カテゴリー「Whitesnake」の27件の記事

2020年3月11日 (水)

WHITESNAKE『SAINTS AND SINNERS』(1982)

1982年11月にリリースされたWHITESNAKEの5thアルバム。日本盤は1ヶ月遅れの同年12月に発表されました。

これまで1年間隔でアルバムを制作してきたWHITESNAKEですが、本作は過去最長の1年半という期間を要してファンの手元に届けられています。もちろん、半年なんて今の感覚で言えば誤差範囲ですし、デビューからここまで休みなく走り続けてきたバンドですから、これくらいの間隔ができても別に不思議ではありません。

しかし、前作『COME AN' GET IT』(1981年)のレビューに書いたようにバンドとしてのマンネリ化が始まっていたWHITESNAKE。バンマスのデヴィッド・カヴァーデイル(Vo)は本作制作に入る前、公私ともにかなりのプレッシャーに襲われていたとのこと。そういう不安を抱えたままスタジオ入りすると、今度はバンド内がギクシャクしていることにも気づく。最初のセッション時には長年のプロデューサーであるマーティン・バーチ(DEEP PURPLERAINBOWBLACK SABBATHIRON MAIDENなど)も不在。すべてが噛み合わない状況の中、スタジオを変えるなどして制作を続けるも、カヴァーデイル的にはお手上げ状態に。

結果、アルバムは無理くり完成させられます。楽曲は全10曲中、カヴァーデイル単独で書いた楽曲が4曲と前作と同じ流れ。ほかはバーニー・マースデン(G, Vo)との共作が2曲、ミッキー・ムーディ(G)との共作が3曲、バンドメンバー6人の名前がクレジットされた1曲という内訳です。これがすべてバンドの内部分裂に関係するのかは正直定かではありませんが、確かにカヴァーデイルが単独で書いた「Bloody Luxury」や「Victim Of Love」といった楽曲は比較的よくできているほうなんですよね。

もちろん、そのほかの楽曲も素晴らしいですよ。演奏も聴くぶんにはタイトさが伝わる、前作『COME AN' GET IT』の延長線上にある作風ですし。個人的には地味に感じた前作よりも、若干派手さが復調しているような印象も受けますし。それもあってか、全体的な作風としても次作『SLIDE IT IN』(1984年)に通ずる要素がところどころから感じられます。

また、本作には「Crying In The Rain」と「Here Go I Again」という、5年後に7thアルバム『WHITESNAKE』(1987年)でリメイクする突出した2曲を含むんでいることも大きなトピックかなと。混沌とした時期のアルバムながらも、こういった突き抜けた楽曲が収録されたことで救われているのも非常に大きいと思います。

本作完成後、バンドはカヴァーデイル、ムーディ、ジョン・ロード(Key)のレコーディング参加メンバーにメル・ギャレー(G, Vo/彼はレコーディングにもコーラスで参加)、コリン・ホッジキンソン(B)、そしてコージー・パウエル(Dr)という新たな編成へとシフト。「Here Go I Again」のMVはこの布陣で撮影されたものですね(アルバム裏ジャケなどに写っているのもこの6人です)。それもあって、アルバムにはレコーディングメンバーは記載されておりません。また、そんな不安定さは結果として、数字にも表れてしまいます。リードシングル「Here Go I Again」は全英34位、アルバム自体は全英9位と、どちらも前作から数字を落とす結果に。そんな複雑な時期の、本当に混沌とした本作は大きな括りでの第1期WHITESNAKE終焉をそのまま形として表した1枚なわけです。

なお、本作は2006年のリマスター化に際し3曲のボーナストラックを追加。「Young Blood」「Saint An' Sinners」の別テイクと、未発表曲「Soul Survivor」を楽しむことができます。「Soul Survivor」は歌が入っていない未完成なものなので、完全にオマケでしかありませんが……。

 


▼WHITESNAKE『SAINTS AND SINNERS』
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2020年3月10日 (火)

WHITESNAKE『COME AN' GET IT』(1981)

1981年4月に発表されたWHITESNAKEの4thアルバム。日本盤は同年6月後半からスタートする2度目のジャパンツアーの来日記念盤として、5月に発売されました。

2作目『LOVEHUNTER』(1979年)から7ヶ月という短いスパンで発表された前作『READY AN' WILLING』(1980年)は、リードシングル「Fool For Your Loving」のスマッシュヒット(全英13位)も手伝って最高6位を記録。その成功をフォローするかのように11ヶ月後に発表された本作は、「Don't Break My Heart Again」(全英17位)、「Would I Lie To You」(同37位)とシングルヒットを連発させたことで、アルバム自体も最高2位という高ランキングを残しています。

