カテゴリー「Voivod」の8件の記事

2021年3月24日 (水)

VOIVOD『ANGEL RAT』(1991)

1991年11月12日にリリースされたVOIVODの6thアルバム。日本盤は同年11月25日発売。

前作『NOTHINGFACE』(1989年)に続く、メジャーのMechanic / MCA Records第2弾作品。プロデューサーには前作から引き続きのスティーヴ・シンクレアと、初期RUSHを手掛けたテリー・ブラウンが参加しています。

スネイク(Vo)、ピギー(G)、ブラッキー(B)、アウェイ(Dr)という初期黄金期メンバー最後の作品。本作完成後にブラッキーはバンドを離れているので、アルバムクレジットではアディショナル・プレイヤー扱いとなっています。なぜブラッキーがバンドを離れたのか、その理由は本作の音を聴くとなんとなく想像できるのではないでしょうか。

初期のテクニカル・スラッシュメタル路線を飛び越え、前作『NOTHINGFACE』では適度なアグレッシヴさを持つプログレッシヴ・メタルへと進化する姿を提示したVOIVODでしたが、本作では『NOTHINGFACE』での路線をはらみつつも(1991年という時代性も反映されてか)オルタナティヴロック色が強まっています。5分を超えるようないわゆる大作路線は完全に払拭され、どの曲も3〜4分程度のコンパクトな仕上がりに。かつ、ストレートでシンプル、かつストレンジという手の込んだアレンジは、どこかRUSHのようでもあります。

テリー・ブラウンをプロデューサーに起用したからRUSHに似ている、なんていうレベルではなく、確実にそちら側に近づきたいという意思が強く感じられる作風です。前作ではヘヴィメタル版PINK FLOYDを目指すのかと思いましたが、実はこっちだったんですね。もちろん、本作にも初期PINK FLOYD的サイケデリック色は存在します。タイトルトラック「Angel Rat」や、今でもライブで披露される機会の多い「The Prow」なんて完全にそっち側ですし。

でも、このバンドのスタンス的にはRUSHというのも理解できる。要するに、先人たちのいいとこ取りをしながら初期のスタイルを脱却して新たなスタイルを確立させようとしたのでしょう。本作で見せた新たなスタイルは次作『THE OUTER LIMITS』(1993年)で完成の域に達することになりますが、本作は迷いが少し垣間見えるという点において過渡期の1枚なんじゃないかな。良いアルバムだけど傑作とは言い難い。特に『NOTHINGFACE』のあとだけに、若干薄味に感じられるしね。

ところが、リリースから30年経った2021年に聴いてみると、30年前(1991年)の空気感が最高の形で真空パックされていることに気づきます。良くも悪くもどっちつかずなところは、あの時代にHR/HMシーンが抱えていた空気感そのもの。と同時に、このさじ加減が今はとても心地よく感じられるのです。不思議なものですね。グランジブームが勃発する直前の作品ですが、意外にもあの当時の空気を先取りしていた、今こそ再評価されるべき1枚かもしれません。

 


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2020年12月 8日 (火)

VOIVOD『LOST MACHINE - LIVE』(2020)

2020年11月27日にリリースされたVOIVODの最新ライブアルバム。日本盤は同年12月23日発売予定。

最新アルバム『THE WAKE』(2018年)が専門メディアから高く評価され、結成40周年を目前にさらなる注目が集まりつつあるVOIVOD。2020年は新型コロナウイルスの影響で思うような大々的な活動こそできなかったものの、夏にはEP『THE END OF DOMANCY』をリリース、それに続いて今回のライブアルバムを発表するなどして我々を楽しませ続けてくれています。

