2017/01/09

祝ご成人(1996年4月〜1997年3月発売の洋楽アルバム20枚)

新成人の皆さん、おめでとうございます。2014年度に初めて実施したこの企画、今回で3回目を迎えます。今年も新成人の皆さんが生まれた年(学年的に1996年4月〜1997年3月の期間)にリリースされた洋楽アルバムの中から、個人的思い入れがある作品を20枚ピックアップしました。どれも名盤ばかりなので、もし聴いたことがないという作品がありましたら、この機会にお手にしてみてはいかがでしょうか。とは言いながらも大半が名盤中の名盤なので、聴いたことがあるものばかりかもしれませんが。

作品の並びはすべてアルファベット順です。(2014年度の新成人編はこちら、2015年度の新成人編はこちらです)


ATARI TEENAGE RIOT『THE FUTURE OF WAR』(Amazon

BECK『ODELAY』(Amazon

BLUR『BLUR』(Amazon

DEF LEPPARD『SLANG』(Amazon

THE HELLACOPTERS『SUPERSHITTY TO THE MAX!』(Amazon)(レビュー

HONEYCRACK『PROZAIC』(Amazon)(レビュー

KORN『LIFE IS PEACHY』(Amazon)(レビュー

KULA SHAKER『K』(Amazon

MANIC STREET PREACHERS『EVERYTHING MUST GO』(Amazon)(レビュー

MANSUN『ATTACK OF THE GREY LANTERN』(Amazon)(レビュー

MARILYN MANSON『ANTICHRIST SUPERSTAR』(Amazon)(レビュー

METALLICA『LOAD』(Amazon)(レビュー

OCEAN COLOUR SCENE『MOSELEY SHOALS』(Amazon

PANTERA『THE GREAT SOUTHERN TRENDKILL』(Amazon)(レビュー

RAGE AGAINST THE MACHINE『EVIL EMPIRE』(Amazon

REEF『GLOW』(Amazon

SUEDE『COMING UP』(Amazon

TOOL『AENIMA』(Amazon)(レビュー

U2『POP』(Amazon)(レビュー

WEEZER『PINKERTON』(Amazon)(レビュー


残念ながらセレクトから漏れた作品も多いです。以下、主だった作品をざっと羅列します。

AEROSMITH『NINE LIVES』
ALICE IN CHAINS『UNPLUGGED』
ARCH ENEMY『BLACK EARTH』
ASH『1977』
BEN FOLDS FIVE『WHATEVER AND EVER AMEN』
THE BLACK CROWES『THREE SNAKES AND ONE CHARM』
THE BOO RADLEYS『C'MON KIDS』
BJORK『TELEGRAM』
BRYAN ADAMS『18 TIL I DIE』
BUSH『RAZORBLADE SUITCASE』
CARCASS『SWANSONG』
THE CARDIGANS『FIRST BAND ON THE MOON』
THE CURE『WILD MOOD SWINGS』
DAFT PUNK『HOMEWORK』
DAVID BOWIE『EARTHLING』
DINOSAUR JR.『HAND IT OVER』
ELVIS COSTELLO & THE ATTRACTIONS『ALL THIS USELESS BEAUTY』
FIONA APPLE『TIDAL』
FOUNTAINS OF WAYNE『FOUNTAINS OF WAYNE』
GEORGE MICHAEL『OLDER』
HELMET『AFTERTASTE』
IMPERIAL DRAG『IMPERIAL DRAG』
JAMIROQUAI『TRAVELLING WITHOUT MOVING』
JOURNEY『TRIAL BY FIRE』
LUSCIOUS JACKSON『FEVER IN FEVER OUT』
MACHINE HEAD『THE MORE THINGS CHANGE…』
MANOWAR『LOUDER THAN HELL』
MATTHEW SWEET『BLUE SKY ON MARS』
MICHAEL SCHENKER GROUP『WRITTEN IN THE SAND』
NIRVANA『FROM THE MUDDY BANKS OF THE WISHKAH』
PATTI SMITH『GONE AGAIN』
PEARL JAM『NO CODE』
PET SHOP BOYS『BILINGUAL』
PRINCE『EMANCIPATION』
R.E.M.『NEW ADVENTURES IN HI-FI』
ROLLINS BAND『COME IN AND BURN』
RUSH『TEST FOR ECHO』
SCORPIONS『PURE INSTINCT』
SLAYER『UNDISPUTED ATTITUDE』
SLOAN『ONE CHORD TO ANOTHER』
SOUNDGARDEN『DOWN ON THE UPSIDE』
STEVE VAI『FIRE GARDEN』
STRAPPING YOUNG LAD『CITY』
SUPER FURRY ANIMALS『FUZZY LOGIC』
VERUCA SALT『EIGHT ARMS TO HOLD YOU』
ZAKK WYLDE『BOOK OF SHADOWS』
THE WiLDHEARTS『FISHING FOR LUCKIES (East West Version)』
ZZ TOP『RHYTHMEEN』


1995年から1996年初頭がブリットプップの最盛期と昨年のブログに書きましたが、続く1996年から1997年にかけてはその最盛期から末期に向かっていく過程。BLURが1997年初頭に発表したセルフタイトルアルバムが「ブリットポップの終焉」を決定づけたのは間違いないでしょう。KULA SHAKERやMANSUNのデビュー作、MANICS、OCS、REEFの諸作、そして選外でしたがASHのデビュー作などはその末期に輝いた傑作だと思っております。

そして、アメリカではRATM、KORN、TOOL、MARILYN MANSONのブレイクにより新たなヘヴィロックシーンが確立されるタイミング。と同時に、ベックやWEEZERといったアーティストたちも新たなオルタナシーンを築き上げておりました。その一方で、METALLICAやDEF LEPPARDといった大御所たちが迷走していたのも、このタイミングの面白いところ。それぞれピックアップした作品は、各バンドのキャリアの中でも迷作扱いされることの多いものですが、今聴くと意外と悪くないから不思議。今回選出した動画20曲の中に混じっても、実はあまり違和感がない音楽性だったりします。面白いもんですね。

