2017/06/03

TYGERS OF PAN TANG『TYGERS OF PAN TANG』(2016)

ここ最近MR. BIGネタが続いたので、ここらで気分転換。

今回紹介するのはNWOBHM(New Wave Of British Heavy Metal)ムーブメントの中から登場したバンド、TYGERS OF PAN TANGが2016年秋に発表した通算12枚目のスタジオアルバムです。結成から40年近くを経た今、あえてニューアルバムのタイトルにバンド名を冠するというのも興味深いのですが、さらに気になるのがその内容。いやぁ、びっくりしました。

TYGERS OF PAN TANGというと正直、ジョン・サイクス(G)がかつて在籍したバンドという程度の認識で、アルバムもサイクスが参加した2nd『SPELLBOUND』(1981年)と3rd『CRAZY NIGHTS』(1981年)しか聴いたことがないという、その程度の知識しかありませんでした。しかし、IRON MAIDENやDEF LEPPARDのように同じシーンから誕生し現在も第一線で活躍しているバンドと違い、TYGERS OF PAN TANGは何度かの解散含め紆余曲折ありながら、今日まで活動を継続。オリジナルメンバーはもはやギタリストのロブ・ウィアーのみですが、2004年から参加するジャコポ・メイレ(Vo)含め、近年はほぼ固定メンバーで定期的に新作リリースやツアーを重ねていたようです。

本作は2013年に加入した新ギタリスト、ミッキー・クリスタルが加わって初のアルバムなのですが、その中身は王道中の王道HR/HM。オープニングの「Only The Brave」の “これぞヘヴィメタル!”とガッツポーズを取りたくなる疾走感にまずヤラれ、続くミドルチューン「Dust」「Glad Rags」の“これぞブリティッシュハードロック!”な作風にニンマリ(特に後者はTHUNDRあたりにも通ずるテイスト)。かと思えば「The Reason Why」「Praying For A Miracle」「Angels In Disguise」みたいな泣きのナンバーもある。もちろん、その合間にはメタリックなファストチューンやずっしりと重いミディアムナンバーも満載。捨て曲なしで、11曲44分があっという間に感じられる構成になっています。

全体的に古き良きHR/HMという作風ながらも、ところどころに若々しさが少し感じられるのはどうやら新加入のミッキー・クリスタルによる影響もあるようですね。メロウで適度に“泣く”ギタープレイはこういった王道HR/HMには欠かせないものですし、それを単なる懐古主義で終わらせていないのはさすがだなと思いました。IRON MAIDENあたりのバンドから感じる王道感とはまた別のテイストによる王道感、良いと思います。

こういう嬉しい出会いがあるから、「昔からやってます」な方々の新作も見逃せないんですよね。いやぁ、昨年のうちに聴いていたらこのアルバム、ベストアルバム候補に間違いなく入っていたと思います。それくらいの良作です。



▼TYGERS OF PAN TANG『TYGERS OF PAN TANG』
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投稿: 2017 06 03 12:00 午前 [2016年の作品, Tygers of Pan Tang] | 固定リンク