実はVOIVOD、その40年近いキャリアの中でライブアルバムって結構リリースしているんですよね。特に2000年以降は『LIVES』(2000年)や『WARRIORS OF ICE』(2011年)、『LIVE AT ROADBURN 2011』(2012年)に加え、『TARGET EARTH』(2013年)や『THE WAKE』の限定盤にもライブアルバムが付属している。若干食傷気味ではあるのですが、今作は『THE WAKE』発表後のライブ。選曲的にも半数は以前のものと異なるので、楽しく聴くことができました。

全13曲(日本盤のみ14曲)中、最新アルバム『THE WAKE』とその直前に発表されたEP『POST SOCIETY』(2016年)からの収録曲が6曲と約半数。そのほかの内訳が1stアルバム『WAR AND PAIN』(1984年)から1曲(「Voivod」)、3rdアルバム『KILLING TECHNOLOGY』(1987年)から1曲(「Overreaction」)、4thアルバム『DEMENSION HATROSS』(1988年)から1曲(「Psychic Vacuum」)、5thアルバム『NOTHINGFACE』(1989年)から2曲(「Into My Hypercube」「Astronomy Domine」。さらに日本盤ボートラ「The Unknown Knows」を加えると3曲)、6thアルバム『ANGEL RAT』(1991年)から1曲(「The Prow」)、7thアルバム『THE OUTER LIMITS』(1993年)から1曲(「The Lost Machine」)と、初期からメジャー期にかけてに集中。昨年1月の来日公演のセトリの短縮版といった内容なので、あのライブを生で体験した方にはうれしい1枚ではないでしょうか。

それもそのはず、本作が収録されたのは2019年7月13日、地元カナダのQuebec City Summer Festivalでのライブを収録したもの(日本盤ボートラの「The Unknown Knows」のみ、Montreal Jazz Fest 2019より。こちらは先に触れた最新EP『THE END OF DOMANCY』に収録されたものと同内容です)。なのでMCもフランス語なんですよね。そこ含めて、地元ならではのリラックスした雰囲気が伝わってくるのではないでしょうか。また、初期の荒々しさとは異なるバンドのテンションや、安定感の非常に高いバンドの演奏などは『THE WAKE』で示した世界観を表現するのに最適。そういった安定感で披露される初期楽曲のサイケデリック度の強さなど、新たな発見がいくつもある内容に仕上がっていると思うわけです。

依然2ndアルバム『RRRÖÖÖAAARRR』(1986年)から7thアルバム『THE OUTER LIMITS』までの名盤たちがストリーミングで聴くことができない状況は残念以外の何ものでもありませんが、ひとまずこういったライブ作品で初期楽曲の片鱗に触れることができるだけでもありがたい限り。年末にかけて良質なライブ作品のリリースが続いていますが、このVOIVODのアルバムも間違いなくそこに含まれる1枚だと断言できます。

 


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2019年12月31日 (火)

2019年総括:④楽曲編&印象的なライブ編

このエントリーで最後。こちらは印象的なライブ編と新設の楽曲編となります。

昨年まではその年気になった/よく聴いたアイドルソング10曲をピックアップする「アイドルソング編」を公開していましたが、自分自身がそこまで熱心に幅広くアイドルソングを聴かなくなったこと、そのぶんアニソンや声優シンガーの楽曲を積極的に聴くようになったことから、そのへんひとまとめに「洋楽邦楽/ジャンル/リリース年関係なく、その年よく聴いた楽曲20曲をプレイリストで公開」することにしました。

 

■楽曲編(アルファベット→五十音順)

各アーティスト1曲のみ選出、グループ内ユニットやソロ名義は別枠としてカウントしました。特にどれがベストの1曲とは記しません。本年発表以外の楽曲に関しては、曲名の後ろにカッコ付けで発表年を追加しておきます。