前作から加わったイアン・ペイス(Dr/ex. DEEP PURPLE)の影響もあってか、バンドアンサンブルがよりタイトに強化された印象を持つ本作。『READY AN' WILLING』で手に入れた成功が良い形で作用された、初期の最高峰といえる内容ではないでしょうか。

モロに女性器を表した蛇の舌に苦笑してしまうというジャケットを持つ本作。序盤の「Come An' Get It」や「Hot Stuff」こそ初期2作のおおらかさが再び感じられますが、そこにはいなたさが一切感じられず、むしろ洗練された印象を受けるほど。そこから前作の影響が大いに反映された「Don't Break My Heart Again」、このバンドらしい泣きのブルース要素が最大限に発揮された「Lonely Days, Lonely Nights」と最高の流れを見せ、WHITESNAKE流“Sex, Drug, Rock 'N' Roll”を体現した軽やかなロックンロール「Wine, Women An’ Song」へと続くアナログA面の流れは、本当によくできているなと感心します。

後半(アナログB面)はいぶし銀の渋みを感じさせる名曲「Child Of Babylon」からスタート。シングルカットもされたノリの良いロックチューン「Would I Lie To You」やドス黒いリズムセクションがひたすら気持ち良い「Girl」「Hit An' Run」と流れ、どことなく「Ain't Gonna Cry No More」に似た空気(と作風)の「Till The Day I Die」で締めくくり。なんとなく地味さが目立つ1枚ですが、ブルースやR&B/ソウルをハードなサウンドで表現するという初期WHITESNAKEのコンセプトはここでひとつの完成を見ることになります。

もちろん、穿った見方をすれば「前に似たような曲、なかったっけ?」というマンネリさも見え始めています。それはデヴィッド・カヴァーデイル(Vo)のバンマスとしての甘えだったのか、あるいはミッキー・ムーディ(G)やバーニー・マースデン(G, Vo)といったソングライターたちの“才能の限界”だったのか。これまでのアルバム4作中、カヴァーデイル単独制作楽曲が4曲と過去最多なのもそういった事象の表れだったのかもしれません。

なお、本作は2006年にリマスター化されており、その際にアルバム収録曲の別ミックスやバッキング・トラックなど6曲が追加されております。個人的には必聴とは言い切れない、オマケ以外の何ものでもないテイクですので、気になる人はぜひ……といったところでしょうか。

 


▼WHITESNAKE『COME AN' GET IT』
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2020年3月 9日 (月)

WHITESNAKE『LOVEHUNTER』(1979)

1979年10月にリリースされたWHITESNAKEの2ndアルバム。日本盤は同年9月に予定されていた初来日公演にあわせて、海外より1ヶ月早く発売されたようです(が、結果的にそのジャパンツアー自体が中止に。あれ、どこかで似たような話題が。苦笑)。

デビューアルバム『TROUBLE』(1978年)が本国イギリスで50位まで上昇、続く2ndアルバムに先駆けて発表されたリードシングル「Long Way From Home」もシングルとしては初めてチャートイン(最高55位)を記録するなど、バンドとしてどんどん良い状況を作り始めていた中、満を辞してリリースされた今作は全英29位という好成績を残しています。バンドとしてようやくシーンに認められたということでしょうかね。

現在だったらコンプライアンス的にありえないであろうジャケ写が、後追いで聴き始めた中高生時代の自分にはかなりハードルが高かった本作。内容的には前作の延長線上にあるものの、よりナチュラルなブルースロック/ソウルフルなハードロックを聴かせてくれます。

シングルヒットも果たした「Long Way From Home」のおおらかなノリは、前作のオープニングとは異なるもので、スルッとアルバムに入っていける空気を作ってくれます。続く代表曲のひとつ「Walking In The Shadow Of The Blues」のクールさ、レオン・ラッセルのカバー「Help Me Thro' The Day」のアダルトな世界観と、本作が前作以上に対象年齢を上げてきたことを冒頭3曲でアピール(しているように感じました)。とにかく「Help Me Thro' The Day」でのデヴィッド・カヴァーデイル(Vo)の歌がハンパないほどの表現力で、「Ain’t No Love In The Heart Of The City」といいこのバンドにカバーをやらせたらすごいものができることを実感させられます(この際「Day Tripper」は無視する。いや、あれもよかったけどね)。

中盤に入ると、軽快さを伴うロックンロール「You 'N' Me」やアップテンポなハードロック「Mean Business」が用意されており、前作からのリスナーを手厚く迎えてくれます。が、音の質感やアレンジが前作よりも手堅くなっている印象を受け、この1年で“バンド感”がより強まったことがこういった点に形となって表れているのかなと思わされました。

