HELLO! PROJECT 2004 WINTER ~C'MON! ダンスワールド~@横浜アリーナ(2004年1月25日 夜公演)
安倍なつみ、モーニング娘。在籍時ラストとなる「卒業公演」、ハロー!プロジェクトの正月公演の最終日・最終公演に行ってきました。幸運にもこの日のチケットを手にすることができたわけですが‥‥実は当日(1/25)の朝になって急に「やっぱり行きたくない‥‥」という、行きたくても行けないファンに対してとても罰当たりな気紛れが発生しまして。昼頃、「ハロモに」を観るまでは本気で行くの辞める気でいたんですよ。何だろう‥‥多分直前に聴いたモーニングの新曲 "愛あらば IT'S ALL RIGHT" にがっかりしたのもあったのかな(やっぱり25日に合わせて取り上げるのなんて、止めればよかった)‥‥それとも‥‥このまま「モーニング娘。」のことが嫌いになるのが、正直怖かったのかも。とにかく、いろんな意味で自分自身に対してけじめをつけたかったし、そして「どんな未来が訪れても」最期まで看取ると決めた以上、辛い結果になろうとも、この目に焼き付けようという気持ちがね‥‥最後に勝っちゃってさ。気づいたら高速バスに乗って、新横浜に向かってた。「iPod」にぶち込んだモーニング全曲をランダム再生にして‥‥
途中寄り道をして、新横浜に着いたのは17時20分頃。丁度1回目の公演が終わった後だったらしく、会場方面から駅に向かう大行列に出くわし、途中で寄り道をしつつ、結局横浜アリーナ前に到着したのは18時前後。で、会場前が更に凄いことになってて‥‥翌日新聞記事で知ったのだけど、入場できた1万2千人の他に、会場前に5千人前後もの入場できなかった人達がいたそうで‥‥そりゃあれだけの大混雑、するわな。入場するまでに20分近くかかってたもん。
で、入場して今度は「紺野あさ美が発熱の為、出演できず」という張り紙が目に入ってくる‥‥俺、全然知らなくてさ。土曜の2回目の公演前に既にドクターストップがかかったみたいだね。可哀想というか‥‥ま、こればっかりは仕方ない。確かに「15人のモーニング娘。」はこの日で最後だけど、その後もモーニングはずっと続いていくわけだし。そこでボロボロになったところで、また翌日からはそれまで通りの慌ただしい日常に戻って行くんだもん。今は完治に専念してください。なっちもそれを願っているはずだから。
開始10分前に自分の席に到着。位置はアリーナ席、ステージ真正面ちょっと左寄りで、前から6列目。センター席の最後方よりは傾斜がついている分、観やすい。しかもここ、PA卓の真後ろでさ‥‥ずっとそっちが気になっちゃってね。
開演時間(18時半)になっても、客の入りは7割程度といったところ。多分、みんな会場前の大混雑で遅れに遅れてるんだろう‥‥時間は刻々と過ぎていく‥‥時間通り(21時まで)に終わることができるの?(18才未満のメンバーが多いからね。どうしても21時前には終了させたいわけよ)
結局10分遅れくらいで会場が暗転したのかな? とにかく無理矢理始まった感じ。まぁそれでもこの時点でほぼ入場出来てたのかな? 俺の隣の席も空いてたんだけど、ギリギリ間に合ってたようだしね。
もう始まる前から「なっちコール」が凄いのなんのって。俺がモーニングを追うようになってからは後藤真希、保田圭の卒業を経験してるけど、今回は‥‥後藤の時に匹敵するか、あるいはそれ以上か‥‥いや明らかに上でしょうね。尋常じゃない空気があったもの。
いつもの如くCGによるメンバー紹介を経て、この日の司会であるまこと(シャ乱Q)と稲葉貴子が登場して、簡単な挨拶。そして一発目にモーニング娘。おとめ組が登場‥‥