・Aqours「WATER BLUE NEW WORLD」(2018年)
・LiSA「unlasting」
・Maison book girl「長い夜が明けて」
・PassCode「ATLAS」
・Roselia「FIRE BIRD」
・Saint Snow「Believe Again」
・shami momo(CV:小原好美・鬼頭明里)「町かどタンジェント」
・THE YELLOW MONKEY「DANDAN」
・如月レオン「珈琲ラプソディ」
・クマリデパート「極LOVE浄土」
・欅坂46「黒い羊」
・スタァライト九九組「Star Diamond」
・中須かすみ(CV:相良茉優)「ダイアモンド」(2018年)
・乃木坂46「図書室の君へ」
・日向坂46「JOYFUL LOVE」
・ヒプノシスマイク 山田一郎(CV:木村昴)「Break the Wall」
・平手友梨奈(欅坂46)「角を曲がる」(2018年発表、リリースは2019年)
・フランシュシュ「徒花ネクロマンシー」(2018年)
・水瀬いのり「Wonder Caravan!」
・宮本浩次「Do you remenber?」

 

再生回数でいったら、欅坂46「黒い羊」がダントツでしょうか。そこに追随するのがSaint Snow「Believe Again」、日向坂46「JOYFUL LOVE」、Aqours「WATER BLUE NEW WORLD」、Roselia「FIRE BIRD」の順かな。まあ、プレイリストの再生回数で20曲決めたら、上位は欅坂46(「黒い羊」や「二人セゾン」)とBRING ME THE HORIZON、あとはブクガやイエローモンキーの過去曲、『ラブライブ!』関連の楽曲になってしまいそうなのでやめておきます(笑)。

もちろん、この20曲がすべてではありません。配信されていなかったりストリーミングで聴けなかったりしたため、今回選外にした楽曲も多数あります。例えばハロプロ関連の楽曲。間違いなく数曲こちらに含まれるはずでしたが、今回はプレイリストで公開することが大前提だったので敢えなく選外に。

また、今年もっとも聴いた曲のひとつである『新サクラ大戦』の「檄!帝国華撃団<新章>」もiTunesでの配信はあるもののApple MusicやSpotifyでは聴けないのでアウト。南條愛乃さんが今年発表した楽曲も、SpotifyにはシングルのみあるけどApple Musicには皆無とか、片方だけの中途半端な形になってしまうので選外に。こういうこともあるんですね。

あとは、ギリギリ最後まで悩んだ蒼井翔太さんとか。「Eclipse」にはライブBlu-rayのオープニングでやられたので、本当は入れたかったんですよ(特にライブテイクのほうを)。

 

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2019年11月14日 (木)

VOIVOD『NOTHINGFACE』(1989)

1989年10月リリースの、VOIVOD通算5作目のオリジナルアルバム。MCA Records傘下のMechanic Recordsから(ドイツのみNoise Recordsから)発表され、日本盤は同年12月にワーナーミュージックから発売されました(その後、MCAの権利がワーナーから離れ、現在はユニバーサルミュージックから発売されています)。

3rdアルバム『KILLING TECHNOLOGY』(1987年)あたりから一気に評価を上げていたVOIVODが、満を辞してメジャーレーベルから発表した第一弾作品は、2000年代以降も彼らの作品を手がけることになるグレン・ロビンソン(ANNIHILATOR、GWAR、NASHVILLE PUSSYなど)を新たなプロデューサーに迎え制作されたもの。過去のスラッシー&ノイジーな諸作と比較すると非常に整理されたサウンドが印象に残り、テクニカル・スラッシュメタルやプログレッシヴ・メタルの範疇に属するのも納得の仕上がりです。

僕が最初に触れたVOIVODのアルバムも本作でした。が、初めて聴いたのはリリースから1年以上経ってから、次作『ANGEL RAT』(1991年)発売タイミングだったと記憶しています(確か『ANGEL RAT』を買いにCDショップに向かったら売っておらず、前作『NOTHINGFACE』を購入した気が)。けど、結果としてこのアルバムから入って正解だったかなと思っています。

