2018年1月 8日 (月)

祝ご成人(1997年4月〜1998年3月発売の洋楽アルバム20枚)

新成人の皆さん、おめでとうございます。2014年度に初めて執筆したこの“洋楽版成人アルバム”企画、今回で4回目を迎えます。この1月に成人式を迎えたの皆さんが生まれた年(学年的に1997年4月〜1998年3月の期間)にリリースされた洋楽アルバムの中から、個人的思い入れがある作品のうちSpotifyやAppleMusicで試聴可能な作品を20枚ピックアップしました。どれも名盤ばかりなので、もし聴いたことがないという作品がありましたら、この機会にチェックしてみてはどうでしょう。

作品の並びはすべてアルファベット順です。(2014年度の新成人編はこちら、2015年度の新成人編はこちら、2016年度の新成人編はこちらです)


Björk『HOMOGENIC』(Amazon

THE CHEMICAL BROTHERS『DIG YOUR OWN HOLE』(Amazon

CORNERSHOP『WHEN I WAS BORN FOR THE 7TH TIME』(Amazon

DEFTONES『AROUND THE FUR』(Amazon

EMPEROR『ANTHEMS TO THE WELKIN AT DUSK』(Amazon)(レビュー

FAITH NO MORE『ALBUM OF THE YEAR』(Amazon

FOO FIGHTERS『THE COLOUR AND THE SHAPE』(Amazon)(レビュー

LIMP BIZKIT『THREE DOLLAR BILL, Y'ALL$』(Amazon)(レビュー

MADONNA『RAY OF LIGHT』(Amazon

METALLICA『RELOAD』(Amazon)(レビュー

MOGWAI『YOUNG TEAM』(Amazon

OASIS『BE HERE NOW』(Amazon)(レビュー

PORTISHEAD『PORTISHEAD』(Amazon

PRIMAL SCREAM『VANISHING POINT』(Amazon

THE PRODIGY『THE FAT OF THE LAND』(Amazon

RADIOHEAD『OK COMPUTER』(Amazon)(レビュー

RAMMSTEIN『SEHNSUCHT』(Amazon

SPIRITUALIZED『LADIES AND GENTLEMEN WE ARE FLOATING IN SPACE』(Amazon

THE VERVE『URBAN HYMNS』(Amazon)(レビュー

THE WiLDHEARTS『ENDLESS, NAMELESS』(Amazon)(レビュー


残念ながらセレクトから漏れた作品も多いです。以下、主だった作品をざっと羅列します。

ARTENSION『PHOENIX RISING』
BLACK GRAPE『STUPID STUPID STUPID』
THE BRIAN JONESTOWN MASSACRE『GIVE IT BACK!』
BRUCE DICKINSON『ACCIDENT OF BIRTH』
THE CHARLATANS『TELLIN' STORIES』
CHEAP TRICK『CHEAT TRICK』
CHUMBAWAMBA『TUBTHUMBER』
COAL CHAMBER『COAL CHAMBER』
CURSIVE『SUCH BLINDING STARS FOR STARVING EYES』
DEPECHE MODE『ULTRA』
DEVIN TOWNSEND『OCEAN MACHINE: BIOMECH』
DREAM THEATER『FALLING INTO INFINITY』
DURAN DURAN『MEDAZZALAND』
ERIC CLAPTON『PILGRIM』
FEEDER『POLYTHENE』
GAMMA RAY『SOMEWHERE OUT IN SPACE』
THE GET UP KIDS『FOUR MINUTE MILE』
GREEN DAY『NIMROD』
THE HELLACOPTERS『PAYIN' THE DUES』(レビュー
THE HIVES『BARELY LEGAL』
IN FLAMES『WHORACLE』
INCUBUS『S.C.I.E.N.C.E.』
INXS『ELEGANTLY WASTED』
JANET JACKSON『THE VELVET ROPE』
JESUS JONES『ALREADY』
JON BON JOVI『DESTINATION ANYWHERE』
JUDAS PRIEST『JUGULATOR』
KISS『CARNIVAL OF SOULS』(レビュー
KMFDM『SYMBOLS』
LED ZEPPELIN 『BBC SESSIONS』
MEGADETH『CRYPTIC WRITINGS』(レビュー
MORRISSEY『MALADUSTED』
MOTLEY CRUE『GENERATION SWINE』(レビュー
NAPALM DEATH『INSIDE THE TORN APART』
NASHVILLE PUSSY『LET THEM EAT PUSSY』(レビュー
OCEAN COLOUR SCENE『MARCHIN' ALREADY』
PARADISE LOST『ONE SECOND』
PAUL McCARTNEY『FLAMING PIE』
PRIMUS『BROWN ALBUM』
PULP『THIS IS HARDCORE』
THE ROLLING STONES『BRIDGES TO BABYLON』
THE SEAHORSES『DO IT YOURSELF』
STEREOPHONICS『WORD GETS AROUND』
SUPER FURRY ANIMALS『RADIATOR』
SUPERGRASS『IN IT FOR THE MONEY』
THE TEA PARTY『TRANSMISSION』
TEENAGE FANCLUB『SONGS FROM NORTHERN BRITAIN』
TESTAMENT『DEMONIC』
THIRD EYE BLIND『THIRD EYE BLIND』
TRAVIS『GOOD FEELING』
VAN HALEN『VAN HALEN III』
VOIVOD『PHOBOS』
W.A.S.P.『KILL.FUCK.DIE』
WHITESNAKE『RESTLESS HEART』
YNGWIE MALMSTEEN『FACING THE ANIMAL』