●モーニング娘。おとめ組
イントロのムーディーなパートをカットして、いきなりパーカッションがリズムインする箇所から "愛の園 ~Touch My Heart!~" がスタート。当然全員が生歌。前回が東京ドームでの極悪サウンドだったからか、かなり音が良いように聴こえた。しかも、歌もなかなかだった記憶が。やはりこの日も石川梨華以上に道重さゆみに目が行ってしまう俺。好き嫌いは別として、ホントこの子は観察してるだけで面白い。で、歌になると藤本美貴に目と耳を奪われるというね。全然異質な存在だよね、この声は。
●モーニング娘。さくら組
そのままさくら組へとバトンタッチ、"晴れ 雨 のち スキ♡" を披露。2曲目からバラードというのはちょっと‥‥って気がしたけど、もう安倍が登場した瞬間に大歓声、そんなのどうでも良くなっちゃったよ。前半、高橋愛が涙声みたいに声を枯らしてひっくり返る場面があったけど、別に泣いてたわけじゃないみたい。その後は力強く、そして切ない歌をしっかり聴かせてくれたし(保田の時に最終公演で喉が最後まで保たずに悔しい思いをしてるからね、この子は)。紺野がいない穴はそんなに感じなかったかな。ま、そんなに重要なパートを与えられた曲じゃないしね。ちなみにこの曲、テレビ等では口パクが多いですが、この日はハンドマイクでちゃんと生歌でした。彼女達の名誉の為に書いておきます。
●15(14)人合流、モーニング娘。へ
モーニング全員が揃ったところで "Go Girl ~恋のヴィクトリー~" を生歌で披露。バックダンサーとしてハロー!プロジェクト・キッズが登場、華を添える。今まで聴いた中で一番良い "Go Girl" だった気が。ま、生歌だったからってのも大きいのかな?(テレビじゃ口パクが多いしね、この曲)そんなに好きな曲ではないんだけど、素直に良いと思えたのが不思議。やっぱり最後だからかな‥‥
●MC、そして辻加護卒業報告
モーニングの歌が終わったところで、ステージ上にこの日の出演者42人(全メンバー45人中、保田は舞台の為今回のツアー全公演を、紺野とキッズ1名が風邪で欠席)が登場し、簡単な挨拶の後、1/3の衝撃の発表同様、辻希美と加護亜依の今夏卒業と、ふたりによる新ユニットでのデビューを再報告。何だか今更って気がして、ちょっとしらけたかも。
●後藤真希
再びライヴへ。とにかく予定より遅れ気味な進行の為、この日は白々しいまでのコントやMCは徹底的に排除されていたのが印象的。勿論、最後の最後の為に時間を節約してるってのもあるんだけど、こういった淡々としたライヴの方が個人的には好みかも(で、MC自体はその場その場で歌ったメンバーに手短かに喋らせればいいだけのことだし)。
とにかく、後藤のステージは相変わらず圧巻。"うわさの SEXY GUY" や "抱いてよ!PLEAS GO ON" といった煽り系のアッパーチューン連発で、会場は完全にヒートアップ。役不足感は全く感じず、むしろたったひとりのステージなのに、完全に彼女が制圧した印象。ああ、もしかしたら武道館クラスの会場を最初に埋めるハロプロ内ソロシンガーは、松浦亜弥でもなく安倍でもなく、後藤なのかもな‥‥というか、後藤なら出来るわこりゃ‥‥と確信。曲と曲の繋ぎで衣装替えを行い、"原色GAL 派手に行くべ!" へ。ここでキッズが数名ダンスで参加。ミニギターをぶら下げたりして、テレビ出演時同様のダンスをしてみせたりするんだから、侮れないっつうか。後藤は最後まで本当に良かった。完全に「ロック」だったもの。これ観ちゃったら、またソロ公演に行きたくなっちゃうわな普通。
●あぁ!