アルバムを象徴するようなタイトルトラック「Lovehunter」を経て、バーニー・マースデン(G, Vo)がリードボーカルをとるグルーヴィーな「Outlaw」が良いアクセントになったり、王道なロックンロールリフを持つ「Rock 'N' Roll Woman」でうまく聴き手をノせたと思うと、1分半程度の短さにも関わらずリスナーのハートを掴んで離さない名バラード「We Wish You Well」で締めくくり。前作の延長線上にありながらも、実は少しずつ楽曲の幅を広げ始めていることがこういったところからも伝わるのではないでしょうか。

バンドとしてはまだまだ垢抜けなさが残る本作ですが、続く傑作『READY AN' WILLING』(1980年)での本格的ブレイクを前にした“プロトタイプ”と考えると本作の残した功績は非常に大きなものがあるのではないかと思います。

なお、2006年のリマスター化に際し、本作のCDには4曲のボーナストラックを追加。デビューアルバムから「Belgian Tom's Hat Trick」「Love To Keep You Warm」「Trouble」、そして「Ain't No Love In The Heart Of The City」の「BBC Radio 1」でのスタジオライブ音源を楽しむことができます。観客の入ったライブのそれとはまた違った、スタジオ音源以上のスリリングさ、生々しさを味わえるこれらのテイクは単なるおまけ以上の価値ありです。

 


▼WHITESNAKE『LOVEHUNTER』
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2020年3月 8日 (日)

WHITESNAKE『TROUBLE』(1978)

明日からスタート予定だったWHITESNAKEのジャパンツアー、再延期になっちゃいましたね。本来は昨年10月に計画されていたものが、バンド側のスケジュール再調整により半年後の3月に振り返られたわけですが、ここまで振替が続くと……最新作『FLESH & BLOOD』(2019年)リリースから間もなく1年。忘れ去られちゃいますよ。

ということで、ここ数日WHITESNAKE関連の諸作品を紹介してきましたが、しばらくの間彼らのオリジナルアルバムやライブアルバムなどを集中的に紹介することで、少しでも彼らに注目が集まることに揚力できたらと思います。

本日ピックアップしたのは、1978年10月にリリースされたWHITESNAKEの1stアルバム『TROUBLE』です。日本では翌1979年2月に発売されたようです。

1976年夏にDEEP PURPLEが解散し、デヴィッド・カヴァーデイルは1977年春に初のソロアルバム『WHITESNAKE』を、翌1978年3月には2ndソロアルバム『NORTHWIND』を順調にリリースしています。さらに、同年6月にはDAVID COVERDALE'S WHITESNAKE名義で4曲入りEP『SNAKEBITE』を発表。さらに、WHITESNAKE名義での本作が10月に発表されているとなると、かなりのハイペースで創作活動を行なっていたことがわかります。

当時のバンドメンバーはカヴァーデイル(Vo)のほか、ミッキー・ムーディ(G)、バーニー・マースデン(G, Vo)、ニール・マーレイ(B)、デイヴ・ドウル(Dr)、そしてDEEP PURPLEからそのまま行動をともにすることになったジョン・ロード(Key)という6人(EP制作時はピート・ソリーがキーボードを担当)。パープルやRAINBOWの代表作に加え、のちにIRON MAIDENの諸作品を手がけることになるマーティン・バーチをプロデューサーに迎え、ビートルズ「Day Tripper」のカバーを含む全10曲入りアルバムを完成させます。

クレジットを見ると、大半の楽曲でカヴァーデイル/ムーディ、カヴァーデイル/マースデンという共作が実現しており、3人およびバンドメンバー全員での共作曲を含めるとその数は実に7曲にもおよび、カバーを除く残り2曲はカヴァーデイルの単独制作による「Love To Keep You Warm」とミッキー・ムーディ単独制作曲「Belgian Tom's Hat Trick」という内訳になります。こうやって見ると、カヴァーデイルがリーダーではあるものの、ちゃんとバンドとして機能していることが伺えます。

オープニングの「Take Me With You」こそアップテンポのハードロック調ですが(シンセが前面に打ち出されていることで、ニューウェイヴ感も漂っていますが)、軽快なロックンロール「Lie Down」やヘヴィブルース調にアレンジされた「Day Tripper」など含め、全体的にソウルミュージックやブルースロックのテイストがかなり強い作風となっています。「Nighthawk (Vampire Blues)」や「Free Flight」なんて、そのグルーヴィーなリズムからジャズやファンクの影響も見え隠れしますし。かつ、後者ではバーニー・マースデンがボーカルを披露しているのも、このアルバムの面白いところでしょうか。しかも、なかなか良い歌声聴かせてくれるもんだから、たまらんです。

