が登場。それぞれ20分の餅事案ながらもパワフルなステージを展開しました。

【HEAD PHONES PRESIDENT セットリスト】
01. Stand In The World
02. My Name Is
03. Just A Human
04. Where Are You
【fade セットリスト】
01. REIMEI〜黎明〜
02. From the Heart
03. One Reason
04. Close to You (Japanese ver.)

 

続いて12時から本編1組目のcoldrainが、最新アルバム『THE REVELATION』からの楽曲を中心に攻撃的なライブを繰り広げます。MCではMasato(Vo)が「中学の頃からこういう音楽を聴いてきたけど、ずっとマイナーだと言われてきた。でも(フロアの)前の奴らは後ろを、後ろの奴らは前のほうを観てくれ。こんなにたくさんの仲間がいるんだぜ。日本の力を見せてやろうぜ!」と観客を煽る一幕もありました。

【coldrain セットリスト】
01. The Revelation
02. No Escape
03. Die tomorrow
04. Six Feet Under
05. The War Is On
06. To Be Alive

 

ANTHEMは柴田直人(B)の胃がん手術後、そして本間大嗣(Dr)脱退後初のライブとなりました。初期の代表曲「BOUND TO BREAK」で勢いよくライブをスタートさせると、以降はは最新作『BURNING OATH』を中心に再結成後の楽曲を次々に披露。曲間では柴田が「いろいろご心配おかけしましたが、僕も今日を楽しみにしていました」とファンに挨拶し、坂本英三(Vo)も「日本のヘヴィメタルが最高だということを証明しようぜ!」と叫びつつ「IMMORTAL BIND」「ONSLAUGHT」などで力強いシャウトを会場に響かせました。

【ANTHEM セットリスト】
01. BOUND TO BREAK
02. Soul Motor
03. BLAST
04. GO!
05. IMMORTAL BIND
06. ONSLAUGHT

 

MUCCは「Mr.Liar」「塗り潰すなら臙脂」「G.G.」とメタリックかつダンサブルな楽曲を連発。日本のV系代表と言わんばかりのステージングで、メタルファンが多いであろう客席をみごとに沸かせてくれました。

【MUCC セットリスト】
01. Mr. LIAR
02. 塗り潰すなら臙脂
03. G.G.
04. フォーリングダウン
05. MAD YACK
06. リブラ

 

AA=のデジタル要素を取り入れたサウンドはこの日の出演者の中では異色中の異色でしたが、そんなこと一切関係なく会場を熱狂の渦に巻き込みます。思えばTHE MAD CAPSULE MARKETS時代から『Ozzfest』との相性抜群なわけですから、悪いわけがない。

【AA= セットリスト】
01. 2010 DIGItoTALism
02. I HATE HUMAN
03. sTEP COde
04. 新曲
05. GREED...
06. FREEDOM
07. WORKING CLASS

 

この日最初の海外勢となったSTEEL PANTHERは、往年のLAメタル・チックな楽曲と「オッパイミセテー!」などコミカルなMCで、会場のロックファンを楽しませてくれます。お下劣極まりないですが、観客はクスクスしながら楽しんでいた様子でした。

【STEEL PANTHER セットリスト】
01. Eyes Of A Panther
02. Tomorrow Night
03. Asian Hooker
04. Just Like Tiger Woods
05. Party All Day (Fuck All Night)
06. Community Property
07. 17 Girls In A Row
08. Death To All But Metal

 

続く人間椅子は、BLACK SABBATHからの影響を感じさせる重々しい楽曲群で、STEEL PANTHERとは異なる方向で観客を魅了。和嶋慎治(Vo, G)は客席に向け「バンド生活25年、平成とともに歩んできました。このステージに立てることを誇りに思います」と感慨深げに挨拶をし、最後にBUDGIE「Breadfan」の日本語詞カバー「針の山」で30分にわたる“夢の舞台”を締めくくりました。

【人間椅子 セットリスト】
01. 相克の家
02. 死神の饗宴
03. 深淵
04. 人面瘡
05. 針の山

 

SLIPKNOTのコリィ・テイラー(Vo)とジェイムズ・ルート(G)が在籍する別バンド、STONE SOURは昨年から今年にかけて連続リリースされた2枚のアルバム『HOUSE OF GOLD AND BONES PART 1』『HOUSE OF GOLD AND BONES PART 2』からの楽曲を軸に、50分におよび熱演。前日はマスクを付けていたためその表情を伺い知ることができなかったコリィも、この日は笑顔を浮かべフェスを楽しんでいる様子を見せます。また、コリィはギターの弾き語りでALICE IN CHAINS「Nutshell」のカバーと、バンドの代表曲「Bother」をメドレーで歌い、観客を喜ばせました。

【STONE SOUR セットリスト】
01. Gone Sovereign
02. Absolute Zero
03. Mission Statement
04. Made Of Scars
05. Do Me A Favor
06. RU486
07. Say You'll Haunt Me
08. Nutshell
09. Bother
10. Through Glass
11. 30/30-150

 

DIR EN GREYはオープニングSE「狂骨の鳴り」に続いて「DIFFERENT SENSE」から勢いよくライブを開始。重く引きずるような独特のサウンドと、京(Vo)による変幻自在なボーカル、ステージ後方に映し出されたグロテスクな映像が相まって、彼らにしか作り出せない世界観を演出します。

【DIR EN GREY セットリスト】
00. 狂骨の鳴り
01. DIFFERENT SENSE
02. 業
03. THE BLOSSOMING BEELZEBUB
04. INWARD SCREAM
05. 蜜と唾
06. 羅刹国
07. 冷血なりせば

 

TOOLも映像を巧みに使ったステージングで、観客を圧倒。しばらく新作を発表していないものの、これまでの発表してきたアルバムの中から人気ナンバーを中心に演奏し、充実の60分を提供しました。

【TOOL セットリスト】
01. Hooker With A Penis
02. Sober
03. Schism
04. Lateralus
05. Intermission
06. Jambi
07. Forty-Six & 2
08. Ænema
09. Stinkfist

 

2日間にわたるフェスを締めくくったのは、オジー・オズボーン(Vo)を含む編成では今回が初来日となるBLACK SABBATH。代表曲「War Pigs」からライブを開始すると、早くも会場中から観客の大合唱が鳴り響く。40年以上も前に発表された初期4作品からの楽曲が立て続けに披露されるもまったく古さを感じさせず、有無を言わさぬ説得力と圧倒的な歌と演奏で日本のロックファンを魅了し続けます。さらに、6月にリリースを控えたニューアルバム『13』からの新曲「God Is Dead?」もいち早くプレイされ、観客を喜ばせました。「Children Of The Grave」で一度ライブ本編を終了させるも、アンコールで「Sabbath Bloody Sabbath」のイントロから「Paranoid」へとつなげ、大盛り上がりの中90分にわたるライブを終了させました。

【BLACK SABBATH セットリスト】
01. War Pigs
02. Into the Void
03. Under The Sun
04. Snowblind
05. Black Sabbath
06. Behind The Wall Of Sleep
07. N.I.B.
08. Fairies Wear Boots
09. Symptom Of The Universe 〜 Drum Solo
10. Iron Man
11. God Is Dead?
12. Children Of The Grave
<アンコール>
13. Sabbath Bloody Sabbath (Intro only) 〜 Paranoid

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