2017/01/08

個人的に気になるメタル系職業作家15選

先日KIX『BLOW MY FUSE』を紹介した際、知人が文中に登場したテイラー・ローズやボブ・ハリガンJr.といった職業作家に興味を持ったらしく、「デズモンド・チャイルドやホリー・ナイトあたりは調べたことあるんですが、メタル職業作家の存在すごく気になります」というコメントをいただきました。

実際、80年代後半以降、特にBON JOVIやAEROSMITHの大ヒット以降こういった職業作家の存在はメタル系アーティストにとっても欠かせない存在になっています。90年代に入ると、SCORPIONSやオジー・オズボーンといった大御所ですら採用し始めるわけですからね。それまでバンドの力だけですべてをまかなおうとしていたところ、「もっといい曲を!」というバンド自身の姿勢から積極的に、もしくはレコード会社からの圧力からイヤイヤこういったアクションに行動を移すようになったのかもしれません。

また、職業作家の楽曲をアーティストが取り上げるケースには幾つかのパターンがあり、


①作家が以前発表した楽曲をカバー。
②作家とアーティストが共作(アーティストが書いた楽曲をテコ入れする、あるいは逆のケース)。
③プロデューサーとして制作に加わり、楽曲制作にも携わる。
④作家が書いた新曲をそのまま取り上げる。


の4つが考えられるかと。現在のメタルシーンでは多くの場合②が主流だと思いますが、まれに③で大ヒットを飛ばすケースも見受けられます(AEROSMITHの「I Don't Want To Miss A Thing」など)。

そこで今回は、CDのブックレットでよく目にする作家さんをピックアップしつつ、その中から個人的にピンとくる方々をここで紹介。作家の特性を上記の①〜④で分類し、代表曲な楽曲を紹介していきたいと思います。


<70年代〜>

●ラス・バラード(特性:①②)
この人の場合は楽曲提供というよりも、彼が自身のバンドや他のアーティストに提供した曲をメタル系アーティストがカバーしたことにより、その名が知られるようになったと言ったほうがいいかもしれません。きっかけはグラハム・ボネット期のRAINBOWがカバーした「Since You Been Gone」ですよね。RAINBOWは続くジョー・リン・ターナー期にも「I Surrender」をカバーしてますし。そのRAINBOWの数年前に、当時KISSのエース・フレーリーもラス・バラッド作「New York Groove」をカバーして全米トップ20入りのヒットを記録。KISS自身も90年代に「God Gave Rock And Roll To You」を「God Gave Rock And Roll To You II」と改題してカバーしてますしね。それと今回いろいろ調べて初めて気づいたのですが、NIGHT RANGERが最初の解散前に発表したアルバム『MAN IN MOTION』からのリード曲「I Did It For Love」もラス・バラッド作。加えて、これも全然気にしてなかったんですが、BAD ENGLISHのラストアルバム『BACKLASH』収録曲「So This Is Eden」はジョン・ウェイト(Vo)、ジョナサン・ケイン(Key)との共作曲。時代的に90年代に入ってからの作品なので、世の中的に職業作家との共作が当たり前になった時期にそれまでのカバーとは違った形でのコラボレーションが実現したわけです。

代表作品:ACE FREHLEY「New York Groove」「Into the Night」、BAD ENGLISH「So This Is Eden」、GRAHAM BONNET「Liar」「S.O.S.」、KING KOBRA「Dream On」、KISS「God Gave Rock And Roll To You」、NIGHT RANGER「I Did It For Love」、PETER CRISS「Let Me Rock You」「Some Kinda Hurricane」、RAINBOW「Since You Been Gone」「I Surrender」


●リチャード(リッチー)・スパ(特性:①②④)
AEROSMITH「Chip Away The Stone」の作者として知られる彼は、もともとソングライター兼ギタリストとして活動していたアーティスト。ソロアーティストとして70年代にアルバムも発表しており、この中からジョニー・ウィンターが「Stone County Wanted Man」をカバーしています。また、エアロにはその後も楽曲提供を幾つかしているだけでなく、ジョー・ペリーが脱退した際にはレコーディングにも参加(1979年のアルバム『NIGHT IN THE RUTS』収録の「No Surprize」「Mia」)。それ以外に目立った共演は、元BON JOVIのリッチー・サンボラの2ndソロアルバム『UNDISCOVERD SOUL』での共作ぐらい。メタル系以外では、P!NKやMIKAといったアーティストにも楽曲提供しています。

代表作品:AEROSMITH「Chip Away The Stone」「Lightning Strikes」「Amazing」「Pink」、OZZY OSBOURNE「Back On Earth」、RICHIE SAMBRA「Hard Times Come Easy」


<80年代〜>

●ジム・ヴァランス(特性:②)
この人はブライアン・アダムスとの共作者としての印象が強いですが、そのブライアンと一緒に書いた2曲がKISS『CREATURES OF THE NIGHT』に収録されたのが、メタル系との最初の接触でしょうか。その後、80年代半ばにはHEART「What About Love」の全米ヒットを皮切りに、AEROSMITH「Rag Doll」を機にエアロとの仕事が増えていきます。ちょうど80年代後半になると、ブライアンとジムの関係も一時的に疎遠になり、メタルのみならず幅広いジャンルのアーティストと共作を重ねていきます。