80年代後半以降のWHITESNAKEとはもはや別モノでしかありませんが、このソウルフィーリングこそがカヴァーデイルの魅力だと信じて疑わないリスナーも少なくないはず(筆者もそのひとり)。今や本作の楽曲を軸にしたライブなんて到底叶いっこあいませんが、たまには本作のことも思い出してあげてくださいね、カヴァーデイルさん。

なお、本作は2006年のリマスター化に伴い、デビューEP『SNAKEBITE』収録の4曲を追加。今でも来日のたびに披露される機会の多いボビー・ブランドの名カバー「Ain't No Love In The Heart Of The City」のスタジオバージョンや、「Come On」「Bloody Mary」といったロックンロール色の強いナンバー、スライドギターをバックに歌うカヴァーデイルの歌声がセクシーな「Steal Away」という貴重なナンバーを楽しむことができます。

 


▼WHITESNAKE『TROUBLE』
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2020年3月 7日 (土)

DAVID COVERDALE『INTO THE LIGHT』(2000)

2000年9月に発表されたデヴィッド・カヴァーデイルの3rdソロアルバム。

ソロプロジェクトの一環で制作された『RESTLESS HEART』(1997年)が結果としてWHITESNAKE名義で発表されたことで、カヴァーデイルは同作のツアーをもってWHITESNAKEを再び解散させ、本格的なソロ活動に臨みます。

レコーディングでタッグを組んだのはデヴィッド・ボウイやジョン・レノンとの共演で知られる名手アール・スリック(G)のほか、グレッグ・ビソネット(Dr)やマイク・ポーカロ(B)などと共演してきたダグ・ボッシ(G)という過去のWHITESNAKEからは想像できない面々。そこにリーヴス・ガブレルス(G/デヴィッド・ボウイTHE CUREなど)やマルコ・メンドーザ(B/ex. BLUE MURDERなど。のちにWHITESNAKEの一員に)、トニー・フランクリン(B/ex. BLUE MURDER、ex. THE FIRMなど)、デニー・カーマッシ(Dr/ex. WHITESNAKE、ex. HEARTなど)といた新旧のWHITESNAKEメンバーを含むプレイヤーがゲストとして参加することで、サウンドに華やかさを加えています。

完全なるソロ名義としては1978年の『NORTHWINDS』以来22年ぶりとなりますが、確かに今作を聴くと『NORTHWINDS』から地続きであること、と同時にWHITESNAKEから続く物語であることが伺える内容であることがわかります。

ぶっちゃけ、『RESTLESS HEART』がなかったことに感じてしまうほど、本作には華やかさが備わっている。確かに後期WHITESNAKEと比べたら地味だと思います。ですが、『RESTLESS HEART』の地味さとは別ベクトルなんですよね。ちゃんと“ソロシンガー、デヴィッド・カヴァーデイル”を盛り立てようとする鮮やかさが至るところから感じられる。それは、カヴァーデイルが単独で書いた楽曲はもちろんのこと、アール・スリックとの共作「Love Is Blind」や「Slave」、カヴァーデイル/アール/ダグの三者共作曲「Cry For Love」「Living On Love」などからも感じ取れるはずです。逆に、『RESTLESS HEART』からのリメイクとなる「Too Many Tears」はこの中に入ると本当に地味に思えてしまうのですから……ゴメンね、エイドリアン・ヴァンデンバーグさん(苦笑)。

『RESTLESS HEART』はそれ以降のWHITESNAKEのアルバムよりも“らしい”内容だった1枚でしたが、今作はそれをさらに上回る完成度ではないでしょうか。80年代の派手さを求める層には敬遠されそうですが、デヴィッド・カヴァーデイルというアーティスト/シンガーの真髄が余すところなく収められたという点においては、実は彼のキャリアにおいて本作が最後だったんじゃないか……そう思わずにはいられません。それくらい、以降の活動には毎回少なからず「?」を感じてしまうのですから(悪くはないんですけどね。でも、100%満足させてくれる内容ではないというわけです)。

無理やりキーを下げてがなりまくるのではなく、またこのテイスト/トーンのアルバムを作ってくれないかなあ……売れないだろうけど(苦笑)。

あ、ちなみに本作も現在日本盤が廃盤状態。国内ではストリーミングサービスでも聴くことができません(海外でもSpotifyのみ)。このへん、どうにかならないのかなぁ……。

 


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2020年3月 6日 (金)

WHITESNAKE『RESTLESS HEART』(1997)

1997年3月下旬に日本先行リリースされたWHITESNAKEの9thアルバム。本国イギリスでは同年6月に“DAVID COVERDALE & WHITESNAKE”名義で発表、北米では当時リリースされませんでした。