1995年から1996年初頭がブリットプップの最盛期と一昨年のブログに書き、続く1996年から1997年にかけてはその最盛期から末期に向かっていく過程と昨年のブログに書きました。では1997年から1998年にかけてはどういう年だったかといいますと、イギリスに関してはその末期の中からいくつもの名盤が誕生した“ギリギリ”のタイミングだったのかなと。OASISが『BE HERE NOW』で最大瞬間風速を見せたり、THE VERVEが国民的メガヒット作『URBAN HYMNS』を、THE CHARLATANSが起死回生の1枚『TELLIN' STORIES』をそれぞれドロップしたのが1997年でした。

そうそう、忘れてはいけないのがRADIOHEAD『OK COMPUTER』の存在ですね。この1枚の誕生が、それ以降のロックシーンを大きく変えたのは間違いない事実です。同じように、アルバムごとに変化を繰り返すPRIMAL SCREAMも『VANISHING POINT』でダブに接近したのは、非常に興味深い事象でした。そんなタイミングにSPIRITUALIZEDが『LADIES AND GENTLEMEN WE ARE FLOATING IN SPACE』で大注目を集めたり……なんだかんだけ、豊作の1年なんですよね。

さらにTHE CHEMICAL BROTHERSやTHE PRODIGYといったデジタル系アーティストが頭角を現し、特に後者は全米1位を獲得するという最大のハプニングまで引き起こすわけですから。そのTHE PRODIGY『THE FAT OF THE LAND』、アメリカではマドンナのレーベルからのリリースでしたね。さらにマドンナは『RAY OF LIGHT』という名盤を発表して、何度目かの黄金期を迎えたり……このへんも改めて振り返ると、いろいろ面白かったりします。

アメリカではLIMP BIZKITやINCUBUS、DEFTONESによってラウドロック/ヘヴィロックに新たな潮流が見え始めたタイミング。ドイツからはRAMMSTEINが全米進出を果たすなど、2000年代に向けてヘヴィ系が再編されていくきっかけの1年だったように思います。

方やHR/HMシーンに目を移すと、JUDAS PRIESTやVAN HALENといった大御所バンドが新たなフロントマンを迎えた新作を発表。選外でしたが、IRON MAIDENも新ボーカリストを含む編成で2作目を発表した時期でもありました。かと思えば、MOTLEY CRUEはヴィンス・ニールが復帰してオリジナル編成で8年ぶりのアルバム『GENERATION SWINE』をリリースしたり、W.A.S.P.もクリス・ホルムズが復帰して『KILL.FUCK.DIE』を発表したり、WHITESNAKEも8年ぶりの新作『RESTLESS HEART』を発表するも解散を宣言したり……あ、そうそう。KISSがオリジナル編成で復活したのもこの頃でしたね。こちらもこちらで、次のフェーズに突入するための過渡期だったと言えます。

そういえば、ミュージシャンの訃報が続いたのもこの時期でしたね。1997年は3月にノトーリアス・B.I.G.が射殺されたのを筆頭に、5月にジェフ・バックリー、6月にロニー・レーン、8月にフェラ・クティ、11月にINXSのマイケル・ハッチェンス、年明け1998年2月にはTHE BEACH BOYSのカール・ウィルソン、同じく2月にファルコが亡くなっております。個人的にはノトーリアス・B.I.G.とジェフ・バックリー、マイケル・ハッチェンス、ファルコの死が特に印象に残っています。

ちなみに日本の音楽シーンにおける1997年4月〜1998年3月といいますと、ちょうどCDの売り上げがピークに達したタイミング。引き続きTK(小室哲哉)プロデュース作品のヒット連発に加え、SPEEDやGLAYがメガヒットを飛ばし、KinKi KidsがCDデビュー。LUNA SEAの1年間活動休止に伴い、RYUICHIが河村隆一名義でソロヒットを連発させ、T.M.Revolutionが「HIGH PRESSURE」で本格的ブレイク。1997年末にはX JAPANの解散もありましたが、年明け1998年1月にはモーニング娘。、2月にはMISIAがメジャーデビューを果たしました。さらに、1997年7月には日本で最初の本格的ロックフェス『FUJI ROCK FESTIVAL』がスタートしています。