代表作品:AEROSMITH「Rag Doll」「Eat The Rich」、ALICE COOPER「Die For You」「Lullaby」、HEART「What About Love」、KISS「War Machine」、OZZY OSBOURNE「I Just Want You」、SCORPIONS「Tease Me Please Me」


●デズモンド・チャイルド(特性:②③④)
BON JOVI「You Give Love A Bad Name」「Livin' On A Prayer」でのイメージが強い彼ですが、実は70年代末にKISS「I Was Made For Lovin' You」をポール・スタンレー、ヴィニ・ポンシア(KISS作品でのコラボレーションが有名なソングライター)と共作しています。なので、上の世代の方々はBON JOVIがヒットした際に「KISSのラヴィン・ユー・ベイビーの人」と思ったかもしれません。BON JOVIでの大成功後、AEROSMITH、アリス・クーパーから引っ張りだこ。そのすべての楽曲がヒットにつながっています。興味深いところではRATTの5thアルバム『DETONATOR』のプロデュースおよび楽曲制作、DREAM THEATERへの楽曲提供といったものもあります。また、HR/HM以外にもジョーン・ジェット「I Hate Myself for Loving You」、リッキー・マーティン「Livin' la Vida Loca」、ZEDD「Beautiful Now」、WEEZER「Trainwrecks」といったところでも名前をみかけます。

代表作品:AEROSMITH「Dude (Looks Like A Lady)」「Angel」「Crazy」、ALICE COOPER「Poison」、BON JOVI「You Give Love A Bad Name」「Livin' On A Prayer」「Bad Medecine」、DREAM THEATER「You Not Me」、KISS「I Was Made For Lovin' You」「Heaven's On Fire」、MEAT LOAF「The Monster Is Loose」、RATT「Shame Shame Shame」「Lovin' You's A Dirty Job」、RICHIE SAMBRA「Rosie」


●ダイアン・ウォーレン(特性:②④)
カナダ出身の女性ソングライターで、80年代前半から作家としての活動を開始。最初にヒット曲はローラ・ブラニガン「Solitaire」でした。メタル系では80年代後半、HEART「Who Will You Run To」、BON JOVI「Wild Is The Wind」あたりで最初に名前を目にするようになったと記憶しています。が、メタルシーン彼女の名が本当の意味で知られるようになるのは、その10数年後に発表された映画『アルマゲドン』のテーマソングであるAEROSMITH「I Don't Want To Miss A Thing」でのこと。このインパクトは強かったと思います。しかし、非メタルシーンではホイットニー・ヒューストン、ビヨンセ、マライア・キャリーといったアーティストへの楽曲提供ですでにキャリアを積んでおり、中でも「Because You Loved Me」をはじめとするセリーヌ・ディオンとのヒットは「I Don't Want To Miss A Thing」と同じくらい大きなものでした。

代表作品:AEROSMITH「I Don't Want To Miss A Thing」「We All Fall Down」、ALICE COOPER「Bed Of Nails」、BON JOVI「Wild Is The Wind」「Thank You For Loving Me」、CHEAP TRICK「Ghost Town」「Wherever Would I Be」、HEART「Who Will You Run To」「I Didn't Want To Need You」、KISS「Turn On The Night」、MEAT LOAF「I'd Lie For You (And That's The Truth)」「Not A Dry Eye In The House」、RICHIE SAMBRA「Rosie」


●ホーリー・ナイト(特性:②④)
ダイアン・ウォーレンと同時期に名前を目にする機会が増えた、同じく女性ソングライター。そして、自身もシンガーとしての活動をしています。ティナ・ターナーやパット・ベネターといったポップ/ロック系を経て、HR/HM系ではHEART「Never」が最初だったのかな。そこからAEROSMITH「Rag Doll」、BON JOVI「Stick To Your Guns」でメンバーや他の職業作家と共作を繰り広げます。CHEAP TRICKやKISS、オジー、MEAT LOAFといった面々から想像される、ポップで親しみやすい楽曲作りがメイン。とはいえ、OTEPといったモダンラウド系へも楽曲提供しているから、なかなかあなどれません。

代表作品:AEROSMITH「Rag Doll」、BON JOVI「Stick To Your Guns」、CHEAP TRICK「Space」、HEART「Never」「There's The Girl」、KISS「Hide Your Heart」「I Pledge Allegiance To The State Of Rock & Roll」「Raise Your Glasses」、LITA FORD「Stiletto」、LOU GRAMM「Just Between You and Me」、MEAT LOAF「Monstro」「Alive」、OTEP「Perfectly Flawed」「UR A WMN NOW」、OZZY OSBOURNE「Slow Burn」、PAUL STANLEY「It's Not Me」


●ロバート・ジョン・マット・ラング(特性:②③④)
ソングライターというよりもプロデューサーのイメージが強い存在ですよね。古くはAC/DCやFOREIGNER、そしてDEF LEPPARD、90年代にはブライアン・アダムス、2000年代はNICKELBACKやMUSE、さらにはLADY GAGAあたりも手掛けております。主にDEF LEPPARDのメガヒット作『HYSTERIA』において、全曲にクレジットされているところから、曲作りの面においてもある程度コントロールしながらプロデュースしていくタイプなんでしょうね。他にはHEART、LOVERBOYの楽曲制作にも携わっているようです。