最高潮に盛り上がった後に、ちょっとクールダウン。やっと生で体験出来る「あぁ!」の登場。名曲中の名曲、"FIRST KISS" を披露するんだけど‥‥田中れいなは堂々としてたものの、他のキッズの二人はやはり経験不足というか、ちょっと物足りなさを感じました。中盤でのフェイクなんかはおおっ!?と思う瞬間もあったけど、やはりCD音源程じゃないかな、と。悪くはなかったけど、曲がスローで地味な分、もっとしっかりと聴かせて欲しかったかな、と。まぁ俺が彼女達に求めるものがレベル高過ぎるのかしら‥‥
●カントリー娘。に紺野と藤本(モーニング娘。)
紺野を欠いた4人による「カン紺藤」は、"先輩 ~LOVE AGAIN~" を歌う。紺野のパートはあさみがカバーしてたのかな? 思ったよりも全員安定していたのが印象的というか。藤本の台詞が今まで聴いた中で、一番良かった。あと、あさみが往年の堀ちえみとイメージが重なって見えたのは、ここだけの話。
●稲葉貴子&ココナッツ娘。
とうとう自分達の持ち歌さえ歌わせてもらえなくなったココナッツと、既に終了している某深夜番組で募集していた相方はどうなったの?な稲葉による、黄色5の "黄色いお空で BOOM BOOM BOOM" を、キッズをバックダンサーに迎えて熱唱。ちょっと口パクっぽかった気がしないでもないけど、まぁヘッドセットマイクって全部そういう風に聴こえちゃうから不便というか。何でこの曲を選んだのかといったら、これは間違いなく来る安倍の初ソロアルバムへの布石でしょうね(そのソロアルバムに同曲の安倍ソロバージョンが収録されていますからね)。ま、選曲自体は全然いいと思うし、歌えるメンツによるものだったから安心して聴いてられたんだけど‥‥なんか腑に落ちないというか‥‥
●前田有紀
ゆきどんは、元旦にリリースされたばかりの新曲 "さらさらの川" を披露。本当に一番安心して「歌」を聴いていられるのは、この人だけかも。曲自体は演歌というよりも、歌謡曲とニューミュージックの中間といった印象。ドンズバの演歌路線を狙わず、例えば氷川きよしみたいな路線を突き進んでいけば、間違いなくブレイクできるだけの実力と才能を持ってると思うんだけど。バックに五木ひろしもついてるのにね。不思議だ。この人の曲がオリコンの100位以内にも入らないってのがどうにも‥‥アピールする層が確実に間違ってる気もしないではないけどね。
●飯田圭織
圭織のソロは過去2枚リリースされたカバーアルバムからではなく、つんく♂の手による完全なる新曲、"エーゲ海に抱かれて" でした。作詞はつんく♂ではなく、三浦徳子というのがそれっぽくて印象的。楽曲自体はエーゲ海というよりも、後期WINK辺りが歌いそうな、そんな異国情緒漂うニューミュージック風な1曲。悪くない。もしかしたらこういう曲、圭織にしか歌えないのでは‥‥なんて気も。ま、たった1回しか聴いてないので、ちゃんとした評価はまた後ほどってことで。
●ZYX
本当はここでコントをやるんだろうけど、さすがに時間がないのか、まこと&稲葉と、新垣理沙と松浦によるショートコント風MCでお茶を濁す。そしてZYXの登場。"白いTOKYO" を披露。実はこの日のステージ、過去のハロコンと大きな違いがありまして。アリーナ中央まで約50メートル程度の花道があって、その先にミニステージが用意されてるんですよ。後藤なんかは途中でここまで走ってきて歌ってくれたんですが(しかも俺の位置からだと、かなり近い)、ZYXの場合は最初からこのミニステージに登場。矢口真里と5人のキッズによるユニットなのですが‥‥矢口、ちっちゃーっ!ってのが第一印象。そして‥‥残念ながら、口パクでした。ええ、間違いなく。いや、以前聴いた話だと、完全にマイクオフというのは葉ロプロの場合はなくて、若干オンになってるみたいですが‥‥生声を聞き取ることはできませんでした。それは矢口にしても同じ。残念だなぁ、曲もパフォーマンスも最高に良かったのにさ。
●ミニモニ。