あ、1997年に入ると同時にU2が『POP』を出したり、ATRの2ndアルバムが話題になったりと、新たな可能性が見え始めたのも興味深いですね。

ちなみに日本での1996年4月〜1997年3月といいますと、TK作品のチャート独占やプリンセス・プリンセスの解散、米米CLUBの解散発表(ラストライブは翌年)、TMRやPUFFY、ELT、SPEEDのデビューなど、音楽産業的にもピークを迎えつつあった時期でした。

最後に。ここではピックアップしませんでしたが、1996年で特に印象に残っているのは「恋のマカレナ」と「Wannabe」です。



▼SPICE GIRLS『SPICE』
(amazon:国内盤CD / 海外盤CD

投稿: 2017 01 09 12:00 午前 [1996年の作品, 1997年の作品, Atari Teenage Riot, Beck, Blur, Def Leppard, Hellacopters, The, Honeycrack, Korn, Kula Shaker, Manic Street Preachers, Mansun, Marilyn Manson, Metallica, Ocean Colour Scene, Pantera, Rage Against The Machine, Reef, Suede, Tool, U2, Weezer, 「20年前」] | 固定リンク

2015/01/13

祝ご成人(1994年4月〜1995年3月発売の洋楽アルバム20枚) ※改訂版

新成人の皆さん、おめでとうございます。というわけで今回は、新成人の皆さんが生まれた年(学年的に1994年4月〜1995年3月の期間)にリリースされた洋楽アルバムの中から、個人的思い入れがある作品を20枚ピックアップしました。どれも名盤ばかりなので、もし聴いたことがないという作品がありましたら、この機会にお手にしてみてはいかがでしょうか。とは言いながらも大半が名盤中の名盤なので、聴いたことがあるものばかりかもしれませんが。

あ、並びはすべてアルファベット順です。

Beastie Boys「Ill Communication」(Amazon

Blur「Parklife」(Amazon

Dinosaur Jr.「Without a Sound」(Amazon

Helmet「Betty」(Amazon

Jeff Buckley「Grace」(Amazon

Korn「Korn」(Amazon

Machine Head「Burn My Eyes」(Amazon

Madonna「Bedtime Stories」(Amazon

Manic Street Preachers「The Holy Bible」(Amazon

Nine Inch Nails「The Downward Spiral」(Amazon / 日本盤1994年4月発売)

Oasis「Definitely Maybe」(Amazon

Pearl Jam「Vitalogy」(Amazon

Pink Floyd「The Division Bell」(Amazon / 日本盤1994年4月発売)

Portishead「Dummy」(Amazon

The Prodigy「Music for the Jilted Generation」(Amazon

R.E.M.「Monster」(Amazon

Radiohead「The Bends」(Amazon

Slayer「Divine Intervention」(Amazon

Suede「Dog Man Star」(Amazon

Weezer「Weezer (The Blue Album)」(Amazon


残念ながらセレクトから漏れた作品も多いです。それこそThe Beatlesの「Live at the BBC」、The Rolling Stones「Voodoo Lounge」、Nirvana「MTV Unplugged in New York」、The Stone Roses「Second Coming」といったものから、Marilyn Mansonのデビュー作「Portrait of an American Family」、Sloan「Twice Removed」、Sick of It All「Scratch the Surface」、The The「Hanky Panky」、Bonston「Walk On」、TLC「CrazySexyCool」、Van Halen「Balance」、Beck「Mellow Gold」あたりまで。カート・コバーンが亡くなって20年なんですね。そう考えると20年なんてあっという間ですよ、本当に。

※1/13 17:40加筆修正
Nine Inch Nails「The Downward Spiral」という個人的に絶対に欠かせないアルバムの存在を思い出させてくれたいっしーさんに感謝。というわけで、セレクトを一部改訂しております。

投稿: 2015 01 13 12:06 午前 [1994年の作品, 1995年の作品, Beastie Boys, Blur, Dinosaur Jr., Helmet, Jeff Buckley, Korn, Machine Head, Madonna, Manic Street Preachers, Nine Inch Nails, Oasis, Pearl Jam, Pink Floyd, Portishead, Prodigy, The, R.E.M., Radiohead, Slayer, Suede, Weezer, 「20年前」] | 固定リンク

2001/05/28

WEEZER『WEEZER (a/k/a “Green Album”)』(2001)

俺はこのアルバムのレビューに際して、もっと辛口で、昨今のギターロックファンやUKロックファンが見たらむかつくようなものを書くつもりだった。でもそれは、何もWEEZERを悪くいうものではなくて、そういうファンに対しての不信感だったり、警告のつもりで書くはずだった。そう、「だった」のだが‥‥

掲示板にもそのいきさつを書いたが、ここでも改めて簡単に書いておく。前作がそれ程世界的ヒットには繋がらず、結局このアルバムまで4年半もの間が空いているにも関わらず、彼らに対する人気は衰えを知らず、昨年のサマーソニックでのあの熱狂振りには、大ファンとは言えないこの俺までもが涙しそうな程に感動したものだ。ところが、その時点で披露された新曲は特に耳に残るような楽曲ではなく、アルバムもまだ完成には程遠かったそうだ。そこへ今年4月の来日公演。即日ソールドアウトに加え、追加公演まで。あの白熱振り‥‥実は俺、ここでちょっと引いてしまっていた。決してファンをけなすわけではないのだが‥‥「いつからWEEZERって、こんなに日本で大人気になったんだろう?」って。勿論、それに見合った作品を過去に出してきたし、昨年のサマーソニックも大きいだろう。けど、これは4年半も作品をリリースしていないバンドのものではないだろう‥‥と。素直にそう思ったのだ。

結局アルバムも遅れに遅れ、来日公演には間に合わなかった。来日から半月後、いよいよ通算3作目となるアルバムが日本先行で発表された。そしてそれがまたバカ売れしているそうだ。オリコンチャートで初登場15位、翌週も14位と大健闘している。しかも洋楽勢では同時期に発売されたMEGADETHやR.E.Mといった、ここ日本でも人気が安定している大御所を押さえての結果だ。洋楽ではWEEZERより上にランキングされていたのはJANET JACKSONとDESTINY'S CHILDだけ。つまり、ロックでは最も売れているアーティストとなる‥‥うわぁ‥‥これってヤバいんじゃ‥‥そう直感した。