代表作品:DEF LEPPARD『HYSTERIA』全曲、「Promises」「It's Only Love」、HEART「All I Wanna Do Is Make Love To You」「Will You Be There (In The Morning)」、LOVERBOY「Lovin' Every Minute Of It」


●ジャック・ポンティ(特性:②③④)
BON JOVIのデビュー作に収録された「Shot Through The Heart」でその名を目にして以降は、BONFIRE、DORO、KEELとB級バンドとの仕事が多いイメージ。90年代に入るとNELSON、アリス・クーパーへの楽曲提供で再びその名を目にするようになります。彼自身はプロデューサー業も行っており、BATON ROUGEやDOROといった正統派からKITTIE、OTEPなどのモダン系まで幅広く手掛けています。

代表作品:ALICE COOPER「Hey Stoopid」「Love's A Loaded Gun」、BABYLON A.D.「The Kid Goes Wild」、BATON ROUGE「The Price Of Love」、BONFIRE「Sweet Obsession」「Hard On Me」、BON JOVI「Shot Through The Heart」、DORO「Eye On You」「Ceremony」、KEEL「Somebody's Waiting」、NELSON「We Always Want What We Can't Get」


●ボブ・ハリガン・Jr.(特性:②④)
自身もシンガーとして活動するソングライター。メタル系アーティストへの楽曲提供がメインで、JUDAS PRIESTのアルバム『SCREAMING FOR VENGEANCE』に収録された「(Take These) Chains」で始めてその名を目にした人がほとんどでは? プリーストには次作でも「Some Heads Are Gonna Roll」を提供したほか、ロブ・ハルフォードのHALFORDにも「Twist」を提供しています。また、80年代末にKIX「Don't Close Your Eyes」のヒットによって、さらに知名度を高めることに成功。90年代には自身のソロアルバムも2枚制作しているようです。

代表作品:BLUE OYSTER CULT「Beat 'Em Up」「Make Rock Not War」、BONFIRE「Bang Down The Door」、HALFORD「Twist」、HELIX「Rock You」、ICON「Danger Calling」、「Raise The Hammer」、JUDAS PRIEST「(Take These) Chains」「Some Heads Are Gonna Roll」、KISS「Rise to It」「Read My Body」、KIX「Midnite Dynamite」「Don't Close Your Eyes」


<90年代〜>

●テイラー・ローズ(特性:②④)
88年発売のKIX「Cold Blood」でその名を目にしたのが最初で、本格的に活躍し始めたのは90年代に入ってから、AEROSMITHとのコラボレーションが活発化して以降のこと。「Cryin’」というヒットシングルがひとつのきかっけになったことは間違いありません。

代表作品:AEROSMITH「Cryin'」「Blind Man」「Full Circle」、CHEAP TRICK「Back 'n Blue」、JOURNEY「All The Way」、KIX「Cold Blood」「Hot Wire」、LOVERBOY「Love Will Rise Again」、OZZY OSBOURNE「Back On Earth」、TORA TORA「Amnesia」「Faith Healer」、Y&T「Contagious」


●マーク・ハドソン(特性:②③)
シンガーソングライター、TVパーソナリティなどを経て、プロデューサーや職業作家としての道を進み始めます。AEROSMITH「Livin' On The Edge」でその名を広く知らしめ、グラミー賞も受賞しました。エアロとの仕事はアルバム『JUST PUSH PLAY』でスティーヴン・タイラー&ジョー・ペリー、次に触れるマーティ・フレデリクセンとのチームで「Boneyard Boys」と名乗り、プロデュースやソングライティングを行いました。他にはアリス・クーパー、オジー・オズボーン、BON JOVI、SCORPIONSと大御所ばかりと共作。他にはリンゴ・スターとのコラボレーションも有名どころです。

代表作品:AEROSMITH「Livin' On The Edge」「Gotta Love It」「The Farm」、ALICE COOPER「Cleansed by Fire」、BON JOVI「Two Story Town」、OZZY OSBOURNE「Ghost Behind My Eyes」「Denial」、SCORPIONS「No Pain No Gain」


●マーティ・フレデリクセン(特性:②③)
AEROSMITHのアルバム『NINE LIVES』で頭角を表して以降、同バンドとのコラボレーションを重ねていきます。上のマーク・ハドソンでも触れたように、スティーヴン・タイラー&ジョー・ペリー、マーク・ハドソンとの4人で「Boneyard Boys」というチームで、続くアルバム『JUST PUSH PLAY』のプロデュースやソングライティングも手掛けました。以降はBUCKCHERRY、MOTLEY CRUE、DAUGHTRYなどへの楽曲提供、DEF LEPPARD『X』のミキシングといったHR/HM系仕事のほか、キャリー・アンダーウッド、フェイス・ヒルとの共作でも知られています。

代表作品:AEROSMITH「Nine Lives」「Jaded」「Fly Away from Here」「Sunshine」、BUCKCHERRY「Next 2 You」「Sorry」、THE CULT「Breathe」、DAUGHTRY「Crawling Back To You」「Outta My Head」、JAMES DURBIN「Higher Than Heaven」「Love Me Bad」、MOTLEY CRUE「Saints of Los Angeles」「Mutherfucker Of The Year」、OZZY OSBOURNE「Dreamer」「That I Never Had」、RICHIE SAMBRA「Who I Am」、SCORPIONS「10 Light Years Away」「We Were Born To Fly」、STEVEN TYLER「(It) Feels So Good」


