WARRIOR SOUL『DRUGS, GOD AND THE NEW REPUBLIC』(1991)
知る人ぞ知る?な存在、ニューヨーク出身のハードロックバンドWARRIOR SOULが1991年に発表した2ndアルバム。前年1990年にここ日本でも1stアルバム『LAST DECADE DEAD CENTURY』を発表しているのですが、ちょうどリリース元のGeffen Recordsがここ日本でワーナーミュージックからビクター系へと権利が移ったことで、1枚目はあやふやな扱いになってしまったんですよね。なので、僕自身が彼らをちゃんと知ったのはこの2ndアルバムから。変な話ですが、このアルバムをNIRVANA『NEVERMIND』やPEARL JAM『TEN』あたりと同じタイミングで購入して、並列で聴いてたんですよね(苦笑)。
当時はフロントマンのコリー・クラークを「90年代のジム・モリソン」的に例えるメディアが見受けられましたが、確かにそれも納得してしまうようなルックスとカリスマ性が備わっていたように記憶しています。アルバム自体やTHE DOORSというより、その彼らに影響を受けたイギー・ポップや彼のバンドTHE STOOGESに通ずるものがあり、パンクロックと60〜70年代的ハードロック、そしてサイケ&アートロックを絶妙なバランスでミックスしたような楽曲/サウンドを楽しめるかと思います。
とにかく1曲目「Intro」でのアジテーションからしてカッコいい。終盤の「We are the goverment!」の連呼から、そのまま「Rock & Roll!」のシャウトとともになだれ込む「Interzon」の、デトロイトロック的ワイルドさたるや……ってこれ、JOY DIVISIONのカバーやん! あの曲がTHE STOOGESみたいに生まれ変わってしまうことに驚きですが、これが意外とイケるんですよね。
その後もSOUNDGARDENやPEARL JAMにも通ずるグルーヴィーなロックを聴かせてくれたり、どこか古めかしいメロディ進行&コーラスワークが印象的な楽曲あり、ひたすら疾走する爆走ロックンロールあり、KILLING JOKEあたりにも通ずる“スラッシュメタル的ギターリフ+ニューウェイブ的アレンジ”なナンバーあり……と、HR/HMファンでも存分に楽しめる要素が存分に存在します。逆に、HR/HMは苦手だけどSOUNDGARDENあたりのグランジバンドはいけるって人でも入っていきやすい要素がかなりあるんじゃないかな。
思えばこの時代って、FAITH NO MOREやJANE'S ADDICTION、RED HOT CHILI PEPPERSなども台頭し始め、メタルとそうじゃないオルタナバンド(当時はミクスチャーと呼ばれてしたが)の線引きが曖昧になり始めた時期。WARRIOR SOULはメタル雑誌で紹介される機会が多かったものの、プロモーションの仕方さえ違えば先のFNMやレッチリ、あるいはALICE IN CHAINSやSOUNDGARDENのような方向で扱われていたのかもしれませんね。
▼WARRIOR SOUL『DRUGS, GOD AND THE NEW REPUBLIC』
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