今聴くと(メジャーのわりに)チープさが否めないサウンド・プロダクションではありますが、緊張があってタイトな演奏&アンサンブルと、どこかひんやりしたボーカルと音の質感は当時の自分にはかなり好みでした。ちょっと例えが正しいかわかりませんが、“RUSHを通過した『…AND JUSTICE FOR ALL』(1988年)期のMETALLICA”みたいな。そういう印象を受けたんです(そもそも当時、『…AND JUSTICE FOR ALL』自体が当時RUSHと比較されていた気がするので、いろいろ間違えている気がしないでもないですが)。

あと、プログレッシヴな楽曲が大半にも関わらず、どの曲も6分を超えていないのも聴きやすさにつながっているのかな。ほぼ6分という楽曲(「The Unknown Knows」や「Missing Sequence」)もあるものの、基本的には4〜5分台で比較的コンパクトにまとめられていますし。全9曲で45分というトータルランニングは、当時としても至極まっとうなものだと思いました。

初期PINK FLOYDのカバー「Astronomy Domine」など注目ポイントは多数ありますが、オープニングの「The Unknown Knows」からラストの「Sub-Effect」までのすべてがピークだと思っているので。緊張感を持続させながら、至高の45分を楽しんでいただけたらと思います。

その前に、MCA時代の3作品……『NOTHINGFACE』と『ANGEL RAT』、そして『THE OUTER LIMITS』(1993年)を早く国内でもストリーミング解禁していただけたらと。

追記(2021.3):『NOTHINGFACE』と『ANGEL RAT』のストリーミング配信が日本でもスタートしました。

 


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2019年1月19日 (土)

VOIVOD THE WAKE JAPAN TOUR 35TH ANNIVERSARY@TSUTAYA O-WEST(2019年1月18日)

Img_3939_2新年最初のメタル/エクストリーム系のライブは、これが3度目の来日ながらも初の単独来日公演となるカナダの至宝VOIVOD。このツアータイトルどおり、今年でデビュー35周年という記念すべきタイミングでの来日公演は、東京で一夜限りの貴重なものとなりました。TSUTAYA O-WESTという決して広くない会場でしたが、当然のようにチケットはソールドアウト。会場はムサ苦しい野郎ども(褒め言葉)で埋め尽くされ、最高の歓迎ムードでライブのオープニングを迎えました。

今回の編成はスネイク(Vo)、アウェイ(Dr)というオリメンに加え、過去2回の来日(2008年、2014年の『THRASH DOMINATION』)にも参加したチューウィー(G)と、これが初来日となるロッキー(B)の4人。ライブは現編成での発音現となったEP『POST SOCIETY』(2016年)から、タイトルトラック「Post Society」で幕を開けました。ガリガリしたベースと、グルーヴィーなドラムとリフを刻むというよりは効果音のようなサウンドを奏でるギター、そこにスネイクの個性的なボーカルが乗るのですが、音源で聴く以上に浮遊感が漂っていて、気持ちいいのなんの。4ピース(シングルギター)編成で、音の薄さが気になるかなと思っていましたが、アンサンブルの妙技によるものなのか、まったくそんなこと感じませんでした。また、音量もデカすぎず、小さすぎずといった程よいバンラス感で、しかもライブが進むにつれて徐々に大きくなっていくものの、それが決して大きすぎないという聴きやすさを保っていたのですから、さすがと言いますか。ホント、終始気持ちよかったです。

この日演奏されたのは、2回のアンコールを含む全16曲。2時間に満たない、決して長いとは言えないボリュームでしたが、終わったあとも特に不満はなく(まあ正直言えば、もうちょっと聴きたかったというのはありますが)、ここも程よさを醸し出していたのが印象的でした。

セットリスト的には、さすが35周年を謳っているだけあり、オールタイムベストといった内容。ただし、スネイク脱退時や2000年代のジェイソン・ニューステッド(B)在籍時などの楽曲はすべてなかったことにされていましたが、それも特に不満には思いませんでした。

