2017/08/20

TRAVIS『THE MAN WHO』(1999)

グラスゴー出身の4人組バンド、TRAVISが1999年5月(日本では6月)に発表した通算2作目のスタジオアルバム。1stアルバム『GOOD FEELING』(1997年)の時点でノエル・ギャラガーのお気に入りだったりOASISのツアーに帯同したりで、いきなり全英9位まで上昇。デビュー作ですでに成功を収めたと言えるTRAVISはさらなる高みを目指し、続く2ndアルバムでRADIOHEAD『OK COMPUTER』(1997年)を手がけたナイジェル・ゴドリッチをプロデューサーに迎えます。

こうして完成した『THE MAN WHO』は、先の『OK COMPUTER』にも通ずる内向的な作風へとシフトチェンジすることに成功。アルバムは全英1位に輝き、「Writing To Reach You」(全英14位)、「Driftwood」(全英13位)、「Why Does It Always Rain On Me?」(全英10位)、「Turn」(全英8位)と4曲ものシングルヒットを生み出しました。アルバム自体もイギリスだけで250万枚以上ものセールスを記録。彼らの出世作であり、最大のヒット作となりました。

OASISの大ヒット曲「Wonderwall」に似たコード進行のイントロを持つ「Writing To Reach You」を筆頭に、スロー/ミディアムテンポで癒しのメロディを持つ楽曲が満載。「As You Are」のように歌とギターの激しさでエモーショナルさを表現した楽曲があったり、「Turn」みたいにどこかMANIC STREET PREACHERにも通ずる質感の楽曲もあったりするのですが、基本的には落ち着いたテンポ、落ち着いた曲調でアルバムは進行していきます。

強い個性やクセもなく、スルッと聴けてしまうフラン・ヒーリィ(Vo, G)の歌声は、当時のUKロック勢の中では決して目立ったものではないものの、何度聴いても飽きがこないという意味ではこの作風に合っているんでしょうね。逆にOASISの影響下にあるような『GOOD FEELING』的作風を続けていたら、さすがに厳しかったかも……と。

OASISにもRADIOHEADにも、そしてBLURにもなれなかったTRAVISですが、この『THE MAN WHO』で踏み入れた世界をどんどん突き詰めていくことで唯一無二の存在になれた。このアルバムの成功がなかったら、その後COLDPLAYSNOW PATROLがブレイクすることもなかったんじゃないか……と言ったら大袈裟でしょうか。

今年でリリースから18年という中途半端なタイミングながら、この9月には本作の限定コレクターズボックスが発売。さらに、マンチェスターとロンドンで『THE MAN WHO』完全再現ライブも実施されるようです。もう2年待てなかったのか?と思いましたが、その頃には次のアルバムが完成しているでしょうし、同様のツアーも行えないでしょうから、タイミング的には良かったのかもしれませんね。



▼TRAVIS『THE MAN WHO』
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投稿: 2017 08 20 12:00 午前 [1999年の作品, Travis] | 固定リンク