間髪入れずにミニモニ。の登場。こちらは "CRAZY ABOUT YOU" を披露。当然口パク(のように聴こえた)。しかも珍しくショートバージョンだし(ミニモニ。の曲って3分程度のものが多いからってのと、子供に人気があるから、フルコーラスで歌われることが多いんだけどなぁ)。
●中澤裕子
ハロプロ界のドン、中澤の登場。スツールに座りながら新曲 "元気のない日の子守唄" を歌う。この曲、ゆきどんの曲と全く同じメンツによる楽曲で、つんく♂曲じゃないんだよね‥‥それだからか、非常に新鮮な印象を受けました。これも古き良き時代のニューミュージックと歌謡曲の中間といった印象で、悪くないと思います(アレンジが高橋諭一というのもまた良し)。まぁ売れるか売れないかで言えば、確実に売れないタイプのど真ん中だと思いますが‥‥
●メロン記念日
メロンはいきなり "MI DA RA摩天楼" で登場。懸念された斉藤瞳の腰ですが、この日観た限りではかなり良くなっている印象を受けました。ダンスも特にこれまでと同じように踊ってたし。そして何よりも、続く "かわいい彼" の時にはメインステージから花道を駆け抜けてミニステージまで移動し、サビパートでは斉藤もあの「胸を揺らさんばかりの」派手なダンスをちゃんと披露。ああ大丈夫だ、と一安心(どういう基準だよそれ)。そしてワンコーラス歌うと再びメインステージまで走って戻り、息もそんなに切れてないような感じでフィニッシュ。うん、文句なしに良かった。春ツアーはちょっと観れるか観れないか微妙なんだけど、大丈夫。この調子でいけば今年も‥‥後は「曲」だな、うん。
●松浦亜弥
メロンでひとしきり盛り上がった後、ある意味主役である(はずの)あやや登場。いきなり数日後にリリース予定の新曲 "奇跡の香りダンス。" からスタートというのが憎い。これ、賛否両論かと思いますが、個人的には結構好き。いや、かなり好きかも。細かな分析はレビューに譲るとして、アルバムと同時期に録音したものの、ハッキリとした違いが感じられますよね。この「狙ってる」感が如何にもシングルといった印象。軽いMCの後に "THE LAST NIGHT" をワンコーラス歌い、そのままメドレー風に "GOOD BYE 夏男" に突入。ここで花道を走り抜けミニステージへ。何故かキッズも登場して、一緒に同じ振り付けで踊る。ま、邪魔に感じなかったからいいけど‥‥ジャニーズの線を狙ってるとは思うんだけど、正直まだまだ。もっと鍛錬が必要かな、と。
松浦自体は、昨年末に観たライヴと比べれば全然調子が良さそう。ま、たった数曲だしな、こっちは。例の「口パク疑惑」でネット界は騒然らしいけど、別に俺は驚きもしなかったけどね。ま、行った人なら判ると思うけど、全部が全部口パクってわけじゃないし、特に昨年後半は酷い状態だったからねぇ。キャンセルされるのと、曲数大幅に減らされるのと、口パクで数カ所カバーするのと、一体どれがいいっていうの? 俺には正直判りません。観た人が気づいてガッカリするならまだしも‥‥(つうか「ハロプロ」だぜ!? 何をそんなに神格化してるんでしょうか? タイプは違うけど、BON JOVIやAEROSMITHだって曲によってはテープ(A-DAT)とか使って誤摩化してるじゃんか、と。って俺が言ったところで始まらないけどな。あと、俺は別に松浦をフォローしたりとか庇護してるわけじゃないから。現実としてそんなのいくらでもあるよ、と言ってるだけ。それを聞いて俺は別に驚きもしなかったって話です)
●再び、モーニング娘。
モーニング娘。の本編スタート。これが安倍のラストステージ、15人編成の正真正銘のラスト‥‥まずは新曲 "愛あらば IT'S ALL RIGHT" でスタート。しかもフルコーラス。確かにこの時期に、このラストステージで歌われたら‥‥良いと言わざるを得ないわな普通。けどさ‥‥俺はやっぱり‥‥どうにも入り込めなかったよ。個人的には "Go Girl ~恋のヴィクトリー~" よりも駄曲、と敢えて言わせていただきます。スクリーンには安倍を中心として映し出しているんだけど、個人的にどうしても目が行くのは、毎度のことながら道重。ホント観てて飽きないわな、この子は‥‥。