1990年に『SLIP OF THE TONGUE』(1989年)を携えたワールドツアーを終えると、WHITESNAKEとしての活動を休止させたデヴィッド・カヴァーデイル。その後、ジミー・ペイジと合流し、COVERDALE・PAGE名義でアルバム『COVERDALE・PAGE』(1993年)を発表するも、ライブは日本公演のみという短命に終わり、翌1994年にはGeffen Records時代の音源をまとめたベスト盤『GREATEST HITS』を携え、エイドリアン・ヴァンデンバーグ(G)、ルディ・サーゾ(B)という旧友に加え、COVERDALE・PAGEで活動をともにしたデニー・カーマッシ(Dr/ex. HEART)、そしてウォーレン・デ・マルティーニ(G/RATT)という意外な布陣でヨーロッパおよびジャパンツアーに臨みます。

WHITESNAKEとしてツアーがひと休止すると、カヴァーデイルはWHITESNAKEとしてではなくソロ名義でのアルバム作りに挑みます。ここでのパートナーは『SLIP OF THE TONGUE』では曲作りこそ一緒に進めたものの、腱鞘炎のためレコーディングには参加できなかったヴァンデンバーグ。1987年のWHITESNAKE加入から10年、満を辞しての本格的タッグです。

レコーディングにはヴァンデンバーグ(G)のほか、ガイ・プラット(B/PINK FLOYDゲイリー・ムーアROXY MUSICなど)、デニー・カーマッシ(Dr)、ブレット・タグル(Key/デヴィッド・リー・ロスなど)という所謂職人プレイヤーが多数参加。これだけで、本作が80年代後半の“派手なスタイル”のWHITESNAKEとは異なることが想像できることでしょう。

実際、我々の手元に届けられたアルバムもそういった内容で、70年代〜80年代初頭のWHITESNAKEを思わせるブルース/ソウルをベースにしたハードロック/ブルースロックをたっぷり楽しむことができます。

オープニングの「Don't Fade Away」の落ち着いた雰囲気は、高音でキーキー叫びまくっていた『WHITESNAKE』(1987年)や『SLIP OF THE TONGUE』とはまったく異なり、さらには『SLIDE IT IN』(1984年)ともかけ離れた世界観。タイトルトラック「Restless Heart」冒頭の低音ボイスや、AOR調のミディアムバラード「Too Many Tears」で聴かせる中音域など、どれも心地よく響くものばかり。かと思えば、女性ソウルシンガーのロレイン・エリソンの名曲カバー「Stay With Me」では途中からハイトーンでシャウトしまくり(苦笑)。もちろん、これはこれで悪くないんですけどね。

楽曲的には先にも書いたように、全体的に落ち着いた雰囲気。そりゃそうでしょう、ソロアルバムとして制作されたものなんですから。とはいえ、カヴァーデイルのキャリアを総括するように、ハードブルース「Crying」や軽快なロックンロール「You're So Fine」、セクシーなスローブルース「Take Me Back Again」、COVERDALE・PAGEの延長線上にあるブルージーなハードロック「Woman Trouble Blues」といった楽曲も用意されている。このへんはカヴァーデイルがというよりも、MANIC EDENを経てヴァンデンバーグがこういった世界観にどっぷり浸かっていたことも大きいのかな、という気がします。

結局、所属レーベル(EMI)側の要請により、日本ではWHITESNAKE名義で先行リリース。本国では最初に書いたように、“DAVID COVERDALE & WHITESNAKE”というまどろっこしい名義で世に放たれることになった本作。ソロ作として考えれば満足のいくムーディな1枚ですが、WHITESNAKEというハードロックバンドとして捉えるとインパクトに欠けてしまうのは否めません。

それもあってか本作、ここ10数年にわたり日本では廃盤状態。デジタル配信もされていません。ストリーミングサービスも海外ではSpotifyでは確認できるものの、Apple Musicでは見当たらない状況です。2000年代以降の諸作品よりも優れた“隠れた良盤”なだけに、本当に勿体ないったらありゃしません。

 


▼WHITESNAKE『RESTLESS HEART』
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2020年2月20日 (木)

BLACK SWAN『SHAKE THE WORLD』(2020)

BLACK SWANが2020年2月中旬に発表したデビューアルバム。日本盤は海外に数日遅れでリリースされています。

BLACK SWANはロビン・マッコーリー(Vo/MICHAEL SCHENKER FEST、ex. MCAULEY SCHENKER GROUPなど)、レブ・ビーチ(G/WINGERWHITESNAKEなど)、ジェフ・ピルソン(B/FOREIGNER、ex. DOKKENなど)、マット・スター(Dr/MR. BIG、エース・フレーリーなど)という80年代以降のHR/HMシーンにてたびたび名前を目にする名手たちが一堂に会した“スーパーバンド”のひとつ。昨年の今頃、ジェフがこのバンドについて言及する場面があったそうで、もともとはロビン、レブ、ジェフの3人で進めていたプロジェクトからマットに声がかかり、その数日後にはレコーディングに参加したとのこと(すでにドラム以外のパートはレコーディング済みだったそう)。