●グレン・バラッド(特性:②③)
この人は90年代中盤、アラニス・モリセット『JAGGED LITTLE PILL』のプロデュース&楽曲制作で一気に名を馳せることになりますが、それ以前にもソングライターやミュージシャン、プロデューサーとしてマイケル・ジャクソン、ポーラ・アブドゥル、WILSON PHILLIPSなどの代表作に参加して経験を積んできました。アラニスの成功により、AEROSMITHが1997年のアルバム『NINE LIVES』のプロデューサー兼コラボレーターとして白羽の矢を立てるのですが、その内容に納得できずに制作途中でコラボを解消。結果的には一部の楽曲をケヴィン・シャーリーのプロデュースで再録音したり新たに楽曲を書き足したりして、現在の形にまとまるという、エアロファンには忘れられない事件を引き起こします。以降、HR/HM系アーティストとの共作はほとんどなく、エアロ以前にVAN HALENにデイヴ・リー・ロスが一時復帰した際の新曲に携わった程度でしょうか。本来ならここで取り上げるまでもない存在なのですが、トピック的に面白かったので残してみました。

代表作品:AEROSMITH「Falling in Love (Is Hard on the Knees)」「Taste of India」「Pink」、VAN HALEN「Me Wise Magic」「Can't Get This Stuff No More」


<2000年代〜>

●アンドレアス・カールソン(特性:②)
スウェーデン出身のプロデューサー、ソングライター。現在40代前半と、上記の作家陣と比べると若手の部類に入ります。ということで、彼が活躍し始めたのも2000年前後から。一番の出世作はBACKSTREET BOYS「I Want It That Way」でしょうか。彼はブリトニー・スピアーズやWESTLIFE、NSYNCと当時のアイドルを手がけることが多かったのも特徴です。そういったポップフィールドでの活躍が評価されて、2002年にBON JOVIがアルバム『BOUNCE』で「Everyday」「Misunderstood」など、DEF LEPPARDがアルバム『X』で「Unbelievable」を共作します。同じタイミングにこの2バンドが彼を採用したことで、僕も印象に残っていました。HR/HM系では他にもポール・スタンレーのソロアルバム『LIVE TO WIN』、EUROPEの異色作『LAST LOOK AT EDEN』にも参加しています。

代表作品:BON JOVI「Everyday」「Misunderstood」「All About Lovin' You」、DEF LEPPARD「Unbelievable」、EUROPE「Last Look At Eden」「New Love in Town」、PAUL STANLEY「Live To Win」「Wake Up Screaming」「Bulletproof」


●ジェイムズ・マイケル(特性:②③)
プロデューサーやソングライターとしてより、現在はニッキー・シックス(元MOTLEY CRUE)とのバンド、SIXX: A.M.のフロントマンとして有名かな。さまざまなバンドを経て、2000年にソロデビュー。ちょうどこのころにニッキー・シックスと出会い、MOTLEY CRUEのトミー・リー不在アルバム『NEW TATTOO』にソングライターとして参加します。以降は同じくニッキーが参加したBRIDES OF DESTRUCTION、そしてSIXX: A.M.へと続いていくわけです。他にはPAPA ROACH、HALESTORM、ジェイムズ・ダービンといったモダンなアーティストのほか、SCORPIONS、MEAT LOAFなどの大御所との共演も実現しています。またプロデューサー/エンジニアとしてはHAMMERFALLのアルバムも手掛けています。

代表作品:BRIDES OF DESTRUCTION「Brace Yourself」「Natural Born Killers」、HALESTORM「Private Parts」、JAMES DURBIN「Higher Than Heaven」、MEAT LOAF「Couldn't Have Said It Better」「Did I Say That?」、MOTLEY CRUE「New Tattoo」「Sick Love Song」「Saints of Los Angeles」、PAPA ROACH「I Almost Told You That I Loved You」、SCORPIONS「Hour I」、SIXX: A.M.「Life Is Beautiful」「Lies of the Beautiful People」「Gotta Get It Right」


以上、15名を独断と偏見で挙げてみました。やはり80年代中盤、アメリカでHR/HMが大ヒットしたことがメタル系職業作家の繁栄につながったと言って間違いなさそうですね。正直2000年代以降はどういった人たちが主流なのかいまいち調べきれず、こういう形になってしまいました。

改めて思ったのは、BON JOVIやAEROSMITHといった先駆者たち、そしてオジーやSCORPIONSなどの大御所アーティストが新作を出すたびにクレジットに注目しておくのが、一番手っ取り早いなと思いました。

そういう意味でも、この(↓)アルバムは歴史を変えた重要な1枚かもしれませんね。



▼BON JOVI『SLIPPERY WHEN WET』
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投稿: 2017 01 08 12:00 午後 [Aerosmith, Alice Cooper, Bon Jovi, Buckcherry, Def Leppard, Europe, Heart, Kix, Night Ranger, Ozzy Osbourne, Richie Sambora, Scorpions, Sixx:A.M., Van Halen, 「分析ネタ」] | 固定リンク

2004/09/16

とみぃ洋楽100番勝負(28)

