22-20s『05/03』(2003)
成る程、彼らが22-20sですか‥‥とひとりで勝手に納得してますが。早くも某音楽雑誌でも「今年期待の新人」として紹介されちゃったりしているイギリスのトリオバンドが、昨年秋に海外でリリースした6曲入りのライヴEPがこの「05/03」。タイトル通り、'03年5月に行われた英国公演を収録した内容。ギター/ベース/ドラムというシンプルな構成に、ゲストでハモンドオルガンやキーボードといったサポートメンバーが入ったりしてますが、基本となるのはやはりトリオですね。
6曲入りで、オリジナル曲が5曲に、カバー("King Bee")という構成。これだけあると、かなりバンドの雰囲気や勢いを体感できるんじゃないですかね? しかもライヴ音源だし。殆ど修正されてないでしょうから(せいぜい各楽器のボリュームくらいでしょう)、音楽的にはギターを中心とした、本当にシンプルな'70年代ブルーズ・ロックで、曲によっては昨今流行のロック・リバイバル的なノリを感じるし、R&B的なノリからはMANDO DIAO的なものを感じるし‥‥という意味では、彼らの登場は正に今だから、今じゃなきゃならなかったんだろうな、というのがヒシヒシと伝わってくるわけですよ。
トリオでブルージーで'70年代的‥‥というと、どうしてもCREAMやジミ・ヘンドリクス辺りと比較してしまいたくなるんですが、そっち方向(各楽器のインプロビゼーションを中心としたアンサンブル)にドップリ浸かっておらず、意外とアッサリしてるのが印象的。曲自体が3分前後のものばかりなんだよね。普通スタジオテイクだとわざと短めのアレンジにして、ライヴだとその数倍の長さになってるというパターンがこの手のバンドには多いんですが(って偏見?)、そういう意味では彼らも「最近のバンド」なんだなぁ、と。ただの「'70年代かぶれ」で終わってないな、と。
まだまだ未熟な面も見受けられるし、アレンジももっと煮詰める必要があると思うし、何よりも曲のバリエーションが狭いかな、という見方もできるし‥‥そういう意味ではホント「これから」という存在だよね。決して「最高!」とは言えないと思う。過剰な期待を寄せるのもいいかもしれない、メディアのパワーを使って「2004年台風の目」とか捲し立てるのもアリだと思うけど‥‥正当な評価は、この春にリリースされるスタジオ音源によるシングルと、夏頃に予定されているというフルアルバムを聴いて下したいなと思います。
ただ、個人的な趣味でいえば、完全にストライクゾーン。特にギター・プレイに関してはクリスピアン・ミルズ(元KULA SHAKER~現THE JEEVAS)をちょっとだけ彷彿させるものがあるし(ま、音楽的にもふたつのバンドの中間といった印象があるしね)、昨今のガレージ/ロック・リバイバル/リフロックの流れにあるスタイルの中でもかなり異質な音を出す存在だと思うしね。残念ながら、これから出る日本盤はCCCDでのリリースとなってしまいますが、今出回ってる輸入盤(主にUS盤)はCD-DAみたいなので、その辺を気にする人は是非輸入盤で買ってみてください。6曲も入って1,000円ちょっとだしね。