14人でのMCを済ませ、そのまま "シャボン玉" へ。興味深かったのは、道重の「なのに、どこ行ったんだよ~!」と「シャボン玉ぁ~!」っていう叫び声、あれが生声だったこと。これまではテレビ同様、カラオケだったのに‥‥それだけ彼女の成長が著しいってこと? しかもいい声してやがんの。ちょっと嬉しい驚き。ただ、石川のセリフ以降がカットされ、ワンコーラスのみというのが‥‥そのままメドレーで "ザ☆ピース!" に突入。この曲の時に花道を通りミニステージへ移動。間近で石川のセリフパートを堪能。本編最後は "そうだ!We're ALIVE" のショートバージョン。俺はてっきり "ここにいるぜぇ!" で締めるのかと思ってたんだけど。意外といえば意外だけど、モーニング娘。のテーマとも言える内容の楽曲なので、これで正解だったのかな。とにかく全員が力一杯この瞬間を楽しんでいるのが、手に取るように確認できました。そして終了。いつも通り袖に引っ込んでいく14人。最後に安倍も‥‥
ここでアンコールを求める声が「なっちコール」に。と同時に、会場一面を包み込む真っ白なサイリウムの海。これ、ネット上でいろいろ賛否両論あったやつでしょ、やる前から。「サイリウムの海で埋め尽くすことが恒例行事」となるのが嫌、って人の気持ちも判るし、実は俺も反対派なんだよね‥‥「タンポポ畑」を大切にしたいからさ。ま、保田の時までだよな、って思ってたんだけど、今回もやるのか‥‥しかも開演前、客席ひとりひとりに配り回ってる一部のファンがいたりして、半ば強制的に「やらされてる」感。実は俺もサイリウム、渡されそうになったんだけど「俺、こういうの嫌なんで」と断ってるんです。アンコールを求める最中にも後ろの席の人に無理矢理勧められたんだけど、やっぱり頑に拒否。この日、殆どのことが笑って済ませられたけど、これだけはどうしても嫌だったからさ。
そして、まこと&稲葉のMCに導かれるように、ドレスアップした安倍が再登場。が、ステージに現れた瞬間、その光景を目にして手で顔を覆ってしまう。暫くそのまま動けない安倍。何度か何か言おうとするも、すぐに「なっちコール」と白い海の光景にやられ、号泣。軽いコメントをした後、ゆっくりと花道を歩き、周りを見回しまた歩き、そのままミニステージへ。この後のコメント等はスポース新聞やその手のサイトでいろいろ書かれてるので割愛。「心を込めて歌います」と、"22歳の私" を熱唱。歌っている時はしっかり歌に集中。そこはさすがというか。歌い終えるとメインステージに戻ってくんだけど、そこには13人のメンバーの姿が。飯田に花束を渡されて、強く抱き合う二人。俺、ここで‥‥それまでこの「卒業劇」に何の感慨も湧かなかったのに、急に涙が‥‥ここからはただただ、ひたすら涙を流すばかり。どうして泣いたのか、俺にも判らないのよ‥‥メンバーにもらい泣きってのもあるんだろうけど、なんていうか‥‥何かが終わる瞬間を見てしまったからかな。うん、今でもよく判らないんだけどさ‥‥。
まず飯田が欠席した紺野からの手紙を読み、それに続いて6期メンバーからひとりずつ送辞。田中、道重、亀井、藤本、新垣、高橋‥‥新垣があんなに泣き崩れてる姿、初めて見た。やはり安倍に憧れてモーニング娘。になった子だからな。高橋も、保田の卒業の時は悔しい思いをしたけど、今日は(まぁ出番が少なかったからかもしれないけど)思う存分力を発揮できたんじゃないでしょうか。そして小川も泣き崩れて言葉にならず。続いて4期。加護‥‥この子も泣いて泣いて。笑顔で送り出すのが信条らしい吉澤も、笑顔を引き攣らせながらも目には涙を溜めてる。そして‥‥辻。既にひとりでは立っていられず、飯田と石川に両脇から抱えられ、後ろから矢口が支えている状態。引き笑いというのがよくあるけど、彼女の場合「引き泣き」というか‥‥明らかに過呼吸気味。過呼吸持ち及び経験者ならば、あれがそうだってこと、一目で判ると思うよ。見てて俺、「あ、ヤバイよ‥‥」って瞬時に思ったもん。結局、殆ど言葉らしい言葉も発せぬまま安倍に強く抱かれ、戻っていったんだけど‥‥途中で座り込んでしまってね。慌ててスタッフ2人がやってきて、彼女を両脇から抱えてステージ袖へ運んでいって‥‥この瞬間、客席から小さい、しかもかなりのロートーンで「えぇ~‥‥」という、声にならない声が‥‥ここで俺、完全に醒めちゃってさ。涙は完全に止まっちゃった。その後、石川、矢口、飯田が言葉を掛けて行ったんだけど、やはり飯田とのやり取りが一番ググッとくるものが。けど泣けなかったんだけど。