●第28回:「Dreams」 VAN HALEN ('86)

 2度目の登場となるVAN HALEN。しかし、前回紹介した頃(デイヴ・リー・ロス在籍時)とは明らかに違う‥‥シンガーのチェンジ。サミー・ヘイガーという既に『Voice of America』なる称号を手にしていた有名シンガーを向かい入れ、更にサウンド的にもよりポピュラリティーある方向へとシフトチェンジした1枚である、「5150」というアルバムの中で、名曲中の名曲と呼べるであろう "Dreams" という曲。ホント完璧ですよね、全てにおいて。

 イントロのシンセ&エレピはちょっと'80年代的ですが、やっぱりこのイントロを聴くとね‥‥気持ちが高揚するというか。で、リズムインしてボーカルが入って‥‥とにかくメロディの流れがね、俺的に完璧なわけですよ。サビまでの流れといい、サビでの盛り上がりといい。そしてギターソロね。1回目のもいいけど、ラストの如何にもエディらしいタッピングプレイがね、鳥肌モノでして。ただ凄いプレイってわけじゃなくて、しっかりメロウで曲の流れにピッタリという。やっぱり鼻血ものですな。

 これ聴いちゃうとデイヴと別れて正解だったよな、と。勿論デイヴはデイヴでまた凄いことをやらかしちゃうわけですが‥‥それにしてもVAN HALENという名前でここまでの変化をしちゃうわけですからね。きっと俺等よりも若い世代はサミー時代のVAN HALENしか知らないわけですよね、リアルタイムでは。それが当たり前として存在してたわけですから。そういう意味では‥‥最初に聴いた時の違和感も確かにあったわけですよ。ボーカルが違うとか、曲が異常にポップだとか。でもさ‥‥曲の良さには敵わないよ。ホントに凄いもん、今聴いても。

 今年に入ってやっと活動再開したVAN HALEN。このアルバム時のメンツでの復活ってことで、当然ながらこの "Dreams" もライヴでやってるわけでして‥‥いつになったらここ日本で、再びあの "Dreams" が聴けるんでしょうかねぇ‥‥



▼VAN HALEN「5150」(amazon

投稿: 2004 09 16 12:00 午前 [1986年の作品, Van Halen, 「100番勝負」] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2004/08/24

とみぃ洋楽100番勝負(5)

●第5回「Oh, Pretty Woman」 VAN HALEN('82)

 正確に言えば、"Intruder" 〜 "Oh, Pretty Woman" というアルバムやPVのような組曲的な流れな。やっぱりこの曲はあの導入部("Intruder")あってこそだと思うので。

 俺にギターを弾かせようとした友人の兄貴(第3回参照)が、エアロの次に聴かせたのがVAN HALENの「DIVER DOWN」というアルバム。多分当時の最新作がこれだったんだと思う(だって "Jump" の大ヒットって、俺が中学に入るか入らないか位の頃だから)。

 けどさ、全然印象に残らなかったのよ、アルバムは。今思えばこのアルバムってカバー曲が半分近くあって、かなりやっつけ仕事的な1枚なんだよね。でも人気的にはピークに達しようとしてる頃で。日本ではバンド自体の人気以上にエディ・ヴァン・ヘイレンっていうギタリストへの人気の方が先行してたように記憶してます。だってギター雑誌の表紙、年に何回飾るんだよ!?って程に出まくってたからね。

 単純にこの曲は好きだった。やっぱりほら、ロイ・オービソンの原曲からして既に名曲じゃない。そこにデイヴ・リー・ロスの軽薄なボーカルが乗って、スカスカなリズムが乗って、ギターだけは暴れまくるという。何かね、そこが好きだった。ギターの音色もさ、続く「1984」で若干変わるんだよね。ギターが変わるんだっけ? とにかく、この曲は大好きだった。

 結局この曲を聴いたところで俺はギターを持とうとは思わなかったわけだけど(決定打は同じ彼等の "Jump" のギターソロだったからね)、何となく「ロックのギターってカッコいいじゃん?」って子供心に思わせたのが、VAN HALENだったかなぁ、と。ひとつの切っ掛けとなった1曲ですよね、多分。



▼VAN HALEN「DIVER DOWN」(amazon

投稿: 2004 08 24 12:00 午前 [1982年の作品, Van Halen, 「100番勝負」] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2004/05/26

VAN HALEN『OU812』(1988)

サミー・ヘイガー加入後2作目となるVAN HALEN 通算8枚目のアルバム「OU812」。リリース当時は意外と賛否あったように記憶してるけど、その割りにはメガヒットを記録したんだよね。記憶が間違ってなければ当時だけでも400万枚以上売ってるはずだし、シングルヒットも4曲出てるし("Black And Blue"、"When It's Love"、"Finish What Ya Started"、Feels So Good")、約10年振りの来日公演も東京ドームで実現したし(ま、ソールドアウトにはならなかったわけですが)。多分前作「5150」での大ヒットを後押しするには十分な役割を果たしたんじゃないかな?