ソングライティングは上記のようにマット以外の3人で進めたのでしょう。一体この3人でどんな曲/音が作れるのか……要はMSGとWINGERとDOKKENですからね。80年代的なスタジアム・ハードロックを想像した人、ある意味正解です。けど、思ったよりも湿り気の強いメロディの正統派HR/HMだったのは、良い意味で予想を裏切ってくれてうれしかったな。

ロビンの哀愁味が強い歌声を前面に打ち出しつつ、メジャー感の強いHR/HMを表現する。もちろん、親しみやすい歌メロを備えつつ、楽器隊(主にギター)の派手さを見せることも忘れない。BON JOVIやWHITESNAKE、DEF LEPPARDなどがヒットチャートを席巻した80年代後半のUSメタルシーンを彷彿とさせる楽曲群はどれもクオリティが高いもので、ぶっちゃけ2020年の今これをやる必要があるのか?と疑問を感じることもゼロではありませんが、“やれる”人たちが“やるべきこと”をやっただけのこと。逆に、“やれる”人たち今これをやっていないから、彼らがやったと考えればいいわけで、こういったバンドが今誕生してこういうアルバムを世に放ったことは必然だったのです。

マイナーキーのミドルナンバー中心ながらも、シャッフルビートが心地よい「Big Disaster」、疾走感の強い「Shake The World」や「Unless We Change」、HEARTにも通ずるポップバラード「Make It There」、じっくり聴かせるスローナンバー「Divided/United」など楽曲も緩急に富んでいる。全11曲(日本盤ボーナストラック除く)で約57分と決して短くなないトータルランニングながらも、最後まで飽きずに楽しめるのは1曲1曲の完成度の高さや個性が際立っているからこそ。さすが職人!と納得してしまう高品質の1枚です。

ロビンはMSFではゲイリー・バーデンやグラハム・ボネットに次ぐ3番手だし、レブはWHITESNAKEでは常に2番手的扱いで、ジェフは現在のFOREIGNERでも裏方的印象が強い。マットもMR. BIGではパット・トーピーのサポートという意味合い濃厚だったので、全員が現在のシーンの中で“日陰”的存在なわけです。そういった人たちがBLACK SWAN(=黒い白鳥、コクチョウ。「予測できないことが出来事が起こる」の意)という名前で再び日陽に飛び出していく。そりゃ応援したくなりますよね。各メンバーとも自身のメインバンドでの活動が忙しいので、ツアーや来日公演などは今のところ望めそうもありませんが、ぜひ機会があったら一度ライブを観てみたいものです。きっとそのときは、各バンドのカバーもあるでしょうしね(笑)。

 


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2019年11月13日 (水)

MICHAEL SWEET『TEN』(2019)

2019年10月上旬にリリースされた、マイケル・スウィートSTRYPER)の8thソロアルバム。日本盤は1ヶ月遅れて、同年11月上旬に発売されています。

タイトルは10作目を表すってことで『TEN』なのかな。ジョージ・リンチとのSWEET & LYNCH名義の2作を含めると10作目ですしね。にしてもこの人、2013年から毎年何かしらアルバムを発表しているんですよね。2013年はSTRYPERで2作(リメイクアルバム『SECOND COMING』とオリジナルアルバム『NO MORE HELL TO PAY』)、2014年はソロアルバム『I'M NOT YOR SUICIDE』、2015年はSWEET & LYNCHで『ONLY TO RISE』とSTRYPERで『FALLEN』、2016年はソロ名義の『ONE SIDED WAR』、2017年がSWEET & LYNCHでの2作目『UNIFIED』、2018年はSTRYPERの最新作『GOD DAMN EVIL』、そして今年はこのソロアルバム。老いてなお盛ん。

さて、今回のソロアルバムですが、全12曲中11曲にフィーチャリングアーティストとしてゲストプレイヤーを迎えて制作しています。その内訳もジェフ・ルーミズ(G / ARCH ENEMY)、Marzi Montazeri(G / EXHORDER、ex. PHILIP H. ANSELMO & THE ILLEGALS)、ガスG.(G / FIREWIND)、ジョエル・ホークストラ(G / WHITESNAKE、ex. NIGHT RANGER)、トレイシー・ガンズ(G / L.A. GUNS)、リック・ワード(G / FOZZY)、トッド・ラ・トゥーレ(Vo / QUEENSRYCHE)、ウィル・ハント(Dr / EVANESCENCE)などと、とにかく豪華なメンツ。思えば前作『ONE SIDED WAR』にもウィル・ハントやジョエル・ホークストラは参加していたので、おなじみのメンツって感じですかね。