ここで感じた危機感、それは「このままじゃ、WEEZERってMR.BIGになっちゃうんじゃないの?」っていう危機感。つまり、彼らの人気って今でも他の国で、こんなにあるの?っていう疑問が生じたのだ。ご存じの通り、MR.BIGはアメリカでも単発的に成功を収めたものの、日本ではBON JOVIやAEROSMITHに次ぐような人気を持っている(た?)。現在ではアルバムも、本国では日本よりも半年~1年も遅れてリリースされるくらい、レコード会社にとってもシーンにとってもそういうポジションとなってしまっている。メンバーもここ日本では芸能人並の人気を得ていて、特に元メンバーのポール・ギルバートは半帰化してしまっている程だ。

別にWEEZERが「LOVE LOVE あいしてる」に出演してKinKi Kidsのバックを務めるとは思わないし、「笑っていいとも」で鼻に豆詰め込んで飛ばすとも思えない。けど‥‥ちょっと怖かったのだ。だって、アメリカやヨーロッパでの現状がいまいち伝わってこなかったし。小規模ながらツアーをすればお客は入っていたようだが、それがどんなものだか判らなかったし、一時はレコード会社の吸収合併の問題で、契約すら危うい状態だったのだから。2年前、掲示板の方でも「WEEZERの新譜はどうなった?」とか「レコード契約がなくなった」と騒がれていたことを、今ふと思い出した。そういうこともあったから、余計かもしれない。

ところが、ところがだ。先日発表されたアメリカ・Billboard誌の最新アルバムチャートによると‥‥1位はTOOLだったものの、このWEEZERの最新作は堂々の第4位に初登場しているのだ‥‥!!! これは過去最高の順位だそうで、セールスもTOOLの約50万枚には届かないものの、既に22万枚近くの売り上げを記録している。オルタナ・ロック・チャートではシングルの"Hash Pipe"は現在2位を記録しているし、ラジオチャートでも軒並み上位を占めているらしい‥‥

現在ヨーロッパでの結果はまだ手元に入ってないが、恐らくイギリスを始め他のヨーロッパ諸国でもそれなりに成功を収めるだろう。正直、こんなに人気を維持していた、あるいは更に人気をつけていたとは思いもしなかった。だってロックがこれだけ売れない、売れないと世界中から聞こえてくるのに、堂々の4位。R.E.Mよりも、MEGADETHよりも売れているのだ。この結果を知って、正直ホッとした気持ちと、申し訳ない気持ちで胸がいっぱいになった。ファンの皆様、大変失礼しました。


で、ここからの本格的なレビュー。

とはいうものの、この内容ってそこまで売れるような内容だろうか?というのも、正直な気持ち。過去2作と比べればひねくれ具合が後退し、ストレートで聴きやすい曲が大半を占める。前作のような狂気さも感じられない。前進しようとする、ひたむきさすら感じられる。これはこれで今という時代にフィットしているし、だから両手で大歓迎されるんだろうと思う。けど、メロディの質だけ取ると‥‥これは俺の感じ方だが‥‥明らかに過去2作より劣ると思う。けど、それはレベルの高い次元での話なので、他のパワーポップ勢と比べれば雲泥の差なのだが。

最初アルバムを通して聴いた時、日本でのシングル曲"Photograph"とアメリカでのシングル曲"Hash Pipe"は既に何度も耳にしていたので別として‥‥他の曲に関して、あまり耳に残るようなタイプの楽曲がないように思えた。1曲目"Don't Let Go"はCHEAP TRICKばりのパワーとストレートさに関心したが、後半にいくに従って‥‥1曲1曲をピックアップすればいい曲だと思うのだが、どうも印象が薄い気がする。俺が最近、この手の音に興味を示さなくなっていることも関係するのかもしれないが‥‥

また、アルバムトータルで考えた場合、ボーナストラック2曲があるとないとでは、印象が大きく変わることも付け加えておく。どうも10曲目の"O Girlfriend"(なんてネーミングは、ちょっとCHEAP TRICKぽくて好きだが)で終わると、印象が薄くなるんだな‥‥ところが、ボーナストラックの2曲("The Christmas Song"と"I Do")。これが素晴らしい出来なんだわ。特に2分少々で終わる最終曲"I Do"。確かに曲としてはどうってことないのかもしれないが、これがアルバムにいいスパイスを与えている。そしてこの曲を聴き終えた後に、またアルバムをリピートしたくなるんだな、これが。そうえいば、この曲が先の来日公演での1曲目だったと聞いたが、ラストをしんみりと閉めるというよりは、さしずめ「嵐の前の静けさ」といった感じで、再びアルバムトップへと繋ぐ役割を果たしているように思う。うん、これがボーナストラック(海外ではシングルのカップリングか?)とは勿体ない。何よりも、このボーナストラックを含めた12曲で34分にも満たないという(前作よりも短い!)のは、どうなんだろう‥‥勿論、これなら毎日聴ける長さなので、ありがたいのだが‥‥4年半待たされて、これだけ?という物足りなさがあるのも事実。このアルバムの為にアルバム2枚分の楽曲をレコーディングした、とリバースは最近のインタビューで言っていたが、これならそれら全てを詰め込んでも60分に満たないんじゃないの?と思えてしまう。是非それらを全て、今後のシングルへのカップリングとして発表して欲しいものだ‥‥いや、どうせなら年内にもう1枚アルバム出せってば!

とまぁ、最終的には辛口なレビューになってしまったが、結局は俺もそれだけ期待していたからなんだろう。けど、決してその期待を裏切られたわけじゃない。素晴らしい内容なのだけど‥‥もっと出来る子(笑)だと思ってるから、俺はこれだけじゃ満足できないのよ。ホント、うちの子はもっと出来る子なんざますのよ‥‥ってところか。前向きモードに入ってるのは作品からも伺えるから、是非このペースで頑張ってくれ、リバースよっ!