聴いてもらえば判るように、前作の延長線上にある作風なんだけど、よりソフトになった印象が強いかな。全体の音像も前作と比べると薄くて細いイメージがあるし(ある意味、デイヴ・リー・ロス時代の音作りに戻ったかのような印象)、ギターがいつもよりも前に出てないような気が‥‥その分、サミーのボーカルが完全に前面に押し出されてるのと、いつも以上にキーボード(シンセ)が目立っています。といってもシンセが入ってる曲って10曲中たったの3曲なんだよね。だけど頭2曲("Mine All Mine" ~ "When It's Love")がそのシンセ導入曲なもんだから、余計にそのイメージが強いのかな。今聴いてもかなりポップな印象ですよね、この2曲は。

速い曲にしても、例えば前作でいう "Get Up" と今作での "Source Of Infection" とでは全然感じが違うしね。明らかに今作の楽曲の方が軽めでポップな印象。ま、"Get Up" と比べる自体がどうかと思うけどね。

丁度このアルバムがリリースされた1988年前後って、所謂「ルーツロック」的な路線がもてはやされていた時代なんですね。BON JOVIが "Wanted Dead Or Alive" という曲で提示した路線、所謂「ブルーズ」を基調としたハードロックに目が行きだした頃。VAN HALENも彼らなりの「ブルーズ」をこのアルバムで表現してくれてます。これまでもブルーズっぽい楽曲はあったものの、そのものを、あるいはモロなブルーズロックを披露したことはありませんでした。このアルバムでは "Cabo Wabo" や "Black And Blue" といった曲で、VAN HALEN流ブルーズロックを聴かせてくれているわけですが、そのどれもがちゃんと「どこからどう聴いてもVAN HALENの曲」として成り立っている辺りはさすがというか。デイヴが歌ってもそれっぽくなってたでしょうけど、あの当時の時代の流れを考えると、サミーが歌った方がよりフィットしてるんじゃないかな‥‥と思えるのです。いや、サミーだったからこそ実現したのかも。アルバムラスト(本来はCD用ボーナストラックで、アナログ盤には未収録だった。ま、CD主流の現在においてはどうでもいい豆知識ですが)を飾るLITTLE FEETのカバー "A Aporitical Blues" なんて、間違いなくこのメンツじゃなきゃ出来なかっただろうカバーでしょうしね(で、これがまたらしいようならしくないような感じで、非常にカッコいいんですわ)。

サミー在籍時の4作品の中では恐らく一番評価が低い作品と思われていますが、このアルバムでのこういった挑戦が続く新作への布石になっていたりするんですよね‥‥うん。

そういえば、このアルバムがリリースされた頃(当時高校2年生)、最初に友達が買って、それをみんなが借りてダビングして、音楽仲間&バンド仲間全員に広まっていったんですが、聴いた感想がみんな一緒だったのが面白くて、今でも記憶に残ってます。それは「こっちを先に出せばよかったのにね?」という意見。そう、「1984」に続くアルバムは「5150」ではなくて、この「OU812」の方がよかったんじゃないか、サミー加入後1作目として「OU812」を先に作るべきだったんじゃないか?ということですよ。その後の歴史を見てきた今となっては「う~ん?」と思いますが、当時は本気でそう感じたんですよね‥‥それだけ「5150」というアルバムのインパクトって強かったんだよな、そしてデイヴ時代をリアルタイムで通過した世代としては違和感があったんだよなぁ、と。



▼VAN HALEN『OU812』
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投稿: 2004 05 26 05:44 午後 [1988年の作品, Van Halen] | 固定リンク

2004/03/24

VAN HALEN『5150』(1986)

2004年夏、いよいよVAN HALENが動き出すようです。

3代目ボーカルとしてゲイリー・シェローン(元EXTREME)を迎え1998年2月にリリースされた「VAN HALEN III」はセールス的にも、そしてツアーの動員的にも失敗といっていい結果しか残せず、結局このアルバム1枚でゲイリーは脱退、三度シンガーのいない状況に陥ります。そしてエディ・ヴァン・ヘイレンの舌癌発覚‥‥これにより、彼らは長きに渡る沈黙を強いられることになります。その間に初代シンガーのデイヴ・リー・ロスと2代目シンガーのサミー・ヘイガーがジョイントツアーを行い、そのサミーのバンドメンバーとしてVAN HALENのベーシスト、マイケル・アンソニーが参加する等、いろいろとキナ臭い動きがあったりしましたが、結局6年に渡る現時点においても新しい音源は発表されておらず、それどころか未だに新しいシンガーは決まっていなかったりします。

が、ここにきてのツアー発表。しかしシンガーは発表されぬまま。これはどういうことなのか‥‥

VAN HALENが新しいマネージメントに移籍し、しかもそこはサミーが所属する会社だ、という事実。これが全てなんじゃないでしょうか? ま、答えは間もなく出ることでしょう‥‥

この「5150」というアルバムは、デイヴが脱退した約1年後、1986年春にリリースされた、VAN HALEN 通算7枚目のオリジナルアルバムであり、サミー・ヘイガー加入後の最初の1枚でもあります。デイヴ自体に愛着のあった俺は、暫くこのアルバムに馴染めなかった記憶があります。同'86年夏にはデイヴのソロアルバム「EAT'EM AND SMILE」がリリースされ、個人的には「ああ、やっぱりこっちだよ!」と思ったのも事実。実際、あのアルバムによって俺はスティーヴ・ヴァイというギタリストに惹かれていくのですから‥‥ギターの世界へと導いてくれたエディに対する、ちょっとした浮気ですよね、これじゃ。