最後に。ここではピックアップしませんでしたが、1997年で特に印象に残っている1曲を紹介して、この記事を締めくくりたいと思います。



▼HANSON『MIDDLE OF NOWHERE』
(amazon:海外盤CD

投稿: 2018 01 08 12:00 午後 [1997年の作品, 1998年の作品, Björk, Chemical Brothers, The, Cornershop, Deftones, Emperor, Faith No More, Foo Fighters, Hanson, Limp Bizkit, Madonna, Metallica, Mogwai, Oasis, Portishead, Prodigy, The, Radiohead, Rammstein, Spiritualized, Verve, The, Wildhearts, The, 「20年前」] | 固定リンク

2017年8月18日 (金)

THE VERVE『URBAN HYMNS』(1997)

THE VERVEが1997年9月に発表した、通算3作目のオリジナルアルバム。1995年に一度解散しながらも、1997年に4人編成→5人編成で再結成。先行シングル「Bittersweet Symphony」の大ヒット(全英2位)に続いて、アルバム自体も初の全英1位獲得。続く2ndシングル「The Drugs Don't Work」は初のシングル全英1位に輝き、アルバム12週連続1位に。イギリス本国だけでも300万枚以上、全世界でトータル1000万枚以上を売り上げる最大のヒット作になりました。

サイケデリックな色合いが強かった1stアルバム『A STORM IN HEAVEN』(1993年)、当時主流だったブリットポップの流れにありながらも初期のサイケさとのちに通ずるディープさを提示し始めた2nd『A NORTHERN SOUL』(1995年)に続く今作では、「The Rolling People」「Catching The Butterfly」のようにサイケ路線の楽曲を残しつつも、OASIS以降の流れを感じさせる歌モノバラード「Sonnet」「The Drugs Don't Work」、そして壮大なストリングス(ROLLING STONES「The Last Time」のアンドリュー・オールダムによるオケストラカバーからのサンプリング)とシンプルな打ち込みリズムからなる「Bittersweet Symphony」など、とにかく“聴かせる”“歌わせる”要素が極限まで高まった、時代に求められた1枚に仕上がっています。

「人生とは“ほろ苦い”交響曲なんだ」と冒頭で掲げ、決まりきった枠になんかはまるなと歌う「Bittersweet Symphony」は発表から20年経った今もまったく色褪せてないし、むしろ2017年という今聴いたほうが歌詞の意味に重みを感じるのではないでしょうか。リチャード・アシュクロフト(Vo)がいろんな障害にぶつかりながらもまっすぐ歩き続けるMVは、まさにそのまんまの内容ですね。

「Bittersweet Symphony」のみならず、自身のドラッグ体験だけでなく実父が薬を使って延命したものの結局治ることなく死んでしまった経験などを綴った(と、当時のインタビューなどを読んで解釈しています)「The Drugs Don't Work」、リチャードが生きる上での信条が伺える「Lucky Man」など、曲の美しさ以上に歌詞にもこのバンドの哲学が至るところから感じられ、そこも彼らが単なる“流行りのブリットポップ”とは一線を画するバンドだったことが理解できるのではないでしょうか。

彼らは1999年に二度目の解散をし、2000年代後半にオリジナルメンバー4人で再々結成。2008年夏に4thアルバム『FORTH』を発表し、それと前後するように『SUMMER SONIC』で、最初で最後の来日公演が実現しました。そして2009年には3度目の解散。現在はリチャードがソロアーティストとして活動しており、昨年も久しぶりに来日公演を行ったばかりです。

何度聴いても、「Bittersweet Symphony」「Sonnet」の冒頭2曲で泣きそうになってしまうのは、20年前このアルバムを聴いていたタイミングに経験した負の出来事を思い出してしまうからでしょうか。音楽にはそういう力があるといいますが、と同時に音楽にはそういった悲しみを癒してくれる力もあるはず。最初こそ涙腺が緩むものの、アルバムを聴き終えた頃にはすっきりした気持ちになっている。“都会の賛美歌”を意味する『URBAN HYMNS』は自分にとってそういう1枚です。

なお、今年9月には本作のリリース20周年を記念したスペシャルエディションが発売に。アルバム本編がリマスタリングされるほか、当時の貴重なライブ音源をまとめたボーナスディスク付き2枚組仕様や、シングルB面曲など貴重な音源とMVやレア映像をまとめたボックスセットなどもリリースされるようです。これから購入を考えているという人は、そちらをチェックしてみてはいかがでしょう。



▼THE VERVE『URBAN HYMNS』
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投稿: 2017 08 18 12:00 午前 [1997年の作品, Verve, The] | 固定リンク