▼WEEZER『WEEZER (a/k/a “Green Album”)』
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投稿: 2001 05 28 05:56 午後 [2001年の作品, Weezer] | 固定リンク

WEEZER『PINKERTON』(1996)

1stが予想以上の大ヒット(アメリカだけで200万枚以上)を記録し、波に乗ったバンドはセカンドアルバムの制作に突入。そしてアメリカでは約2年振り、ここ日本ではファーストから1年ちょっとしてから発表されたのが、この「PINKERTON」。ファーストと製作陣を一新し、プロデュースにはバンド自身が当たり、ミックスに当時売り出し中だったJACK JOSEPH PUIG(JELLYFISHや後にLUNA SEAのベーシスト、Jのソロアルバムをプロデュースする)を起用と、成功におごることなく完全に新たな気持ちで制作に挑んだ意欲作だ。

個人的な話になるが、前作のノリが肌に合わなかったため、それ程期待していなかったのだが、このアルバムを初めて視聴した時にはビックリした。背中に変な汗かきそうになったもん‥‥34分があっという間で、結局アルバム最後まで視聴してしまうという暴挙に出てしまい、結局買うはめに。更に、このアルバムで初来日を果たしたこともあって、思い入れの面では一番かもしれない。チケット、持っていたものの、仕事の都合で行けなかったんだよなぁ‥‥嗚呼‥‥

音を聴いてもらえば判るように、ファーストよりも無骨なヘヴィサウンド、そして時にヒステリックに、時に囁くように唄うリバース、より自由自在に暴れ回る楽器陣。ファーストの成功が如何に彼らに自信を与えたかが伺える。

とにかく、ファーストが個人的には「ヘロヘロ」したイメージで、悪い第一印象を受けていたので、最初にこのアルバムを聴いた時は、思わず握り拳を作ってガッツポーズしてしまった。1曲目"Tired Of Sex"の、イントロのシンバル~ドラム~ぶっといベース~ギター爆発という、パワーポップというよりはむしろHM/HR的な楽曲構成やアレンジに、彼らのルーツを垣間見る事ができる。そういえば、リバースは当時のインタビューで「最初はMOTLEY CRUEみたいなバンドをやっていて、そこからギターロック/パワーポップやガレージ系に流れていった」と発言している。ファーストのブックレットの中にもQUIET RIOT(しかもランディ・ローズ在籍時!)の写真があったり、ロゴマークがVAN HALENのパクリだったりと、その片鱗はこれまでも伺わせていたのだが、ここまであからさまに表現したことに俺は嬉しくなったりしたもんだ、当時は。この頃は「メタル」と口にするだけで非難されるような時代だったので、第一線にいるアーティスト達が「'80年代のLAメタルから影響を受けた」と発言するたびに、目頭が熱くなった。

全体的にこういったヘヴィサウンドで構成されているのだが、勿論そこはWEEZER、歌メロは前作以上に起伏のあるポップなメロディーラインを持っている。個人的には頭2曲にノリのいいヘヴィチューンを持ってきて、3曲目"No Other One"から畳み掛けるようなヘヴィ&スウィートな楽曲が続く流れに悶絶したもんだ(当然、これを書いている今もこのアルバムを聴いているのだが、やっぱりいつ聴いても痺れてしまう)。

歌詞の面ではリバースのごく個人的な、すごくプライベートなことを唄っている。残念ながら俺が持っているのは輸入盤なので、対訳はもちろん、歌詞カードも付いていないので、その歌詞を理解することができない。当時のインタビューでその辺のことを沢山語っていたな、と記憶している程度で、実際の内容は判らない。まぁ曲名を見ただけでも、その辺のことは何となく理解できそうな気もしないでもないが‥‥

前作での大成功とは裏腹に、このアルバムはヒットには恵まれなかった。ファーストとは違った作風だったためか、前作では大プッシュしたMTVも今回はプロモーションに消極的で、ラジオヒットにも恵まれなかった。最終的には50万枚以上もの売り上げを記録したものの、ツアーはファースト時よりも小規模、短期間で終了した。その後、バンドはレコード会社の吸収合併問題に巻き込まれ、契約を切られたとか再契約したとか、噂だけが先行してファンを心配させた。更にリバースはバンド活動を休止させ、ハーバード大学へと復学、ベースのマット・シャープはソロ活動の場だったRENTALSに本腰を入れるために脱退と、「このままWEEZERは解散してしまうのか‥‥!?」てな感じでファンをがっかりさせたのだった。

しかし、どういうわけか、新譜を出さないもののバンドの人気は(特にここ日本では)変わらぬまま、復活を望む声が絶えないどころか、噂が噂を呼んで新しいファンまでもを獲得していくのであった。



▼WEEZER『PINKERTON』
(amazon:国内盤CD / 海外盤CD

投稿: 2001 05 28 05:52 午後 [1996年の作品, Weezer] | 固定リンク

WEEZER『WEEZER (a/k/a “Blue Album”)』(1994)

記念すべきWEEZERのファーストアルバム。実はアメリカと日本とでは発売時期に約1年の時差があり、アメリカでは'94年5月に、ここ日本では遅れて'95年3月にリリースとなっている。これは当初、アルバム自体が本国でもそれ程プッシュされていなかったからではないだろうか? 結果としてシングル"Buddy Holly"のラジオやMTVでのヒットが要因となり、ここ日本でも知られるようになったと記憶している。

プロデュースにあたっているのは、なんとあの元THE CARSのリック・オケイセックだ。'80年代中盤をリアルタイムで通過してきた人なら覚えているだろう、彼らのことを。ジョン・マット・ランジ(DEF LEPPARDやブライアン・アダムスのプロデュースでお馴染み)も彼らをプロデュースしていて、特に代表作といえる「HEARTBEAT CITY」は名盤の1枚として俺の記憶の中に残っている。

リックのみならず、またエンジニアもクリス・ショウと、ポップ職人達が手掛けたこのアルバム。珠玉のメロディーがてんこ盛りだ。

実は俺、このアルバムが出た当時、WEEZERのことが、そしてこのアルバムが大嫌いだった。いや、アルバムはまだ聴いてないな、セカンドを先に聴いてからの、完全な後追いだから。俺が嫌いになった原因、それは先の"Buddy Holly"のビデオクリップだった。後に日本のAIRが"Today"という曲のビデオでまんまパクッているが(苦笑)、あの雰囲気やルックスがどうも苦手だったのだ(同じような理由で、当時はPAVEMENTも苦手だった)。この時期、俺はTFCからも遠ざかっていたし‥‥所謂パワーポップ的なものが苦手だったようだ。