しかし、偏見の塊だった10代前半には苦手意識があったサミー・ヘイガーの声、そして「サミーの声が載るVAN HALEN」の曲も、次第に馴染んでいき、気づけば大好きな1枚になっていたのは言うまでもありません。もう単純に、爽快でカッコいいアメリカン・ハードロック。デイヴ時代とはまた違う、潤いのあるメロディが載った楽曲達。「1984」で着手したシンセ導入が完全に開花した "Why Can't This Be Love" や "Dreams"、"Love Walks In" といった歴史的名曲の数々。前作での "Hot For Teacher" を更に高速化したかのような疾走チューン "Get Up"。カーステレオで爆音で流しながらハイウェイを飛ばしたくなるような豪快ハードロックチューン "Good Enough" や "5150"、カリフォルニアの夏の海をイメージさせるような "Summer Nights" や "Best Of Both Worlds"、ラストを飾るヘヴィな異色作 "Inside"。とにかく全9曲が捨て曲なし。それまでのVAN HALENのアルバムには必ず「これは絶対にライヴじゃやらないだろなぁ‥‥」と思えるような曲が幾つかあったのに、このサミー・ヘイガー参加作にはそういったタイプの楽曲は皆無。勿論、当時のツアーで演奏されなかった曲もあるだろうけど("Inside"をやった、というのを目にした記憶がないんだよね)‥‥とにかく最初から最後まで、息をつかせぬまま突っ走る1枚。特に頭3曲での攻め、4曲目 "Dreams" での天まで駆け上がりそうなメロディ。掴みは完璧過ぎ。本当に凄いアルバムだわ、改めて今聴いても。

個人的にはデイヴ時代に思い入れがあるものの、作品重視で考えると好きなアルバムって殆どがサミー・ヘイガー在籍時のものなんだよね。特にサミー在籍時はこの後も「OU812」('88年)、「FOR UNLAWFUL CARNAL KNOWLEDGE」('91年)、「BALANCE」('95年)と、更にレベル/完成度の高いアルバムを連発していったんですよね。勿論、唯一のライヴアルバム「LIVE : RIGHT HERE, RIGHT NOW.」('93年)も含めてね。俺が初めて彼らのライヴに足を運んだのも、サミー在籍時だし。残念ながらデイヴ在籍時は'70年代末に来たっきりで、俺がまだ洋楽を聴くようになる前の話だからね‥‥しかも初めてVAN HALENのライヴに行ったのって、「BALANCE」でのツアーだから‥‥'95年、俺がVAN HALENを聴くようになってから10数年、この「5150」が発表されてからも9年経ってるんですよ‥‥ま、それ以前に彼ら、殆ど日本に来なかったですからね。何せ'80年代に来日したのは、'89年初頭の東京ドーム公演だけですからね(!)。

デイヴ時代の作品が全部リマスターされているにも関わらず、どういうわけかサミー時代の作品はまだ公式にリマスター化されてないんですよ。特に'80年代の2枚(「5150」と「OU812」)は絶対にリマスターすべきだと思うんですが‥‥もっと迫力あるサウンドで聴きたいですからね(正直、今出てるCDの音は、当時のアナログ盤のそれと比べても全然迫力が足りないんですよ。元々音圧が薄いバンドなだけに、余計なんですよね)。

果たして、今度のVAN HALENは本当にサミー・ヘイガーが出戻るのか、そして新曲は「5150」等の名作に匹敵するだけのものなのか‥‥過度に期待して待ちたいと思います!



▼VAN HALEN『5150』
(amazon:国内盤CD / 海外盤CD

投稿: 2004 03 24 05:40 午後 [1986年の作品, Van Halen] | 固定リンク

2003/12/12

VAN HALEN『1984』(1984)

何だかねぇ、最近自分が小学生高学年~中学上がりたての頃に聴いてた(聴き始めた)洋楽アルバムを、無意識のうちに引っ張り出して聴いていることが多いんですよ。無意識にCD棚から引っ張り出して大音量で聴いて、CDケースからジャケットを取り出して、それが国内盤だったりしたらライナーノーツなんかに目をやってみたりして‥‥で、リリース年月を確認して軽く凹むというね‥‥もう20年近くも経つんだ。そりゃ俺も歳取るはずだわ。

今から20年前。丁度MTVではこのVAN HALENの "Jump" という曲のPVがかかりまくってました。当時のビルボード・シングルチャートでは5週連続の1位。当然、バンドにとって初のナンバー1ヒット。当時の洋楽ファンで知らない奴なんていない程のインパクトをもたらした、アナログ・シンセによるイントロ‥‥勿論、最近の若い子でも聴いたことのあるって人、多いと思います。最近じゃ、懐メロ的'80年代コンピレーション・アルバムが次から次へとリリースされる時代。『シンセのリフが印象的で格好いいハードロック』というと必ずVAN HALENとJOURNEY の "Separate Ways"、そしてEUROPEの "The Final Countdown" が挙げられますからね。つうか当時、バンドとかやってメンバーにキーボードがいたりしたら、必ず上記のうち1曲はコピーしてた気が。あとMOTLEY CRUEの "Hone Sweet Home" とかさ。