内訳は1stアルバム『WAR AND PAIN』(1984年)から1曲、3rdアルバム『KILLING TECHNOLOGY』(1987年)から3曲、4thアルバム『DIMENSION HATROSS』(1988年)から2曲、5thアルバム『NOTHINGFACE』(1989年)から3曲、6thアルバム『ANGEL RAT』(1991年)から1曲、7thアルバム『THE OUTER LIMITS』(1993年)から1曲、最新EP『POST SOCIETY』から2曲、14thアルバム『THE WAKE』(2018年)から3曲。あれ、2ndアルバム『RRRÖÖÖAAARRR』(1986年)からは1曲もなしですか? それ以外は、まだ妥当な選曲かなと。現編成での楽曲が5曲というところに彼らの現役感を強く感じましたし、それもまた良しでした。

僕は2階からステージを見下ろすようにライブを拝見していたのですが、気づけばアウェイのドラミングばかりに目を奪われてしまいまして。以前からMVやライブ映像を観ていてもそうだったのですが、やっぱり彼のドラミングって個性的ですよね。で、この日初めて生で観て気づいたのですが……メタルのドラミングとはちょっと違うんですよね。パンク的というか、もっとロックンロール的なスウィング感が感じられるし、動きもちょっとクセがあって。どことなく、ジャズからの影響も感じられるのですが、そのへんは彼らの音楽的ルーツにもあるであろうRUSH(主にニール・パート)からの影響も少なからずあるのでしょうか。とにかく、このドラミングがVOIVODというバンドを唯一無二のものにしていることは、間違いないと実感しました(もちろん、オリジナルメンバーのひとりで2005年に急逝したギタリスト、ピギーによるものも大きいのですが)。

チューウィーも、その偉大な前任ピギーの重圧に押しつぶされることなく、新曲では従来のVOIVODらしさと彼ならではのプレイをミックスし、確実にVOIVODをネクストレベルへと押し上げていましたし、新任のロッキーもブラッキー(B)の陰を気にせず、存分に個性を発揮しておりました。

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2018年12月31日 (月)

2018年総括(1):洋楽アルバム編

2018年もあと半日で終わりということで、毎年恒例となった今年の総括を書いていこうと思います。

その年のお気に入りアルバムを洋楽10枚(+次点10枚)、邦楽10枚(+次点10枚)、2018年気になったアイドルソング10曲(+次点5曲)、そして今年印象に残ったライブ10本をピックアップしました。アルファベット順、五十音順に並べており、順位は付けていませんが特に印象に残った作品には「●」を付けています。

特にこの結果で今の音楽シーンを斬ろうとかそういった思いは一切ありません。ごく私的な、単純に気に入った/よく聴いたレベルでの「今年の10枚」です。

まずは洋楽アルバム編です。


■洋楽10枚(アルファベット順)

今年はまず最初に、次点の10枚から紹介していきたいと思います。たまにはやり方を変えて、新鮮さを保たないとね。

<次点>
・BLOOD ORANGE『NEGRO SWAN』
・CHVRCHES『LOVE IS DEAD』
・JACK WHITE『BOARDING HOUSE REACH』(レビュー
・KAMASI WASHINGTON『HEAVEN AND EAERTH』
・KURT VILE『BOTTLE IT IN』
・THE LEMON TWIGS『GO TO SCHOOL』
・MUSE『SIMULATION THEORY』(レビュー
・NINE INCH NAILS『BAD WITCH』(レビュー
・STARCRAWLER『STARCRAWLER』(レビュー
・VOIVOD『THE WAKE』(レビュー

メタル系以外は、自宅でまったりしているときに流していることが多かったか、移動中に聴く頻度が多かったものが中心。BLOOD ORANGEやMUSEなんて、まさにそれですね。CHVRCHESはフジロック以降、がっつり聴いていた記憶が。KAMASI WASHINGTONはレビュー仕事でディスク1のみ先に届いて、こっちばかりリピートしてたんだよな。THE LEMON TWIGSは常にセレクトするというタイプではないんだけど、個人的趣味からしてやっぱり外せないなと。KURT VILEも然り。