辻を欠いた13人になってしまいながらも、ホントに「15人編成のモーニング娘。」として最期の曲となったのが、"ふるさと"。フルコーラスで歌われてました。ワンコーラス目は普通に歌い、ツーコーラス目から6期、5期、4期‥‥という順番で安倍が各メンバーの元へと立ち寄り、微笑みかけながら歌うのね。ああ、やっぱり安倍は強い子だな、彼女ならこの先も大丈夫だ、って直感で思った瞬間でした。楽観的過ぎるかもしれないけど、そう思えたのよ‥‥ま、あの場に居た多くのファンは悲壮感と絶望感しか感じなかっただろうけどさ。
再びステージを去ったモーニング娘。‥‥まこと&稲葉が再び戻ってきてコメントするんだけど、明らかに稲葉が感極まってるのが判りました。ここで辻について、感極まりすぎて立っていられなくなった、ステージの袖から見てるので大丈夫、とのこと。ま、辻が過呼吸持ちだというのはファンなら知ってる承知の事実。多分少なからず「事実はもっと深刻なんじゃねぇの?」と疑っている人はいたはず。そう、俺を含めてね‥‥この日の出演者が1組ずつステージに呼ばれて行くんだけど‥‥カントリーのあさみや中澤は明らかに泣いた後っぽかった。特に中澤は‥‥完全に号泣した後といった印象。最後にモーニングが戻ってくるんだけど‥‥俺は途中まで気づかなかったんだけど、加護の姿がなかったようでして。終了時に報告された話によると、辻同様感極まりすぎてステージに戻れなかった、と。確かに彼女もかなり酷い泣きっぷりだったけど、立てなくなる程だったか‥‥後でDVDが出たら確認し直そう。結局最後の最後は12人になったモーニング、ハローとしても総勢40人‥‥ホントの最後に歌われたのは "でっかい宇宙に愛がある" でした。矢口は泣き崩れて歌にならない状態。それを優しく包み込むように支える中澤‥‥安倍のラスト公演が何故モーニング娘。としてのライヴじゃないのか!?と疑問視する声が多いけど、俺はハロコンで正解だったように思います。多分、モーニング娘。の残された14人だけじゃ、「安倍なつみ、卒業」という現実を抱えきれなかったんじゃないかな、と。中澤や後藤といった元メンバー、モーニングのツアーでいつも一緒になるカントリーやココナッツの面々、そして古い付き合いとなる稲葉といった顔馴染みが多い中で彼女を送り出すのが、「モーニング娘。の顔」だった安倍にはピッタリだったのかもしれない‥‥今はそう思ってます。勿論、これに同意してもらおうとは思わないし、人それぞれ思いや考えは違うだろうからさ‥‥否定だけはして欲しくないな、と。俺も他人の考えを否定するつもりは毛頭ないけどね。
最後の最後、一番最後の「愛とな~る!」のフレーズが終わった瞬間。全てが終わった‥‥ある意味、「世界の終わり」。あるいは「夏休みの終わり」‥‥俺にとっての「永遠の夏休み」が終わりを告げようとしてるのかもしれない‥‥そんな寂しさが、いきなり襲ってきて、再び涙が‥‥メンバーがひとり、またひとりと去っていき、最後にステージ上に残ったのが安倍、飯田、矢口、そして中澤という1~2期メンバー。もしこの日、保田が参加してたら間違いなくこの中にいたはず‥‥6年間、戦い抜いた戦友、ライバル、親愛なる家族。いや、そんな陳腐な言葉じゃ言い表せない程の繋がりを持つ1~2期メンバーが最後の最後までステージに残ったことが、非常に印象深く、そして「ひとつの時代」が終わったことを実感させる瞬間でもあったのです‥‥少なくとも、俺にとってはね‥‥
ステージ上に誰も居なくなっても、「なっちコール」は収まらず、更に強くなる一方。エンディングSEとして "Go Girl" のカラオケが流されたんだけど、みんなそれに合わせて普通にPPPHとか入れてるし‥‥俺はというと、ぐったりと自分の席に座り込んで、俯いたまま物思いに耽るばかり。時々涙流したりなんかしてね‥‥何で泣いてるのか、自分でも理由が判らないのにね‥‥