しかし、そんな偏見を捨てた今、このアルバムは純粋に心に響く「音」を持っている。1曲目から名曲目白押しだし。KANSASの名曲"Dust In The Wind"を彷彿とさせるアルペジオが印象的な"My Name Is Jonas"、そして畳み掛けるようにスタートする超名曲"No One Else"、そのAIRがいろいろアイディアを拝借している(笑)"The World Has Turned And Left Me Here"や"Undone - The Sweater Song"、如何にもアメリカンなパワーソング"Surf Wax America"、「エレキギターを持ってバカな歌をプレイするんだ」と唄い、歌詞にKISSも登場する"In The Garage"等、数え上げればきりがない。とにかく10曲全てが名曲。文句なし‥‥って評価が一般的なんだろうな、きっと。

ただ、個人的趣味から言わせてもらえば、このサウンドプロダクションが好きになれない。「これがいいんだよ」という人もいるだろうけど、俺的には甘いっつうか‥‥これらの曲をセカンドのプロダクションで聴きたいなぁ‥‥そうすれば、本当に完璧なアルバムだったんだろうなぁと。そのプロダクションが更に彼らの歌や演奏の「ヘロヘロ」具合に拍車をかけているんだけど‥‥逆効果?俺にはそう思える(一般的な評価はそこがいいってことになってるんだろうけど)。まぁ何はともあれ、いいアルバム。最初に手を出すならこれでしょう。



▼WEEZER『WEEZER (a/k/a “Blue Album”)』
(amazon:国内盤CD / 海外盤CD

投稿: 2001 05 28 05:49 午後 [1994年の作品, Weezer] | 固定リンク

2000/08/14

「SUMMER SONIC 2000」DAY 2@富士急ハイランド・コニファーフォレスト(2000年8月6日)

  SUMMER SONIC 2000のライヴ・レポート第2弾です。記念すべき俺の誕生日に観た、29歳1発目のライヴです。例によって音楽以外の、純粋にイベントに対して思ったことは日記の方にまとめたので、そちらも併せてご覧ください。


◎AT THE DRIVE-IN

  このバンドに関しては殆ど知識がなく、ぜいぜい「レイジやBEASTIE BOYSの前座を務めた」程度のものだった。まぁこれらのバンドをキーワードに音を想像していたのだけど‥‥ビックリした。何がって‥‥そのルックスに!(笑)恐らく殆どの人が驚いたと思うが、ボーカルの奴とリードギター(左利きの方)の奴の、頭のおっきいことに‥‥って単にアフロなんだけど。更にボーカルの奴のキレっぷりが、もう‥‥何つうか‥‥ヤバかった。キチ○イ寸前っつうか?(あ、ファンの人読んでたらごめんなさい。これ、一応誉め言葉なんすよ)マイクはグルグル回すわ、右へ左へとのたうち回るわで、一瞬「品のないマイケル・モンロー」なんて喩えも浮かんだくらいだ(後で「品のないセバスチャン・バック」なんてのも思いついたが、「バズって本来下品じゃないですか?」と指摘されてしまった。う~ん、納得/笑)。

  まぁ所謂ヘヴィロックなのだけど、これが意外とメロディアスで聴きやすい。ステージアクションは派手だけど、曲は地味かもしんない。途中ボーカルの奴がキーボード(っていうかミキサー?)を駆使したりしていろんな事をやっていたのだが、基本的には暴れ系のヘヴィロック。それにしてもドラムの音が悪かったなぁ、この時は。やたらとスネアの音がスコンスコンって軽すぎて。しかも妙なリバーブまで効いてるし。

  思ったほ程ヒップホップ色はなくて、レイジからギターの変態度を低くしてメロディアスにした感じ‥‥メロウなんで実はハードロックファンにもウケる要素を持っているかもしれない。まだ国内盤は出てなくて(にも関わらずこの5月には単独来日してるし)、最近グランド・ロイヤル(BEASTIE BOYSの運営するレーベル)からEPがリリースされ、あのロス・ロビンソンがプロデュースしているという。意外と今後、大化けする可能性を持っているかもしれない。興味のある人は名前を覚えておくといいだろう。


◎LIVING END

  「オーストラリアのGREEN DAY」なんて売り文句で昨年デビューした3人組。国内盤出る前にある人に数曲聴かせてもらったことがあったけど、「いいんだけど、これといった何かがあるわけでもなく、可もなく不可もなくって感じ」で切り捨てていたバンドだけど、ライヴはどうなんだろうと興味津々。たった2曲しか知らないのに観てしまう俺も俺だが、そこがフェスの醍醐味だろう。

  オープニングS.E.には何と同郷の大先輩であるAC/DCの"TNT"をかけてしまうあたりに、自分達の国に対する誇りみたいなのが感じられた。「アメリカやイギリスに魂売ったりしねぇぜ!」ってな。同じオーストラリアからの若手というとSILVERCHAIRとか思い出すけど、どうして最近のオーストラリアからの新人ってみんな若いんだろう? やっぱ俺と同世代くらいになると、地元に落ち着いてしまって「異国で一旗揚げてやる」ってな野心は萎えてしまうのだろうか? なんて事考えてたら、メンバー3人が登場。1曲目は聴き覚えのある曲。"Riot"とかいったっけ? ギターは(遠目に見たので定かではないが)グレッチを使っているようだし、ベースは最後までウッドベースで通した。パンキッシュなバンドかと思ったけど、実はロカビリー色の方が強いんじゃないか? パンク色はあくまで時代性って事で。そう考えるとGREEN DAYというよりは、ブライアン・セッツァーが在籍したSTRAY CATSを思い出す。ギター/ボーカルのリーゼントもそれを彷彿とさせたし。