STARCRAWLERは今年1月のリリースだったけど、ちょっと12月まで持続させられなかったな、自分の中で。今年後半、もうひと跳ねあったら、自分内評価もまた変わったのかも。

さて、続いてここからが本編。僕が選んだ2018年の洋楽アルバム10枚です。

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2018年12月26日 (水)

2018年総括(番外編):HR/HM、ラウドロック編

隔月の奇数月に「リアルサウンド」さんにて、HR/HMやラウドロックの新譜キュレーション記事を書いているのですが、2018年のまとめ記事となる年間ベスト10紹介エントリー「西廣智一が選ぶ、2018年ラウドロック年間ベスト10 ネガティブな話題の中にも豊作が揃った1年」が12月25日に公開されました。

基本的には順位を付けるのは苦手なのですが、ここでま毎回思い切って1位から10位まで順番をつけて10枚紹介しています。今年に関しては上位3作品に関しては不動なのですが、4位以降は日によって変動があると思うので、セレクトの際に泣く泣く10枚から落とした準候補10枚を加えた20枚を紹介する意味で、SpotifyとApple Musicに記事と同名のプレイリストを作成しました。

改めて、20枚を紹介しておきますね(基本的には順位は付けていませんが、先のリアルサウンドさんで1〜10位と順位付けしているため、便宜上20までナンバリングしておきます)。


01. DEAFHEAVEN『ORDINARY CORRUPT HUMAN LOVE』(レビュー
02. VOIVOD『THE WAKE』(レビュー
03. ALICE IN CHAINS『RAINIER FOG』(レビュー
04. Crystal Lake『HELIX』
05. AZUSA『HEAVY YOKE』(レビュー
06. IHSAHN『ÁMR』(レビュー
07. JUDAS PRIEST『FIREPOWER』(レビュー
08. SIGH『Heir to Despair』
09. LOVEBITES『CLOCKWORK IMMORTALITY』(レビュー
10. ARCHITECTS『HOLY HELL』(レビュー
11. CORROSION OF CONFORMITY『NO CROSS NO CROWN』(レビュー
12. FEVER 333『MADE AN AMERICA』(レビュー
13. GHOST『PREQUELLE』(レビュー
14. THE STRUTS『YOUNG & DANGEROUS』(レビュー
15. MANTAR『THE MODERN ART OF SETTING ABLAZE』
16. NINE INCH NAILS『BAD WITCH』(レビュー
17. NOTHING『DANCE ON THE BLACKTOP』(レビュー
18. SHINEDOWN『ATTENTION ATTENTION』(レビュー
19. SLEEP『THE SCIENCES』
20. CHTHONIC『BATTLEFIELDS OF ASURA』


最初の10曲が「リアルサウンド」さんで紹介した10枚から。一応順位どおりに楽曲を並べています。で、後半の10曲が選から漏れた10枚から。こちらは基本的には順不同ですが、まあ大体こんな並びかなと。基本的には当サイトで紹介した作品、あるいはキュレーション連載で紹介した作品ばかりですが、個人的にはこういう1年だったのかなとこれを聴いて振り返っているところです。