本作、元々は10曲入りの構成が基本で、「With You Till The End」と「Son Of Man」の2曲がボーナストラック扱いだったので、本来は10曲入りだから『TEN』って意味だったのかな。今となってはどうでもいい話ですが。

気になる中身ですが、2曲を除いてすべてマイケル・スウィート単独で書き下ろしたオリジナル曲。残り2曲もマイケルとジョエル・ホークストラとの共作なので、まあ全曲マイケルのオリジナルと言い切っても間違いではないでしょう。なので、従来のソロ作品の延長線上にある“メタリックで、かつポップで親しみやすいHR/HM路線”をキープしています。ファストナンバーやミドルヘヴィ、バラードとバランスよく配分されており、どの楽曲もツボを心得た作風です。が、最近のSTRYPERよりもシンプルさが際立つ楽曲が多い印象も。そこで好き嫌い(いや、嫌いはないな。好みから外れるくらいか)が分かれるかも。

ゲストプレイヤーに関しては……正直、“らしい”ものもあるし、別にクレジットがなければ気づかないといったものもある。セールスのための打ち出し方としては正しいんでしょうけど、個人的にはおまけ程度かな。とにかく曲が良くて、マイケルが力強く歌ってくれたらそれでよし。

そういった意味では、マイケルが関わる作品はどれも好きという人には間違いなく引っかかる1枚だし、STRYPERのように豪華なコーラスを重視するメロハー好きにはちょっと違うかな?と感じるんでしょうか。それはそれとして、純粋によく作り込まれたメロディアスハードロック作品のひとつであることには違いありません。うん、今回も力作でした。

 


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2019年10月 9日 (水)

WHITESNAKE『SLIP OF THE TONGUE: 30TH ANNIVERSARY EDITION』(2019)

WHITESNAKEの問題作『SLIP OF THE TONGUE』(1989年)が今年でリリース30周年。Geffen時代の音源権利がRhino Recordsに移ったこともあり、『WHITESNAKE』(1987年)『SLIDE IT IN』(1984年)に続いて最新リマスタリング&未発表音源をたっぷり追加したアニバーサリーエディションが2019年10月4日に発売されました(日本盤は少々遅れて、10月23日発売とのこと)。

『SLIP OF THE TONGUE』というアルバム自体に関しては、過去にこちらで執筆済み。そちらでは2009年に海外で発表された20周年エディションについても触れていますが、その際にはオリジナル盤からの改悪(曲順の変更)が加えられていましたが、今回の30周年盤も『WHITESNAKE』『SLIDE IT IN』同様にオリジナルとも20周年盤とも異なる新たな改悪(笑)が加えられており、さすがに頭を抱えております。

基本的にはデヴィッド・カヴァーデイル(Vo)とその側近によるアイデアなんでしょうけど……うん、アメリカかぶれしたイギリス人の考えることはわからない!とちゃぶ台をひっくり返したい気持ちです。

さてさて、30周年バージョンについてここからたっぷり書いていきますよ。本作はCD1枚モノの通常盤、CD2枚組のデラックスエディション、CD6枚+DVDからなるボックスセット(スーパーデラックスエディション)の3仕様が用意されていますが、今回ここで触れるのは未発表音源が豊富なボックスセット関して。それぞれのディスクの中身について触れていきたいと思います。

 

まずはDISC 1。こちらは最新リマスタリングを施した『SLIP OF THE TONGUE』本編に当時のシングルのみに収録された別テイクなどを追加したもの。全17曲入りで、こちらが基本となるのでしょうか。収録曲は下記のとおり。

<2019年バージョン>
01. Slip Of The Tongue
02. Kittens Got Claws
03. Cheap An' Nasty
04. Now You're Gone
05. The Deepr The Love
06. Judgment Day
07. Sailing Ships
08. Wings Of The Storm
09. Slow Pork Music
10. Fool For Your Loving 1989
11. Sweet Lady Luck (Single B-Side)
12. Now You're Gone (Chris Lord-Alge Single Remix)
13. Fool For Your Loving 1989 (Vai Voltage Mix)
14. Slip Of The Tongue (Alternate Intro & Breakdown)
15. Cheap An' Nasty (Alternate Solo & End)
16. Judgment Day (Alternate & Extended Solos)
17. Fool For Your Loving 1989 (Alternate AOR Mix With CHR Intro)

アルバム本編がM-1〜10なのですが、なんですかこの味わい深さもへったくれもない流れは……頭3曲の流れはまだいいとしても、M6「Judgment Day」〜M7「Sailing Ships」の構成は疑問しか残らない。長尺の大作を2曲並べたかったんだろうけど、アルバムの締め用に作られた壮大なアレンジの「Sailing Ships」のあとにまだ3曲も残っていて、「Sailing Ships」の余韻をぶち壊すかのように「Wings Of The Storm」が始まる。さらにエンディングが「Fool For Your Loving」て……正気ですか?

