THE WOMBATS『PROUDLY PRESENT...A GUIDE TO LOVE, LOSS AND DESPERATION』(2007)
今年のフジロックでも来日した、リバプール出身の3人組ギターポップバンドによる1stアルバム(過去に日本限定で「GIRLS, BOYS & MARSUPIALS」というアルバムがリリースされてるけど、収録曲被ってるし、今回のがワールドワイドなフルアルバムという扱いなのかな?)。ぜんぜん知らなかったんだけど、彼らはポール・マッカートニーが通った学校を改装して創設された「Liverpool Institute of Performing Arts (LIPA)」に通う生徒さんなのね。いわゆるヤンチャなギターポップバンドといった印象で、確かにそこはかとなくイギリスの香りがしますね。嫌いじゃないです。いや、むしろ好きな部類です。
実は先日「BRITISH ANTHEMS」を観に行ってきたわけですが。感想でも書こうと思ったんだけど……あまりに中途半端なバンドが多くて、途中で本当に帰りそうになるくらい、退屈さを感じる瞬間が多かったんですよ。自分はBLOOD RED SHOESから参加して、THE ENEMYを2曲観て帰ったんですが、本当に「個性を磨く」というのは大切なことであり、同時に大変なことなんだなぁと思わされたわけです。もちろん、すべてのバンドがヒドかったわけではないけど、個人的にはTHE ENEMYからはなにも感じなかったし、これが全英No.1なんだ……と逆に「う〜ん」と考え込んでしまったりで、本当にいろいろ考えさせられました。
話をTHE WOMBATSに戻すと、彼らは来年3月に再び開催されるこのイベントの第5弾に出演するんですね(会場にて発表されてました)。次回も英国でイチオシの新人バンドが数多く出演すると思いますが、彼らがどれくらい健闘するのか、そしてどれだけの個性を放つのかなどいろいろ気になるわけです。アルバムを聴く分には音の太さやキャッチーさに惹かれるものが多かったけど、実際にライブを観たら印象変わるってこともあるし。正直、このアルバムだけでは評価は難しいです。
ただ、個人的な好みでいえば、この音って嫌いじゃないんですよ。先日ライブを観たTHE CRIBSにも通ずるものがあるし、このヤンチャさを失わずに前進していってくれれば、きっと面白い存在になるはず。あんまり先物買い的なオススメとかは好きじゃないんですが、ギターポップ好きはチェックしておいて間違いないと思います。
▼THE WOMBATS「PROUDLY PRESENT...A GUIDE TO LOVE, LOSS AND DESPERATION」(amazon:日本盤/UK盤)