せっかくなので、この20枚から漏れた「今年よく聴いたHR/HM、ラウドロック系アルバム」も紹介しておきます。こちらはアルファベット順に並べています。


・BEHIMOTH『I LOVED YOU AT YOUR DARKNESS』
・BURN THE PRIEST『LEGION: XX』(レビュー
・COHEED AND CAMBRIA『THE UNHEAVENLY CREATURES』
・Crossfaith『EX_MACHINA』
・DIMMU BORGIR『EONIAN』(レビュー
・DIR EN GREY『The Insulated World』
・Graupel『Bereavement』
・GRETA VAN FLEET『ANTHEM OF THE PEACEFUL ARMY』(レビュー
・HALESTORM『VICIOUS』(レビュー
・HER NAME IN BLOOD『POWER』
・JONATHAN DAVIS『BLACK LABYRINTH』(レビュー
・LOUDNESS『RISE TO GLORY -8118-』(レビュー
・MICHAEL SCHENKER FEST『RESURRECTION』(レビュー
・OBSCURE『DILUVIUM』
・A PERFECT CIRCLE『EAT THE ELEPHANT』
・SAXON『THUNDERBOLT』(レビュー
・SHINNING『X - VARG UTAN FLOCK』
・SKINDRED『BIG TINGS』(レビュー
・SURVIVE『Immortal Warriors』
・THERAPY?『CLEAVE』(レビュー
・U.D.O.『STEELFACTORY』(レビュー
・UNITED『Absurdity』
・VENOM『STORM THE GATES』(レビュー
・陰陽座『覇道明王』

2018年12月 9日 (日)

VOIVOD『THE WAKE』(2018)

カナダ出身のテクニカルスラッシュメタル/プログレッシヴメタルバンド、VOIVODによる通算14枚目のスタジオアルバム。前作『TARGET EARTH』(2013年)から5年半ぶりのフルアルバムにあたり、スネイク(Vo)、アウェイ(Dr)のオリジナルメンバーにチューウィー(G/2008年加入)、ロッキー(B/2004年加入)という新メンバーが加わった編成で初のアルバムになります(同編成では2016年にプレEP『POST SOCIETY』を発表済み)。

正直、VOIVODは80年代から90年代前半の『THE OUTER LIMITS』(1993年)くらいまでは聴いていたものの、それ以降はジェイソン・ニューステッド(ex. METALLICA)が加入した当時の『VOIVOD』(2003年)や『KATORZ』(2006年)くらいしか知りません。その程度の知識で、あえて前作など聴かずにいきなり新作に触れてみました。

……なんですか、これ。めちゃくちゃすごい内情じゃないですか。怪しい雰囲気を醸し出すコード進行に、聴いているとどこか不安を覚えるメロディ。オープニングの「Obsolete Beings」からして、今まで聴いたことがない、だけどVOIVODのそれだとわかる世界観が展開されています。ヘヴィメタル的な重厚さがすべてを占めるのではなく、KING CRIMSONあたりに通ずる不思議な雰囲気や、プログレッシヴロックが持っていた聴き手をまだ見ぬ世界へと誘うあの空気感が混在するのです。

全8曲で56分というボリューム。うち5曲が6分以上もあり、ラストナンバー「Sonic Mycelium」は12分半という超大作。この曲がまた……ものすごいことになっています。語彙なさすぎだろ?と思われてしまっても仕方ありませんが、聴き終えたときの正直な感想が本当にこんな感じなのですから、仕方ないのです。この終盤にかけてのドラマチックかつ不穏な展開ときたら……ぶっちゃけ、この1曲のためだけにこのアルバムを購入しても、損はありません。そう断言させたくなるだけの、凄みと緊張感、今までに聴いたことのなかった空間が構築されているのですから。

VOIVODは今年結成35周年を迎えたとのこと。本作はその集大成的な1枚であると同時に、まだまだやれるという気概が至るところに込められている。そんな強気な内容なんですよ。いや、ちょっとこれは驚いた。軽い気持ちで手にとってみたら、想像をはるかに超える内容だったので。確実に年間ベストに入る、2018年のHR/HMシーン、エクストリームミュージックシーンを代表する1枚だと思います。

なお、本レビューではアルバム本編にのみ触れましたが、海外盤の限定仕様と日本盤は先に触れたEP『POST SOCIETY』とライブテイク6曲を追加したボーナスディスク付きの2枚組仕様。日本盤は2枚組永久仕様なので、ぜひこちらを購入することをオススメします(『POST SOCIETY』については、また改めて紹介したいと思います)。



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