ちなみにこちら、リマスタリングといいながらも「Kittens Got Claws」がオリジナルからいじられていたりします。スティーヴ・ヴァイ(G)によるオープニングの“猫ギター”がカットされたのは明らかな変化ですが、ほかにもイントロのリフの裏で鳴っていたヴァイのソロが若干前に押し出されているような。あと、オリジナル盤では軽く感じられたドラムの音も2009年リマスター盤よりもさらに硬質にミキシングされている印象も受けました。これはこれで悪くないね(曲順を除けば)。

M-11〜13は2009年バージョンにも収録されていたもの。M-12「Now You're Gone (Chris Lord-Alge Single Remix)」は「U.S. Single Mix」として親しまれてきたものですね。さらに今回は初出の別バージョンを追加収録。M-14「Slip Of The Tongue (Alternate Intro & Breakdown)」はいきなりブラスシンセから始まるイントロ縮小&ギターソロ後のブレイクパートに変なソロ(笑)が追加されたバージョンです。いや、あの緊張感のあるブレイクにそれ入れちゃう?っていうヴァイのセンスよ……。M-15&16は文字どおり、ギターソロを差し替えたもので、M-17はM-10のミックス違い。M-14〜16に関してはオリジナルバージョンに30年慣れ親しんだこともあり、ちょっと違和感があるかな。

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2019年9月 8日 (日)

WHITESNAKE『READY AN' WILLING』(1980)

1980年5月にリリースされた、WHITESNAKEの3rdアルバム。

本作からの先行シングル「Fool For Your Loving」が初の全英トップ20入り(13位)を果たし、続く「Ready An' Willing」も最高43位のヒットに。これを受けて、アルバムも最高6位と初めて全英トップ10入りを果たすヒット作となりました。

前作『LOVEHUNTER』(1979年)のリリース後に、元DEEP PURPLEのイアン・ペイス(Dr)が加入。本作でデヴィッド・カヴァーデイル(Vo)、ミッキー・ムーディ(G)、バーニー・マースデン(G)、ニール・マーレイ(B)、ジョン・ロード(Key)という初期黄金期のメンバーが初めて揃うことになります。

ブルースベースのロック/ハードロックが基調だった彼らのサウンドに、「Ready An' Willing」のようにソウル/R&Bの色合いが強い楽曲が加わることで、バンドの音楽性も彩り豊かになり始めた時期。というか、本作がクライマックスじゃないかと思えるくらいに良曲、名演が詰まった1枚となっています。

のちにスティーヴ・ヴァイ(G)などをフィーチャーして再録される「Fool For Your Loving」も、これくらいのキーで渋くキメてくれたほうがカッコいいし、続くアップチューン「Sweet Talker」も80年代後半の彼らには真似できないものがある。「Carry Your Load」での肩の力が抜けたソウル感からは、すでに貫禄じみたものが伺えるし、名バラード「Blindman」はDEEP PURPLE時代の「Soldier Of Fortune」にも通ずる泣きの要素が満載。

後半(アナログB面)に入っても、アコースティック調でゆったり始まり、徐々に盛り上がる「Ain't Gonna Cry No More」やスローブルース「Love Man」、軽快なロックンロール「Black And Blue」、ジョン・ロードのシンセが大々的にフィーチャーされた豪快なハードロック「She's A Woman」と名曲三昧。改めて聴いてみると、本当によくできたアルバムだなと感心します。

と同時に、今のWHITESNAKEが失ったもの、真似したくても真似できないもの(それはセンス的にもバンドの方向性的にも)を嫌というほど実感させられる1枚でもあります。絶対にカヴァーデイルはこの頃に戻りたいはずなんです。でも、今のプレイヤー陣じゃ絶対にこれを再現できないし、ここに近づくこともできない(近年のライブでも「Fool For Your Loving」や「Ready An' Willing」あたりは演奏されていますけど、原曲には程遠いクオリティですし)。『サーペンスアルバス』以降を軸にしてしまっている以上は、この頃のWHITESNAKEはある意味“なかったもの”に等しいですからね。

だからってわけではないでしょうが、日本ではこの頃の諸作品は一切デジタル配信&ストリーミングサービスで聴くことができません。海外では普通に聴けるのに(念のためリンクを貼っておきますね。日本のアカウントじゃ再生できないけど)。そろそろこういうの、やめてほしいよね……。

 


▼WHITESNAKE『READY AN' WILLING』
(amazon:日本盤CD / 海外盤CD

 

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