  でもなぁ‥‥正直、それほど楽しめなかった。一番唸ったのが先のAC/DCのオープニングS.Eと、最後の方でやってしまったAC/DCの"Back In Black"のイントロのみのカヴァーと、DEEP PURPLEの"Smoke On The Water"のリフのロカビリー・アレンジだもんなぁ‥‥例えば(比較するだけ野暮な気もするが敢えて)先に挙げたGREEN DAYやSTRAY CATSと比べても、曲のバリエーションが狭いんだよねぇ。まぁまだアルバム1枚しか出してない連中だから、もうじき出るであろうセカンドアルバムで何らかの変化が見られればなぁ‥‥ちょっとは印象が変わってくるかも(けど、この日披露された新曲はいまいちだった事も付け加えておこう)。俺がそれ程好きではないGREEN DAYも「NIMROD」では結構幅を広げていたので(実際、このアルバムはお気に入りだ)、こういう作品を求めてしまう‥‥これって我が儘か? まぁ悪いバンドではないので、若いし今後に期待ってとこでしょうか? きっと俺が応援しなくても、何千人って応援してくれる日本のファンがいるだろうから‥‥


◎SNAIL RAMP

  この日一発目のお楽しみバンド。実は観るのは初めて。昨年の"Mind Your Step!"で彼等の存在を知ったわけだが、あの「HEY! HEY! HEY!」でのダウンタウンとのやり取りを観た人なら、そしてこの手のバンドが好きな人なら絶対に気に入るはずだ。しかも昨年同じ場所で行われた「OUT OF HELL」っていうイベントでも、ミッシェルやBACKYARD BABIESに負けず劣らずのステージを繰り広げたと聞く。そりゃ期待するでしょう! マッドとこいつら目当てみたいなとこ、あったもんなぁ。(笑)

  まず実際に観て驚いたのは、あれだけの演奏をしながらちゃんと右へ左へと動いていること。普段はブリッツとか、それ以下のキャパの会場でライヴやってるはずだから、こういうアリーナクラスでの経験ってあまりないはずなのに、妙にアリーナ慣れしてるのが感じられた。自分の手が空いた時(マイクの前にいなくてもいい時)になると、ギターとベースはそれぞれ最右ブロックや最左ブロックまで走っていってお客を煽る。確かに去年も同じ会場だし、ここ最近こういうイベント出演も多いらしいが、それにしても‥‥敢えて名前は出さないが、他の某世界的バンドよりも上手かった気がする。(苦笑)勿論、それが全てではないが。

  演奏もしっかりしていたし、何よりもMCが面白い。「お前ら暑くて喉乾いただろう。待ってろ‥‥ほら、クッキーやる、クッキー!」って言って、水をまくと思わせておいて、本当にクッキー客席に撒くし。(爆)更にうちわを持った手を曲に合わせて前に出す仕草あるじゃない? それに対して「お前らがそういう方向でくるなら、俺達は今後ジャニーズ並に当て振り/口パクの方向性でいくからな。って言ってる今もこれ、当て振りなんだけどな?」(笑)更に後ろの方の座って観てる客に対して「お前ら、落語聞きにきてんじゃねぇぞ!」(大爆笑)こういうサブ・ギャグは俺のホームグラウンドだ!(笑)いいっ、あんた最高!((C)kojiくん)

  実はアルバムは1枚も聴いたことないし、持ってるのもシングル2枚のみだったにも関わらず、最後までダレることなく楽しめた。勿論、これからアルバムを買いに行くところだ。単独で観に行く事はないかもしれないが、もしこの先も大会場でのイベント出演があったなら、その時は喜んで観に行くだろう。


◎TRICERATOPS

  さて、ここでお客が一気に減った。昨日のDRAGON ASHの時みたいだ。「とみ宮海賊版」での日記にも書いたが(6/2のもの)本当にここに来てる「自称」ロック・ファンに嫌われてるらしい。この裏(ステージ2)って、くるりでしょ? とても今日のお客がみんなそっちに流れたとは思わないけど‥‥休憩タイムになってしまってるようだ。仕方ないっちゃあ仕方ないが‥‥

  このバンドは2度目だ。昨日から考えると初めて観るバンドがずっと続いたが、やっと安心できる存在に巡り会えたような気がした。つうか、他にも昨日スーパーカーなんてのがいたんだけど、今回は却下。だって‥‥ねぇ?(苦笑)前に観たのはもう3年前になるのか。佐野元春の「THIS!」イベントでデビュー間もない彼等を観て、一発で気に入ったのを覚えている。あれからこいつら、知らない間にこんなにデカいバンドになりやがって‥‥羨ましいぞ、畜生っ!(笑)

  さて、1曲目はサードアルバム「A FILM ABOUT THE BLUES」からの"Childhood"。何でこんなに地味な曲から始めるの? ミュージシャンとしてのプライドっつうかエゴが出てしまったんだろうけど、今日のお客さんは殆どが君達に興味がない人達ばかりなのよ。ここで一発大ヒット曲"Going To The Moon"あたりをかまさないでどうする? あるいは"Raspberry"とかさ? しかもこの曲がまた、アルバムよりも間延びしてて長い長い。どうするのさ?(苦笑)ただ、彼等をフォローするわけではないが、演奏だけはこの日で一番レベルが高かった。実際、あぁ~とか思いながらも、惹き付けられるだけのプレイをしていたし。実はここまで3バンド連続でトリオ編成なのだけど、(タイプが違うから比べるのは気が引けるが)一番バンドとしてまとまってる気がした。

  その長い曲が終わった途端に、聴き覚えのあるイントロが‥‥ここで"Going To The Moon"登場。遅いよっ!(笑)やっぱヒット曲持ってるバンドは違うわ。DRAGON ASHのとこでも書いたけど、このバンドに興味がない人でもやっぱ聴き覚えのある曲って、ちょっと心が動いてしまうんじゃないかな? この後、アルバムの曲や新曲を取り混ぜながら、基本的にはヒットメドレー的内容だった気がする。けど、自分が聴きたかった曲が全て聴けたわけではない。"Second Coming"もやらなければ"If"も"Raspberry"もやらなかったわけだし。それらを蹴ってまでやってしまったKISSのカヴァー"Take Me"には唖然というか驚愕というか‥‥和田がKISS好きなのは知っていたが、まさかここでやってしまうとは‥‥しかもエースのソロ完コピしてるし。何か微笑ましいというか‥‥そして驚いた事に、他の彼等の持ち歌と何ら違和感がなかった事。実際、KISSの曲と気づいた人はあまりいなかったようで、単純に「英詞の新曲」と思ったのではないだろうか? 最近のライヴでは定番なのかな? コアなファンではないので判らないけど。まぁちょっと得した気分だった。