約2時間半に及ぶ長丁場が終了し、会場外に出ると救急車が‥‥瞬時に「辻? 加護??」と思ったけど、結局判らず終い。そのままとぼとぼと新横浜の駅に向かい、電車を乗り継いで帰路に着いたのですが‥‥帰りの電車やバスでも「iPod」に入れたモーニングをランダムに流しっぱなし。しかもプレイボタンを押した瞬間に流れたのが、よりによって "ふるさと" だったという偶然‥‥帰りの高速バス、誰にも気づかれないようにひとり涙を流してたのはこの俺です。
あれから2日が経ち、少しは気持ちの整理がついた俺。今思うのは‥‥別に安倍が居なくなったからといって、そんなすぐにモーニング娘。に対して興味がなくなるなんてことはなく、今日もこうやってこのレポートを書きながら彼女達の曲を、いつも通り聴いてるし。つまり、本当の意味での「答え」は、歌番組やライヴで「安倍のいないモーニング娘。」を目撃した時、初めて出るんだと思います。勿論、その時にちゃんと答えが出るかどうかは判りませんけどね‥‥いや、答えなんて最初っからないのかもしれない。ただひとつ言えるのは、ここまで来た以上、最後の最後まで‥‥今までとは違う形になるけど‥‥彼女達の最期を看取ってやろう、と。ライヴに行く回数も減るだろうし、あるいはこれが最後のライヴになって、もう二度と行かないのかもしれない‥‥その「答え」が見つかってしまったとしても、そのまま自分に嘘をついて、悲鳴をあげながら失速していく彼女達を見守っていくのかもね‥‥今はそんな気がします。
「安倍なつみが在籍した『モーニング娘。』」はこの日を最後に完結しました。けど、「安倍なつみが愛した『モーニング娘。』」はまだ存在しています。抜け殻と言われようが、そこに存在している以上、俺は目を背けずに直視していくつもりです。その覚悟はもう十分に出来てますから‥‥。
[SETLIST]
01. 愛の園 ~Touch My Heart!~ [モーニング娘。おとめ組]
02. 晴れ 雨 のち スキ♡ [モーニング娘。さくら組]
03. Go Girl ~恋のヴィクトリー~ [モーニング娘。]
---MC [全員&辻加護卒業報告]---
04. うわさの SEXY GUY [後藤真希]
05. 抱いてよ!PLEAS GO ON [後藤真希]
06. 原色GAL 派手に行くべ! [後藤真希]
---MC [まこと&後藤]---
07. FIRST KISS [あぁ!]
08. 先輩 ~LOVE AGAIN~ [カントリー娘。に紺野と藤本(モーニング娘。)]
09. 黄色いお空で BOOM BOOM BOOM [稲葉貴子&ココナッツ娘。]
10. さらさらの川 [前田有紀]
11. エーゲ海に抱かれて [飯田圭織]
---MC [まこと/稲葉/松浦/新垣]---
12. 白いTOKYO [ZYX]
13. CRAZY ABOUT YOU [ミニモニ。]
14. 元気のない日の子守唄 [中澤裕子]
15. MI DA RA摩天楼 [メロン記念日]
16. かわいい彼 [メロン記念日]
17. 奇跡の香りダンス。 [松浦亜弥]
---MC [松浦亜弥]---
18. THE LAST NIGHT [松浦亜弥]
19. GOOD BYE 夏男 [松浦亜弥]
20. 愛あらば IT'S ALL RIGHT [モーニング娘。]
---MC [モーニング娘。]---
21. シャボン玉 [モーニング娘。]
22. ザ☆ピース! [モーニング娘。]
23. そうだ!We're ALIVE [モーニング娘。]
---ENCORE---
---MC [安倍]---
24. 22歳の私 [安倍なつみ]
---MC [娘。から安倍への送辞]---
25. ふるさと [モーニング娘。]
---MC [全員]---
26. でっかい宇宙に愛がある [全員]
---S.E. [Go Girl ~恋のヴィクトリー~]---
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