まぁそんな感じで‥‥VAN HALENです。「1984」というアルバム・タイトル通り、1984年初頭にリリースされたバンドにとって通算6作目となる作品集。いろんな意味で節目となった1枚です。まずオリジナル曲で初のシングル大ヒット(それまでの彼等は、カバー曲がヒットするという傾向が強かった。デビュー時からしてKINKSの "You Realy Got Me" だったし、"Jump" 以前の大ヒット曲となるとロイ・オービソンの "Oh, Pretty Woman" だしね)。ナンバー1ヒットとなった "Jump" の他に "I'll Wait" や "Panama"、"Hot For Teacher" がそれぞれシングルとしてヒット。当然どの曲も'80年代のロックシーンを代表するナンバーばかりで、特にギター弾きにとってっは "Jump" や "Hot For Teacher" のギターソロ、そして "Panama" のリフ等は弾けただけでヒーローと呼ばれるような、そんな難易度最高なプレイばかり。聴いててため息の連続だもん。やっぱ今聴いても凄いわ。

もうひとつの節目。それはアルバムも全米だけで1,000万枚以上(現時点)も売り上げるような『アメリカを代表するバンド』へと成長していったこと。シンガー、デイヴ・リー・ロスによるバカバカしいまでにエンターテイメントを追求したステージング。そのプレイだけではなくビジュアル面(ステージ上でのアクション等)でも我々の目を惹いたエディ・ヴァン・ヘイレンというギターヒーローの存在。音の軽さが特徴だけど、やたらと手数が多いアレックス・ヴァン・ヘイレンのドラム。そしてフレーズ自体は地味な八分弾きなんだけど全部指弾きなのが印象的なマイケル・アンソニーのベース。勿論、エディによる "Jump" や "I'll Wait" での印象深いシンセもね。それら全てが個性的で、一聴して「VAN HALENだね」と判ってしまう曲・音作り/フレージングはさすがとしか言いようがないです。ある意味、デイヴ/エディ/アレックス/マイケルという4人による『第1期VAN HALEN』の完成型といっていいでしょうね(決して集大成ではないと思います。過去やってきたことのまとめというよりは、デビューから成長を重ねて新しい地点に到達したといった意味で『完成型』の方が合ってると思うので)。

そして最後の節目。それはアルバムの大成功とは裏腹にバンド内の人間関係の悪化、それによるデイヴの脱退です。デイヴはこの1年後の'85年、初のソロアルバム「CRAZY FROM THE HEAT」をリリース、シングル "California Girl" や "Just A Gigolo (I Ain't Got Nobody)" を大ヒットさせます。これが彼のソロ活動への自信に拍車を掛け、同年後半に正式脱退。バンドはデイヴの後釜に、当時既にソロシンガーとして成功を収めていたサミー・ヘイガーを迎え、第2期VAN HALENをスタートさせるのでした。

バンドとしてはその後、どんどんアルバムを重ねていき、特に第2期はリリースした4枚のオリジナル・アルバム全てがナンバー1を記録した程、その地位は安定していたのでした。

さてさて。このアルバムの魅力について改めて。所謂ハードロック/ヘヴィメタルと呼ばれるジャンルで括られることの多いVAN HALENですが、このアルバムを聴いてもらうと判るように、曲によってはギターのトーンが抑えられたリフなんかも結構あるんですね。そんなに歪んでない、ハーフトーン的サウンドによるバッキング。だけどソロになると爆発する、みたいな。そのギターソロにしても上記のシングル曲以外にも "Drop Dead Legs" や "House Of Pain" といったミディアムヘヴィナンバーでのプレイは同様に圧巻。けどまぁ特に有名で判りやすいのが "Jump" と "Hot For Teacher" ってとこでしょうかね。

デイヴの歌は決して上手くはないけど非常に個性的で、一言で言い表せば「ロック的」ということになるんでしょうか。そういったイメージが強い歌唱法だったり声質だったりするんですよね。これはもう、天性のものというか、生まれついての魅力でしょうか。AEROSMITHSのスティーヴン・タイラーだったりKISSのポール・スタンレーだったり、そういったカリスマ的フロントマンと同等の存在だと思いますね。

アルバム通して30分弱。9曲入りですが内1曲は冒頭のイントロ(1分半程度)なので、実質8曲。今の時代でいったら間違いなくミニ・アルバム扱いでしょうけど、すんなり聴けるお手軽感といい、この手のハードロックが苦手だという人にも程良い長さなのではないでしょうか。昨今、60分を超える作品が当たり前なので、逆に潔いし新鮮ですよね。曲数の割りには内容がかなり濃いですしね。

こういうロック・クラシックスと呼ばれるような名盤について書くときって、結局データ的なこと以上に、リリース当時(あるいは初めて聴いた頃)の思い出なんかと照らし合わせて語りたくなっちゃうんですよね。つうか、それ以外のこと書くの、正直難しいし‥‥イメージが強い作品になればなるほどね。まぁでも、10代の子達にとっては「まだ見ぬ作品」なのかもしれないから、ここに書いたことは話半分で、とりあえずはレンタルするなりCDショップで買うなりしてみてください。今はリマスター盤として出てますから、音もかなり良くなってるみたいですしね。



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投稿: 2003 12 12 05:37 午後 [1984年の作品, Van Halen] | 固定リンク