  最後には"ロケットに乗って"に続いて、お約束の"I Was Made For Loving You"‥‥ではなくて(苦笑)"Fever"で終わるんだけど‥‥この曲のエンディングもかなり引っ張られてて、実際の2倍近くはあったんじゃないかな? ちょっと前にNHKで観た単独ライヴと一緒だ。フェスという性質上、もっと沢山の代表曲を聴かせる必要があったんじゃないだろうか? だったら先に挙げたようなこの日演奏されなかった代表曲をプレイすべきだったような気もする。やれば出来るいいバンドなだけに、出足と最後でマズってしまい、印象が霞んでしまった気がする‥‥惜しい、惜しいよ。


◎MANSUN

  このバンドも初めて観る。ファーストの出る前のシングル"Take It Easy Chiken"辺りから気になり出し、初来日のショーケースにも行こうかと考えてたけど、結局この日までライヴに足を運ぶ事はなかった。噂ではステージはパンキッシュだ、と聞いていたいが‥‥新作が静かな、聴き込ませる作風だったので、ライヴ自体はどうなるのか全く想像がつかなかった。実際、ライヴが始まる前も同行者と「やっぱり新曲中心なのかな?」「昔の曲はどれくらいやるのかな?」とか話してたし。俺も「"Wide Open Space"とか"Take It Easy Chiken"とかやらねぇかなぁ?」なんて淡い期待を寄せていたのだけど‥‥実際に耳に馴染んだ、あのリフからスタートするとは思ってもみなかった。

  1曲目はその"Take It Easy Chiken"からスタートしたのだから、俺の驚きようっつったらありゃしなかった。もう「キャー!」っていう黄色い歓声を越えて「グゴゥオォォ~!」なんていう腹の底からデス声出してたもん。(笑)とにかくこの日の選曲は正に理想的なフェス仕様で、ヒット曲のオンパレードだった。実際、終わってみてから「MANSUNってこんなにシングルヒット持ってたんだ」って思ったもんなぁ。それでも"Six"や"Legacy"、"Negative"なんていう曲は外されていたが(考えてみれば、セカンドからの選曲がたった2曲というのはどういう事だろう?)。新作からも3曲が披露され、見事に他の代表曲とマッチしていた。文句なしっ!

  ステージングも、ポール・ドレイパーの想像以上のやんちゃ坊主振りに驚かされたし、フロントマン然としていてかっこよかった。髪を短くしてしまって女性ファンは泣いているのかもしれないが(笑)、俺はこっちの方が好きだ。何か、佇まいが一昔前のボノ(U2)と重なって見えたのは俺だけだろうか? まぁ早い話が、それだけ存在感がある、フロントマンらしいフロントマンだったって事(でも日本語でのMC「モットサワゲ~!」は変だぞ!?/笑)

  他のメンバーでは、ギターのチャドの独特な存在感に目を奪われる機会が多かった。あの、ひとり浮いている衣装(苦笑)と金髪のせいで、どことなくクリスピアン・ミルズと重なってしまった‥‥やっぱり観たかったなぁ、クリスピアン。(涙)「SIX」あたりからチャドの存在感ってのが(音楽的にもビジュアル的にも)高まったと思うのだけど、新作ではこれが爆裂してるように感じた。そしてこの日、実際のステージを観てそれは確信へと変わった。このバンドは既にポールひとりで引っ張ってるバンドじゃないぞ、と。これが新作メインの単独ライヴとなったら、どう爆裂しまくってくれるのか‥‥ちょっとゾっとする。それにしても凄いバンドになったもんだ‥‥


◎WEEZER

  今日の俺の中での「大トリ」はWEEZERで決まりだった。何せ4年振りの来日にして、今回初めて観るんだから‥‥前回の初来日は残業で当日になってキャンセルする羽目になるし(その上、代わりに行った同僚はリバースと一緒に写真とか撮ってるし‥‥フンッ!)。つうわけで正に「念願の」という言葉がピッタリの大トリなのだ(GREEN DAYだって!? この際無視してくれ、俺は観る予定ないのだから)。

  考えてみたらレコード会社からドロップしただの、ベースのマット・シャープが抜けただの、最近はネガな話題しか耳にしてない。そういう事もあって「何故今頃‥‥」って思いがあったのも事実。そして「客、集まるのかね?」って疑い深くなってた。けど、既にMANSUNの演奏中に客がどんどん前のブロックに並んで押し寄せている‥‥これ、絶対にMANSUNの客じゃないわ。そう考えてみたら、前日の時点でWEEZERのTシャツってすぐに売り切れてたしなぁ‥‥俺、買えなかったし‥‥日本中のWEEZERファンの決起集会なのか、今日は!? それくらい集まってたのよ。昨日はこんな光景見れなかったし。日本でこんなに売れてたか!?とか余計な事を考えていたら、メンバーがステージに登場。

  ステージはファーストアルバムの"My Name Is Jonas"からスタート。続く"No One Else"と、ファースト1~2曲目でつかみはOK! リバース・クオモは相変わらずだった。この後会った友人に「逆カリスマ」とか言われてたけど、あれは確信犯以外の何者でもない。あの格好で、あの音出すんだもん‥‥WiLDHEARTSファン辺りにもアピールするその音は、相変わらず気持ちよかった。新曲も数曲披露され(いよいよ年末か年明けに発表されるそうだ!)だが、基本的にはこれまでの2枚のアルバムの曲が中心。意外なシングルのC/W曲なんかも登場したけど、やっぱいいわ、相変わらず。根強いファンに支えられてるっていうのは、バンド冥利に尽きるね? 新加入のベースも独特な、いいキャラしてるし。絶対に忘れない顔&ルックスで、ポイント高し。寝転がって弾いたりとか、飛んだり跳ねたり(って一緒か/笑)。いい意味での「バンド内の起爆剤」的役割を果たしているわ。大正解だよ、彼の起用は。

