THE VIBRATORS 『PUNK : THE EARLY YEARS』(2006)
今年で結成30周年を迎えるTHE VIBRATORSが、自らを記念する企画アルバムを制作。それがこの「PUNK : THE EARLY YEARS」なんだけど‥‥全編、'70年代のオリジナル・パンクの名曲ばかり。ニューヨーク・パンクも、ロンドン・パンクも、全部ひっくるめて「THE EARLY YEARS」ってことにしてるし。さらに自分達の曲("Automatic Lover"、"Baby Baby"、"Rip Up The City"、"Whip And Furs")も現在3人で再録音。これも含めて全20曲。完璧なパンクアルバムですわ、良くも悪くも。
ゲストとして "Sonic Reducer"(言わずと知れたDEAD BOYSの名曲)ではウェイン・クレイマー(MC5)がギターで、"Vibrator"(MOTORHEADのカバー!)ではレオナルド(THE DICKIES)がボーカルで、それぞれゲスト参加。それぞれかなりそれっぽくなっちゃってます。
全曲、カバーというよりはコピーに近いかな‥‥いきなりド頭の "White Riot"(言うまでもなくTHE CLASH)の爆走ぶりに驚きつつ、続く "New Rose"(これも言うまでもなくTHE DAMNEDな)のキーを低くしたボーカルでひっくり返る。さらにほぼ原曲のまんまな "Sheena Is A Punk Rocker"(言わなくてもいいでしょ?)が出てきて‥‥SEX PISTOLSはあるわ、U.K.SUBSはあるわ、UNDERTONESはあるわ、ジョニー・サンダースはあるわで‥‥ま、THE VIBRATORSの曲含め、全部名曲ですからね、悪いわけがない。
実はこのアルバムとは別に、今年の後半にはオリジナルアルバムも用意しているようなので、これはあくまで「楽しむためにやった、企画盤」って割り切れるからいいんですけどね。まぁ割り切る云々の前に、カッコいいし、楽しいから全然アリなんですけど。
まぁあれですよ。早い話が‥‥これ聴いて文句たれたり、楽しめないって奴は、ロックなんて聴くの、辞めちゃえばいいんですよ。そういう、理屈抜きで楽しめる1枚。
あ、最後に‥‥このアルバムのプロデューサーの名前が、ボブ・キューリックって記載されてるんですが‥‥あのボブ・キューリックですかね。元KISSのギタリスト、ブルース・キューリックの実兄で、そのKISSのポール・スタンレーのソロツアーにも参加したことがある、あのボブ・キューリック。なんか想像つかないんですが‥‥単に今はプロデュース業もやってるとか、ただそれだけかしら?