  もうね‥‥この時点で俺は燃え尽きた。一緒にデカい声で唄ったし、踊ったし。ラストは"Buddy Holly"と"Surf Wax America"の2連発だもんなぁ‥‥あれっ、俺、こんなに彼等って好きだったっけ? "Buddy Holly"とか流行った頃、あれだけ毛嫌いしてたくせして(本格的に聴くようになったの、セカンドからだし。だからファーストも後追いなのよ)。結局、この手のバンドには目がないのかな、今の俺‥‥ヘヴィな音像に乗るポップなメロディと甘いコーラス‥‥これに惹かれちゃうのか、俺。(笑)とにかく、最初の猜疑心が嘘のように、ライヴの後の俺は晴れ晴れとしていた。どんどん曇っていく空模様とは相反して‥‥


01. My Name Is Jonas
02. El Scorcho
03. No One Else
04. You Gave Your Love To Me Softly
05. Too Late To Try
06. Slob
07. Superstar
08. In The Garage
09. Why Bother
10. Say It Ain't So
11. Tired Of Sex
12. Undone
13. Buddy Holly
14. Surf Wax America


◎THE BLUETONES

  気づいてみたら俺、2日間で1度もステージ2の方に行ってない事に気づいた。同行者は初日にeastern youth、2日目はくるりを観に行っていたので、その人から「まるで小学校の体育館」という感想を耳にしていたのだ。そしてやっと、最後の最後でステージ2に足を踏み入れる時が来た。今日の大トリは既に終了しているが(俺の中で)、本当のステージ2の大トリはTEENAGE FANCLUBだ。これはもう、俺にとってはボーナストラックのようなものだった。座って観たい。とにかくその思いでいっぱいだった。そのTFCを観るために、早めに会場入りした俺。実は観るつもりじゃなかったBLUETONESをここで観ることとなった。

  それ程好きなバンドでもないし、これまでもファーストとセカンドしか聴いたことなかったので、どんなステージするか全く想像がつかなかった。2階に行きたかったのに「1階が一杯になるまで2階は解放しません!」とかほざくスタッフ。頭かち割ってやろうかとマジで思った。だって、それくらいフロアはギュウギュウ詰めの蒸し風呂状態で殺気立ってたんだぜ!? 音なんて聴いてられる環境かってぇの!(怒)こんな状況の中で数曲を耳にしたのだが‥‥駄目だった。どうもこの手の音は、生理的に駄目らしい。何時から俺はこの手の「UKロック」が駄目になってしまったのだろう? とにかく、3曲聴いた時点で2階に行くために並ぶ事にした。

  並んですぐに2階は解放され、ステージ向かって右寄りに座った。そこで更に数曲を聴くわけだが‥‥ごめんなさい、寝てしまいました。(苦笑)だってさ、そこまでの疲れが座った事によって一気に出てきたんだもん。一緒にいたぐりさん、ちょぎっふぃさんも共に居眠り‥‥いや、退屈とかそういうのじゃなくてさ‥‥でも、最後の最後でプレイされた"If..."にはちょっと聴き入ってしまったぞ?と、ちゃんとフォロー入れておかなきゃ‥‥とにかく、今の俺には必要のない音、それしか言いようがありませんです、ハイ。


◎TEENAGE FANCLUB

  で、待ちに待ったTFCの登場! それにしてもノーマン・ブレイクってあんなに小汚かったっけ?(苦笑)まぁ見てくれの話はいいか‥‥噂ではライヴは「ヘロヘロらしい」と耳にしていたが(実際に数年前、「BEAT UK」で彼等のライヴを目にした記憶があるが、言ってる事の意味は今ならよく判る)、実際に体験したのもの、それに近いものだった。(笑)けど、やっぱ曲はいいわ。いきなりデビューシングル"Everything Flows"からスタートするとは思ってなかったけど。

  曲は前作「SONGS FROM NORTHERN BRITAIN」と前々作「GRAND PRIX」からのものが中心となっていたが、10月リリース予定の新作からの曲も2曲披露された。耳慣れた曲ばかりだったので、本当に安心して聴いてられたし、心地よかった。何か、心が洗われるっつうの? そんな感じ。なのにフロアに目をやると、びっくりさ! どこぞのパンクバンドのお客が間違えて入場したんだ?って位に盛り上がってるし! しかもダイブする奴まで続出。TFCでダイブ‥‥想像つかなかった。でも考えてみりゃ、SLOAN辺りでも同じような光景を目にしたし、意外と最近のギターポップ系のライヴでは当たり前の事なのかもしれない(けど、SLOANは音楽的にもハードな面、持ってるからなぁ‥‥)。いろんな意味で新鮮だった。

  まぁヘロヘロとは言っても、そこはプロ。途中「ありゃ?」って思わせる瞬間もあるにはあったが、全体的には満足のいく内容だった。これでボーナストラック!?勿体無さ過ぎる! しかもアンコールまでやってくれちゃうし‥‥それも、俺が大好きなアルバム「BANDWAGONESQUE」の中でも格別に大好きな曲、"The Concept"だぜ!? 感涙モノだね、マジで!!! 顔はニコニコ、心は涙で洪水状態‥‥判っていただけます?(笑)GREEN DAYじゃなくてこっち選んで大正解♪ 本当に観てよかった、そう思わずにはいられない内容だった。

  これまでも、アルバムが出る度にちゃんと聴いてきてはいたのだが、こんなに真剣に聴くことになろうとは‥‥しかもJJ同盟(爆)にとっては仇同然のTFC。他人の影響とはいえ、こんなにも好きになってしまうとは‥‥SLOANの時もそうだったけど‥‥恐るべし、トルーパー佐藤氏!(爆)

  東京に向かう車中でTFCのアルバムがヘヴィローテーションだったのは、言うまでもない。ありがとう、TFC!


01. Everything Flows
02. Ain't That Enough
03. Don't Look Back
04. Start Again
05. The Sun Shines From You (新曲)
06. Mellow Doubt
07. Verisimilitude
08. I Need Direction (新曲)
09. The Shadows
10. Your Love Is The Place Where I Come From
11. Speed Of Light
12. About You
13. Neil Jung
14. Every Picture I Paint
15. Sparky's Dream
-Encore-
16. The Concept

投稿: 2000 08 14 03:34 午前 [2000年のライブ, At The Drive-In, Bluetones, The, Mansun, SUMMER SONIC, Teenage Fanclub, TRICERATOPS, Weezer] | 固定リンク